ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

今年を振り返って

2024-12-30 14:35:59 | 日記

今年は年齢からくる衰えに悩んだ一年であった。

コロナ禍で家にこもる期間が長かったのも一因だとは思うが、それ以上にこれまで見てみぬふりをしてきた年齢からくる衰えを認めざるを得なかった。仕事のペースも落ちたし、体調を崩しやすくなったのもきつかった。

特に書かなかったが、秋のペースメーカー外来で胸に埋め込まれたICDからデーターを取ったところ、この暑い夏場に心臓が7回も小さい異常値を示していた。明確な自覚症状はなかったが、どうりで体調が良くなかったはずである。ただしICDは作動してないから、本当に軽微な異常だったのだろう。

私自身はそのデーター出力されたレポートを見ながら結構不安に感じたが、医者は全体としては良好であり、心臓の機能も4割弱から4割強へと向上していると説明してくれた。あまり実感はないが、出来るなら5割を超えて欲しいものである。

さりとて運動するなど主体的な体力向上も出来ず、むしろ衰えた身体を労り、十分な休養こそが一番健康保持に役立つと分かった一年でもあった。ただ間食好きなので、目標の減量がまるで出来なかった一年でもある。最近、ようやく適度な間食の量が分かってきた気がするので、来年こそ減量だと意気込んでいる。

ただ来年こそなんて科白は、今はイイやの先送りが見え見えのもの。だから先週の風邪引き以来、意識して間食を減らし、歩く距離を伸ばすように努力している。成果が数値で顕れるには些か時間がかかるのは分っている。でも、結構期待はしている。

さて、このブログ開設の目的であった昔読んだ本を読み返すであるが、今年の再読本は田中芳樹の「銀河英雄伝説」である。現在でこそ最も私が嫌悪する作家ではあるが、この作品だけは別格だ。ちなみに再読の契機はアメリカの大統領選挙である。

実はアメリカでは、この作品のアニメ化「銀河英雄伝説」が大いに話題となっている。日本のアニメといえば政治色が薄いのが特徴だが、この作品に関しては政治が大きな役割を果たしている。腐敗した上に無能な民主主義と、清廉潔白で有能な独裁政治の対比は、大統領選挙に揺れたアメリカ人には大いに心動かされるテーマであったらしく、40年前にこのような作品が作られたことも驚きであるらしい。

私は断固原作の小説派だが、アニメ版も非常に出来が良いので視たこと、読んだことがない人は是非ともトライして欲しい名作です。なお、田中芳樹の作品はこれ一作で十分です。間違っても他の作品には手を出さぬように。

一方、初読では「日本軍閥暗闘史」田中隆吉ですね。よく戦前の日本が大陸にのめり込んだのは陸軍の陰謀とか言いますが、その陸軍がいかなる理由、あるいは状況で戦争へ進んだのかについての当事者から提示された一つの回答です。

田中隆吉は戦後のGHQ主導の裁判においてアメリカ側の立場で証言しているため、旧帝国陸軍関係者に評判の悪い人物です。しかし、上海事変などの策謀に直接関わるなどした現場の事実を知っている人。嫌う人も、彼が嘘をついたとは言っていない。その意味で彼の主張による旧・陸軍首脳たちの暗闘ぶりを知ることは、本当の意味での戦争の反省につながると私は信じています。

漫画となると、これはもう「葬送のフレーレン」原作・山田鐘人、作画・アベツカサが今年一番楽しめました。特に最初は軽くみえた勇者ヒンメルの存在が作品の進行に伴いますます比重が増えていく。勇者とはなにか、その意味を考えさせられると同時に、ヒンメルの秘めたる恋心が切ないです。私は近年漫画を購入することを控えてきたのですが、これはもう我慢できなかった。現在は私の枕元に山積みとなっています。どの巻を読んでも楽しめる良作品だと思います。

もう一冊挙げるとしたら「メイドインアビス」つくしあきひと です。これは可愛らしい絵柄に騙されると本当に痛い、痛すぎる。今の心境は「ナナチ、お前死んじゃうのかぁ~」です。まだ未完の作品なので多くは語りません。本当は多くの方に読んで欲しい作品ですけど、ダークファンタジーに不慣れた方には辛いはず。読み手を選ぶ漫画だとは思いますが、機会がありましたら是非どうぞ。

映画ですが、実は今年劇場で鑑賞したのは「ゴジラ−0.1」だけです。特に記事にしなかったのですが、やはり目は完治しておらず、涙ポロポロは避けられましたが、目の奥の痛みは数日引きませんでした。医者の見解では、小さい傷なので日常生活には支障はないと思ったが、映画館の内部での鋭い光には、まだまだ厳しいのだろううとのこと。来年こそは是非、映画は劇場で・・・といきたいですね。

今年も残すところ一日。皆様におかれましても、良い年を迎えられますように切に願います。

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総務省からの連絡

2024-12-27 09:22:33 | 社会・政治・一般

帰宅すると、留守番電話の赤いスイッチが点滅している。

そのほとんどが営業電話である。分かっちゃいるが、一応確認しておく。すると妙な連絡があった。総務省からで、この電話は二時間後に停止するので①を押して連絡して欲しいとのこと。で、なんで非通知の電話なのだ?

ネットで調べると、要は個人情報を引き出そうとする詐欺師グループらしい。総務省以外にも東西のNTTを名乗ったり、カスタマーセンターからだと詐称するケースもあるらしい。そういえば、私のスマホにも妙な時間(早朝とか深夜)に非通知の着歴があったが、多分同じ穴の狢であろう。

近年、私は家にいるのは夜から朝までだし、スマホもカバンの奥にしまいっぱなし。履歴をみてから折り返すだけの使い方なので、非通知の詐欺電話に引っかかることはない。

しかし、以前税理士会の支部研修で消費者センターの方を講師にお呼びして詐欺商法の講義を受けたことがある。その時、講師の方から言われて苦笑せざる得なかった。曰く「弁護士や税理士の先生はあんがいとプロの詐欺師に騙されやすいです」と。

彼らプロの詐欺師は会社経営者や弁護士、医師など教養が高く、知識も豊富な方はプライドも高いので騙されたと口外することがないと知っています。だから実際にはかなりの方が引っ掛かっていますと続けられた。苦笑を通り越して、在り得る話だと納得せざるを得なかった。プロの詐欺師は物凄い勉強家で、いつも時代の最先端の知識を武器に暗躍しているので、騙しのプロなのだと認識して下さいとまで言われた。

講演を聴きながら、自分自身も危うい部分があると思った。税務におけるグレーゾーンを活用した節税プランは、私自身業務で活用している。詐欺ではないが、結果的に顧客を騙すようなことになったことも実はある。

一例を挙げると、不動産売却損を活用した節税プランだ。これはバブル崩壊後、当たり前のように活用されていたのだが、忘れもしない平成16年3月の閣議決定で、不動産を売却したことにより生じた損失は、経常所得とは通算できないとされた。しかも、平成16年1月1日に遡って適用されるという悪質な改正であった。

法令改正を過去に遡及させて適用させるという明らかに節税封じに抗議の声が上がったが、国会を通過しての法令改正であったため、現在まで是正されることはない。ただし居住用不動産に関しては、いくつかの制約付きで認めているが、この適用を受けられる人は多くないと思う。

実を言えば、平成15年の12月に発表された税制改正大綱には小さく触れられていた。私も軽く目を通していたのだが、まさか国会を通るとは思っていなかった。実際、過去にも議題に上がっていたが、バブル崩壊後の混乱を収束させる目的で、先送りされていただけだった。

実際、不動産業務に詳しい税理士には、不動産売却損の通算不可が今度は実現するかもとの情報を得ていた方もいた。残念なことに当時、S先生は高齢と病気から自宅にこもりがちで、事務所には週一回出るだけで、以前のような情報収集をしていなかった。私は実務に追われて、情報収集を怠っていた。

だから不動産売却を行う予定であった顧客に連絡して、平成15年中の売却契約書を作成可能かを尋ね、出来るならそのように契約書を変更。それがダメならば、先送りを打診する羽目に陥った。一件はなんとかなったが、もう一件は無理で顧客から苦情を云われる始末であった。

意図した訳ではないが、私も政府の悪質な改正に手を貸したことになった。痛恨の極みであった。以来、不動産関連のコンサルティングには臆病になってしまい、慎重過ぎると窘められたこともある。でも、顧客を騙すようなコンサルティングはしたくない。それが本音だ。

まったく嫌なことを思い出させてくれる詐欺電話でしたよ。

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日産とHONDA

2024-12-26 09:06:36 | 経済・金融・税制

年末に飛び込んできたビックニュース、それがHONDAが日産自動車を経営統合するらしいことだ。

別に裏情報など何も知らないし、私は単なる自動車好きであり、HONDAファンであるに過ぎない。しかし、実は隠れ日産車崇拝者でもある。

私が十代の頃の悪ガキ仲間には暴走族関係が少なくない。私は意識して彼らと距離を置いていたが、邪険にするほど傲慢ではない。むしろ内心は興味津々であった。なんといっても、私が堅気の道を選ばなければ、私も似たようなものだったからだ。

何故に日産かというと、日産の車は暴走族が好んで改造していたからだ。特に直列六気筒エンジンは改造の余地が大きく、ボアアップ(排気量増加)やボルト・オン・ターボなどエンジンを強化しやすかった。これがトヨタとなると、エンジンブロックの厚みが薄くて、下手な改造は受け付けないせこさがあった。ちなみにHONDAはバイクはともかく乗用車は暴走族向けではなかったから人気がなかった。

会社の規模としては、トヨタ、日産、三菱といった感じで、HONDAは中堅どころであったから、まさか日産がHONDAに飲まれる日が来るとは思わなかった。

ところで真面目な話、この二社が衰退しているのは、なんとなく感じていた。一言で云うと、役員が多過ぎる。車の車種は以前よりも減っているのに、役員の数は増える一方だった。特に日産はゴーンが逃亡以降、やたらと役員が増えた印象がある。

それはHONDAも同じで、実はHONDAは日本よりもアメリカ中心の会社となっている。その癖、日本本社の役員の数を減らしているようには思えなかった。現在、HONDAの売れ筋は軽自動車であり、中型車大型車中心のアメリカ市場よりも利幅が薄い。

そして日産、HONDA両社に相共通するのは、ガソリン車を止めて全車EV車にすると宣言していたことだ。私はEV車も今後を考えたら重要だと思うが、現行ではバッテリーの問題や、EVステーションの設置不足、リチウム電池の発火問題など未解決の課題が多すぎる。まだまだEV車への全面移行は早すぎる決断だと思う。

実際、EUやアメリカでもEVへの全面的な移行は失敗しており、多くの自動車メーカーを経営危機に追いやっている。日産やHONDAも同じであるからして、いわば経営判断に失敗した会社同士の経営統合だと云われても仕方ないと思う。

ただでさえ役員の数が多く、話し合いに多大な時間が取られがちで、結果として市場に置いてきぼりを喰らった2社が経営統合するとなると、今まで以上に話し合いに時間が取られてしまう可能性のほうが高い気がします。

誰かが強いイニシアティブをとって強力に指導していかないと、弱者同志が共倒れになるのではないかと心配になります。どちらも本来は高い技術力を持つメーカーだけに、その後は切り売りされて仲介業者が大儲けする未来まで予想できてしまうのが怖い。

まぁ考えすぎかもしれませんがね。

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葬送のフレーレン第七巻 

2024-12-25 10:14:04 | 

あーあ、久々にやっちまったよ。

子供の頃から私は寝床の周りに本を山積みするのが好きだった。手を伸ばせば、そこに本がある。冬の寒い時期は妹たちに占拠された炬燵ではなく、自分の寝床で布団に包まりヌクヌクと読書にふける。これが私の冬の読書スタイルであった。臆面もなく書かせてもらうと至福の時間であった。

とはいえ小遣いの乏しい10代の頃は、本の山積みというより丘積み程度であった。でも自由に使えるお金が飛躍的に増えた社会人になるといけない。本の山積みは、危険な高さになり、いつ山崩れが起きてもおかしくない危険な状況が常態化してしまっている。

これも30年以上経つと、危機意識も希薄となり、小遣いの増加もあってますます未読山脈は増大するばかりである。いくらナマケグマの生まれ変わりを自称する私でも危機管理の必要性を認識せざるを得ない。まぁ一言でいえば片付けろ、である。

なので週末、寒かったので外出は控え、その替わりに寝床周りの未読山脈を整理していた。そうしたら見つかってしまったよ。今年のお気に入りの一つ「葬送のフリーレン」第七巻が二冊も。

同じ小説を買ってしまったことは何度かある。しかし漫画は珍しい。何故だろうかと訝ったが、おそらく夏場で暑くてバテていた頃だと思う。実はこの作品はゆっくりと読もうと決めていた。内容が濃いというよりも、じっくりと楽しみたいからだ。

ちなみにアニメ版はほとんど視ていないが、北米や欧州では絶大な人気を得ているらしい。動画を短時間だけ視てみたが、原作の雰囲気を上手く活かしており、これはアニメも視てみたいと思っている。

ところで余った7巻だが、年明けにでも新古書店に売りに行こうと思う。今ならけっこう値がつくらしいしね。余談だが私は時折、この二度買いをやらかす。一番多いのはフィリップ・マーゴリンの「炎の裁き」だ。三冊も持っている。何故かというと面白そうだったからで、本当に面白いので本屋で立ち読みして、思わず買い込んでしまったからだ。

いや、ボケじゃないよ。なにせ30代の頃からやらかしていますから。

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ナベツネの死去

2024-12-24 09:23:59 | 社会・政治・一般

故人の悪口は言うな。それは日本の美徳だとは思うが、ある程度公人ならば、むしろ悪口を言う事も必要ではないか。

いや、悪口を言うのならば生きているうちに、本人の耳に届くよう言う方が良いといった考えも分かる。死後に悪口を言うなんて卑怯なのかもしれない。でも、私はけっこう鬱憤が溜まっているので、卑怯を承知で書いてしまう。

読売新聞の渡辺恒雄氏が亡くなった。毀誉褒貶の激しい人なのは確かだ。読売巨人軍のオーナーとして有名だが、前オーナーから譲り受けた当初は野球のことに全く疎かった。しかし、猛勉強して野球に詳しくなり、プロ野球の人気を支えた金満スポンサーでもあった。でも、最後まで野球ファンの気持ちは理解できなかったと思う。

彼にとって野球とは読売巨人軍がトップであるべきものであり、読売新聞や日本TVを使って大々的な巨人軍支援をしていたのは有名だ。ただ巨人軍ではダメで、読売巨人軍であるべきとの思いが強すぎて、その頑なさが私のような子供の頃からの巨人ファンの気持ちを理解できない人であった。

ナベツネ氏は本来は哲学好きな学生であり、どちらかといえば軍隊嫌い。だが志向的には右寄りであったが、それが前面に出てきたのは、やはり戦後の党人政治家の大物である大野伴睦の番記者であったからであろう。この自民党の大物政治家に気に入られたナベツネは、以降読売新聞社の出世街道を驀進する。

かつては社会部の読売と云われたが、ナベツネが政治部で活躍してからは社内の潮目が変わり、社会主義的傾向が抜けて右寄りの報道姿勢に変ったことこそナベツネの功績であろう。私はそれを彼の罪だとは云わない。むしろ立場を鮮明にした大新聞として会社を大きくさせたと思っている。

ただ独裁者とまでは言わないが、いわゆる家長的な感覚の強い人で、自分の意に添わぬことには喧嘩腰になりやすかった。その典型がJリーグ発足当初の読売ヴェルディに対する過剰な支援であり、川淵チェアマンが地域のチームを前面に出したことに反発し、川崎ヴェルディに納得できずに放棄したことは些かやり過ぎであったと思う。

それでも高校サッカー選手権への支援を日本TVが続けることは阻害しなかった。本人は決してスポーツ好きではないと思うが、政治的なセンスには長けていたように思う。ただし彼の矜持に触れなければ・・・であるが。

また中曽根・元首相の支援者として知られ、政治への関心も深かったが、右寄りと云われつつも軍人嫌いであり、靖国神社参拝にも反対だという妙な思考を持つ。でも保守としか言いようがない政治姿勢であったのも事実だ。

私はナベツネを独裁者だとは思わなかったが、戦前の家長の気風が強すぎる経営者だとは感じていた。そのせいだろうが、多くの優秀な社会部記者が退社している。それをナベツネの功績だとは云わないけれど、風通しの悪い会社にしてしまったとは思っている。

正直言えばこの方、長く権力の座に居座り過ぎた。しかもジャーナリストとしての優秀さでトップの座に就いた人ではない。与党自民党の大物政治家の後援あってこそトップの座に就けた人だ。読売新聞社はこの暴君の下でも大企業足りえた。

それはナベツネが管理者としてそれなりに有能であったことを証している。しかしインターネット時代への対応が大幅に遅れた。これを一個人のせいにするほど私は傲慢にはなれないが、経営のトップに遭った以上、その責任からは逃れられまい。

ついでだから書いておくと、現在の読売グループはナベツネのお気に入りで固められているはず。言い換えれば、ナベツネの横暴に抗し得なかった人たちである。既報のとおり新聞やTVはオールドメディアとして下降線を辿る一方である。立て直しは容易ではないと予測せざるを得ないですね。

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