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初場所を振り返って

2012-02-03 16:16:41 | まらずもう新聞編集部のまらずもう分析

 たつ年2012年最初の本場所は、ここまでまらずもうを引っ張ってきた雲虎の突然の引退という衝撃の幕開けとなった。現代まらずもうの第一人者として長く番付最高位に君臨、この初場所新横綱となった摩羅の川に東の正位置を奪われたばかりとはいえ、昨年秋にも全勝優勝を成し遂げており、まだまだこれから、正位置奪回なるかと注目されていた矢先の引退発表、大日本毛呂乃教問題の影響が少なからずあったようだが…。現代まらずもう初の優勝者、初の三役、そして初の大関・横綱として歴史にその名を刻んだ雲虎。場所直前に彼の抜けた穴は大きい。だが、ヌけた穴があったら、即埋めてこそのまらずもう力士。雲虎の全盛期を知る上位力士たちはこぞって奮起したが、それが気負いとなって歯車を狂わせてしまった力士も少なくない。まずは新横綱として雲虎と東西に並び立ち、史上初の連覇を目指していた摩羅の川。新横綱の重圧に加え、突如として一人横綱の重責までもがのしかかったせいか、初日不戦敗。思い起こせば雲虎も横綱としての初日は黒星だった。責任ある地位に立った者にしかわからない、はかりしれない重圧がまらにおしかかるのだろう。2日目から持ち直して連勝するも、この1敗が最後まで響く形になった。雲虎の弟弟子・月乃猫もショックは大きかったのか、初日の相撲を取った後、休場を発表。自らの手で雲虎に引導を渡すべく、大関までたどり着き、あと一歩間にあわなかった形の達人大関・汚痔も、初日黒星。そんな中抜け出し、みごとに穴をふさいで見せたのは、新鋭の小結・家満だった。

 先場所、大相撲の千代の富士を上回る54連勝を記録していた家満は、今場所も淡々と勝ち進み全勝優勝。不滅と言われた大相撲・双葉山の連勝記録「69」に並んだ。こう書いただけではあまりに淡々としてしまうが、本人の取り口が余りに淡々とし過ぎているため仕方ない。なにせ奇人・変人の集うまらずもう界にあって、真面目一本槍が売りという異能力士。だれもが「負けるから面白い。勝ってる間は負けるための振り」と思いながら相撲を取り続ける中、ただただ勝ち続ける。古参力士は、「あんな勝ちばっかりじゃ、何が楽しくて相撲を取ってるのかわからん」と首をひねるほど。だがこれあがまた強い。ただただ、ただ単に強い。悪くいえば面白みに欠ける、良くいえば正確無比の安定感を誇る相撲ぶりに「勃起サイボーグ」の異名をとるこの男、15日間で、やや危ない相撲が1度あっただけ。「これだけ連勝したら、負けたときのネタをどうしようか怖くなる。自分はこんなにハードルはあげられん」とはある現役力士の弁。しかし勃起サイボーグの心は揺らぐことなく、淡々と立ち続ける。揺らがないサイボーグ、負けたときのことなど考えず、ただただ勝ち進むだけなのだろう。ここまで69連勝、来場所は関脇だが、この勢いからして史上初の連覇達成の期待も膨らむ。これに対し、一人横綱となった摩羅の川がいかに横綱の意地を見せるのか。今場所初日つまづいた以降は、横綱らしい相撲を見せ14連勝。東西横綱が揃ったのもつかの間、また一人横綱に戻ってしまったまらずもうだが、家満・摩羅の川の「マンまら時代」はすぐそこまで来ているのかもしれない。そして忘れてはならないのが綱獲りだった大関・毛呂乃。今場所も終盤、関東に精子を撒き散らすなど大暴れ。立ったまらが地面に突き刺さり、判定不能で黒星という痛い敗戦を除いて14勝。こちらも相変わらず横綱候補、まだ来場所も関脇の家満よりも先に、横綱昇進のチャンスは続く。「まんマラ時代」か、あるいは「まらの毛時代」か。相撲の神様は、春場所にどんな答えを導くのだろうか。

 横綱の抜けた穴が心配されたが、新鋭、家満という「下からの突き上げ」で隆盛を見せたまらずもう。やはり下からの突き上げという刺激は不可欠。ここのところ幕内では好成績での優勝者が毎場所出ている一方で、十両以下格段の優勝者があまりでなくなっているのが懸案事項。これはイキのいい力士はほぼ上に上がってしまったことを意味している。下位力士にも金精山・陸奥里ら有望力士は見られるが、下からの突き上げがもっともっと欲しいところ。広報部を兼任する玉椿の怠慢によるところが大きいが、新弟子の参戦をぜひとも期待したい。

 
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