2月27日、雪混じりの雨の中、横浜まで出たついでにムービルで鑑賞。
メチャクチャ寒かった・・・です。
「チェンジリング」って?
・・・ん?「チェンジング」じゃなくて「チェンジリング」?
なんて思っていたら、
後ろに並んだ中年の女性がお連れの男性に「どういう意味?チェンジ リング
?」と
質問している声が聞こえました。
確かに~、「リ」が入ってる!・・・r?l?
「チェンジリング changeling」は「妖精に他の子供とこっそり取り替えられたとされる子供」
の意味なんですね
知らんかった~。
カンヌ映画祭でも報道陣向け資料には、監督も知らないうちに
「L'Echange THE EXCHAGE」に題名が変更されていたらしいからフランス語にするのも難しいのかも。
拉致、誘拐されていなくなっただけでなく、その子供の代わりに別の子供が来るのです
*********************
チェンジリング CHANGELING
*********************
< ストーリー >
舞台は1928年のロスアンジェルス
シングルマザーのクリスティン・コリンズは休日の仕事を頼まれ、息子ウォルターを家に残し
出勤する。帰宅するとウォルターの姿は無く、警察に通報するもなかなか取り合ってもらえない。
行方不明のまま5ヶ月が過ぎ、イリノイで保護したとの報が届く。
警察が連れて来た子供は別人だと訴えるが、本人はウォルターだと言い張り、警察は訴えを聞き入れない。
訴え続けるクリスティンに、面子を潰されると警察からの驚くような圧力がかかる。
そんな時恐るべき事件が発覚、戦い続けるクリスティンはウォルターを取り戻すことができるのか?
イーストウッド監督作「ミリオンダラー・ベイビー」はボクシングの試合と安楽死問題の
2部構成のような形でしたが、
本作も、行方不明の子供を追い求める母親を描く前半と、驚愕の連続少年誘拐殺人事件と
その裁判という見応えた~ぷりの2部構成です。
隣に座った中年の御夫婦は、ビールを片手に準備万端!といった様子だったのに何故か途中で退場。
どうしちゃったのでしょう?こんな見応えある映画なのに・・・
脚本家J・マイケル・ストラジンスキーが実話をもとに調査し脚本を執筆、
「アポロ13」や「ダ・ビンチ・コード」の監督ロン・ハワードに企画を持ち込むも、
「フロスト×ニクソン」や「天使と悪魔」の撮影で監督を断念、プロデュースに名を連ね、
イーストウッドが監督をすることになったそうな。
もしロン・ハワードが監督をしていたら・・・違ったテイストの作品になったのでしょうね ?
同じ脚本・同じキャストで二人の監督が映画を撮ったら・・・これって面白い企画になりそうです。
アンジーは意外にも20年代当時のファッションがよくお似合いです。
「レボルーショナリーロード」で見たように、結婚後女性は家庭に入るのが当然だった時代、
外で働くシングルマザーというのは少なく、風当たりも強かったでしょう。
必死で我が子を探してくれと訴える彼女に全く取り合わず、
体面をつくろうために別の子供をあてがう警察のやり方には驚かされる。
担当のジョーンズ刑事部長・・・、冷酷で恐ろしか~
でも自分の子供かどうか見分けの付かない母親なんかいてへんよ。

果ては精神に異常をきたしているとして無理やり病院に監禁し、黙らせるために電気ショックを与える。
警察と病院の連係プレーで、他にも警察に不利な証言をする女性が大勢収容されていたという事や、
女性の地位が如何に低く、人権を無視した扱いを受けていたかということに胸が痛む。
そんな中、「息子を返して~!」というアンジーの声の枯れ具合が・・・ド迫力~
そして思わぬところから発覚する児童誘拐殺人事件。
スカーレット・ヨハンセン主演の「ブラック・ダリア」も
1947年にLAで実際に起こった事件をもとにしたジェームズ・エルロイの小説の映画化ですが、
惨殺された女性以外にも、当時数十名の女性が行方不明になったまま犯人を特定できなかった警察。
20年代からロスアンジェルス警察(LAPD)の杜撰さ、腐敗振りには驚かされます。
2006年に出版された、ブラック・ダリア事件の犯人は自分の父だと告発する、
「ブラックダリアの真実」(この本は凄かったです。確か映画化の話があったはず)を読んだ時には、
こんなことをする人間がいるのかと背筋が寒くなる思いでしたが、
本作の児童誘拐殺人犯も、何故こういう行動を起こすのか? わからない(わかったら問題よね)
そして、その理解できない行動というのが、実に恐ろしい。
事実は小説よりも奇なり。
何度か「これで終わりかな~?」と思うシーンが・・・。ところがどっこい、
物語は驚く展開をみせ、
見終わった後、ここまですべて描ききるか~・・・という満足感と達成感に、
重いテーマでありながら、
ショッキングな映像があるにもかかわらず
いやぁ~「凄かったぁ~」という感想のみ。
イーストウッド監督の代表作「ミスティック・リバー」は
私には後味の悪い中途半端なエンディングが不満だったけれど、本作は満足です。
警察権力と戦い、殺人犯に対峙するクリスティンの姿に、思わずこぶしを握り締めてしまいました。
「動物もの」「母子もの」に弱い私は、いつもは涙腺ゆるゆるですが、
本作はクリスティンの立ち向かう姿に、泣いている余裕はありませんでした。
アンジーはやっぱり「ララ・フリント」や「ウォンテッド」の時みたいに睨み付けて
体を張ったアクションだよな~、やっぱ託された地球を一人で救わなくっちゃ~と思っていたけれど、
クリスティン・コリンズも警察権力に立ち向かう強い女性で適役なのでした
アカデミー主演女優賞を逃したのは実に残念。
本作のアンジーを差し置いてゴールデングローブ賞まで総ナメにしたケイト・ウインスレット。
「愛を読む人」への期待が高まります。
イーストウッドって音楽の才能にも恵まれておられるのねぇ~。
「さようなら。いつかわかること」の音楽も良かったけれど、
本作の音楽は20年代のレトロな雰囲気、映画のテイストにピッタリで本当に良かったです。
ちなみに、61回カンヌ映画祭でカトリーヌ・ドヌーブと共に功労賞を受賞しておられます。
最後に1934年度のアカデミー賞発表で「ある夜の出来事」が出たのは、
クラーク・ゲーブル大好きの私には嬉しかった~


***** 先週・今週 見た 映画 *****
2月25日 「ベンジャミン・バトンの数奇な運命」@TOHOシネマズ海老名
2月27日 「チェンジリング」 @ムービル横浜
3月 7日 「いのちの食べ方 OUR DAILY BREAD」DVD
メチャクチャ寒かった・・・です。
「チェンジリング」って?
・・・ん?「チェンジング」じゃなくて「チェンジリング」?
なんて思っていたら、
後ろに並んだ中年の女性がお連れの男性に「どういう意味?チェンジ リング

質問している声が聞こえました。
確かに~、「リ」が入ってる!・・・r?l?
「チェンジリング changeling」は「妖精に他の子供とこっそり取り替えられたとされる子供」
の意味なんですね

カンヌ映画祭でも報道陣向け資料には、監督も知らないうちに
「L'Echange THE EXCHAGE」に題名が変更されていたらしいからフランス語にするのも難しいのかも。
拉致、誘拐されていなくなっただけでなく、その子供の代わりに別の子供が来るのです

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チェンジリング CHANGELING
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< ストーリー >
舞台は1928年のロスアンジェルス
シングルマザーのクリスティン・コリンズは休日の仕事を頼まれ、息子ウォルターを家に残し
出勤する。帰宅するとウォルターの姿は無く、警察に通報するもなかなか取り合ってもらえない。
行方不明のまま5ヶ月が過ぎ、イリノイで保護したとの報が届く。
警察が連れて来た子供は別人だと訴えるが、本人はウォルターだと言い張り、警察は訴えを聞き入れない。
訴え続けるクリスティンに、面子を潰されると警察からの驚くような圧力がかかる。
そんな時恐るべき事件が発覚、戦い続けるクリスティンはウォルターを取り戻すことができるのか?
イーストウッド監督作「ミリオンダラー・ベイビー」はボクシングの試合と安楽死問題の
2部構成のような形でしたが、
本作も、行方不明の子供を追い求める母親を描く前半と、驚愕の連続少年誘拐殺人事件と
その裁判という見応えた~ぷりの2部構成です。
隣に座った中年の御夫婦は、ビールを片手に準備万端!といった様子だったのに何故か途中で退場。
どうしちゃったのでしょう?こんな見応えある映画なのに・・・
脚本家J・マイケル・ストラジンスキーが実話をもとに調査し脚本を執筆、
「アポロ13」や「ダ・ビンチ・コード」の監督ロン・ハワードに企画を持ち込むも、
「フロスト×ニクソン」や「天使と悪魔」の撮影で監督を断念、プロデュースに名を連ね、
イーストウッドが監督をすることになったそうな。
もしロン・ハワードが監督をしていたら・・・違ったテイストの作品になったのでしょうね ?
同じ脚本・同じキャストで二人の監督が映画を撮ったら・・・これって面白い企画になりそうです。
アンジーは意外にも20年代当時のファッションがよくお似合いです。
「レボルーショナリーロード」で見たように、結婚後女性は家庭に入るのが当然だった時代、
外で働くシングルマザーというのは少なく、風当たりも強かったでしょう。
必死で我が子を探してくれと訴える彼女に全く取り合わず、
体面をつくろうために別の子供をあてがう警察のやり方には驚かされる。
担当のジョーンズ刑事部長・・・、冷酷で恐ろしか~

でも自分の子供かどうか見分けの付かない母親なんかいてへんよ。


果ては精神に異常をきたしているとして無理やり病院に監禁し、黙らせるために電気ショックを与える。
警察と病院の連係プレーで、他にも警察に不利な証言をする女性が大勢収容されていたという事や、
女性の地位が如何に低く、人権を無視した扱いを受けていたかということに胸が痛む。
そんな中、「息子を返して~!」というアンジーの声の枯れ具合が・・・ド迫力~

そして思わぬところから発覚する児童誘拐殺人事件。
スカーレット・ヨハンセン主演の「ブラック・ダリア」も
1947年にLAで実際に起こった事件をもとにしたジェームズ・エルロイの小説の映画化ですが、
惨殺された女性以外にも、当時数十名の女性が行方不明になったまま犯人を特定できなかった警察。
20年代からロスアンジェルス警察(LAPD)の杜撰さ、腐敗振りには驚かされます。

2006年に出版された、ブラック・ダリア事件の犯人は自分の父だと告発する、
「ブラックダリアの真実」(この本は凄かったです。確か映画化の話があったはず)を読んだ時には、
こんなことをする人間がいるのかと背筋が寒くなる思いでしたが、
本作の児童誘拐殺人犯も、何故こういう行動を起こすのか? わからない(わかったら問題よね)
そして、その理解できない行動というのが、実に恐ろしい。
事実は小説よりも奇なり。
何度か「これで終わりかな~?」と思うシーンが・・・。ところがどっこい、
物語は驚く展開をみせ、
見終わった後、ここまですべて描ききるか~・・・という満足感と達成感に、
重いテーマでありながら、
ショッキングな映像があるにもかかわらず
いやぁ~「凄かったぁ~」という感想のみ。
イーストウッド監督の代表作「ミスティック・リバー」は
私には後味の悪い中途半端なエンディングが不満だったけれど、本作は満足です。
警察権力と戦い、殺人犯に対峙するクリスティンの姿に、思わずこぶしを握り締めてしまいました。
「動物もの」「母子もの」に弱い私は、いつもは涙腺ゆるゆるですが、
本作はクリスティンの立ち向かう姿に、泣いている余裕はありませんでした。
アンジーはやっぱり「ララ・フリント」や「ウォンテッド」の時みたいに睨み付けて
体を張ったアクションだよな~、やっぱ託された地球を一人で救わなくっちゃ~と思っていたけれど、
クリスティン・コリンズも警察権力に立ち向かう強い女性で適役なのでした

アカデミー主演女優賞を逃したのは実に残念。
本作のアンジーを差し置いてゴールデングローブ賞まで総ナメにしたケイト・ウインスレット。
「愛を読む人」への期待が高まります。
イーストウッドって音楽の才能にも恵まれておられるのねぇ~。
「さようなら。いつかわかること」の音楽も良かったけれど、
本作の音楽は20年代のレトロな雰囲気、映画のテイストにピッタリで本当に良かったです。
ちなみに、61回カンヌ映画祭でカトリーヌ・ドヌーブと共に功労賞を受賞しておられます。
最後に1934年度のアカデミー賞発表で「ある夜の出来事」が出たのは、
クラーク・ゲーブル大好きの私には嬉しかった~



***** 先週・今週 見た 映画 *****
2月25日 「ベンジャミン・バトンの数奇な運命」@TOHOシネマズ海老名
2月27日 「チェンジリング」 @ムービル横浜
3月 7日 「いのちの食べ方 OUR DAILY BREAD」DVD