映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

「フェアウェル さらば,哀しみのスパイ」 と 「ソルト」

2010-08-05 | 複数の映画
8月1日映画の日、ショッピングを兼ね川崎まで足を運びアンジェリーナ・ジョリー主演「ソルト」を鑑賞。
公開2日目なのに・・・150名しか収容できない小さな劇場ってどういうこと?
でも、やっぱりCMとアンジー主演は強い!満席でした。
          
暑い夏をぶっ飛ばす、超人的な(人間業じゃぁないです)アクション!
いやぁ~、ソルト(アンジー)一人で国家転覆もありそうだなぁ~?!って、やっぱり娯楽作品だな~。
それはそれでオッケーだけど・・・なんて思っていたら、いつもコメントを頂く海パンjoeさんが
「フェアウェル さらば,哀しみのスパイ」を見た後すぐに「ソルト」を見て、
「フェアウェルが実話なら、ソルトはエンターテイメントの強いフィクション。序盤の逃走劇は面白かったが、
面白さが最後まで持続しない作品だった」と書いておられたので、
やっぱり「フェアウェル」を見なくっちゃ~と渋谷シネマライズへ 。
おのぼりさんなもので、放射状に道が延びる渋谷では毎回迷います
今回も1本筋を間違って汗だくで歩き回り、本編開始時間に滑り込みました
           
     シネマライズ@渋谷 スぺイン坂の上 PARCO3の向かい 

       ******************

         フェアウェル  さらば,哀しみのスパイ

                  ソ ル ト
 
       ******************

  *フェアウェル < ストーリー >
1980年代初め、フランスの国家保安局と繋がりがある上司に頼まれた家電メーカーの技師ピエールは
KGB幹部グリゴリエフ大佐からある情報を受け取る。それはソ連がスパイ活動を通して
調べ上げたアメリカの軍事機密や西側諸国にいるソ連側スパイのリストなど、世界情勢に大きな影響を
与える驚くべき情報だった。やがて二人の間に友情が芽生えてくるが機密漏洩がばれて……。

  *ソルト < ストーリー >
イブリン・ソルトは石油会社社員を装うCIAの分析官。
ある日、尋問中のロシア人亡命者オルロフの告発でCIAから追われる身となる。真相を突き止めようとする
ソルトは、米副大統領の葬儀参列のため訪米中のロシア大統領に近づき……。


先日世間を賑わしたアメリカでのロシア人スパイ逮捕のニュースはひょっとして映画の宣伝か?と
思われるほど、公開に合わせたようなタイミングでしたね。
冷戦が終わり、ソ連が崩壊した今でもスパイは潜伏し活動しているんですね~。
しかし、スパイ交換で移送って・・・要はお互い様やんか~。
「事実は小説より奇なり」、捕まったロシア人潜伏スパイの一人が「美しすぎる」と
アメリカのマスコミを賑わしているみたいですが、ソルトのようにスマートに逃げおおすことは
できなかったんやね。

アンジーが体を張ったアクションに挑戦するも、実話に基く話やニュースにはかなわんなぁ~、
やっぱり娯楽作品の域は出ないし、夫への愛では、国や息子の将来を憂うる気持ちには勝てません。
  
  グリゴリエフ大佐を演じるのは映画監督エミール・クリストリッツァ
          
「フェアウェル FAREWELL」はグリゴリエフ大佐のコードネームです。
彼が流した4000通にも及ぶ極秘文書の情報漏洩とアフガニスタン侵攻の失敗が
後の共産主義体制崩壊の大きなきっかけになったと歴史的に評価されているそうです。
かつて家族で駐在したフランスでの日々に思いを馳せ、夜こっそり8mmビデオを天井に映して見る姿、
思春期の反抗的な息子と上手く会話できない不器用な姿、
息子にソニーのウォークマンやクイーンのカセットテープが欲しいと頼む姿に、
諜報部員というクールさでなく彼の人間臭さを感じます。
お金が欲しいとか、西側に亡命したいということではなく、行き詰まった自国の現状を憂い、
「祖国の為に、次世代を生きる息子の為に」という信念に基く行為だけれど、「国家の裏切り者だ」として
護身のために亡命するつもりは無いという言葉に胸を打たれます。
ピエールにもらったフランスの詩集の一句アルフレッド・ド・ヴィニーの「狼の死」で、
妻や息子の為に犠牲となる父狼に自分を投影し、死を覚悟した行動であることを暗示させます。
               
         情報を受け取るフランス民間人ピエールを演じるのはギヨーム・カネ
          民間人なのに、家族まで危険に曝すことに・・・     

80年代という同じ時代を生きていますが、インテリジェントに関わる方たちの非情な日常、
国と国の駆け引きに命を懸けたスパイ合戦、今に至るまでこういうことが続いているんだと
驚くと共に、日本はこういう国々と対等に外交的な駆け引きができるのかぁ~?と心配になりました。

折も折、これを書きながらNHKのBS世界のドキュメンタリー深夜再放送<シリーズ 核>
第3回「キューバ危機の真実」で、リスクを侵しながらソ連の核開発情報を西側に流し続けた
ソ連陸軍大佐オレグ・ペンコフスキーの存在を知りました。
核戦争を回避できたケネディーの決断の裏に命を落としたペンコフスキーの諜報活動かあったことを知り、
歴史の出来事の裏にどれほど多くの人たちの知られざる命がけの行動があったのかなぁ~と
圧倒される思いがしました。

人は希望で動く。 歴史は信念で動く。という映画のコピーに、成程、ええ言葉や~と感動。
迷走する日本の政治家に聞かせたい言葉です。
歴史は信念で動くんやでぇ~。プリンシプル principle やでぇ。 

ダイアン・クルーガーがちょこっとカメオ出演しています。
レーガンやミッテランはなかなかのそっくりさんぶりです。

この2本、実話エンタメアクション、 フランス映画アメリカ映画って対比がよく出てます。

「ソルト」で子供たちのアメリカ化教育に使ったTVドラマが昔好きだった「愉快なブレディー一家」
だったのを見て、懐かしのアメリカTVドラマは戦後の日本人を親米化する為の
政策だったと思い出しました。そして、私はそんな政策にすっかりのせられた一人なのでした。

映画や歌、アニメやファッションなどの文化を通して交流を図るのが一番効果的な親○政策ですね。

「ソルト」はアクション映画としては面白いんだけれど・・・公開のタイミングが悪かったかも?
          
 

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 ***** 見た 映画 *****

 7月30日 「インフォーマント」DVD マット・デイモン主演
      
       「モニカ・ベルッチの恋愛マニュアル」DVD イタリア映画 原題は「恋愛マニュアル2」 
 
 8月 1日 「ソルト」@TOHOシネマズ川崎

 8月 2日 「フェアウェル さらば,哀しみのスパイ」@渋谷シネマライズ

        「脇役物語 CAST ME IF YOU CAN」@有楽町 秋公開の緒方篤監督作品
              益岡徹、永作博美、津川雅彦出演


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2 コメント

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日本の政治家は (海パンjoe)
2010-08-06 02:48:41
銭で動くんやでぇ~。
柔ちゃんが証明してくれるでしょう(謎)。

と、ツカミはOK?

ソ連という国がよくわかりました。
91年に崩壊したとはいえ、まだまだ子供でしたかね。
大きくて力のある国という認識しかなかったですよ。
返信する
掴みはOK! (海パンjoeさんへ(ryoko))
2010-08-20 13:15:05
柔ちゃんの「国会でも金(お金)!」には爆笑しました。座布団3枚!

ソ連って、怖い大国のイメージでしたが、諜報活動でいろんな技術を盗み国内的に行き詰まっていたという件、以外でした。
米ソ双方が、相手国の高官に二重スパイにならないかと近づくってのも何だかなぁ~。事実は小説より奇なりですね。
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