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炉心状況の予測結果を公表=事故直後に解析、生かされず-福島原発事故・保安院

2011年09月02日 21時53分30秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)

時事通信 9月2日(金)20時59分配信

 東京電力福島第1原発事故で、経済産業省原子力安全・保安院は2日、事故直後の3月11~13日に首相官邸の危機管理センターに送った1~3号機の事故進展予測結果を公表した。保安院は官邸側に内容を説明しておらず、政府の対策に生かされた形跡はなかった。
 森山善範原子力災害対策監は会見で、「あくまで参考のデータで、それを使うという所まで思い至らなかった」と述べ、情報共有体制に問題があったことを認めた。
 保安院は3月11日夜以降、緊急時対策支援システム(ERSS)を使った事故の進展予測を原子力安全基盤機構(JNES)に依頼。ERSSは原子炉の温 度や圧力を入力し、炉心損傷や原子炉容器破損などを予測するが、実際のデータが分からなかった。このため、JNESは過去のシミュレーション結果を基に予 測し、2号機は同11日午後9時半ごろ、1号機は12日正午ごろ、3号機は13日午前6時半ごろ、保安院に送った。
 2号機の解析結果は、同12日未明までに、官邸詰めの保安院職員を通じて官邸側に伝わった。その際、保安院職員が内容を説明した形跡はなく、この結果が官邸内でどう取り扱われたかも分からないという。3号機の予測結果も同様だった。
 1号機については、保安院がJNESの解析結果を使い、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)で影響を計算。12日朝に計算結果が出たが、この結果は官邸側に送られていなかったという。