ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

「パイプの煙」 團伊玖磨

2007-08-08 09:26:37 | 
少し旧聞になるが、全世界のウェブ上にあるブログの数は8000万にもなるという。

そのブログへの投稿の今年上半期のトップは39%で日本語だという。2位が英語で37%というから驚いた。ウェブ上で使われる言語の大半が英語のはずだから、ブログにおける日本語の突出ぶりが窺われる。

ちなみに英語で書かれたブログの多くは、政治社会情勢の自分なりの分析や意見を述べたものだという。一方、日本語で書かれたブログの大半は日常生活の諸事を書いた日記形態が大半だという。文字通り電子日記の様相を呈している。

日記という表現形式が、平安時代の頃から男女を問わずなされていた日本ならではの現象な気がする。しかし、まあ、不思議に思えるのは、日記とは本来私的であり、内省的な性格を有するがゆえに公開を目的としたものではないはず。にもかかわらず、公開を前提としたウェブ上に書かれているのだから不思議だ。

かくいう、このブログにしたところで読書日記の性格が強い。自己顕示欲の現れだと指摘されれば、その通りと首肯せざるえない。もっとも私自身は、自分の考えをまとめるためであったり、文章修行のつもりであったりする。

出来ることなら、短い文章で自分の考えを伝えられるようになりたいと願っている。ところが、これが難しい。日常生活においてもお喋り好きで、饒舌に過ぎるせいか、文章も徒に長い。もっと推敲をしなければならないと思うが、仕事の合間に書いているせいか、しばしば疎かにしているのは否定しがたい。

週末に、のんびりと他の人の書かれたブログを読んでいると、時折短い文節に明白な想いを感じさせるものに遭遇することがある。他の人の文を読むのも、またいい勉強になる。

でも、やはりプロの文筆業の人が書いたものには敵わないと思う。表題の本は、私が初めて読んだ随筆だと思う。この人は巧い。既に故人だが、文章のリズムとか、文節の切り方なんかは絶妙だと思う。多分、若い頃漢籍に親しんでいたことが、その国語力の根底にあると思う。

さすがに、今から漢籍を嗜もうとまでは思わないが、この人の随筆は手元に置いて時々楽しんで読んでいます。
コメント (6)
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