曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

TBS日曜劇場「下剋上球児」の感想

2023-12-19 08:41:00 | テレビ・映画
一応全話見たので感想。

プロデューサーが新井順子、演出が塚原あゆ子、脚本が奥寺佐渡子となると見ないわけにはいかない。この3人は「Nのために」のメンバーである。さらに言えば「夜行観覧車」「リバース」「最愛」も同じ。僕は全部見ている。

「VIVANT」が終了した後の特番か何かで主演の鈴木亮平が「甲子園に行くんですけど」と言ったのを聞いた。放映前の番宣でネタバレ?!放送事故?

慌てて調べた。10年連続初戦敗退の白山高校が、突如三重県大会を制して夏の甲子園に出た話が元ネタらしい。甲子園行きが確定した話なのか。安心感があると同時にハラハラ感がないドラマになりそう。

ところが最初の3年生は初戦敗退。次の年、1回戦は勝った。いつ甲子園に行くんだよ。

野球界のリアルさを追求してはいないようで、秋季東海大会(ほぼ翌春のセンバツ予選)がない世界だった。センバツを主催する毎日新聞系のTBSなのに。

で、ドラマ始まってから3年後の2018年夏の三重大会で優勝する。最初1年生だった連中が3年生。

選手役は野球経験者ばかりということで、プレーのリアルさは過去の野球ドラマ・映画とは比較にならないほどいい。エース犬塚、2番手根室共に、やってた人だなと分かるフォームで投げてた。他の選手も、打席での仕草や振る舞いに経験者を感じた。

試合内容はそんなに面白くなかった。弱小校の快進撃といえば山際淳司の「スローカーブを、もう一球」を思い浮かべてしまうのだが、あのような勝った理由が野球的にちゃんとした話ではない。

越山高の戦い方は、気持ち重視で戦術とかはあんまりない。決勝で代走久我原が転倒したふりして一二塁間に挟まれ、その間ホームインしたシーンぐらいかな。

準決勝がストーリー的に大一番だったので、決勝は省略が目立った。1点勝ってて9回裏無死満塁なら「江夏の21球」じゃん。どうやって無失点で切り抜けるのかを、もうちょっと詳細に描いてほしかった。

野球の描き方は100点とは言えないが、このドラマがすごいのは、ほぼロケだということだ。東京のセットだなと分かるシーンが少ない。溜まり場のファミマでさえ本物に見えた。ほんとに三重県、伊勢湾岸、志摩半島で撮ってるのかも、と思わせる美しい本物の風景が多かった。

決勝に勝った後、2023年に飛ぶ。犬塚がコーチになってたり、根室が社会人野球やってたりする。甲子園は? 連れていかない? ついに甲子園まで来た!でホワイトアウトして、あとはご想像にお任せで終わるかと思ってたけど、それもない?!

と思ってたら、そのさらに後に甲子園に戻る。CGかもしれんけど。11対0で負けてた(笑) スローカーブ〜の高崎高校も甲子園では初戦敗退だし、快進撃した弱小校あるあるの結末だった。負けても笑顔だったのも含めて。

このメンツならもっとすごいドラマを作れるはずだが、まあ最後ハッピーな気分にはなれたかな。

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