期待が大きいと、失望も大きい。
90年代のアメリカで最も話題になったミステリー作家の一人がパトリシア・コーンウェルだと思う。デビュー作「検屍官」は実に面白かった。当然にシリーズ化され、私も楽しみに読んでいた。
そのコーンウェルが新しいシリーズを始めたというので、期待に胸を膨らまして読んだのが表題の本だ。ところがだ、これは要するに「顔見せ興行」のようなもの。登場人物を紹介することが目的で、とてもミステリーとは言えない。
そりゃ、随所にコーンウェルらしい仕掛けは、いくつも散りばめられているが、ミステリーを期待した私としては失望も甚だしい。なんだか、TVドラマのシリーズ化を目指しているような感じがあって、不純な印象を拭いきれない。
面白い作品のシリーズ化は、私とて望ましいと思うが、まだ始まったばかりで、面白いかどうかも分らない作品なのだから、少々あつかましい。
既に次の作品も刊行されていると思うので、読んでみてから判断すべきだと思う。思うが、少々気がそがれた。コーンウェルのことだから、きっと面白いはずだが、どうも出だしがこれでは先が思いやられる。
ちょっと、いい気になりすぎじゃあないかねえ。
90年代のアメリカで最も話題になったミステリー作家の一人がパトリシア・コーンウェルだと思う。デビュー作「検屍官」は実に面白かった。当然にシリーズ化され、私も楽しみに読んでいた。
そのコーンウェルが新しいシリーズを始めたというので、期待に胸を膨らまして読んだのが表題の本だ。ところがだ、これは要するに「顔見せ興行」のようなもの。登場人物を紹介することが目的で、とてもミステリーとは言えない。
そりゃ、随所にコーンウェルらしい仕掛けは、いくつも散りばめられているが、ミステリーを期待した私としては失望も甚だしい。なんだか、TVドラマのシリーズ化を目指しているような感じがあって、不純な印象を拭いきれない。
面白い作品のシリーズ化は、私とて望ましいと思うが、まだ始まったばかりで、面白いかどうかも分らない作品なのだから、少々あつかましい。
既に次の作品も刊行されていると思うので、読んでみてから判断すべきだと思う。思うが、少々気がそがれた。コーンウェルのことだから、きっと面白いはずだが、どうも出だしがこれでは先が思いやられる。
ちょっと、いい気になりすぎじゃあないかねえ。