時たま困ることがある。
私の仕事は税理士だ。税の専門家であるつもりだ。ところが、全ての税についてではない。やはり専門は法人税、消費税、所得税、相続税の4法に集中する。国税4法とも言う。
しかし、税法は国税だけではない。地方税という奴もある。実はこれが苦手というか、不勉強な税の最たるものだ。法人地方税はまだいい。これは法人税に連動しているので、まったく知らないでは仕事にならない。
不動産取得税や登録免許税に関しては、実のところほとんど概要しか知らない。むしろ司法書士の先生方のほうが詳しいはずだ。そして、困るのが固定資産税というやつだ。とりわけ困るのが、償却資産税だ。ちなみに、土地家屋は申告ではなく、地方自治体の課税担当者が見て回って賦課してくる。一方、機械設備、器具備品などは納税者が自ら申告しての納税となる。
ここ数年、毎年秋になると銀座地区の法人を対象に、法人会主催の改正税法の講師をしている。経理のベテランが出席するだけに、質疑応答がけっこうシンドイ。質問で困るものの一つが、償却資産税と国税の差異だ。
例えばPCを購入したとしよう。40万円のPCを購入すると、一括で経費に落とすことは出来ない。備品として資産計上して、4年間に分割して費用に落とす。この資産の費用化のことを減価償却という。
ただし、法人税法では取得価額10万円未満の資産は一括で経費に落とすことを認めている。また20万円未満の場合だと、3年間での均等償却を認めている。更に中小企業だと取得価額30万円未満ならば、一括で経費の落とすことを認めている(但し、制限あり)。
実にありがたい制度なので、多くの法人は活用していると思う。しかし、これらの制度はあくまで国税において定められたものだ。地方税である償却資産税には適用されないものがあるから、非常にややこしくなる。
やっかいなのは、法人税法の認めている中小企業の30万円未満の一括償却が、償却資産税では認められていないことだ。つまり企業が決算では一括で必要経費に落とした30万円未満の資産(当然に簿価0円)は、毎年1月の償却資産税の申告の際には、改めて記載しなければならないのです。つまり企業の償却資産台帳が決算用と、償却資産税用と2種類必要になります。当然両者は一部が一致しません。
経理担当者にとっては、面倒くさいこと甚だしく、なぜ国が認めたことを地方自治体が認めないのだと苦情が出るのは、ある意味当然だと思います。ただ、国と地方では税法自体も違う。固定資産税は地方自治体の大きな収入源であり、相談もなしに国で減税政策(30万円未満一括償却など)を導入されても、地方は受け入れがたいと言う地方の事情も分らないではない。
更に企業の決算申告は、年一回と企業が任意で決められる。日本では3月決算と9月決算がおおい。ところが、償却資産税の申告は毎年1月末と決められている。法人の決算月に合わせて申告が出来れば、経理担当者の負担は大幅に減るが、これも現行では認められない。
納税者の利便よりも、政府の内部事情を優先しての仕組みなので、いたし方ないことだと思います。しかし、法人会で私がなぜに地方自治体の立場を説明せねばならないのか。同席して、答弁を手助けしてくれる税務署の審理官ともども、毎回頭をひねっています。嗚呼、シンドイ。
私の仕事は税理士だ。税の専門家であるつもりだ。ところが、全ての税についてではない。やはり専門は法人税、消費税、所得税、相続税の4法に集中する。国税4法とも言う。
しかし、税法は国税だけではない。地方税という奴もある。実はこれが苦手というか、不勉強な税の最たるものだ。法人地方税はまだいい。これは法人税に連動しているので、まったく知らないでは仕事にならない。
不動産取得税や登録免許税に関しては、実のところほとんど概要しか知らない。むしろ司法書士の先生方のほうが詳しいはずだ。そして、困るのが固定資産税というやつだ。とりわけ困るのが、償却資産税だ。ちなみに、土地家屋は申告ではなく、地方自治体の課税担当者が見て回って賦課してくる。一方、機械設備、器具備品などは納税者が自ら申告しての納税となる。
ここ数年、毎年秋になると銀座地区の法人を対象に、法人会主催の改正税法の講師をしている。経理のベテランが出席するだけに、質疑応答がけっこうシンドイ。質問で困るものの一つが、償却資産税と国税の差異だ。
例えばPCを購入したとしよう。40万円のPCを購入すると、一括で経費に落とすことは出来ない。備品として資産計上して、4年間に分割して費用に落とす。この資産の費用化のことを減価償却という。
ただし、法人税法では取得価額10万円未満の資産は一括で経費に落とすことを認めている。また20万円未満の場合だと、3年間での均等償却を認めている。更に中小企業だと取得価額30万円未満ならば、一括で経費の落とすことを認めている(但し、制限あり)。
実にありがたい制度なので、多くの法人は活用していると思う。しかし、これらの制度はあくまで国税において定められたものだ。地方税である償却資産税には適用されないものがあるから、非常にややこしくなる。
やっかいなのは、法人税法の認めている中小企業の30万円未満の一括償却が、償却資産税では認められていないことだ。つまり企業が決算では一括で必要経費に落とした30万円未満の資産(当然に簿価0円)は、毎年1月の償却資産税の申告の際には、改めて記載しなければならないのです。つまり企業の償却資産台帳が決算用と、償却資産税用と2種類必要になります。当然両者は一部が一致しません。
経理担当者にとっては、面倒くさいこと甚だしく、なぜ国が認めたことを地方自治体が認めないのだと苦情が出るのは、ある意味当然だと思います。ただ、国と地方では税法自体も違う。固定資産税は地方自治体の大きな収入源であり、相談もなしに国で減税政策(30万円未満一括償却など)を導入されても、地方は受け入れがたいと言う地方の事情も分らないではない。
更に企業の決算申告は、年一回と企業が任意で決められる。日本では3月決算と9月決算がおおい。ところが、償却資産税の申告は毎年1月末と決められている。法人の決算月に合わせて申告が出来れば、経理担当者の負担は大幅に減るが、これも現行では認められない。
納税者の利便よりも、政府の内部事情を優先しての仕組みなので、いたし方ないことだと思います。しかし、法人会で私がなぜに地方自治体の立場を説明せねばならないのか。同席して、答弁を手助けしてくれる税務署の審理官ともども、毎回頭をひねっています。嗚呼、シンドイ。