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福島健康調査:「秘密会」で見解すり合わせ

2012年10月03日 06時47分14秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)

毎日新聞 2012年10月03日 02時31分(最終更新 10月03日 05時12分)

 東京電力福島第1原発事故を受けて福島県が実施中の県民健康管理調査について専門家が議論する検討委員会を巡り、県が委員らを事前に集め秘密裏に 「準備会」を開いていたことが分かった。準備会では調査結果に対する見解をすり合わせ「がん発生と原発事故に因果関係はない」ことなどを共通認識とした上 で、本会合の検討委でのやりとりを事前に打ち合わせていた。出席者には準備会の存在を外部に漏らさぬよう口止めもしていた。

 県は、検討委での混乱を避け県民に不安を与えないためだったとしているが、毎日新聞の取材に不適切さを認め、今後開催しない方針を示した。

 検討委は昨年5月に設置。山下俊一・福島県立医大副学長を座長に、広島大などの放射線医学の専門家や県 立医大の教授、国の担当者らオブザーバーも含め、現在は計19人で構成されている。県からの委託で県立医大が実施している健康管理調査について、専門的見 地から助言する。これまで計8回あり、当初を除いて公開し、議事録も開示されている。

 しかし、関係者によると、事務局を務める県保健福祉部の担当者の呼びかけで、検討委の約1週間前か当日の直前に委員が集まり非公開の準備会を開催。会場は検討委とは別で配布した資料を回収し議事録も残さず、存在自体を隠していた。

 9月11日に福島市内の公共施設で開いた第8回検討委の直前にも県庁内で準備会を開いていた。同日は健 康管理調査の一環である子供の甲状腺検査で甲状腺がん患者が初めて確認されたことを受け、委員らは「原発事故とがん発生の因果関係があるとは思われない」 などの見解を確認。その上で、検討委で委員が事故との関係をあえて質問し、調査を担当した県立医大がそれに答えるという「シナリオ」も話し合った。

 実際、検討委では委員の一人が因果関係を質問。県立医大教授が旧ソ連チェルノブイリ原発事故で甲状腺がんの患者が増加したのは事故から4年後以降だったことを踏まえ因果関係を否定、委員からも異論は出なかった。

 また、昨年7月の第3回検討委に伴って開かれた準備会では、県側が委員らに「他言なさらないように」と口止めもしていた。

 毎日新聞の取材に、県保健福祉部の担当者は準備会の存在を認めた上で「あらかじめ意見を聞き本会合をスムーズに進めたかった。秘密会合と言われても否定できず、反省している。(今後は)開催しない」と述べた。

 福島県の県民健康管理調査は全県民を対象に原発事故後の健康状態を調べる。30年にわたり継続する方針で、費用は国と東電が出資した基金で賄う。【日野行介、武本光政】


国会図書館関西館10年展:関西の図書館100年史 資料や写真で紹介 /京都

2012年10月02日 07時09分15秒 | プラモ屋へ行きたい 空モデルひとすじ

毎日新聞 2012年10月02日 地方版

 今月で開館から10年を迎えた国立国会図書館関西館(精華町精華台)で1日、記念展「関西の図書館 100年 関西館の10年」が始まった。1904(明治37)年に一般向けの近代図書館のさきがけとして開館した大阪図書館(現在の府立中之島図書館)以 降の図書館の歴史や、図書館を巡る活動を示す資料93点と写真パネルを展示。無料。31日まで(日祝日、第3水曜休)。

 明治初期に京都に集書院というわが国初の公共図書館が開館したが、10年で閉鎖。日露戦争前後に、地域の図書館設置の機運が高まり、大阪に続いて、京都、奈良でも現在の府県立図書館につながる図書館が設立された。

 昭和初期に、大阪で図書館用品の販売会社を営んだ間宮不二雄を中心に青年図書館員連盟が設立され、図書館用語や目録の規格統一が進んだことや、戦後の1950年に公布された「図書館法」で、司書職が規定され、利用無料の原則が定められたことを紹介した。

 82年に調査会が発足し、20年後の02年に開館した関西館の経緯や、同館が進める所蔵資料のデジタル 化事業(図書、雑誌など約216万点)も説明。担当の長尾宗典司書は「図書館をよく利用している人でも、意外な歴史があることを見つけてほしい」と話して いる。午前10時~午後6時。問い合わせは同館(0774・98・1224)。【北村弘一】