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森羅万象 ~ 歩く印象派

私的(あるいは縁故・論功行賞)内閣の終焉へ  松岡農相自殺に寄せて

2007年05月28日 22時31分54秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)
無理がたたった。正にその通りの事件だった。
毎日新聞の記事が語り尽くしている。(以下「」内は毎日21時27分配信記事より)

「首相は松岡氏自殺の知らせを受けた後、記者団に「私が父の秘書をしている時代からの付き合いだ」と語った。松岡氏は昨秋の自民党総裁選で、伊吹派幹部として他派閥の議員との連携に積極的に動き、安倍総裁誕生に尽力。官邸詣でを重ね、政治とカネの疑惑が取りざたされながらも、論功行賞により初入閣で念願のポストを射止めた。」

安倍自身が2世議員、父の代からの縁故松岡農相を
「資源機構の談合事件に絡む政治献金を受け取っていた問題や光熱水費疑惑で与党内から辞任を求める声が出ても、擁護し続けた」代償は大きかった。

「自民党町村派の幹部が「地方を回れない農相、都会を回れない厚労相を抱えていては、参院選は厳しい」と参院選前の内閣改造に絡めて両閣僚を更迭するよう進言しても、首相は笑って聞き置くだけだった」

かばい続けた上に「笑って聞き置」いた結果がこれだ。

安倍首相は「慙愧(ざんき)にたえない」と語ったようだが、「自分の(これまでの松岡氏擁護)言動を反省して恥ずかしく」思ってのことならば、意味通りだ。言葉だけでなく行動で反省を示して欲しい。国民への説明責任から逃げ続けるわけにはいかない。年金記録の消失、ついには大臣まで消失、このまま行けば自身の行く末を案じなければならない事態が訪れるのもそう遠い先ではないようだ。

何はともあれ、自身のミスで大臣が一人、命を絶ったのだ。

入力ミス

2007年05月28日 07時52分45秒 | 歩く印象派
昨日は全日空のホストコンピュータがトラブり、発券ができず、搭乗手続きもできなくなり多数の便が欠航した。これは6台あるホストコンピュータのうち3台を更新した際にエラーが出たのが原因のようだ。(全日本空は2003年3月21日早朝にもシステム障害を起こしている。)

5月23日にNTTのIP電話サービス「ひかり電話」で東西間の通話が一時できなくなったが、NTTは原因は接続装置のハードディスク交換時の設定ミスにあったと発表。暗証コードの入力を間違えたことに端を発するものだという。

社会保険庁では、昨年6月時点で実に5千万件もの基礎年金番号の記入漏れが見つかっている。これも職員による手入力ミスが原因だという。しかし、これは規模が大きすぎる。参院選での国民の最大の関心事が年金問題だから当然政治問題にもなっている。

銀行や取引所、航空会社のシステム障害は当たり前のようになりつつある。
システム化が今後様々な分野を席巻していくであろう今日、システム障害は増えこそすれ、減ることはないだろう。(当たり前かもしれないがシステム障害は運用して初めてわかるケースがほとんどだ。本番で発生する!ということ。だからニュースになる。)

それはともかくとして旧アナログの物をデジタル化しシステム化していく際にその仲立ち(入力作業者)が人間であるという点はほぼ変わらない。ハードの方は信頼性の低いパソコンやUNIXサーバーを使う場合はハード障害・ネットワーク障害は起こりうるものという認識もひろがりつつある(二重化やバックアップ)が、手入力のトラブル回避の特効薬は果たしてあるのだろうか?

かくいう私も入力返還(変換)ミスはしょっちゅうだ。