曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

「火村英生の推理」第1話「絶叫城殺人事件」の感想

2016-01-19 09:57:00 | テレビ・映画


真田丸の感想を書いてすぐ、休む間もなく「火村英生の推理」を見た。

僕はもともと原作者、有栖川有栖のファンである。今回の「絶叫城殺人事件」も読んでいる。内容はすっかり忘れていたが。

有栖川有栖の作品には二つのシリーズがある。英都大学ミステリ研究会(EMC)の有栖川有栖が語る名探偵江神二郎の活躍「学生アリス」シリーズと、今回ドラマ化された推理作家有栖川有栖が語る名探偵火村英生の活躍「作家アリス」シリーズである。火村の探偵譚は学生のアリスが書いた作品で、江神のは作家のアリスが書いたことになっている。

作品の数は長編4+短編少々と少ないのだが、学生アリスのほうが完成度が高い。というか、有栖川有栖の最高傑作は、学生アリスの「双頭の悪魔」か「孤島パズル」だと言われている。たぶん。僕も異議なしである。

作家アリスは数は多いが玉石混交。特に僕はいかにも架空の団体といった趣でリアリティがないシャングリラ十字軍関係の話があまり好きではない。

しかし、この第一話でいきなりシャングリラ十字軍が出てきた。嫌な予感がした。本筋には絡まなかったけど、いずれ対決することになるのだろう。わざわざ長谷川京子をボス役に起用してるし。

斎藤工は火村のイメージに合っている。もし僕がキャスティングをしても、彼を起用するだろう。しかし、彼の素の雰囲気だけで十分なのに、ネクタイの締め方や服装が火村的にすぎる。あんなにしなくても十分火村に見えるのに。

作家アリスは火村の同年代で、三十代半ばの設定である。なのに、半周りも年下の窪田正孝とは。年齢も合わないが、彼はイケメンすぎる。作家アリスは現実の有栖川有栖のイメージ(ただし長髪ではない)だと思うので、美化しすぎ。恐らくコミック化(それも少女漫画タッチの)の際にアリスも美形化されたのだろうが。

作家アリスシリーズは独身のおっさん二人がいちゃいちゃする話なので、そういうのを好む視聴者向けに振った配役かもしれん。

優香が演じるキャラは原作に登場しないが、原作の女性キャラは火村の下宿のばあちゃんくらいなので、テレビの絵的にはやむを得ない改変だろう。

推理の方は、一応「和製エラリー・クイーン」と呼ばれる人の原作があるので本格的。筋は通っていた。穴もない。有栖川有栖かよくやる「犯行とは直接関係ない些細な手がかりを取っ掛かりにして追い詰める。犯行自体はガッチリ証明しない」パターンだった。

アリスのしゃべり方が忙しないとか、優香とかが火村の歪んだ情熱を説明しすぎとか、気に入らないとこは多々あるが、推理はちゃんとしてるので、とりあえず見続けるだろう。次はシャングリラ関係ないはずの「異形の客」だし。

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「真田丸」第2回「決断」の感想

2016-01-17 21:34:47 | 大河ドラマ


岩櫃城に向かう真田家一行が山賊?に襲われる。敵の狙いは兵糧と見抜いた信繁の機転で母親の着物を渡して切り抜けた。その次は百姓に変装し、寄り合いの帰りだと言って切り抜けた。この二回の切り抜け方、ハラハラさせ方は、半沢直樹だと思った。

武田勝頼が自害した。信玄の幽霊が現れたが、何を言いたかったのかは謎。信玄の霊は昌幸の元にも出現したが、直前に死んだ勝頼の霊こそ現れるべきではないかと。昌幸が信玄を崇拝していたことを示しておきたかったのかもしれんが。

家康が新府城の焼跡から茶器を掘り出して火傷をし、さらに手を焦げた柱についてアチチとなる。家康はアナ雪(穴山梅雪)のことを散々disっておいて、直後ににこやかに出迎える。家康は真田家にとって、ほぼ敵であり続けるわけだが、憎い相手ではなく、笑いも取るキャラクターになってるところが三谷幸喜だと思った。

しかし今回一番笑ったのは、昌幸の決断。

(武田家滅亡について)
信幸「おいたわしい…」
昌幸「わしは自分の不甲斐なさが情けない」
信繁「父上に非はありませんよ」
昌幸「わしもそう思う」
信幸「は?」

(真田家の取るべき道は二つに一つ)
信幸「籠城か打って出るかですな」
昌幸「上杉につくか北条につくか」
信幸「織田とはやらないんですか?!」
昌幸「やんない」

そして上杉か北条か、くじ引きで決めることに。

信幸「こんな大事なことをくじ引きで決めていいんですか?!」
信繁「大事なことだからくじ引きなんですよ」

たが、昌幸はがっちり掴んで信幸にくじを引かせない。なんなのwww

昌幸「やはり大事なことをくじ引きで決める訳にはいかない」
信幸・信繁「……」

上杉についても北条についても織田とは戦わないとならない。

昌幸「じゃあ、織田につく」
信幸・信繁「ええええええっ?!」

かなりコントである。はっきり言って大河の格式みたいなものを考えるとぎりぎりの線だが、面白いんだから仕方がない。真田昌幸はそもそも胡散臭い武将なのだ。アナ雪、本多正信、北条氏政もかなり胡散臭いので、主役はこれくらいやらないと。

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2001年1月の銀座や新宿 RHPIII

2016-01-16 23:49:00 | カメラ
今回スキャンしたのは、2001年1月ごろのフジクローム・プロビア400F(RHPIII)である。

フィルムはISO感度100が基本。高校の写真部では「100で撮らなきゃダメ、高感度フィルムは10年早い」みたいな風潮だった。先輩たちが卒業してから、ようやく堂々と高感度フィルムを使うことができた。

といっても、ISO400だが。富士のネオパンプレストか、コダックのトライXという白黒フィルムである。

カラーリバーサルの400は高価で、なかなか買えなかった。カラーリバーサルは36枚撮りしかないので(富士のアマチュア用RDは24枚だったが)余計に割高である。しかも、撮りきらないと次のフィルムを入れられない。

今回スキャンしたRDPIIIは、たぶん冬で陽が短くなって、撮るものが夕景や夜景にならざるを得ず、無理して買ったときのものだと思われる。夕景のためにISO400ってのは、自由に感度を上げられる今のデジタルカメラでは考えられない不便さである。よくあんな無茶なことしてたよなあ。


これはたぶん銀座。車が古いね。


西新宿近くの路地裏から都庁を。まだできたばかりの頃じゃないかな?


同じく西新宿の東京ガスのビル。


これも新宿だと思うが...。


たぶん新宿周辺。


これは盛岡だと思われ。帰省旅行の途中。

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「真田丸」第1回「船出」の感想

2016-01-11 11:24:58 | 大河ドラマ


昨日から始まったNHK大河ドラマ「真田丸」第一回を見た。どこまで続けられるか分からないが、これから毎週なるべく遅れないように感想を書いていこうと思う。

三谷幸喜脚本の大河「新選組!」も全部見たが、新選組本格始動までの青臭いドラマが長すぎて、新選組が一番輝いていた山場の池田屋事件が短かったり(確か一話)するなどペース配分が下手くそな作品だった。

「真田丸」は子役を使った幼少期などはなく、いきなり成人から始まった。「新選組!」も成人からだったが、最初の二人で徳川軍を偵察に行って見つかって逃げるシーンが「新選組!」冒頭の黒船見物シーンに似ていて(たぶん意図的に似せている)、若干不安な立ち上がり。簡単に馬を奪われた徳川軍間抜けすぎだし。

堺雅人が顔芸する。役作りとしては「リーガルハイ」の古美門研介に近い。真田幸村(信繁)の世間のイメージは、知勇兼備のきりっとしたイケメンだと思う。堺雅人は黙っていればイケメンだが、顔芸をやり出すとどうなのか。三谷幸喜は新しい幸村像を創ろうとしているのだろうか。幸村は現代に伝わる情報が少ない武将だから、ある程度は自由にやれるし。

心配していた大泉洋は、逆に抑えた演技。ちょっと頼りない雰囲気はいつも通りだが、僕の中の真田信幸のイメージ(優秀だが地味)から大きく外れてない。昔の「真田太平記」で信幸役だった渡瀬恒彦と顔立ちが似ていなくもない、というのもある。

親父の真田昌幸は「真田太平記」で幸村を演じた草刈正雄。これはいい配役。ちょっと声が枯れてて聞き取りにくいが。

その昌幸、初回から飛ばす。力強く断言しておいて瞬時に落とす。

「この真田安房守がいる限り武田家は安泰」
  ↓
「武田家はもうダメだ。織田家の勢いは長篠の時より凄い」

「(俺が縄張りした)新府城が一番安全」
  ↓
「新府城は捨てる。未完成だから危険」

「富士山や浅間山が噴火でもしない限り武田家は安泰」
  ↓
浅間山が48年ぶりに大噴火
さすがの昌幸も呆然www
信繁「まあ火山だから火を噴くこともあります…」

どこまで本当のことを言ってるのか分からない怪しさは、秀吉をして最強の謀略家と言わしめた謀将・真田昌幸のイメージに合ってたと思う。「真田太平記」の昌幸役・丹波哲郎に優るとも劣らないとぼけっぷり。これは期待できそう。

割りと裏切りそうもない俳優(榎木孝明)の穴山梅雪もあっさり裏切り、裏切る度胸もなさそうな俳優(温水洋一)の小山田信茂も裏切った。裏切りと嘘ばっかりの信用できない戦国時代のルールを十分に示した第一回だった。三谷作品では、映画「清須会議」のノリに近いかも。この方向性を最後まで維持していってほしい。

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日本の中のブラジルへ

2016-01-05 23:55:41 | 日記
先日、群馬県大泉町にドライブに行ってきた。大泉町にはパナソニックやスバルの巨大な工場があり、そこで働くブラジル人が多数居住している。人口の1割がブラジル人やペルー人で、ブラジルタウンみたいな場所もあるらしい。そういうところなら、外国のような風景写真が撮れるかもしれない、と思ったのだ。


まず行ってみたのはその名もブラジリアンプラザ。だが、月曜日で休みだった。


グーグルマップでスペールメルカドというのを見つけて行ってみたら、そこも閉まっていた。その隣にキオスケ・シブラジルというのがあって、そちらは営業してたので突撃。


キオスケ・シブラジルの中の半分はリオ・トーキョー・カフェという店だった。メニューはカタカナとポルトガル語併記だが、カタカナで書かれてもどんな料理なのか分からない。シュラスコが肉料理だということは予習していったので、パステウのシュラスコ(600円)を頼んだ。ドリンクはガラナ(200円)。店のお姉さんは黒髪だけどブラジル人ぽい。でも日本語が少し話せるので注文できた。店のスタッフ、客のすべてが外人で、日本人は僕だけだった。



リオ・トーキョー・カフェの一角には日系ブラジル人に関する資料を展示していた。カフェの隣には、ブラジル人向けのパソコン修理とインターネット開設工事のサービスをやってるぽい店もあった。


これがパステウ・シュラスコ。予想よりかなりでかくてびっくりした。といっても、デカいのは衣だけで、中に肉(シュラスコ=炭火で焼いた肉らしい)がびっしり詰まっているわけではない。でも香ばしくてなかなかおいしかった。


散策してて見つけた看板。


絹ってなんだよ。西小泉駅周辺は、歩いている人の7割くらいが南米系だった。


やってなかったスペール・メルカド。


こういう写真を撮りたかったわけさ。

機材的な話としては、1枚目がニコンCOOLPIX P50、屋外の3:4写真はニコンCOOLPIX P7000、店内の写真はXPERIA Z、正方形のはiPhone 5sとHipstamatic。COOLPIXで撮った写真はXPERIA Z内のVSCOでいじってる。

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