今年は年齢からくる衰えに悩んだ一年であった。
コロナ禍で家にこもる期間が長かったのも一因だとは思うが、それ以上にこれまで見てみぬふりをしてきた年齢からくる衰えを認めざるを得なかった。仕事のペースも落ちたし、体調を崩しやすくなったのもきつかった。
特に書かなかったが、秋のペースメーカー外来で胸に埋め込まれたICDからデーターを取ったところ、この暑い夏場に心臓が7回も小さい異常値を示していた。明確な自覚症状はなかったが、どうりで体調が良くなかったはずである。ただしICDは作動してないから、本当に軽微な異常だったのだろう。
私自身はそのデーター出力されたレポートを見ながら結構不安に感じたが、医者は全体としては良好であり、心臓の機能も4割弱から4割強へと向上していると説明してくれた。あまり実感はないが、出来るなら5割を超えて欲しいものである。
さりとて運動するなど主体的な体力向上も出来ず、むしろ衰えた身体を労り、十分な休養こそが一番健康保持に役立つと分かった一年でもあった。ただ間食好きなので、目標の減量がまるで出来なかった一年でもある。最近、ようやく適度な間食の量が分かってきた気がするので、来年こそ減量だと意気込んでいる。
ただ来年こそなんて科白は、今はイイやの先送りが見え見えのもの。だから先週の風邪引き以来、意識して間食を減らし、歩く距離を伸ばすように努力している。成果が数値で顕れるには些か時間がかかるのは分っている。でも、結構期待はしている。
さて、このブログ開設の目的であった昔読んだ本を読み返すであるが、今年の再読本は田中芳樹の「銀河英雄伝説」である。現在でこそ最も私が嫌悪する作家ではあるが、この作品だけは別格だ。ちなみに再読の契機はアメリカの大統領選挙である。
実はアメリカでは、この作品のアニメ化「銀河英雄伝説」が大いに話題となっている。日本のアニメといえば政治色が薄いのが特徴だが、この作品に関しては政治が大きな役割を果たしている。腐敗した上に無能な民主主義と、清廉潔白で有能な独裁政治の対比は、大統領選挙に揺れたアメリカ人には大いに心動かされるテーマであったらしく、40年前にこのような作品が作られたことも驚きであるらしい。
私は断固原作の小説派だが、アニメ版も非常に出来が良いので視たこと、読んだことがない人は是非ともトライして欲しい名作です。なお、田中芳樹の作品はこれ一作で十分です。間違っても他の作品には手を出さぬように。
一方、初読では「日本軍閥暗闘史」田中隆吉ですね。よく戦前の日本が大陸にのめり込んだのは陸軍の陰謀とか言いますが、その陸軍がいかなる理由、あるいは状況で戦争へ進んだのかについての当事者から提示された一つの回答です。
田中隆吉は戦後のGHQ主導の裁判においてアメリカ側の立場で証言しているため、旧帝国陸軍関係者に評判の悪い人物です。しかし、上海事変などの策謀に直接関わるなどした現場の事実を知っている人。嫌う人も、彼が嘘をついたとは言っていない。その意味で彼の主張による旧・陸軍首脳たちの暗闘ぶりを知ることは、本当の意味での戦争の反省につながると私は信じています。
漫画となると、これはもう「葬送のフレーレン」原作・山田鐘人、作画・アベツカサが今年一番楽しめました。特に最初は軽くみえた勇者ヒンメルの存在が作品の進行に伴いますます比重が増えていく。勇者とはなにか、その意味を考えさせられると同時に、ヒンメルの秘めたる恋心が切ないです。私は近年漫画を購入することを控えてきたのですが、これはもう我慢できなかった。現在は私の枕元に山積みとなっています。どの巻を読んでも楽しめる良作品だと思います。
もう一冊挙げるとしたら「メイドインアビス」つくしあきひと です。これは可愛らしい絵柄に騙されると本当に痛い、痛すぎる。今の心境は「ナナチ、お前死んじゃうのかぁ~」です。まだ未完の作品なので多くは語りません。本当は多くの方に読んで欲しい作品ですけど、ダークファンタジーに不慣れた方には辛いはず。読み手を選ぶ漫画だとは思いますが、機会がありましたら是非どうぞ。
映画ですが、実は今年劇場で鑑賞したのは「ゴジラ−0.1」だけです。特に記事にしなかったのですが、やはり目は完治しておらず、涙ポロポロは避けられましたが、目の奥の痛みは数日引きませんでした。医者の見解では、小さい傷なので日常生活には支障はないと思ったが、映画館の内部での鋭い光には、まだまだ厳しいのだろううとのこと。来年こそは是非、映画は劇場で・・・といきたいですね。
今年も残すところ一日。皆様におかれましても、良い年を迎えられますように切に願います。