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森羅万象 ~ 歩く印象派

ビートポップスは偉大な音楽番組だった。

2007年01月15日 18時18分23秒 | Rock 音故知新
中学生の頃毎週土曜日は学校が終わると急いで家に帰った。
3時からのフジテレビ大橋巨泉司会の「ビートポップス」を見るためだ。
当時、モンキーズと並んで私の大・大・大好きな番組であった。
今から思えば、「ビートポップス」は当時としては破格なそして禁断の果実でもあった。なにしろ初めて日本で洋楽(ポップス)を紹介するテレビ番組だったのだから。
司会陣は巨泉のほかに『ミュージックライフ』編集長星加ルミ子、木崎義二、藤村俊二(振付師だったんだ。!)などが毎回、海外の新曲やグループを紹介してくれた。「牛も知っているカウシルズ」とか「B面にあってもエーメンとはこれいかに」などの巨泉流の親父ギャグもバカ受けだった。

1967年(昭和42年)にオンエアしたんだそうだ。2~3年続いた気がする。
海外のポップスのベスト10いやベスト30くらいをカウントダウンしながら曲を流し、時にはミュージッククリップはもちろん話題の映画情報も放映してくれるという、まさに時代を先取りした超ユニークな番組であった。そのずっとあと小林克也の「ベストヒットUSA」が始まったとき、「ビートポップス」を真っ先に思い出した。

ビートルズもストーンズも「ビートポップス」によく登場した。まだビートルズは解散してなかったんだ。
ビートルズHello Goodbyeのミュージッククリップはすごく衝撃的だった。
ストーンズのShe's A Rainbowを聴いたのもこの番組だ。その後、この曲はアップルがi-MacのTVコマーシャルで使った。名曲だと思う。

ヴァニラ・ファッジもここで知った。
大ヒットしたYou Keep Me Hangin' on は当時隆盛を誇ったタイガースだのテンプターズなどのGSが競い合うようにコピーして唄いまくっていた。
ビージーズもウォーカーブラザースもテンプテーションズも流れた。
オーティス・レディングの「Dock Of The Bay」ここで聴いた。
「花のサンフランシスコ」なんてのも聴いたな。

あのSF映画の古典ともいうべき「2001年宇宙の旅」もこの番組で知った。藤村俊二氏が詳しく紹介してくれた。中3の冬休みに受験などそっちのけで今はなきテアトル東京へ走った。

とにかく当時流行のR&Bからサイケデリックまで、今もよく聴く名曲がオンエアされていた実にありがたい番組だった。たぶん、これを聴いてロックにのめりこんだ少年少女達がたくさんいたはずだ。当時のビデオクリップがあればぜひ見たいものだ。

当時の写真はかなり少ないようだ。
冒頭の写真はRCのアルバム「ビートポップス」ジャケット。
たぶん、清志郎もこの番組好きだったんだろうなあ。