goo blog サービス終了のお知らせ 

映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

チェンジリング  CHANGELING

2009-03-08 | 映画 た行
2月27日、雪混じりの雨の中、横浜まで出たついでにムービルで鑑賞。
メチャクチャ寒かった・・・です。

「チェンジリング」って? 
・・・ん?「チェンジング」じゃなくて「チェンジリング」?
なんて思っていたら、
後ろに並んだ中年の女性がお連れの男性に「どういう意味?チェンジ リング?」と
質問している声が聞こえました。
確かに~、「リ」が入ってる!・・・r?l?
「チェンジリング changeling」は「妖精に他の子供とこっそり取り替えられたとされる子供」
の意味なんですね  知らんかった~。

カンヌ映画祭でも報道陣向け資料には、監督も知らないうちに
「L'Echange THE EXCHAGE」に題名が変更されていたらしいからフランス語にするのも難しいのかも。

拉致、誘拐されていなくなっただけでなく、その子供の代わりに別の子供が来るのです


*********************

    チェンジリング  CHANGELING

*********************



 < ストーリー >
舞台は1928年のロスアンジェルス
シングルマザーのクリスティン・コリンズは休日の仕事を頼まれ、息子ウォルターを家に残し
出勤する。帰宅するとウォルターの姿は無く、警察に通報するもなかなか取り合ってもらえない。
行方不明のまま5ヶ月が過ぎ、イリノイで保護したとの報が届く。
警察が連れて来た子供は別人だと訴えるが、本人はウォルターだと言い張り、警察は訴えを聞き入れない。
訴え続けるクリスティンに、面子を潰されると警察からの驚くような圧力がかかる。
そんな時恐るべき事件が発覚、戦い続けるクリスティンはウォルターを取り戻すことができるのか?



イーストウッド監督作「ミリオンダラー・ベイビー」はボクシングの試合と安楽死問題の
2部構成のような形でしたが、
本作も、行方不明の子供を追い求める母親を描く前半と、驚愕の連続少年誘拐殺人事件と
その裁判という見応えた~ぷりの2部構成です。

隣に座った中年の御夫婦は、ビールを片手に準備万端!といった様子だったのに何故か途中で退場。
どうしちゃったのでしょう?こんな見応えある映画なのに・・・


脚本家J・マイケル・ストラジンスキーが実話をもとに調査し脚本を執筆、
「アポロ13」や「ダ・ビンチ・コード」の監督ロン・ハワードに企画を持ち込むも、
「フロスト×ニクソン」や「天使と悪魔」の撮影で監督を断念、プロデュースに名を連ね、
イーストウッドが監督をすることになったそうな。
もしロン・ハワードが監督をしていたら・・・違ったテイストの作品になったのでしょうね ?
同じ脚本・同じキャストで二人の監督が映画を撮ったら・・・これって面白い企画になりそうです。

     
アンジーは意外にも20年代当時のファッションがよくお似合いです。
「レボルーショナリーロード」で見たように、結婚後女性は家庭に入るのが当然だった時代、
外で働くシングルマザーというのは少なく、風当たりも強かったでしょう。

必死で我が子を探してくれと訴える彼女に全く取り合わず、
体面をつくろうために別の子供をあてがう警察のやり方には驚かされる。
担当のジョーンズ刑事部長・・・、冷酷で恐ろしか~
でも自分の子供かどうか見分けの付かない母親なんかいてへんよ。
     

果ては精神に異常をきたしているとして無理やり病院に監禁し、黙らせるために電気ショックを与える。
警察と病院の連係プレーで、他にも警察に不利な証言をする女性が大勢収容されていたという事や、
女性の地位が如何に低く、人権を無視した扱いを受けていたかということに胸が痛む。
そんな中、「息子を返して~!」というアンジーの声の枯れ具合が・・・ド迫力~

そして思わぬところから発覚する児童誘拐殺人事件。

スカーレット・ヨハンセン主演の「ブラック・ダリア」も
1947年にLAで実際に起こった事件をもとにしたジェームズ・エルロイの小説の映画化ですが、
惨殺された女性以外にも、当時数十名の女性が行方不明になったまま犯人を特定できなかった警察。

20年代からロスアンジェルス警察(LAPD)の杜撰さ、腐敗振りには驚かされます。
  
2006年に出版された、ブラック・ダリア事件の犯人は自分の父だと告発する、
「ブラックダリアの真実」(この本は凄かったです。確か映画化の話があったはず)を読んだ時には、
こんなことをする人間がいるのかと背筋が寒くなる思いでしたが、
本作の児童誘拐殺人犯も、何故こういう行動を起こすのか? わからない(わかったら問題よね)
そして、その理解できない行動というのが、実に恐ろしい。
事実は小説よりも奇なり。


何度か「これで終わりかな~?」と思うシーンが・・・。ところがどっこい、
物語は驚く展開をみせ、
見終わった後、ここまですべて描ききるか~・・・という満足感と達成感に、
重いテーマでありながら、
ショッキングな映像があるにもかかわらず
いやぁ~「凄かったぁ~」という感想のみ。
イーストウッド監督の代表作「ミスティック・リバー」は
私には後味の悪い中途半端なエンディングが不満だったけれど、本作は満足です。


警察権力と戦い、殺人犯に対峙するクリスティンの姿に、思わずこぶしを握り締めてしまいました。

「動物もの」「母子もの」に弱い私は、いつもは涙腺ゆるゆるですが、
本作はクリスティンの立ち向かう姿に、泣いている余裕はありませんでした。


アンジーはやっぱり「ララ・フリント」や「ウォンテッド」の時みたいに睨み付けて
体を張ったアクションだよな~、やっぱ託された地球を一人で救わなくっちゃ~と思っていたけれど、
クリスティン・コリンズも警察権力に立ち向かう強い女性で適役なのでした
  

アカデミー主演女優賞を逃したのは実に残念。
本作のアンジーを差し置いてゴールデングローブ賞まで総ナメにしたケイト・ウインスレット。
「愛を読む人」への期待が高まります。


イーストウッドって音楽の才能にも恵まれておられるのねぇ~。
「さようなら。いつかわかること」の音楽も良かったけれど、
本作の音楽は20年代のレトロな雰囲気、映画のテイストにピッタリで本当に良かったです。
ちなみに、61回カンヌ映画祭でカトリーヌ・ドヌーブと共に功労賞を受賞しておられます。


最後に1934年度のアカデミー賞発表で「ある夜の出来事」が出たのは、
クラーク・ゲーブル大好きの私には嬉しかった~



にほんブログ村 映画ブログへ



 ***** 先週・今週 見た 映画 *****

 2月25日 「ベンジャミン・バトンの数奇な運命」@TOHOシネマズ海老名

 2月27日 「チェンジリング」 @ムービル横浜 

 3月 7日 「いのちの食べ方 OUR DAILY BREAD」DVD

007 慰めの報酬 QUANTUM OF SOLACE

2009-01-26 | 映画 た行
待望のシリーズ第2弾!007 慰めの報酬


007 007 007 007 007 007 007 007 007 

   QUANTUM OF SOLACE  慰めの報酬 

007 007 007 007 007 007  007 007  


う~ん、でも「慰めの報酬」って日本語サブタイトルの意味がよくわからんよ。
原題は「QUANTUM OF SOLACE」
QUANTUMは「エネルギー量」、SOLACEは「悲しみなどから離れるための慰め」の意味。
報酬って・・・?
「QUANTUM」って組織の名前?

*** 追加 ***
   QUANTUM には
    1.「(物理)の量子」
    2.「量、分量、数量、定量、額、定額、分け前」ということで、
   映画の題名は「分け前」の意味から「報酬」となったようです。

       カッコイイ!
前作「カジノロワイアル」のオープニングがとってもオシャレ~だったので今回はどんな?
と期待していたのに・・・砂漠の砂が女性の体の曲線となり妖しくセクシー?ちょっとわかりにくかった。
いや、期待が大きすぎたのかも?

 < ストーリー >

前作で愛するヴェスパーを失い傷心のボンドは、彼女を操っていたホワイトを拉致・尋問し、
背後組織の存在を知る。捜査のためハイチへ跳び、謎の美女カミーユを通じて、
組織の幹部ドミニク・グリーンの存在を知る。
表向きは環境関連会社のCEOを務める男だが、裏でボリビア政府転覆を図る将軍と手を組み、
天然資源の支配を目論んでいる。
ボンドは復讐を胸に秘め、グリーンの計画阻止に動く。


まぁ、初っ端から飛ばす!飛ばす
カーアクションでアストンマーティンとアルファロメオがあっという間に廃車です。
「モッタイナ~イ」なんてアクション映画で言っちゃあアカンことはわかってるけど・・・
そこは庶民の悲しさ、小さな声でもったいない!

それにしても、
最近のアクション映画はスピードが速すぎて、動体視力が良くないとついていけませ~ん
一体全体何がどうなっとんねん~?
ここまで早いと、ハラハラドキドキよりも、あれよあれよ、置いていかないで~・・・

車の色も共に黒だし、戦う相手も黒のスーツ、見分けが・・・つかん
まぁ、どのみちボンドの勝利だからね。ホッ。


ボンドシリーズの悪役って、癖のある人、病気もちの人が多いのに、
今回のドミニク・グリーンは取り立てて特徴がなく、ちと怖さに欠けます。
悪役の規模も「世界征服」っていうより、政情不安に付け込んで大儲けをしてやろうって
ちょっとせこくないかぁ?昔は宇宙にまで行ってたよん。

石油利権でなくに注目したところに
これからの世界の利権争いや環境を意識したってことなのかもしれないけれど、
今ひとつ。
世界規模の組織というわりに、
CIAも英国情報局もその存在を知らなかったってところがこの組織の規模を物語っている気もするが・・・。


上映時間も随分短く、前作「カジノ・ロワイアル」の盛り沢山さに比べると物足りなさがあるのは
仕方がないかもしれません。

     
う~ん・・・、
でも、でも、ダニエル・ボンドはカッコイイ~!
スーツ姿の素敵なこと
クレイグ登場以前は、ボンドといえばコネリーとT・ダルトンしか認めないと、勝手に誓っておりましたが、
すっかりコネリーボンドの正統な後継者としての地位を確立した感じです

今回も見所の一つは、舞台がトリノ(イタリア)、ハイチ、オーストリア、パナマと移り、
観光気分に浸れるところ。
トリノのあのお祭りは、旅番組で見たことあります
広場に臨時の競馬コースを作って、各町対抗で競い合うんですね。
そんなお祭りの裏で、命がけの死闘を繰り広げるボンド。
イタリアの素敵なレンガと瓦の街並みを、駆け抜ける~、撃ちまくる~。
文化遺産は大事にしようね。瓦が落ちとったで~、ちょっと心配。

ハイチでもボートで暴れまくりです。

オペラはわかりませんが、「トスカ」の劇場、舞台装置(巨大な目)が凄いな。
衆人観衆の中、あんなちっこい装置でオペラ見ながら会議?なんてできるんかな?

以前はQの発明した新型の秘密兵器があったもんですが、最近は秘密兵器なしですね。
それよりも、英国情報本部のコンピューター設備がスゴイことになってます!COOL!

ボンドといえば、ボンドガールに触れないわけにはいきません。
今回のカミーユは、ボンド同様復讐を胸に秘めた女性です。
そこで「傷ついた心が、共鳴する」というキャッチフレーズになるわけですね。
任務の遂行と復讐に揺れるボンドと、幼い日に家族を殺され家を焼かれたカミーユ。
どちらもこの悲しみを乗り越えなければ次の一歩を踏み出すことができない。
前回のヴェスパーはで命を落とし、今回のカミーユはで命の危機に陥る。

かつては007もバットマンも
「ただただ楽しいエンターテインメント」
「痛快アクションに秘密兵器+セクシー美女」が売りだったのに・・・、
すっかり様変わりし、「心に悲しみを秘め、葛藤する人間ドラマ」に変身しましたねぇ。

でもカミーユの背中はなに?幼い日のやけど?日焼けで皮が剥けてんの?


  
 今回は出番の多いM       悠々自適のリタイアが… 

  今回もボンドを助けるCIA





にほんブログ村 映画ブログへ





 ***** 今週 見た 映画 *****

 1月24日 「チェブラーシカ」DVD ロシアの人形劇

        「レンブラントの夜警 Night Watching」DVD

        「みんな誰かの愛しい人」DVD カンヌ映画祭脚本賞受賞のフランス映画

 1月25日 「007 慰めの報酬」@109シネマズMM横浜

トロピィック・サンダー

2008-12-07 | 映画 た行
国によって、文化によって、コメディーやお笑いの質って変わるんやねぇ。
「Mr.ビーン」みたいなナンセンスなんもあるけれど、英国の笑いは結構キッツーイ。
その上、ジョークは言葉遊びで知性をちらりと出すもんやから、笑えるもんやなくてもええんやてぇ。
笑えんでもジョークって、何やそれ?
最近見た「ホット・ファズ」「ショーン・オブ・ザ・デッド」は
結構血しぶきが飛ぶのにビックリやけど、ほんわか笑えたなぁ。

一方、アメリカの笑いは、大げさでスピーディー、畳み掛ける感じやね。
昔のチェビー・チェイスやアダム・サンドラーは苦手やけど、
「ゲット・スマート」のスティーブ・カレルや本作のベン・スティラーは好きやなぁ。
ジャック・ブラックは嫌いやないけど、切れキャラすぎて
「ほんとにあぶない人なんちゃうんかな~?」思てしまいます。

**********************

       ト ロ ピ ッ ク ・ サ ン ダ ー
         史上最低の作戦

**********************

 < ストーリー >
タグ・スピードマン:アクションスターとして成功したが、今や落ち目で崖っぷち。
ジェフ・ポートノイ:下品な芸風のお騒がせコメディアン。
カーク・ラザレス :徹底した役作りでオスカー5度受賞の演技派オーストラリアン。
この3人初競演の戦争映画がトラブルで資金不足に。
リアリティー追求の為役者の内緒で爆弾を仕掛けロケを決行。
ところがそこには麻薬組織の武装基地が・・・。
果たして無事に戻れるのか?映画は完成するのか?

         
               


シモネタ、パロディー満載のおバカムービーやけど、なかなかどうして、
友情・信頼を育んだり、再起を賭けたプロジェクトXな映画やったね。

初っ端の予告編の連続には「え~、もう映画始まっとったん?」
それもヒーロー物、
エディー・マーフィーを思わせる一人でおでぶ家族全員を演じるコメディーあり、
シリアスなアイアンマンとスパイダーマンの禁断の恋愛ドラマ
この映画本気で作ったらええのになぁ。ロバート・ダウニーJrの金髪碧眼修道士はセクシー!
正直なとこ、アイアンマンの時よりカッコいいんやないやろか?
大体、「演技派オーストラリアン俳優で私生活はお騒がせの困ったちゃんって」・・・、
名前はカーク・ダグラスみたいやけど、ラッセル・クロウのことやんねぇ?
この映画で黒人兵を演じる為に黒人になる手術を受けたっていう役どころも見上げた俳優根性やけど、
ロバート・ダウニーのなりきり振りにはぶったまげたわ~。
見た目(厚い唇)もしゃべり方も、話す内容も、彼を知らんかったら黒人の俳優さんかと思うかも。
彼はコメディアン(チャップリン)役をやったことはあるけど、
コメディーには今まで出たことないんちゃうか?
強烈な個性のベンとジャックを相手に、違和感なく、互角に、真面目なコメディアンぶり。
この人やっぱりメッチャうまいなぁ~と、アイアンマンの時以上に脱帽やね。

「アイ・アム・サム」のパロディ映画で、
「フォレスト・ガンプ」「アイ・アム・サム」(アカデミー賞受賞・ノミネート)
と何が違うか比較する所は、成る程ね!と感心。
それにしてもベン・スティラーのマッチョな二の腕にも驚いたで~。
ただのコメディアンの腕やないなー。


何といってもこの映画、意外な人が意外なキャラで続々登場。
予告編にもチラシにも出てへんから、ちょこっとカメオ出演かいな?
ところがどっこい、しっかり出てきはります。
ニック・ノルティーってシリアス・バイオレンス系やのに、凄みを利かせながらも
すっかり大ボケ。
T・C(敢えて名前は伏せとこっ~と)に至ってはハンサムキャラをかなぐり捨てて
デブ・ハゲ・胸毛の3拍子。ハリウッドのお偉いさんってこんなに横暴で嫌な奴なんかいな?
まぁ、興行収益上がらんと大変やもんな~。
エンディングではビミョーなダンス。お遊びなんか、新境地開拓なんか、はたまたぶち切れたのか?

マシュー・マコノヒーもマネージャー役で堂々出演。
ピープル誌の「最もセクシーな俳優』に選ばれハンサムキャラで通ってやるけど、
テレビで見たタイトルもわからへんおバカ映画で、長距離トラックの運転手役のひょうきんな役をやってんのを私は見たぞー。
あのカッコイイ、ハンサムなマシュー?!とわが目を疑ごうたわ。
女優P・C繋がりのおふたり、今回はT・Cに軍配を上げましょう。

皆さん楽しんで出演してるんが伝わってきます。
これは監督・製作・脚本・原案・主演と八面六臂のベン・ステイラーの人徳なんかなぁ。


映画の中でマネージャーのマシュー・マコノヒーが命がけで届ける『ティーボTiVO』って何やろ?
「内蔵のハードディスクにテレビ放送を録画する家庭用ビデオレコーダの名前、もしくはそれを開発した企業の名前」やそうです。

俳優さんって、細かいことまで一つ一つ契約書で取り決めて契約すんねんなぁ~。
女優さんはどこまで肌を露出するかを、胸だ、お尻だ、どこまで出すかと細かい条項があるらしいで~。
さすが契約社会やなぁ。


テレビ番組で
お笑い系が大阪弁、田舎のおっちゃんがUFOを見た!とかいうのは東北弁
というベタなお決まりの吹き替えが大嫌いなのにもかかわらず、
今回大阪弁で通した私も、メッチャベタやなぁ~。反省。



にほんブログ村 映画ブログへ




 *** 今週 見た 映画 ***

 11月30日 「ランダム・ハーツ」ケーブルTV(ムービープラス) ハリソン・フォード主演 

 12月 4日 「プライドと偏見」DVD J・オースティン原作、キーラ・ナイトレー主演

地上5センチの恋心  Odette Toulemonde

2008-11-09 | 映画 た行
公開時見に行こうと思っているうちに終了してしまった本作、DVDの発売を知り早速鑑賞

最近「温暖化」「宇宙からの侵略」「ウイルスの蔓延」等々
「地球の危機」や「日本の最後」みたいな映画多すぎませんか?
何だかマスコミの「学級崩壊」「医者不足」「なんたら難民」「格差社会」などという
不安を煽りまくる報道同様、映画も思いっきり先行き不安を煽ってます
見るもの聞くものこの手のものが続くと、気持ちが沈んでしまいます
現実的にどうかは別にして、悲観するばかりではなく、やっぱり希望は持ち続けたいよ

という訳で、落ち込んだときには、こんな映画はいかがでしょう?

幸せ配達人のオデット。
何ともふ~んわり、ほ~んわか、しあわせ~な気分になって元気の出る映画ですよ

主役オデットを演じるのはカトリーヌ・フロ。
とってもキュートでチャーミングな女優さんです
彼女を始めて見たのは「女はみんな生きている」。
結構凄い状況下で頑張る2人の女性を、逞しくコミカルに描いていましたっけ。
彼女はシリアスな「譜めくりの女」にも主演、近々DVDが出るのでこちらも見なくっちゃ~。


************************

    地上5センチの恋心     odette toulemond

***********************


原題は 「ODETTE TOULRMOND」。主人公の名前です。
フランス語はまったくわからないので、
シャンソンをフランス語で歌っちゃうという知り合いのKさんにおうかがいました。
苗字の「TOULEMONDE」は「tout le mond」を引っ付けたのではないかと。
非常によく使われる表現で、「すべての人。皆」という意味で会話でもよく出てくるそうです。 
toutはall、le mondは the worldの意味。フランスの有名な新聞はル・モンド。
映画の中でも「みんな」って珍しい苗字と言ってました。


 < ストーリー > 
 
何かあればすぐに「ジョセフィン・ベイカー」の曲を歌いながら踊りだす陽気オデット(カトリーヌ・フロ)。
10年前に夫を亡くし、美容師をしているゲイの息子と無職ですねかじりの娘と一緒に住む彼女は、
昼はデパートの化粧品売り場で働いて、夜はせっせと羽根飾りの内職に励む。
寝る前にはお気に入りの作家、
バルタザール・バルザン(アルベール・デュポンテル)の本を読むのがなによりの楽しみだ。
サイン会で舞い上がって自分の名前を言えなかったと落ち込むが、
彼の本で救われた感謝の気持ちを伝えたいとファンレターを渡すことに成功する。
一方のバルタザールは最新刊が酷評され、挙句に妻がその評論家と浮気していることを知り絶望。
そんな時、オデットのファンレターを読み…。


大ヒットしたフランス映画オドレイ・トゥトゥ主演の「アメリ」と雰囲気が似ています。
映像がとってもカラフル
こういう感じはフランス人好みなのかな?
アメリみたいにメルヘンチックではないけれど、
オデットの気持ちの高揚を直接ふわふわ宙に身体が浮くことで表現。
オデットの幸せそうな顔
見ているこちらまで幸せな気分になってきます。

    

オデットはゲイの息子と無職で反抗的な娘、居候している娘の恋人と暮らし、
世間的には少々問題ありの人生を送る普通の人。
悲観的だったが、バルザンの小説とジョセフィン・ベーカーの音楽に救われたという彼女。

ジョセフィン・ベーカーはアメリカ、セントルイス生まれの黒人シンガー兼ダンサー。
レビューで名を馳せた後フランスへ移住。
「黒いヴィーナス」と称されヨーロッパで大人気となり、
戦争中の功績ではレジオン・ドヌール勲章を獲得。
腰にバナナをつけた衣装が有名らしく、映画の中にそのポスターが貼ってあったし、
息子ルディがジョセフィンよろしくバナナを付けて踊ってました

 

一方、バルザンは売れっ子作家で、地位も名誉も手に入れた世間的には成功者。
テレビで批評家にこっぴどく酷評されどん底に。
自信をなくし、「誰かに愛されたい」と「愛されて幸せを感じたい」と
オデットからのファンレターにすがるように彼女のもとに。

ふ~んわり、ノー天気に見えるオデットには哲学がある。
「惨めな人生にも喜びや、笑い、愛がある。
こんな自分にも取り得があると気づき、ありのままの自分を愛せるようになった」
そして、それに気づかせてくれたのは、バルザンの本だと言う。
彼女をこんな悟りの境地に導いたバルザンの本、できるなら読んでみたいもんです。
バルザン本人が気づいていないってとこは、皮肉ですが・・・。

彼女と彼女の家族と暮らすうちに、
背伸びをして、人がうらやむ人生を歩んでいたが、本当の自分の人生を歩んでいなかったと気がつくバルザン。
「何を手に入れても幸せじゃなかった。自分のじゃなく他人の幸福を生きてきたから」
「どうすれば幸せになれるか?」・・・永遠のテーマよね~。
その答えを求めて日々暮らしているんよね。

オデットの夢は海に行くこと。
やっぱり海は人の心を癒してくれる場所なんですね~。海へ行こう!
地中海じゃなく観光地でない海ってところがオデットらしい。湘南の海じゃダメ?

オデットから幸せのレッスンを受けたバルザンの新作タイトルは「他人の幸せ」。
「みんな間違った場所で幸せを探している。幸せになるには、自分を受け入れることだ」と。
悟ったね!バルザン
バルザンと共に、私も幸せレッスン受けさせていただきました


「オデット」の「オ」を取ったら「デット 借金」って、
最後に借り返したってこと~?
苗字だけでなくこっちの名前にも含みがあったのか。やられました
(DVDを見てのお楽しみです)


それにしてもフランス男はロマンチックな演出がうまいなぁ~
こんなセッティングされたら女性はですよ。


時々現れる「イエス」の存在って何じゃいな?と思っていたら・・・
オデットの心を表しているのではなかろうか?

映画の中で日本映画を見るシーンが・・・ほんの数秒で麻呂眉女性のアップ
「羅生門」?
バルザンの奥さんが「日本人顧客に会う」とか、
最近のアメリカ映画では日本料理店のシーンが多いけれど、
フランス映画にも日本ネタがちらほらでしょうか?




にほんブログ村 映画ブログへ


 ***** 今週 見た 映画 *****

    今週は一本も見れませんでした 
    ブログを始めて初めてかも・・・

 

デトロイト・メタル・シティー

2008-08-30 | 映画 た行
私は何故この映画を見に行ったのか?
邦画はあまり見ないし、ましてや白塗り悪魔系のヘビーメタル。
今までなら、絶対見ないジャンルです。
たまたま本作のプロモーション活動をしている松ケンをテレビで見ました。
「松ケン」ってキンキラでサンバを歌って踊っていた暴れん坊将軍ではなく、松山ケンイチくんです。
今まで彼の映画見たことないのですが、
コンサートシーンでクラウザー二世として観客の前に出たときが一番大変だったと話す姿が
と~てもチャーミングでした。
     
予告編やTVのCMで何度も見た「デスノートのL」とも違う、
その時々でカメレオンのように変身する松ケンを見てみようと行ってきました109シネマズMM横浜。

見終わってロビーに出たら、
「次回のデトロイト・メタル・シティー、御席残りわずかです。お急ぎください~」のアナウンス。
実は上映開始時間を過ぎチケット入手、
暗闇の中、席に座った途端予告が終わって本編スタートという滑り込みセーフで入ったのでした
よかった、よかった!

今週の映画ランキングで何と!
「ダークナイト」や「ハムナプトラ3」を押さえ、「崖の上のポニョ」に次いで第2位!につけております。


                 
 
     デトロイト メタル シティー


               

私、基本的に泣かせる映画は映画館では見ないことにしております。
「ほたるの墓」なんて「せっちゃん」の顔や空っぽの「サクマのドロップス」見ただけで号泣です。
「動物もの」もいけません。「犬と私の10の約束」は予告編だけで
本編を見たらどんなことになるやら・・・

しか~し、まさかこの爆笑映画で泣くことになろうとは・・・不覚。

 <ストーリー  チラシより> 
心優しい根岸崇一はオシャレな渋谷系ポップソングミュージシャンを夢見て大分から上京。
甘いポップソング「ラズベリーキッス」でデビューを目指すが、自分の意思に反して
奇抜なメイクと演奏で人気を博す悪魔系デスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティー」(DMC)の
ギターボーカル「ヨハネ・クラウザーⅡ世」として活躍するはめに・・・。

そんな根岸君の苦悩とは裏腹にクラウザーⅡ世はどんどんカリスマになっていく。
理想と現実にもがき苦しむ悲劇(喜劇?)のヒーローの活躍が、いま始まる!


原作は300万部突破のコミックだそうです。
アニメ化もされているそうですが、読んだことも見たこともありません。
ぶっつけ映画です。
コミックファンの方々は、
「クラウザーさんはこんなもんじゃない。がっかりだ。」と言っておられるようですが、
デスメタルもヘビーメタルも知らない私は、爆笑!に次ぐ爆笑!
そして、田舎のお母さんの息子を信じ応援する姿に涙したのでありました

お母さんを演じるのは、30年位前「ピカピカに光っていた」宮崎美子さん。
クラウザーさん=崇クンと知りながら何にも言わず、ご飯を食べさせ、自信を無くして落ち込む息子に、
「クラウザーさんの音楽も、人に夢を与える立派な仕事」だと勇気付け、笑顔で送り出す

       
    憧れの相川さんと          佐治クンとデュエット/ お母さん

崇一クンも、めっちゃ心優しいいい子なんだもん。
「NO MUSIC, NO DREAM 音楽がなければ、夢もない」をモットーに
東京で暮らして5年以上経つというのに、全然都会に毒されずピュアな心を持ち続けている。
クラウザーさんの格好で、大学の後輩佐治クンとトイレでデュエットして応援するとこなんか
最高に可笑しい!
ニートになっちゃった弟を諭すクラウザーさん。弟クン、いいお兄ちゃんがいて良かったね。

マッシュルームカット(公然猥褻ヘアと言ってました)でめっちゃ甘甘ソングを歌う
ナヨナヨ・クネクネ根岸君と聖飢魔Ⅱのデーモン小暮みたいなキャラの
クラウザーさんを演じ分けた松ケン


松雪泰子演ずるは、根岸君の才能を見抜いたデスレコードの社長。
ドーベルマンのグリとグラを従えて女王様キャラピッタリです。

クラウザーさんのファンを演じる大倉孝二さんと岡田義徳さんの切れっぷりは凄い!
クラウザーさんの行動をことごとく好意的に解釈する姿に、
新興宗教のグルに従う信者のようなものを感じましたが、
このお二人潔い切れっぷりの右に出る方はいらっしゃらないのではないでしょうか?

残念ながらヘビメタ音楽全然わからないので、
対決シーンで御出演のブラックメタル界の帝王ジャックを演じているのは
KISSのジーン・シモンズ・・・KISSは派手なメイクということしかわかりません。
しか~し、気付いたことが一つ。
帝王ジャックが引退するという記者会見のシーンは、109シネマズMM横浜の隣にある
結婚式場なんだか貸しホールなんだかよくわからない「ベイサイド迎賓館」で
撮影したのではないでしょうか?
だよね?

ヘビメタ音楽の好きな方はもっと楽しめたんでしょうねぇ?

底抜けに笑えて、ちょっとホロリとする、めっちゃ楽しい映画でした。




にほんブログ村 映画ブログへ





 ***** 今週 見た 映画 *****

 8月24日 「デトロイト・メタル・シティー」@109シネマズMM横浜
              松山ケンイチくん主演

ダーク ナイト  DARK KNIGHT

2008-08-23 | 映画 た行
映画が終わってエンドロールが流れる中、後ろの若い女性が、
「『ダークナイト』って『暗い夜』じゃなくって『暗黒の騎士』だったのね~」
という会話が聞こえてきました。
カタカナだと「ナイト」の意味は伝わんないよね~。

今回のタイトルは「バットマン****」じゃあなくって「ダークナイト」のみ。
最初「バットマン」シリーズだと気付かなかったし、いわゆるスピンオフってやつかと思っちゃった
しっかりバットマン出てるやん。
主役はバットマンだけど・・・ジョーカーに押され気味。
クリスチャン・ベール、暴力事件起こしてる場合やないよ。頑張れ!



!!!!!!!!!!!!  !!!!!!!

      ダークナイト  THE  DARK   KNIGHT

!!!!!!!!!   !!!!!!


         

マイケル・キートンやジョージ・クルーニー、ヴァル・キルマーがバットマンをやってた時は
アメリカンコミック色が強く、ジャック・ニコルソンのジョーカーも、
ジム・キャリーの緑のスーツに紫の?を付けたリドラーも何となくコミカルだった。
クリス・オドネルが演じたロビンに至ってはタイツ姿でちょっと恥ずかしいほどだったし、
バットガールなんてのも出てました。
かろうじてダニー・デビートが演じたペンギン男が、
出生時にその醜い姿ゆえに親に捨てられた、という悲しみを背負っていたっけ。


クリスチャン・ベールに代わってから、いや監督がクリストファー・ノーランになったから、
何だかミョーに深刻です。
コミックエンターテインメントの域を出て、今回は人間のもろさや業に切り込んだ
見ごたえのある人間ドラマです


 <ストーリー>
バットマンはゴードン警部補と協力しマフィアの摘発に努めるが、ゴッサムシティーには悪がはびこる。
そこにジョーカーと名乗リ、銀行強盗や殺人を何とも思わない悪の権化のような男が現れる。
街には正義感溢れる新任の地方検事ハービー・デントが登場し犯罪撲滅を誓う。
ジョーカーはマフィアのボス達に働きかけ、目の上のこぶであるバットマンを殺すことと引き換えに、
マフィアの全資産の半分を要求する。
しかしジョーカーの狙いは金ではなく、人々を追い詰め悪の世界に引きずり込むことだった。
正義や善を憎み、叩き潰すことに喜びを見出すジョーカー。
バットマンとデント、バットマンの元彼女で現在デントと付き合う検事補レイチェルを巻き込んで
壮絶な戦いが火蓋を切る。



全編トーンが暗く、展開が速くってついていくのがやっとでした

デントが体現する正義の「光の騎士」って「WHITE KNIGHT」なんですね。
ライブドアとフジテレビの、ニッポン放送株をめぐる事件のとき、「ホワイトナイト」って専門用語が出てましたっけ。
「WHITE KNIGHT 白馬の騎士」て正義の味方をイメージするけれど、
味方だと思って油断をしていたら、ハゲタカになって牙をむく可能性もあるってことらしいです。


      
故ヒース・レジャーのジョーカーはどこでも大絶賛。
日経のコラム「TVの壺」の麻生香太郎氏は
「文字通り鬼気迫る演技で、完全に役に没入。精神の均衡を保つ為に睡眠薬などに頼らざるを得なかったのだろう。
『ジャック・ニコルソンやアンソニー・ホプキンスを越えることは不可能』と言われてきたが、
その言の通り、越えた時には『死』しかないのか・・・。」と書いておられます。
ってことは、ヒースは二人を越えたってこと?
この役をやったから、亡くなったってことですか?
そんなこと言ったら『羊たちの沈黙』のホプキンスや『シャイニング』のニコルソンはどうなるの?
悪役をする役者さんの命はいくらあっても足らんよ。

今までのヒースのイメージを考えると随分思い切ったと思うけれど、
白塗りして目の周りを黒くしたら彼の面影全く無いじゃない?
私には途中からジョニー・デップに見えて仕方がありませんでした。似てませんか?
あまりの絶賛に、私のあまのじゃく、へそ曲がり気質が出てしまいました。
ヒースファンの皆様、お許しを


ジョーカーがどういう成り行きで口が裂けあのような姿になったのかは定かではないが、
彼が聞かせるストーリーがころころ変わることから、悲しい過去があったのは確かでしょう。

人は思いもよらぬことで人生に狂いが生じると、「何故こんな目にあうのか」を考え、次に
「どんな悪いことをした結果、こんな仕打ちを受けるのか?」と自分を責めます。
幸せいっぱいの人や完璧な人生を歩んでいる(ように見える)人、
ヒーローとして皆から慕われて人を見ると、
無性に欠点や裏に潜む悪いものを探し出したくなる。

     

ジョーカーの、バットマンやデントを目の敵にして挑戦し続ける姿、
それは見返りを期待せず善を追求し正義を貫くヒーローに対する嫉妬心からきているのではないでしょうか?
憧れと嫉妬は紙一重。
「可愛さ余って、憎さ百倍」じゃないけれど、両極端の感情って表裏一体。

罠を仕掛け二人をヒーローの座から引き摺り下ろすことに生きがいを見出し、
そうすることで自分と同じ、悪におとしめる事で心の安らぎを得る。
「正義だなんだと言ったって、一皮むけば同じじゃないか」と世間に知らしめたいのね。

恵まれているとはいえ、バットマンにも悲しい過去があり、ヒーローであるが故の孤独にさいなまれてる。
ヒーローである為に、目の前で愛するレイチェルをデントに奪われるという苦しみにもじっと耐えている。

一方、「光の騎士」として正義を追求するはずだったデントが、
悲しみと自責の念からいとも簡単に悪の道に転落していく姿、人間って脆いわん
正義に対する思いが強いほど、一度その思いがこわれると一気に正反対に振れてしまうのですね。
因みに、トゥーフェイスって、以前トミー・リー・ジョーンズがやってましたよね。

同じ愛する人を失いながらバットマンとデントのこの違いは・・・
デントに手柄を譲り、彼を正義のシンボルとして市民の期待を裏切らないよう、
非難をすべて引き受けるバットマン。
あなたは真のヒーローよ!
でも、良い人過ぎるよ~な~んて思ったら、

キターーーーー!
「彼はヒーローじゃない。沈黙の守護者 街を監視する 闇の騎士





周りにいる人たちも、お金や家族のために、簡単に人を裏切る。
ところが、2隻の船に仕掛けたジョーカーの賭け?ワナ?お遊び?では、いい意味で観客を裏切り、
見る人をホッとした気持ちにさせてくれる。よかった、よかった


前半中国人実業家ラウを追って香港へ行った時、
「ありゃりゃ、バットマンもオリンピックに沸く中国へ「カンフー・パンダ」や「ハムナプトラ」
みたいに敬意を表するのか、それとも巨大市場狙い?」とちょっと興ざめしそうになったけれど・・・
後はず~っと、@ダークなゴッサムシティー。


それにしても、な~んとも贅沢な出演者たち。
いつも主演を張る方たちがぼろぼろ出演!
これだと、本来主演たるバットマン役クリスチャン・ベールの影が薄れます。
半分以上マスク被ってるし~、
声はエコーがかかったみたいに変だし、
マスクになったら別の人が演じててもわかんないよ。

マイケル・ケインにモーガン・フリーマン、ゲイリー・オールドマンは前作に引き続き、
バットマンをサポート。
デント役のアーロン・エッカートは「エリン・ブロコビッチ」から「幸せのレシピ」まで、
ドンドン良い役者さんになっっちゃって

女優さんたちとのハレンチ写真流出で話題になった香港俳優エディソン・チャンは香港のシーンでほんの一瞬、
「バットマン・ビギンズ」の悪役キリアン・マーフィーが偽バットマンでマスクを剥ぎ取られる役でこれまた一瞬、
TVのアンカーマン役でTVドラマ「デッドゾーン」のアンソニー・マイケル・ホールが
出ていたような。
贅沢な使い方~。

そうそう、マフィアのボスの一人は、ジュリア・ロバーツのお兄さんです。
人気TVシリーズ「HEROES」でも悪役だったね。ダンディーなのに・・・、ダンディーだから?

マギー・ギレンホールはヒロインってタイプじゃあないんじゃないかなぁ。
どうもヒーロー物のヒロインはいま一つのような・・・
「バットマン・ビギンズ」もこの人だったっけ?と思ったら
トム・クルーズの奥さんになったケイティ・ホームズでしたね。
子育てが忙しくて出演しなかったのかしら?



にほんブログ村 映画ブログへ



 ***** 今週 見た 映画 *****

 8月17日 「グレイズ・アナトミー シーズン3 VOL11」DVD

 8月18日 「グレイズ・アナトミー シーズン3 VOL12」DVD
   これにてシーズン3終了~って!こんな終わり方ないよ~
   気になる・・・。シーズン4、早く発売して~!

 8月19日 「ハムナプトラ3」@109シネマズ横浜

        「闇の子供たち」@109シネマズ横浜
      毎月19日は109シネマズの日にて¥1000で二本立て。
      ちなみに私事ですが、8月19日は我が家のわんこ9歳の誕生日です~
      8月19日生まれなので、名前は「はいく」です。

 8月22日 「敵こそ、我が友 戦犯クラウス・バルビーの3つの人生」@銀座テアトルシネマ
       
        「ボーダータウン 報道されない殺人者」@試写会
        J・ロペス、A・バンデラス主演の実話を描く社会派サスペンス

ディスタービア  DISTURBIA

2008-07-05 | 映画 た行
「ディスタービア」?ってどんな映画?
誰が出演してんのん?
タイトルを見ても「?」の方が多いんやないかしら?


前回の「インディアナ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」で
インディーの後継者になりそうなマットを演じていたシャイア・ラブーフ。
彼が主演の青春サスペンス映画です。

シャイア・ラブーフ、インディーの前にどこかで見たような・・・

そう、ロバート・ケネディー暗殺を描いた「ボビー」で、
選挙キャンペーンに参加する高校生の役でめがねをかけて出演していました。
アンソニー・ホプキンス、シャロン・ストーン、デミー・ムーア、マーティン・シーンなどなど、
多くの有名俳優競演の中でも、チョイ役ながら結構印象的でした。


という訳で、彼が主演の「ディスタービア」DVDを借りて見てみました。

スピルバーグの秘蔵っ子だとか、この映画もドリームワークス作品です。


!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

       ディスタービア   DISTURBIA

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


しょっぱな、釣りをしながらの父との会話
「見られた?」
「見てはいないが俺たちが見ていることに気づいている」という台詞はと~っても意味深。
まさにこれから始まる手に汗握る後半のシーンにリンク!


「-bia」という接尾語は「~な生態をもつもの」という意味ってことは、
タイトルディスタービアは「平穏・治安を妨げるもの」ってな意味でしょうか。

久々に、手に汗握るハラハラドキドキのサスペンス映画でした。

一応昨年、劇場公開されていたんですね、ま~たく知らんかった・・・
全米3週連続NO.1、10週連続トップ10入りってことで、
アメリカでは結構ヒットしていたんですね。

<ストーリー>
作家の父と釣りに出かけた高校生のケールは、帰宅途中で交通事故を起こし父を失う。
運転していた自分に責任があると感じ、授業にも身が入らない。
スペイン語の授業中、カッとなって教師を殴り夏休みの3ヶ月、自宅軟禁処分を受ける。
暇を持て余した彼は、双眼鏡で近隣の家を観察。隣家で女性が殺される現場を目撃してしまう。


と、ここまでのストーリーで懐かしのヒッチコック「裏窓」を思い出されるのではないでしょうか。

***裏窓 REAR WINDOW ***

1954年制作、主演はジェームズ・スチュアートとグレース・ケリー
事故で足を骨折したカメラマンのジェフは車椅子の生活。
望遠レンズで隣のアパートの住人達を観察するうち、喧嘩の絶えなかった夫婦の妻が姿を消す。
夫の不審な行動に恋人リザと調査を開始するも、犯人に気付かれ・・・
犯人の夫を演じたのは「鬼警部アイアンサイド」のレイモンド・バーでした。

本作で主人公ケールは裁判所命令で足首に監視システムを付けられ半径30mしか移動できません。
30mを越えるとパトカーが急行、拘束され
驚くのは、この装置のレンタル料自腹です。
自分で払って自分の行動を規制するっつうのはなんともはや・・・。
1日12ドル、3ヶ月着けたら約12万円!ちなみに、カード払いオッケーですって。

今の時代、家から出られなくても楽しめるものはい~っぱいあるじゃな~い。
そう、ケーブルテレビに、ゲーム、音楽
しか~し、ぐうたら生活にぶち切れたお母さん、
X-BOX,i-Tuneを解約、挙句にテレビのコードをハサミで

お母さんを舐めたらあかんぜよ!
何せ「マトリックス」で黒ずくめにサングラス、壁を駆け上って戦ったトリニティーですから。
今回キャリー・アン=モスはそんな能力を封印し、優しい息子思いのお母さんです。

という訳で、現代社会でありながらケールは家で暇を持て余し、「裏窓」同様
双眼鏡で覗き、いえ御近所観察と相成ります。

  

恋人も勿論登場。隣に越してきたアシュリーとは初々しい10代のラブストーリー。

友人役の韓国系アーロン・ヨーは「ラスベガスをぶっつぶせ」で見たばかり。
ひょうきんな友人役で、犯行を暴くべく主人公ケールと危ない橋を渡ります。

犯人役はデビット・モース。
優しいお顔立ちなのに、だからこそ?「ダンサー・イン・ザ・ダーク」など悪役が多いですね。

        
 キャリー・アン=モス    デビッド・モース

後半、隣人の異常な行動に気付いてから、友人・恋人・母を巻き込み、
デジカメ、携帯電話、パソコンを駆使して追い詰めていくところはぐいぐい引き込まれました。

双眼鏡で覗いた時に犯人と目が合っちゃうとこなんか怖~い!
確か「裏窓」にもありましたっけ?
途中から自分でも双眼鏡で覗いているような感覚になりました。

ソファーにもたれて見ていたのに、いつの間にか身を乗り出しておりました。
彼の足につけられた邪魔な監視システムが逆に役に立つのもうまい

殺人鬼の家で母を捜すシーンは「インディー・ジョーンズ」さながら
住宅街のはずなのに、洞窟のよう。
流石スピルバーグ率いるドリームワークス作品です。


ブログなどの評判は芳しくないようですが、
「裏窓」を下敷きに、若者を主人公に最新テクノロジーで犯人とやり合いつつ、恋愛も絡め、
なかなかどうして、面白い

どんな映画かも知らず、全く期待せずに見たのがよかったのかしら?
やっぱり「インディー」は期待しすぎたなぁ~。


冒頭の自動車事故のシーンが衝撃的で、よそ見をせずに安全運転を心がけようと思った次第です。
目指せ、ゴールド




にほんブログ村 映画ブログへ



 ***** 今週 見た 映画 *****

 6月29日 「ディスタービア」DVD

 6月30日 「憑神」 DVD 浅田次郎原作、妻夫木聡主演

 7月 1日 「歩いても 歩いても」 @チネチッタ川崎

       「告発のとき」 @チネチッタ川崎 

つぐない

2008-04-25 | 映画 た行
アカデミー賞7部門にノミネートされアカデミー作曲賞獲得、
キーラ・ナイトレイ出演作なのに、CMも少なくひっそり公開されているのは何故なのでしょう?

知り合いのYさんに関内の横浜シネマリンのチケットを頂き、
調べてみたら「つぐない」上映中!ということでダッシュ!

こんなことがあるのでしょうか?初めて行った小さな映画館のトイレで知人Iさんに遭遇!!!
同じ日の同じ時間に、数ある映画館の中で同じ場所、それもトイレで会う確率って、
めっちゃ低くない~?!
などとおバカなことを考えながら鑑賞。

***********************

   つぐない  ATONEMENT

***********************

原作はイギリスのブッカー賞作家イアン・マキューアンのベストセラー『贖罪』。

「贖罪」「つぐない」「あがない」「罪滅ぼし」「埋め合わせ」、
う~ん、やっぱりキリスト教的な意味を持つタイトルなんでしょうね?

第二次世界大戦前、夏のイングランド。
上流階級の娘で作家になることを夢見る13歳のブライオニー。
ケンブリッジ大学を卒業したばかりの姉セシーリア。
使用人の息子で幼なじみ、2人の父の援助を受け、ケンブリッジを卒業し医学を志すロビー。
  
以前からロビーに恋心を抱くブライオニー。
身分が違うとロビーと距離を置いていたセシーリアだが、ある出来事をきっかけに、
お互い惹かれていることに気付く。
それを見つめ、うろたえるブライオニー。
ロビーの手違いで、出すつもりの無いセシーリアへの手紙をたまたま目にし、二人の密会を目撃してしまうブライオニー。
好きな人が、自分ではなく姉と只ならぬ関係であることを知り、ショックを受ける。

彼女の歩き方、劇作家としていとこ達への演技指導する様、表情などから彼女の少女らしい一途な潔癖さがうかがえる。


まさにそんな時に事件が起こる。
夜、幼い双子の従兄弟が家に帰りたいと行方不明になり、懐中電灯を手に全員で暗闇の中を探す。
双子の姉が、レイプされているところに出くわしたブライオニーは「犯人を見た」と言い、
警察にロニーが犯人だと証言する。
行方不明の双子を見つけ出したにもかかわらず、ロニーは犯人として逮捕され刑務所へ。
その後刑務所から出る為に従軍する道を選びフランスの戦場へ。

ロニーと引き離されたセシーリアは家を出て看護婦になる。
出兵前にロニーと会い、「私のところへ、もどってきて」と海のそばの別荘の写真を渡す。

    

この後、映画は二つの構造になっています。
ブライオニーの書いた小説の話と年老いた彼女が語る真実と。
最後まで見て、観客は今まで見ていたのは現実に起こったことではなく、
ブライオニーの、セシリアとロニーへの
せめてもの「つぐない」として書いた小説であることがわかる。

幼さゆえの潔癖さと嫉妬が生んだ罪。
自分の一言がどんな結果を生むか想像できるはずもなく、
大人になって自分の言った嘘で二人の運命が大きく変わってしまったことを悔い、詫びるわけだけれど、
当時13歳の彼女がついた嘘は嫉妬による悪意のある嘘だったのか、
それともショッキングなシーンを目撃し、混乱し姉を守ろうという意識が働いたのか?
その両方が入り混じったものだったのか?

後になって言っても詮無いことだけれど、
もしあの時噴水での二人の様子を目撃しなければ・・・
もしもう一通の手紙が届いていれば・・・
もし図書館に入らなければ・・・
もし双子が家出をしなければ・・・と思わずにはいられない。
人生の歯車は、些細なことで方向を変えられてしまうことがあるのですね~。
悲しいな~。


子供がついた嘘で周りの大人の運命が悲劇へと変わっていく映画といえば、
オードリー・ヘップバーン、シャーリー・マクレーン主演の白黒映画「噂の二人」。
原作はリリアン・ヘルマンの「子供の時間 CHILDREN'S HOUR」。
親友ふたりが営む私立女子寄宿学校で、先生に叱られた少女が嘘をつく。
ふたりの仲が怪しいという言葉に、子供がそんな嘘をつくはずが無いという大人の思い込みから、
悲劇の結末へ。
こちらで描かれるのは少女の「つぐない」ではなく、
子供の残酷さ、身勝手さ、「子供がそんな嘘をつくはずがない」という大人の思い込み、
広がった噂に翻弄され、集団による精神的暴力の怖さを描いている。

告発する時のこの少女の目とブライオニーの目がそっくりなのに驚きです!

ブライオニーを演じるシアーシャ・ローナンも撮影中は13歳、
迫真の演技でアカデミー助演女優賞にノミネートされましたが、
先週の「フィクサー」ティルダ・スウィントンのよりも、個人的にはこちらが受賞すべきだったのではと思います。

晩年のブライオニーを演じるのは、ヴァネッサ・レッドグレイヴ。
77歳になったブライオニーは作家になり21作目を発表する。
それはセシリアとロニーの物語。
病院で看護婦見習いを始めた時から書き始め、認知症初期と宣告され、やっとの思いで完成。
彼女にとっては処女作であり絶筆となる一作。
数十年を、彼女の人生を懸けて仕上げた作品だったということから、
彼女の悔恨と悲哀の、想像を絶する辛く暗い人生がうかがわれます。涙が・・・
セシリアとロニーのみならず、彼女も人生が変わってしまった。
誰一人幸せになっていないというのが、何とも切なく、悲しいなあ~。

とっても、文学的で、イギリスの美しい風景も楽しめる作品でした。


第二次世界大戦でフランスといえば、ノルマンディー上陸はよく知られていますが、
ダンケルクでチャーチル指揮のもと、
あらゆる船を動員した史上最大の撤退作戦があったなんて知りませんでした。
観覧車やメリーゴーランドが出てきて、何なのこれは?はて?状態でした。
   
 
タイプライターの音を使った音楽といえば、ルロイ・アンダーソンの「The typewriter」、
誰もが耳にしたことがある軽快で明るい音楽だけれど、
この映画では、タイプを打つ音が緊張感とこれから何かが起こるということを
暗示するように使われているのには驚きでした。

戦場のシーン(だったかな?)とつぜん流れたドビッシーの「月の光」もよかった~。

ロビー役のジェームズ・マカヴォイは前回見た「ラスト・キング・オブ・スコットランド」以来ですが、
ラッセル・クロウに似ていると感じているのは私だけ?
ちなみに、二人ともタイプじゃありません。(ファンの方、すみません~)

キーラ・ナイトレーは「ベッカムに恋して」とか、「パイレーツシリーズ」みたいな元気印の方が合っていると思うけどな~。
お姫様とか令嬢というのは・・・ちょっと
あくまで個人的な意見です。(石が飛んできそう、失礼しました)






***** 今週 見た 映画 *****

 4月21日  「リトル・チルドレン」 DVD

 4月22日  「あるスキャンダルの覚書」DVD ジュディー・デンチ、ケイト・ウインスレット

          「靴に恋して」 DVD スペイン映画

         「グレイズ・アナトミー」シーズン1①②③

 4月24日  「プロヴァンスの贈り物」DVD ラッセル・クロウ、マリオン・コティアール主演 
            「トスカーナの休日」男性版?

         「グレイズ・アナトミー」シーズン1④⑤




 

団塊ボーイズ

2008-02-29 | 映画 た行
平日、17時からの映画館って閑散としています。
「団塊ボーイズ」を一緒に見たのは、たったの10人。
映画館には催行最低人数はないから、たった一人でも上映してくれるんですよね?

お気に入りだった「藤沢オデヲン」は昨年3月末、惜しまれつつとうとう閉館になってしまいました。
オデヲンという名にふさわしく、レトロで落ち着いた雰囲気。
いつでも使える6回分で1枚おまけの回数券の残りを払い戻しに行った時、
ブースの中にいた二人の職員の方々がすっくと立ち上がり、
「長らくの御愛顧ありがとうございました」と深々と頭を下さって、
「こちらこそ、残念です」と恐縮してしまいました。

東京のミニシアター系の映画を上映してくれる頼もしい映画館だったのに、残念です。
昨年、前を通ったら選挙事務所?になっていました

川崎は大丈夫でしょうが、利用者の協力が必要ですねえ~。
「コンセッション」(売店ね)でコーヒー買って、
超・超微力ながら映画館を応援するぞー(微力すぎるって?)

*********************
 
    団塊ボーイズ  WILD HOGS

*********************



主役の4人は、一人でも主役をはれる方ばかり。

いわずと知れたジョン・トラボルタ。
 ウッディ:モデルを妻に、誰もがうらやむ実業家かと思いきや、
      妻に一方的に離婚を言い渡され自己破産で家も失った。
      落ち葉拾いのバイトにきた小学生にも、おとな気ない喧嘩をする始末。
      失うものはもう何もない状態。

コメディーもアクションもこなす、
ナインティーナインの岡村さんに雰囲気が似ているマーティン・ローレンス。
 ボビー:夢は小説家の下水配管工。妻や娘、義母に甲斐性がないとがみがみ言われる日々。

サンタクロース役が多いティム・アレン。
 ダグ :只今メタボでダイエット中、一人サラダしか食べさせてもらえない、ごく普通の歯科医。

何となく記憶に残る名脇役のウイリアム・H.メイシー。
 ダドリー:未だ恋愛に縁がなく、出会いを夢見るドジなパソコンおたく。
      バイクの運転もへたっぴーで、あちこちで笑いを誘います。

シンシナティーに住む中年4人組。
ダグの奥さんが手作りしてくれた「ワイルド・ホッグス」というチーム名ロゴを背につけた革ジャンで、
休日に近場をツーリング。

原題はこのチーム名「WILD HOGS」、野生のブタ、つまり猪。
それだけだと「何のこっちゃ?」ですが、この原題には深~い意味があるのを発見。

「go hog wild」で「普段やらないような胸の高鳴るようなことを、突然行なう」、
「go whole hog」には「とことんまでやる」、
hogそのものにも、(大型)オートバイ、特にハーレー・ダビッドソンを意味すると、
辞書にもあるじゃあ、あ~りませんか。
私にはわかりませんが、4人ともハーレーに乗ってんのね。
な~んてこの映画にピッタリの題名ざんしょ座布団4,5枚いっちゃいましょう。

日本語の題名「団塊ボーイズ」も「少年の心を忘れていない中年のおっちゃん達」という想像はつきますが、ストーリーの展開までは思い至らないですよね。
げに、タイトルは難しい~。
タイトル次第で観客動員数って、絶対影響ありますよね。


日々の生活にそれほど大きな不満はないが、
これでいいのかな~とストレスがたまる毎日を送っている3人が、
失うものなんてもう何~んにもない、ウッディー(トラボルタ)にそそのかされて
ボビーなんて奥さんに嘘までついて、
週末にちまちま近所を走ってライダーを気取りストレスを解消するのではなく、本格ツーリングを開始。
ケータイを投げ捨て(ここでもダドリーが笑わせてくれます)、
家族や日常から離れ、「ルールなし・計画なし」で一路西海岸を目指します。

気持ちは若いが、肉体的な衰えはどうしようもない。
開放感を味わいながらも、なかなか常識的な行動を捨てられない。
一歩一歩小さなことから変えながらトラブル続きの旅は続く~。

           

本物強面の無法者ライダーグループ(いわゆる族?ってやつですか)の溜り場に、
そうとは知らず入ったことで、とんでもないトラブルに巻き込まれることになる。
原因を作ったのは、これまたウッディー。
自分がしでかしたとんでもないことを、仲間に言い出せず、
カッコをつけて窮地に追い込まれるトラボルタが子供みたいでキュートです。

族といってもオッチャンばっかり。ハーレーは高価で若者が手を出せるもんじゃあないらしい。
リーダーを演じるのはレイ・リオッタ。
「フィールド・オブ・ドリームス」や「ドグ・ソルジャー」の頃は良い役をやっていたのに、
いつの頃からかず~っと切れキャラばかり。

ダドリーの恋愛話(紅一点はマリサ・トメイ)もからめて、族グループと対決!するしか道はなく、
破れかぶれの4人。
もちろん自信を取り戻し、ハッピーエンディングになるのはアメリカ映画のお約束

ここでびっくりする人が登場!ピー*ー・フ**ダです。
わぉ!「*ー*ー・ライダー」だ~。わかりますよね。
なんとシャレのきいたカメオ出演!サングラスをかけているのであれれ?だよね?って感じで、
エンドロールでしっかり確認。にくいな~。

間違いなくある年齢以上(何歳?)の大人の男性が元気を取り戻す映画ですよ。
場合によったらバイクを始めてしまうかも?
私も十分楽しませてもらいました。


ここでちょっと、昔みた「シティー・スリッカーズ」を思い出しました。
ビリー・クリスタル扮する主人公が、幼馴染二人と休暇でカウボーイになって牛を追うお話。
最初はふざけたおっちゃんの話かと気乗りがしなかったけれど、途中からぐいぐい引き込まれ感動、
見てよかった~と思った映画です。
こちらも、懐かしのジャック・パランスが牧童役でスパイス効かせてましたね。

それにしても、アメリカでは大ヒットしたらしいし、
TVでコマーシャルまでしていたのに、何でこんなに上映館が少ないんでしょう?
若者には受けないという判断でしょうか。
トラボルタも出ているし、もうちょっと拡大上映してもいいんじゃな~い?
おじ様4人は、真面目にやればやるほど可笑しく、キュートでした。

中年よ、夢を抱け!ってか。
何でおっちゃんばっかりなのよ。 中年のおばちゃん応援青春映画はないんかい?

      

******* 今週 見た 映画 *******

 2月24日  「ガスパール 君と過ごした季節」 DVD フランス映画

 2月25日  「はさみを持って突っ走る」    DVD

 2月26日  「団塊ボーイズ」

テラビシアにかける橋

2008-02-09 | 映画 た行
1月半ばに風邪をひき、医者でもらった薬が合わず吐き気で寝込み、
以来、咳だけが続き、咳止めとのど飴を手放せぬ毎日。
やっと落ち着いてきたので、久しぶりに映画のハシゴ@川崎

チネチッタで「僕たちフィギアスケーター」(何でここでしかやってないの~?)
109川崎で「テラビシアにかける橋」を見てきました。
この順番で見て良かった~。笑いの後に感動です。
逆はあか~ん。

****************************
    テラビシアにかける橋  BRIDGE TO TERABITHEIA
****************************

タイトルから「これまたファンタジー映画?」と思いきや・・・
過酷な現実世界の話です。

原作はキャサリン・パターソン。
1977年アメリカで出版され、数々の賞を取り、
世界24カ国で翻訳出版されている有名な児童文学らしい。知らなんだ~。

映画の中で日本の神話「天岩戸(あまのいわと)」の話が出てビックリしたが、
彼女は1957年から4年間、長老派教会の布教活動で日本に住んだことがあるということで、
なるほどと納得。


主人公ジェスは学校では友達も無く、いじめられっ子、
ハウス野菜の販売だけではやっていけず、工具店でも働く父、
乳飲み子を抱え育児と家計のやりくりに追われる母。
姉二人に妹二人、男兄弟は無く、毎朝ハウス栽培の手伝いをしている。
父親にストレートに甘えている妹メイベルを少しうらやましく思っている。

足が速く、空想の生き物や話のイラストを描くのが唯一の楽しみ。

10歳くらいの男の子に、姉さんのお古のピンクのスニーカーをはけって、
そりゃ酷やろう。
日本の子供なら登校拒否になるんじゃないのと思うけれど、
家計が苦しいことを知っているジェスは、黒のマジックで隠そうとする心優しい子だ。

そんな時、都会的で俊足、文才があり、はっきりものを言う快活なレスリーが隣に越してくる。
海に潜るエッセイを、レスリーが教室で読むシーンの映像が、いいなぁ~。

         
友達がいない二人は次第に打ち解け、
ある日家の近くの川をロープで越えた所に古いツリーハウスを見つける。

目を閉じて心の目を開けば、二人だけの秘密の美しい空想の国「テラビシア」に行けるのよ
というレスリーの言葉に、ジェスは魅せられる。
Close your eyes and keep your mind wide open.

二人はこのテラビシアで空想の巨人や怪物と戦い、心を豊かにし、自信をつけ、
現実の困難に立ち向かっていく。

そこは現実から逃避する場所ではなくて、厳しい現実に立ち向かう力を蓄えてくれる場所なのですね。
こういうところで育った子供は、豊かな心を持った大人になるんだろうなぁ。

*最後には思いもよらない悲しい・つらい結末が待っています。
*これについては書かないほうがよいので、
 映画を見るか、
 本を読むか、
 DVDをお待ちくだされ。

自分を責めるジェス、でもその悲しみを抱きつつ、ひと回り大きな成長を遂げる。
こういう悲しみは、大人でも超えるのは難しいでしょう。

「テラビシアにかける橋」というタイトルの意味が最後の最後にわかります。
不覚にもポロポロと涙が・・・。
涙腺ゆるいんです。


しか~し、心の目で見るテラビシアの想像シーンは、
はたして完全に映像化してしまってよかったのでしょうか?
  

ジェスの描いた平面の絵とCGを混ぜるとか何とか工夫はできなかったのでしょうか?
「目を閉じて心を大きく開いて見れば見える」とレスリーも言っているのに…

でも映画である以上映像化しなければならないわけで、ちょっとジレンマでしょうか。

本で読めば、各人各様のテラビシアやモンスターが生まれます。
想像の翼を広げて、自分の空想の世界を自分で創造する。
ひとたび映像を見てしまったら、想像の翼はしぼんでしまう気がします。

ティズニーのアリスやピノキオを見たら、
もう他のアリスやピノキオはイメージできなくなってしまうし、
「ハリー・ポッター」はダニエル・ラドクリフ君以外は受け入れられないでしょう。

CGを駆使したファンタジー物が次々と映画化されている昨今、これでいいのかなぁ~?
これってまさに老婆心でしょうか?

とても心に響く良いストーリーでした。
Keep your mind wide open.

主演の二人もこれからが楽しみな役者さんです。

レスリー役のアナソフィア・ロブは「チャーリーとチョコレート工場」で、
ガムをかんでる生意気な女の子役でしたが、美しく成長することでしょうねぇ。

ジェスの父親を演じているのは、「ターミネーター2」で何にでも変身し執拗に追いかけてくる
無表情で冷徹なアンドロイドを演じたロバート・パトリック。



ついでに、

*************************
  俺たちフィギアスケーター  BLADES OF GLORY
*************************

アメリカではヒットしたけれど、
日本ではあまり受けそうに無い、おバカコメディー。
「奥様は魔女」でニコール・キッドマン扮するサマンサの夫ダーリンを演じたウィル・ファレルが、
又してもありえないフィギアスケーター役。
どうみても体型的にフィギアは無理でしょう。

男同士でペアを組むことになる相手ジョン・へダーは
なよっとしたアイドル系?

映画の中の記者会見で、日本人記者の唐突な日本語での質問に、
たどたどしい日本語で答えたので、日本公開用のサービスか何かかしら?
と思っていたら、
この方も日本で数年布教活動なさっていたらしい。
ユタ州出身ってことはモルモン教かしら?

とにかく次から次へと思いっきり笑わせてくれます。
真面目に演じれば演じるほど可笑しいんだけれど、そこにくさ~い友情を散りばめて…
本物のナンシー・ケリガンに、そっくりさん?のサーシャ・コーエン登場。
でもやっぱり、日本では受けないだろうなぁ~。


******* 今週 見た映画 *********

2月3日  「エバン・オールマイティー」 DVD  スティーブ・カレル、モーガン・フリーマン

       「ミスター・グッド アドバイス」  DVD チャーリー・シーン 
  
2月4日  「ヘンダースン夫人の贈り物」  DVD  ジュディー・デンチ 

2月5日  「俺たちフィギアスケーター」

        「テラビシアにかける橋」