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映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

デンジャラス・ラン  Safe House

2012-09-01 | 映画 た行
映画館で予告編を見て気になっていた本作、JALの飛行機の中で鑑賞しました。
画面が小さいのが残念ですが、アクション・バトル満載で最後まで惹きつけられました。

デンゼル・ワシントンとライアン・レイノルズ主演です。
前半、白髪交じりの長めの髪に髭で登場したデンゼルを見て「老けたなぁ~」なんて思ったのですが、
髭を剃って髪を短くした途端「まだまだ、精悍だー!何と鋭い目線!」役者よのぉ~。

     
                
スカーレット・ヨハンソンの元夫ライアンは、なんとな~く頼りない風貌ですが、
追い詰められるにつれ、徐々に表情が引き締まり必死の形相に!(状況が状況ですものね) 
あなたは私の婿になる」でサンドラ姐さんに振り回されるちょっと気弱な年下の彼を演じ
「この人意外に上手いなぁ~」っと思ったのですが、本作でも
「グリーン・ランタン」見てみるかなぁ~。

そして、ヴェラ・ファーミガ。  
この方いろんな映画に出ていらっしゃって、よくお見かけします。
マイレージ・マイライフ」「エスター」「縞模様のパジャマの少年」「約束の葡萄畑」「ミッション: 8ミニッツ」
など、ちょっとミステリアスなクールビューティーです。
本作では味方なのか?敵なのか?ミステリアスなCIA幹部職員を演じてます。


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       デ ン ジ ャ ラ ス ・ ラ ン  Safe Home

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 < ストーリー >
大した事件の起こらないCIAの南アの隠れ家を管理している新米CIA工作員のマット(ライアン)は
上司にパリ勤務を申し出たが音沙汰なしで苛立ちを感じている。
そんな時、南アの米国領事館に一人の男が出頭。彼はCIAで屈指の腕を持つ伝説の工作員だったが、
敵国に機密情報を流したとして国際指名手配を受けているトビン・フロスト(デンゼル)。
彼が隠れ家に移送された途端、何者かが隠れ家を襲撃し、生存者はマットとフロストのみ。
敵の正体も事情もわからないまま、別の隠れ家にフロストを連行する命を受けたマットは
四面楚歌の中、逃走を繰り広げる。


繰り返し追ってくるのは正体不明の敵。
同行するのはで言葉巧みに心理戦で追い詰めようとする伝説の元工作員。
信頼していた上司たちも、誰が味方か黒幕なのかがわからない。
退屈な日々から一転!まさに孤軍奮闘です。

( 老獪な元工作員  新人工作員 )   謎の敵
カーアクションに、息詰まるバトル。
そこに不思議な友情?が生まれ怒涛の結末へ


飛行機で3本目にこんな激しいアクション映画を見たので、目がゴワゴワでしたわ。

原題の「Safe House」は「隠れ家・アジト」のことですね。





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テルマエ・ロマエ

2012-05-08 | 映画 た行
いい意味でも、悪い意味でも、待ってました「テルマエ・ロマエ」。
公開が始まったらすぐにと思っていたのですが、やっと見てきました。

個人的に、阿部寛が日本人俳優で一番カッコイイ~!と思っている私です 
友人にそう言ったら・・・ぷっ!っと笑われてしまいました。 えぇ~、なんでー? 笑うかなぁ?


ヤマザキマリさん原作の漫画本は読んでます。
こういうストーリーって、紙媒体で見るのはいいけれど映画ってどうよ?っと思ってしまいます。
漫画の世界ではありえないようなことでもオッケーだけれど、人が演じたらアカンでしょう。
そんな一抹、いえ二抹三抹の不安を抱きつつ鑑賞。

ヤマザキマリさんの漫画についてはこちらへ。
テルマエのチラシについてはこちらへ。



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            テ ル マ エ ・ ロ マ エ

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 < ストーリー >
西暦130年代の古代ローマはハドリアヌス帝の時代。
浴場設計技師ルシウスは、昔ながらの浴場建設を提案するが時代遅れと却下され失業状態に陥る。
落ち込彼ルシウスは友人と共に公衆浴場に行き湯の中に身を沈めたところ、壁の排水口を調べようと
近づいたところ、足を取られ吸い込まれてしまう。もがきながら水面に顔を出すと、
そこは「平たい顔」の人たちがくつろぐ、見たこともない様式の浴場だった。
自分の意志とは無関係に度々「平たい顔族」の風呂と古代ローマを行き来し、後ろめたさを感じつつ、
「平たい顔族」の風呂のアイディアをローマでの浴場設計に活かし、名声を得て、
ハドリアヌス帝の要望で風呂を設計するようになるが・・・。



           

「お風呂文化を持つのは古代ローマ人と日本人だけ」とおっしゃるヤマザキマリ氏。
でも・・・中東・イスラムの国々には「ハマム」があります。
蒸し風呂だけれども垢すりなんかもあるし・・・って、これはローマの浴場文化を継承したもののようです。

漫画原作の実写ってことで、不安を抱きつつ鑑賞しましたが・・・ビミョ~。
「ガッカリ」ってわけじゃないのですが、「面白かった~」っというほどではない。
それは原作を読んでいて、概ねストーリーを知っているからなのか?
ウォシュレットのシーンなど、予告編で何度か見てしまっていたので笑えなかったというのも残念です。

チネチッタでのロケシーンは多くのイタリア人エキストラさんを投入し、なかなかの迫力で、
阿部ちゃんもそんなイタリア人に囲まれて違和感がないか?といえばそれほど違和感はなかったけれど
やっぱりイタリア人じゃないよなぁ~。
平たい顔のおっちゃん達に囲まれても違和感はないし・・・。
上戸彩ちゃんはいいんだけれど、阿部ちゃんの相手役じゃぁないよなぁ。

最後はローマの歴史を変えないように、みんなで力を合わせて頑張ったんだけれど、
なんだか安直な「感動系」(隣に座ったアラフォー女性は泣いておられましたが…)で
うむむむ・・・。これで泣くか~?

というわけで、阿部ちゃんは良かったけれど(ファンの欲目?)やっぱり、一抹の不安的中でした。
番宣の情報番組で、阿部ちゃんが
「テルマエ」の漫画の表紙を持ってジムに行って「この体にしてください」とトレーニングに
励んだとか。ギリシャ彫刻のようなお身体でした。
「こんな体にして」っで、できるもんなんやねぇ 
私の身体も何とかしてください!っとお願いしたいもんです。


竹内力さんは・・・「平たい顔族」やないでしょう?・・・ね。





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TIME/タイム   IN TIME

2012-02-24 | 映画 た行
ミーハーですみません。
予告編でTVドラマ「ホワイト・カラー」のマット・ボマーが出演しているのを知り、これは見逃せないなと
早速映画館にて鑑賞。
前半しか登場しませんが、なかなか存在感があったと思います。
これからの映画出演、期待しています。

もう一人、街のギャングのリーダー役の人もチョイ役なのになかなかイケメンと思ったら、
今日レンタルした「アイ・アム・ナンバー4」の主演を務めているアレックス・ペティファーじゃ
ないですか!服や髪型のせいか、同一人物とは思えないほど本作の方が老けて見えました。
「アイ・アム・ナンバー4」では高校生役ですから。

注目の若手俳優二人を脇に、主演はジャスティン・ティンバーレークとアマンダ・セイフライド。


 
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             TIME/タイム   IN TIME
   
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 < ストーリー >
科学技術の進歩により、すべての人間の成長は25歳で止まり、体内時計が余命を刻み始める。
通貨の代わりに「時間」が余命を決め、富裕層は永遠といえるほどの命を持つ一方、貧困層は平均23時間。
寿命を延ばす為にはあくせく働き続けるか、奪うか、分け与えられるか……。
ある日、貧しい青年のウィル(ジャスティン・ティンバーレイク)は100年を超える時間を持つ
裕福な男性ハミルトン(マット・ボマー)から時間をもらい、富裕層の住む地域に行くが、
ハミルトン殺害容疑を掛けられ、追われることになる。
富裕層の娘シルビアを人質に逃げるが、執拗に追う時間監視局員。
そして残り時間がわずかになった二人の行方は・・・。



まさに「TIME IS MONEY」な時代。
時間をやり取りして助け合ったり、質屋で時間に交換したり、日雇いで働いて稼いだり、
脅して横取りしたり、腕相撲で対戦して相手の時間奪ったり。

貧困層は一分一秒でも無駄にできず、いつもセカセカ小走りで食事も味わう余裕などない。
一方富裕層は、時間を気にすることなく何事もゆったり。ポーカーやパーティーに興じている。
爺ちゃんも婆ちゃんも、父さんも母さんも、息子も娘も、みんな25歳の若さを保つってことは
人口がとんでもなく増えるわけで、人口増加を抑制するために貧困層は早死にするというシステム
のようです。

古来から「不老不死」は人類の悲願だけれど、いざ叶ったら本当に嬉しいんだろか?
マット・ボマー演じる富裕層の男ハミルトンは、
「少数が不死になるために多くが命を落とすのはおかしい」「身体は元気でも、心が燃え尽きてしまった」
と心情を吐露し、死にたいと言う。
そりゃそうだよなぁ~と思いつつも、
毎日残り時間を気にして1分2分をやり取りする人間に、なんと贅沢なことを言うんでしょう。

前半はダーウィンの適者生存や資本主義による格差拡大、物価の急騰など、現代社会を批判するような
メッセージ性のあるストーリーかと思ったら、途中からなんだかよくわからなくなりました。


時間監視局員が執拗にウィル追うのは、構築された格差社会の秩序を守るためなのか?
ウィルの父親について、何だかわけあり?を匂わせていたけれど結局何も語られず。
「何の為に誰がこのようなシステムを構築したのか?」システムの謎を解くことができるのか?って
そんな謎はあったんでしょうか?
後半のストーリー展開に疑問が残りました。

           
ウィルとシルビアの逃避行は、まるで「俺たちに明日はない」のボニーとクライドか?
シルビアは、誘拐されたテロリストの一味となって世間を騒がせた新聞王ハーストの孫娘パトリシアのよう。


まぁ「不老不死」で永遠に生き続けるって・・・きっと疲れるよね?
アンチエイジングに励んで「美魔女」や「ちょいワル」あたりを目指して努力しつつ、
年の流れと共に徐々に老いるというのが、やっぱり自然の摂理でございます。





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ツリー・オブ・ライフ

2011-08-26 | 映画 た行
カンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いた本作。
カンヌ映画祭で賞を獲得した作品って・・・いま一つよくわからない難解なものが多くって。
本作はどうなんかなぁ?と思いつつ、鑑賞。

隣に座った母娘がうるさくって・・・劇場マナー映像からエンディングが流れるまで、
ポップコーンをガサガサ食べながら、各シーンに「えっ、どういうこと?」「~ってこと?」などと
最後まで延々と話は続きました 


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       ツ リ ー ・ オ ブ ・ ラ イ フ

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鑑賞後、大阪の実家に帰ってまったりしていたので記憶を辿りつつ・・・。


 < ストーリー >
1950年代にテキサスで過ごした少年時代を振り返るジャック(ショーン・ペン)。
愛に溢れた優しい母と、厳しく躾ける父(ブラッド・ピット)。
息子達に「強くあれ!」と力で押さえつけようとする父を、畏怖し従う母と弟たち。
長男ジャックはそんな父に反発し、弟に嫉妬する。


何だか不思議な映画でした。
ドキュメンタリーのような美しい映像で描く壮大な宇宙の歴史と
1950年ころのオブライエン一家の家族の葛藤。

台詞は少なく、成人したジャックの声と当時のジャックの心の声がボソボソと話し、
ストーリー自体も断片的ではっきりとは描かれない。

最初に旧約聖書のヨブ記の一節がありました。
ヨブ記』は人間社会の中に存在していた神の裁きと苦難に関する問題に焦点が当てられているそうな。
   (by Wiki)
読んだことが無いので・・・ただ、本作は非常に宗教色の強い作品だと思います。

「神への信仰があれば、悪いことは起こらない」のような母の台詞があったような。
しかしながら、深い信仰心があっても、残念ながら悪いことは起こるときには起こるんです。
愛する息子を亡くし悲嘆にくれる夫婦、しかし死亡理由は・・・語られない。

「父と息子の確執」はアメリカ映画でよく描かれるテーマですが、日本では「母と娘の葛藤」の方が
多いのは文化の違いなのでしょうか。

父の躾けはそれほど厳しいという感じは受けませんが、非常に感情的。
息子達に「負け犬になるな」と「力がすべて」を固持する父ですが、自分自身は音楽の道に挫折、
特許申請も上手くいかず、リストラの憂き目に会い、引越しをすることになる。
自分の果たせぬ夢を子供に、というのは時代や文化、性差を越えて同じですね。

ある時、弟に音楽の才能を見出しうれしそうな父を見て嫉妬するジャック。
旧約聖書「創世記」に登場する人類最初の兄弟カインとアベルのように、
父は自分より弟を愛していると弟に辛くあたる。
まさか弟の死にジャックは絡んでないですよね?


ジャックの行動に解せないことがあります。
他所の家に侵入しある大胆な行動をするのですが、あれは何を意味しているのでしょう?


あまりにも壮大な宇宙や命の繋がりとオブライエン一家が私の中で繋がらず、
「う~ん、何だかなぁ~」で止まってしまいました。

命の繋がりには「神、若しくは創造主の見えざる手」があり、
何世代にも繰り返され続けるというメッセージなのかなぁ?


次男を演じている子がブラピに酷似していて、子供の頃のブラピってこんな感じだったのかなぁ
なんて思いました。



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 ***** 見た 映画 *****

 8月17日 「ツリー・オブ・ライフ」@109シネマズMM横浜
  
        「ダンシング・チャップリン」@横浜ジャック

 8月24日 「塔の上のラプンツェル」DVD 

テンペスト

2011-06-19 | 映画 た行
日比谷シャンテでしか見れないと思っていた「テンペスト」。
ららぽーと横浜のTOHOシネマズ上映中ではないですか!?
電車で行くと遠いのですが、車で行けば以外に近いことに気づき早速行ってきました。

原作がシェイクスピアであることは知っていましたが、本を読んだことも、舞台や映像で見たことも無く
全くどんなストーリーかを知らずに見てきました。


「テンペスト」とは「大嵐」「暴風雨」のことですが、「大騒ぎ」って意味もあるんですね。
「嵐」で難破し流れ着いた孤島で「大騒ぎ」が繰り広げられます。



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         テ ン ペ ス ト  T E M P E S T

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原作の主人公はプロスペローは男性ですが、映画ではそれを女性プロスペラに変え
へレン・ミレン演じています。



 < ストーリー >
ナポリ王アロンゾーは息子のファーディナンド、ミラノ大公アントーニオらと海上で嵐に遭遇、
船は難破し一行は孤島へ流れ着く。
島にはミラノ大公の妃で夫の亡き後、女大公として民に愛されていたプロスペラと娘のミランダが
弟アントーニオやナポリ王の策略で12年前ミラノを追われ暮らしていた。
プロスペラは魔術を使って嵐を起こし、妖精エアリエルや怪獣キャリバンを繰ってナポリ王らへの
復讐を企てていた。
果たしてプロスペラは復讐を果たせるのか?


ちょっと大げさな、舞台さながらの雰囲気をそのまま映画にしたって感じです。
ハワイで撮影したという荒涼とした岩だけの場面と
プロスペラとミランダが暮らしているモダンな階段と魔術実験室のようなセットのみ。

以前、アンソニー・ホプキンスとジェシカ・ラング主演で同じくシェイクスピアの戯曲
「タイタス・アンドロニカス」の映画化「タイタス」を見ました。
もっと荒涼とした暗いセッティングで、同じ復讐劇でもこちらは非常に残虐で悲劇的。恐ろしい~。
シェイクスピアってこんなのもあるのか?と引いてしまった記憶があります 

本作は、
陰謀渦巻く権力闘争の末に島流しに遭ったという点では「悲劇」からスタート、
妖精エアリエルが魔法をかけたり、若い男女をひっつけたりは、まるで「真夏の夜の夢」
酒蔵係と道化がエアリエルやキャリバンにいいようにからかわれる姿は「喜劇」、
そして、復讐を思い留まり過去の罪を悔い改めさせ赦すという点では「ハッピーエンド」の大団円。
丸る~く収まります。
若い二人の結びつきによって、積年の恨みを水に流し赦します。

シェイクスピア初期の戯曲「タイタス」では壮絶な殺戮を繰り返す登場人物たち 
本作「テンペスト」は最後に書いた戯曲だとか。
多くの悲劇・喜劇を生みだし、年を重ねたシェイクスピアが行き着いた先は赦しだったんでしょうか?



妖精エアリエルのシーンはCGで綺麗にというより手作り感溢れるアナログな感じでです。

衣装はゴージャスで俳優陣も豪華です。

・「クイーン」ですっかり女王様になりきりアカデミー賞に輝いたヘレン・ミレンは貫禄です。
ショートカット姿がとってもクール! 皺なんて、気にならないよ。
      
                    娘ミランダと

・ナポリ王アロンゾーを演じるデビッド・ストラザーンがロマンスグレーで素敵です~
    
・姉を陥れミラノ大公に修まっているアントーニオには目線の鋭いクリス・クーパー

・油断のならないナポリ王の弟に、いつも曲者を演じるアラン・カミング
     カミング              モリーナ

・酒蔵係りには、あるときは「スパイダーマン2」のオクトパス、又あるときは「ショコラ」の公爵、
最初に見たのは「レイダース 失われたアーク」のインディオの案内人。どこの国の人でも演じられる
国籍不明(英国人です)のアルフレッド・モリーナ

・ちょっと優男のファーディナンド王子を演じるリーブ・カーニーは、今ブロードウェイで話題の舞台
「スパイダーマン」で主役ピーターを務め、歌って(元々歌手ですね)ワイヤーで空中バトル 
この舞台見てみたいなぁ~~~。
      
  テンペストではキリストのような風貌    ピーター・パーカー


でも、もしプロスペラと娘のミランダと王子の二人が恋に落ちなかったら・・・
                       このお話は一体どうなっていたんでしょう?



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特攻野郎Aチーム THE MOVIE  THE A-TEAM

2011-05-07 | 映画 た行
懐かしいです~「特攻野郎Aチーム」。
昔、テレビシリーズを見てました。
それに、LAのユニバーサル・スタジオで「A-TEAM」のアトラクションを見た記憶が・・・。
現在の「ウォーター・ワールド」の前のアトラクションだったと思います。
  

しかし、昔のメンバーと似た俳優さんを選んだもんですねぇ。
リーアム・ニースンはジョージ・ペパードほど葉巻が似合ってないような。
あの髪型に葉巻っていうのが、ちょっと・・・板についていない感じ。いつもの髪型の方がいいな。

 
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      特攻野郎 A-チーム
                        THE MOVIE

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< ストーリー >
湾岸戦争に従軍した特殊部隊のメンバー4人が無実の罪を着せられた。
リーダーは葉巻がトレードマークの”ハンニバル”スミス大佐(リーアム・ニーソン)。
ハンサムで口の上手い調達のプロ“フェイス”(ブラッドリー・クーパー)、
怪力の持ち主“B.A”(クイントン・“ランペイジ”・ジャクソン)、
ヘリ操縦の達人“マードック”(シャルト・コプリー)。
4人は刑務所から脱獄し、無実を証明し名誉を回復する為に行動を開始する。
フェイスの元恋人で4人の逮捕に執念を燃やす国防犯罪調査局のソーサ(ジェシカ・ビール)や、
CIA捜査官リンチ(パトリック・ウィルソン)がからみ、三つ巴の戦いが繰り広げられる。


昔のTVシリーズは、
 ベトナム戦争に従軍した特攻部隊。やはり濡れ衣を着せられ逮捕されたが、脱走し地下に潜り活動する。
オープニングは、
 『筋さえ通りゃ金次第、何でもやってのける命知らず。不可能を可能にし巨大な悪を粉砕する、
  俺達特攻野郎Aチーム!助けを借りたい時はいつでも言ってくれ!』
という威勢のいい口上で始まりました。
日本のTVドラマでいうところの「必殺仕事人」「必殺仕置人」ってところでしょうか。
ファンファーレのようなあのテーマ曲がいいんです
子供の頃、刷り込まれたものって記憶の底に残っていて、結構覚えているもんですね。
夢中になって見た懐かしのアメリカTVドラマの口上が音楽を聴くと蘇ります。
でも後に「奥様は魔女 Be Witched」の
奥様の名前はサマンサ、旦那様の名前はダーリン・・・奥様は魔女だったのです~の口上は
日本版のみで元々のアメリカ版はアニメ画面に音楽のみだったのを知りちょっと驚きました。
日本でおなじみの口上がオリジナルでは無かったってケースは他にもあるようです。


本作映画版「Aチーム」のキャッチコピーは『デカイことやろうぜ!一人でも最強。チームなら無敵』。
それぞれ得意な分野を生かしてチームとして鮮やかに・スマートに悪に向かって立ち上がり、
驚くような奇想天外の方法で次々敵をやっつける
スキーッと爽快! 勧善懲悪、娯楽アクション大作です。
いやぁ~面白かった。


ジェシカ・ビール演じる国防犯罪調査局のソーサって・・・もうちょっとクールな女優さんの方が
いいんじゃないかな? いや、女性捜査官でなくてもよかったんじゃない?

「オペラ座の怪人」で優男ラウルを演じていたパトリック・ウィルソンが・・・!そちも悪よのぉ~



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トスカーナの贋作 Copie Conforme

2011-02-22 | 映画 た行
フランス女優ジュリエット・ビノシュが2010年カンヌ国際映画祭で主演女優賞に輝いた作品です。
彼女の横に寄り添うロマンスグレーのダンディーなお方は・・・、イタリア人俳優なのか?と思ったら
な、何と!高名な英国人バリトンオペラ歌手のウィリアム・シメルだそうです。映画初出演だそうな

日本語の題名には「トスカーナの」が付いていますが原題はフランス語で「Copie Conforme」
英語のタイトルは「Certified Copy」法律用語のようで「謄本」。
「贋作」というと「fake」で騙すために作ったような響きがありますが、原本を写したと認定されたもの
ということのようです。


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      トスカーナの贋作  Copie Conforme

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    なんとも美しい、 絵に描いたようなトスカーナの写真(我が家のカレンダーの写真です)

 < ストーリー >
イタリア、南トスカーナの町で、本の出版講演会で「本物と贋作」について語るジェームズ(ウィリアム・シメル)。そこに息子連れのフランス人女性(ジュリエット・ビノシュ)が来るが連絡先を残し中座する。
公演の後、帰国までの時間に女が経営するギャラリーを訪れたジェームズは「9時までなら」と
彼女の車でドライブに出かけ、芸術について議論を交わす。
立ち寄ったカフェで夫婦と間違われたことをきっかけに、ゲームのように長年連れ添った夫婦を演じ始める
二人。 初めは順調に進んでいったが・・・。


見ていくうちに、「あれ?夫婦を装っているだけだよね?」「本当は夫婦だったって話じゃないよね?」
とキツネにつままれた気分。
ジェームズ同様、見ている観客もすっかりビノシュ演じる彼女(名前は出てなかったような?)のペースに
巻き込まれ、本物の夫婦なのか、夫婦を装った偽夫婦なのか混乱。
              公演中のジェームズ
冒頭講演会でジェームズが話す「本物と贋作」「芸術におけるコピーの意味」の話が、
実はこの二人のゲームと被り、「本物より美しい偽物(だったかなぁ?)」を髣髴とさせる。
ジェームズの講演内容、断片しか記憶に無くって・・・哲学的な深い話だったのでちゃんと知りたいなぁ。

映画のチラシにあるキャッチコピー『偽りの夫婦は結婚の聖地で愛の迷路を彷徨』。
まさにそんな感じです 
「迷路」というか「アリ地獄」に入り込んで出られましぇ~ん

ジェームズ大丈夫か~? ゲームを続けてええのんか~? 目を覚ませ~!
時間つぶしにどこかでお茶でもしながら読者の質問に答えようとしただけだったんじゃぁないの?
しかし途中から明らかに彼女はおかしいぞ。
ヒステリックに夫への不満をぶちまけ、ジェームズをなじる彼女。 普通引くでしょ?
またまた老夫婦に夫婦だと間違われ、円満の秘訣なんてアドバイスまで受けちゃって・・・。
カップルの聖地ルチニャーノに彼を連れて行った彼女の意図は・・・誘惑か?

美しいトスカーナの風景の中で繰り広げられているのは、
果たしてラブ・ストーリーなのか?
はたまた「ミザリー」のようなホラーへ移行していくのか?  意味深です。

         このときは可憐なビノシュ
最後のシーンのビノシュは妖艶だったなぁ~。



先日見たジュリア・ロバーツ主演の「食べて、祈って、恋をして」同様、西洋の女性は激しいねぇ。
            
突然キレておでこに青筋立てて怒鳴りまくる。
一体どこに地雷があったのか?
彼女たちのキレるきっかけや仲直りポイントが、女だけれど日本人の私にはわからんなぁ。う~ん





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 ***** 見た 映画 *****

 2月20日 「食べて、祈って、恋をして」DVD ジュリア・ロバーツ主演

 2月21日 「トスカーナの贋作」@横浜ジャック&ベティ

 2月22日 「デート&ナイト DATE NIGHT」DVD スティーブ・カレル、ティナ・フェイ主演
         ハチャメチャコメディー
         マーク・ウゥールバーグ、レイ・リオッタ、ジェームズ・フロンコも登場!

小さな村の小さなダンサー

2010-09-28 | 映画 た行
金曜日、日比谷に出る用があったので帰りに映画~。
そう、シネスイッチ銀座は金曜日がレディースデイで¥900です。
流石に入り口には列ができてました。

原題は「MAO'S LAST DANCER」(毛沢東主席の最後のバレエダンサー)です。

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       小さな村の 小さなダンサー MAO'S LAST DANCER

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中国山東省の小さな田舎町から北京、そしてアメリカへ渡り、亡命を果たした
実在のバレエダンサー、リー・ツンシンの自伝を基にした映画です。

       
                              リトル・ダンサー
バレエといえば2000年公開の英国映画「リトル・ダンサー」が思い出されます。
大好きな映画です。
心に渦巻く怒りとか不満をぶつけるようにパワフルに踊る主演のジェイミー・ベル君がいい~
当時は14歳、「ジャンパー」など映画で見ることはあるけれど最近踊る場面が無いのが残念。

貧しい炭鉱町でバレエなんて女がするもんだ、男はボクシングという偏見の中、踊る歓びを貫き
ロイヤル・バレエの舞台でスポットライトを浴びる「リトルダンサー」のビリー・エリオット。
一方のリー・ツンシンは山東省の田舎の学校に通う11歳。
毛沢東の文化政策で運動神経のいい子供たちを集めて英才教育を施すプログラムに訳もわからず合格し
親元を離れバレエの道を歩まざるを得なくなるが、持ち前の負けん気と才能に絶え間ぬ努力、
加えて彼の才能を伸ばしてやりたいと指導してくれる教師に出会い才能を開花させる。

13億人を越える中国の全土から厳しい選抜によって集められる子供たち。
小さな少年が家族や村人たちの期待を一身に背負い英才体操学校に入学、寮生活を送るも、
その後のテストで退学になるドキュメンタリーを見たことがあります。貧しい生活から切り詰めて
学資を送ってくれているのに・・・と小さな胸を痛めている姿が過酷でした。
チャン・ツィイーも、確か舞踊の英才教育を受けていたような。

それにしても、ここ50年に中国の変貌振りには驚きを禁じえません。
60年代の文化大革命。革命という名の暴力を伴う権力闘争とその後の4人組体制。
下放で農村へ送られたり、突如糾弾され自己批判を強要したり、吊るし上げ・暴行・殺戮など。
この映画の中では古典バレエの演目が体制に相応しくないと演目を革命ドラマにさせたり(バレエに合わんやろう)、
リーは渡米にあたって「親族に元資本家はいないか?」などと問い質されます。
でも、あの体制下でバレエを認めてたってことが不思議です。
「リトルダンサー」の英国ですら労働者階級からすればバレエはブルジョワ的と反感をもたれていたのに・・・。

あの時代、中国からアメリカへ渡った人のカルチャーショックはどれほどのものだったでしょう。
80年代アメリカで本土中国(台湾・香港ではなく)から来た3人の中国人に出会いました。
二人は中年のバイオの研究者、もう一人は大学院生、素朴で真面目な方々でした。
本映画のリーの歩みを見て、
国費でアメリカに来ていたあの方達もかなりのエリートだったんだろうこと、
文化大革命という大変な時代を乗り越えてこられたんだろうなぁと実感、
そして天安門事件をどのようにむかえられ、いま現在どうしておられるのかなぁ~?

今年の春、日本人監督による「亡命」というドキュメンタリー映画を見ました。
文化大革命や天安門事件で政府に投獄され、後にヨーロッパやアメリカに亡命し
現在も中国に返ることが許されない方々へインタビューしたものです。
ひどい扱いを受け、語ることをはばかられるような状況を目にしたにもかかわらず、
今も望郷の念絶ち難く、異国の地で過ごす複雑な思いを語っておられました。
    
    家を出る時家族で撮った写真を大切にしているリー

一旦アメリカで自由を謳歌し恋人ができちゃったりした日には、もうあんな窮屈な体制に
戻ることなんてできないよねぇ。
でも自分の亡命の決意が、家族は勿論のこと国際問題にまで発展するってどれほど大変なことだったんでしょう?
リーが西洋バレエのお手本としてビデオを見ていた「ミハイル・バリシニコフ」もソ連から
アメリカへの亡命組。 今では役者として「セックス・アンド・ザ・シティー」のTV最終エピソードで
キャリーを振り回す恋人の芸術家を演じておられました。


経済的に飛躍的な発展を遂げているとはいえ、未だ人権(言論・報道・表現・信仰などの自由)が
認められていない中国。
自分の意思とはいえ帰国も許されず、家族の安否もわからず、国を相手に個人で立ち向かった
リーの勇気と苦悩はどれほどのものだったのでしょうか?

中国の田舎から北京へ、そして海を渡ってアメリカへ、現在はオーストラリアで活躍しておられるようです。





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 ***** 見た 映画 *****

 9月12日 「海角7号 君想う、国境の南」DVD 台湾映画 60年後日本から届く手紙。

 9月13日 「17歳の肖像」DVD 英国映画 17歳の少女をたぶらかすこの男は許せん。

       「アンナと過ごした4日間」DVD これは果たして愛なのか?

トイ・ストーリー3 3D

2010-08-26 | 映画 た行
多くの映画館がレディースデイを水曜日に設定する中、ワーナーマイカルシネマズ海老名は月曜日です。
その上、8月中にあと1本映画を見ればポイントが溜まって11月末まで使える無料鑑賞券がもらえる・・・
とくりゃ~、行くしかないでしょう!
でも、見たい映画が・・・そうだ!3Dの「トイ・ストーリー3」を見よ~う

でも、吹き替え版しか無いのねぇ
夏休み中に「トイ・ストーリー3」って、ひょっとして子供が多いのかな?
でも公開初日から随分経っているし・・・レディースデイだから満席って事は無いでしょう
などど、心配しつつも・・・GO


   *********************

       ト イ ・ ス ト ー リ ー 

   *********************

危惧したことは見事に的中~
うっへー!子供がわんさか・・・ネット予約した私の席に座ってる子がいるし・・・。
うるさいったら、おだまりー
隣の席の後ろに座った子は、子供用補助椅子に座っているせいか、足をぶらぶらして
ず~っと席を蹴ってるし、私の席にもダメージが・・・。
隣のおねえさんが何も言わないのに、横からおばちゃんが叱るのもなぁ・・・。
親は気がつかんのかー 注意せんかいっと、怒りつつ鑑賞。
しかし、場面場面で「おぉ~」とか「キャァー」とか感情を素直に表現しつつ映画を見るっていうのも
面白いもんですね。  でも、前の席を蹴っちゃダメ


本編が始まる前、唐突に流れた短編「ナイト&デイ」がなかなか面白いです。
2Dのキャラの身体の中に3Dの画像が見える凝った作りで、台詞もなかなかいいですよ。

 < ストーリー >
持ち主のアンディが大学進学で家を出て行くことになり、一緒に大学に行けるのか?
捨てられるのか?屋根裏行きか?とおもちゃたちは今後の運命を案じていた。
そんな中、手違いでサニーサイドという託児施設に寄付されてしまう。
アンディに捨てられたと思いこみ、傷心のおもちゃたち。
その上、サニーサイドはピンクのクマのぬいぐるみロッツォに支配されたとんでもない所だった。
アンディの元へ戻るため、脱出を試みるウッディ一たち。果たして成功するのか?

期待せずに見たのですが、良かった~! 
そして最後は不覚にも・・・おばちゃん、泣いちゃいました


子供の頃大事に大事にしていたお気に入りのおもちゃも、時が過ぎ、成長すると手に取ってもらうこともなく
押入れの片隅に・・・そして、卒業する日がやってきます。
・やっぱり愛着があって手離せない物。
・せめても、誰かに使ってもらう物。
・そして、処分されるもの。
人格を持ったおもちゃたちが、忘れ去られる悲しみに胸を痛め、将来?に不安を抱く。
その心情が切なくって・・・。

人は「誰かに必要とされている」という感覚を心の支えとして生きています。
家族から、友人から、会社の中で、社会の中で、
「あなたは私の大切な人です」
「かけ替えのない人です」
と想われることで、明日も元気に頑張ろうと思えるのですよね。
サニーサイドにきたおもちゃたちは、持ち主だった少年・少女に忘れられ、もう必要じゃないんだと
存在を否定され心に傷を負っている。
時の流れは残酷や~。
そんなことを考えながら車で家路を急いでいたら、FMラジオからリクオさんという方の
「胸が痛いよ」というタイトルの歌が聞こえてきました。 歌詞はこちら
 胸が痛いよ 君のことを想っているから
      胸が痛いよ 君はすぐにいなくなるから 
リクオさんと故忌野清志郎さんとの共同作詞作曲の歌ですが、何とおもちゃたちの気持を表していることか。
そんなおもちゃに共感し、私まで胸が痛くなり涙。

この映画を見た子供たちは、おもちゃを粗末に扱うことはできませんよね。
そして、大人もそんな人間の基本的欲求に触れ、胸があつくなるのです。
そしてその後、「そういえば、大好きだったあのおもちゃどうしたっけ?」と想わずにはいられません。

人との繋がりが薄れている現代社会で、(時期が時期だけに日テレの「24時間テレビ」見たいですが)
絆の大切さを思い起こさせてくれるストーリーは、あらゆる世代の心に響くと思います。
ピクサーに、やられたなぁ

しっかしまぁ、アンディーは何ていい子なんでしょう!こんないい子いるかい?
お別れにアンディーの優しさに触れたおもちゃたちは、新天地で元気に暮らすことでしょう。
でも、また10年くらい経ったら・・・ちょっと心配。
         
おもちゃの夫々のキャラが良いですね。
ウッディやバズをはじめ、ミスター&ミセスポテトヘッド、カウガールのジェシー、スリンキードッグに
豚のハムに恐竜レックス、そして今回の悪役ロッツォ。
スペイン語バージョンのバズ、バービーとケンは大人にメチャウケです。

声優さんでない人気者の吹き替えとかだとがっかりすることが多いですが、
唐沢寿明さんと所ジョージさんは上手いねぇ

画面に出てくる文字がすべて日本語になっていたのにビックリ!芸が細かいなぁ。

まぁ、住宅事情が許せば、思い出の詰まった品々は手元に置いておきたいけれど・・・、
如何せん、うちのスペースではしょうがないなぁ~

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扉をたたく人  THE VISITER

2010-06-03 | 映画 た行
こんな映画があったこと、全く知りませんでした。
主演のリチャード・ジェンキンスが昨年のアカデミー主演男優賞にノミネートされていたことも、
昨年日本で公開されていたことも知りませんでした。

友人のMさんから「いい映画らしい」とお薦め頂き、レンタルビデオショップでやっと見つけました。
1年前も、ごくごく限られた少数館でのみの公開だったようですね。


   *****************

     扉をたたく人   THE VISITER

   ******************


 < ストーリー >
妻を亡くしてからコネチカットで孤独な日々を送る大学教授ウォルター(リチャード・ジェンキンス)は、
学会出席のため久しぶりにマンハッタンの自分のアパートに行き、見知らぬ外国人のカップルが
住んでいるのに遭遇する。二人はジャンベ奏者のシリア人タレクと、セネガル女性のゼイナブ。
騙されてウォルターの家を貸されたのだった。家が見つかるまで已む無く共同生活を始めたが、
ジャンベの演奏法を教わるうち次第に心を開くウォルター。
ところがタレクは不法滞在として当局に拘束される。助けようと奔走するウォルターの前に、
タレクの母モーナが現われ・・・。

     足に挟んでいるのがジャンベ



妻の死後、生きる気力を失い、誰とも関わらず心を閉ざし孤独な日々を送るウオルター。
袖振り合うも多生の縁。
枯れかかった花が水を得て息を吹き返すように、ひょんなことから出合った陽気な移民青年に
影響され、ジャンベという太鼓を習い、次第に生き生きし始める。
硬く閉ざされたウォルターの心の扉が少しづつ開いてゆく。

そんな中、9.11以降、外国人(特に中東出身者やイスラム教徒)に対し極めて厳しい対応するようになった
アメリカの現実、その理不尽な対応に奔走する中、彼の母モーナと打ち解けていく。
あれだけのことがあったわけだから、出入国手続きや移民への対応が厳しくなるのは仕方が無いけれど
実際に中東出身というだけで強制送還になった方が少なからずおり、家族はアメリカに残され
離れ離れになっているというドキュメンタリー番組を見たことがあります。
不法滞在は推して知るべし。法を守るのは当然ですが、手続き上の不備を覆せなかった
ウォルターの無力感、モーナの母としての自責の念が切ない。
地味で、何ともひっそりとした印象の映画ですが、じわぁ~と胸に響きます。

人は一人じゃつまらないし、誰かに必要とされることでエネルギーを発揮することができるんやなぁ~
と実感。

モーナを演じるヒアム・アッバス(「シリアの花嫁」の長女役)の凛とした佇まいが美しいです。
       


長年練習してもピアノは上手くならなかったウォルター。
やっぱり、体全体でリズムを刻む太鼓っていうか打楽器っていうのは、魂の楽器ですね。



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 ***** 見た 映画 *****

 5月26日  「グレイズ・アナトミー シーズン5 ①」DVD

 5月27日 「グレイズ・アナトミー シーズン5 ②」DVD

 5月28日 「グレイズ・アナトミー シーズン5 ③」DVD

 5月30日  「扉をたたく人 The Visiter」 DVD 

 5月31日 「幸せのきずな」 DVD グレッグ・キニア主演
         フォード相手に新型ワイパー特許を争った1教授の実話に基く12年間 
        「ある愛の風景 2004」DVD デンマーク映画 スザンネ・ピア監督作品
          近日公開「マイ・ブラザー」のオリジナル

 6月 1日  「アフター・ウェディング」DVD デンマーク映画

 6月 2日 「グレイズ・アナトミー シーズン5 ④」DVD

第9地区

2010-04-27 | 映画 た行
先週、デカプリオの「シャッターアイランド」を見ようか、アカデミー賞ノミネートの「第9地区」にしようかと
悩んだ末、デカプリオを選んだ私・・・。そりゃ、しゃーないよね。
ところが、「『第9地区』なかなか良いよ~」とのお薦めに従い見てきました。
水曜日の午後、公開から随分経っているの空いてるかなぁ~とネット予約せずに行ったら・・・大~誤算。
8割くらい埋まりました。まだまだ人気です。


   *********************

        第9地区   NINE DISTRICT

   *********************

 < ストーリー >
1982年、南アフリカ、ヨハネスブルク上空に突如現れた宇宙船。
船内にいた宇宙難民の異星人は第9地区で暮らし、人間と共同生活を始める。
28年後、地区のスラム化や人間との争いにより、地区の管理・監視機関MNUにより
専用居住地区第10地区への移住計画が始まる。
立ち退き同意書を得るため第9地区を訪れたMNU社員ヴィカスは、謎の液体を浴び身体に変化が現れる。

      
この映画、ハリウッドで作ったものだったら、なかなか面白いB級SF映画で終ったんじゃぁないでしょうか?
ところが、南アを舞台にした、南ア監督による、南ア俳優出演にタイトルが「第9地区」とくりゃあ、
俄然政治色を帯びメッセージ性に富む作品として、アカデミー賞ノミネートまで行っちゃった~って気がします。
南アでは1966年「集団地域法」によりケープタウンの「第6地区」を白人のみが居む地域に指定し、
黒人を追い出したとか。

今までエイリアンものといえば、必ず壮絶な戦いを経て人類の勝利!ってな筋書きだったのに・・・。
本作はニュース映像などを盛り込んだドキュメンタリータッチで始まり、
早々にあっさりとエイリアンの姿を見せ(今までは最期まで姿を隠すパターンが多かったです)、
人類との間に起こるトラブルや、主人公の身に起こる意表を突いた展開に、
主人公が操る異星人の兵器ロボット(?)での壮絶バトル。
主人公ヴィカスは、人の良さそうな普通の市民だったのに・・・、体の変化と共に次第に戦う顔つきに変わり、
心の葛藤や苦悩を滲ませます。
そんな彼を、会社もならず者集団も利益のためだけに手に入れよう奪い合う。
「人間同士の欲望剥き出しの醜い姿」VS「親子愛・友情溢れる自己犠牲のエイリアン」って構図が
何とも皮肉~でした。

隔離政策などの差別問題を臭わせ、生き残りをかけた激しい戦い、
主人公とエイリアン親子とのヒューマンな心の交流と何だかとってもてんこ盛りで最期まで飽きさせません

         
異星人を「prawn」って呼んでましたが、私には細めの仮面ライダーに見えました。エビやないやろ~?
「prawn」は「shrimp シュリンプ」より大きく「lobster ロブスター」より小さい海老。
西洋人は異星人というと
頭足類(タコ)、甲殻類(「プレデター」はカニみたい)や昆虫をイメージするみたいですが、
日本じゃ昆虫イメージの仮面ライダーはヒーローやで~

一見SF娯楽作品と見せかけ観客動員を増やし、政治・社会問題を盛り込むって
巧みな手法やねぇ。

ヒットしなかったニコール・キッドマン、ダニエル・クレイグ主演の『インベージョン』も
元は何度もリメイクされている『ボディースナッチャー 恐怖の街』で、SFと見せかけつつ
夫々の時代に忍び寄る社会風刺を織り込んでいたようですが、それが曖昧だと
単なる陳腐なB級SFで終ってしまうようですね。

まさか3年後・・・って続編はないですよね?

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 ***** 見た 映画 *****
  
 4月23日 「亡命  OUTSIDE THE GREAT WALL」@有楽町

 4月25日 「湖のほとりで」DVD イタリア映画 

Dr.パルナサスの鏡

2010-02-07 | 映画 た行
よく海老名(神奈川県)に映画を見に行きます。
以前はワーナーマイカル、ポイントカードを作ってからはもっぱらTOHOシネマズ海老名に
足を運ぶようになりましたが・・・
何と!ワーナーマイカル海老名では今年の1月9日から4月9日まで期間限定特別キャンペーンとして
「毎日映画!!1000円」開催中なんです
スタンプを集めて5回行ったら1回無料~もありですよ。
今もってTOHOシネマズのマイレージシステムをよく理解していない私にはわかりやすい。
109シネマズとTOHOシネマズ、加えてワーナーマイカル・・・あぁ~、カードが増える~。

      

                                     

        Dr.パ ル ナ サ ス の 鏡
   THE IMAGINARIUM OF DOCTOR PARNASSUS

                                

 < ストーリー >
現代のロンドンにパルナサス博士率いる古めかしい旅芸人一座が現れる。
メンバーは娘のヴァレンティナ、奇術師アントンに小人のパーシー。
以前博士は悪魔と取引きし、若さと引き換えに娘が16歳になったら差し出すことになっていた。
そんな時、トニーという若者を助けた一行。記憶喪失の彼は一座に加わり、ヴァレンティナは恋心を抱く。
娘の誕生日を数日後にひかえ、悪魔は新たな提案を持ちかけ、娘を助ける為に応じる博士。
果たして娘を助けることができるのか?

      
 
そもそも「パルナサス」とは何ぞや?
パルナッソス Parnassusはギリシャ神話に登場する英雄でデルフォイの神託所を開いたとされる人物。
デルフォイのあるギリシャ中部の山は、彼の名にちなんでパルナッソス山といい、
ギリシア神話ではアポロンやミューズの住む場所とされることから
詩や音楽、その他、創造活動の中心地とされるらしい。

博士率いる一行の出し物「イマジナリウム」は人間が心に隠し持つ欲望をむき出しにする装置。
子供が入ればお菓子の国が現れ、
中年女性が入ると靴や宝石が溢れ、ハンサムな男性がエスコートし鏡には若かりしスリムな姿が映る。  
   
鏡の世界のトニーを演じるイケメン3人組     中年女性の欲望の世界はこれ

鏡には想像力をかき立てる不思議なものを感じます。
鏡を向かい合わせると奥へ奥へと果てしなく続く連続に、別世界への入り口となるような恐しさと誘惑。
そっと覗くとそのまま吸い込まれ、別世界に閉じ込められ出て来られないような恐さを感じるのですが、
同時に見てみたいという強い誘惑にも駆られます。

現実と欲望の世界、
鏡の向こうの世界では、中に入った人間の理性と欲望がせめぎあう。
理性が勝つのか、欲望に負けるのか?
パルナサス博士と悪魔のニックは、その結果で娘の魂を賭ける。
ファンタジーの形態をとりながら、現実と虚構の世界を行き来し、人間の本質を暴き出す。
高僧だったパルナサスは、結局悪魔ニックに取り付かれ次々と賭けを吹っかけられ「不死の命」と
「若さ」を得て1000年、これからも孤独な二人の腐れ縁は続くのか?

この映画は一回見ただけでは難しいかも?もう一回見たほうがよさそうです。   
私があの鏡の中に入ったら一体どんな世界が見えるのかしら?


         

たまたまギリアム監督とは知らず前から見たかった「バロン」を本作鑑賞後見ました。
1988年の作品で原題は「The Adventures of Baron Munchausen ミュンヒハウゼン男爵の冒険」。
監督はヨーロッパの見世物小屋とか劇場がお気に入りのようで、本作とよく似た不思議な世界が繰り広げられます。
オープニングで「18世紀 理性の時代」と表記しながら、こちらでも現実と虚構の世界が交錯する。
「嘘や戯言ででっち上げた現実なら、そんな現実などわからない方がいい」とほら話をするミュンヒハウゼン男爵。
本作にも通じる、現実と非現実の差なんて大したこっちゃないという監督のメッセージでしょうか?

映画を見るというのも、暗い映画館に入ったところで現実ではない虚構の世界が繰り広げられるという意味で
非現実の鏡の世界に入るようなものですねぇ。

昨年末行ったシルク・ド・ソレイユ「コルテオ」の雰囲気は、まさにDr.パルナサス率いる
旅芸人一座のそれと重なりました。

パルナサス博士を演じるクリストファー・プラマーは何と80歳!
「サウンド・オブ・ミュージック」のトラップ大佐は今も渋い二枚目でイケメン3人組に負けてません。

本作のヴァネッサを演じたリリー・コールと「バロン」に出演している若い頃のウマ・サーマンって
従来の美形のイメージから外れた美形という点で似ていませんか?
ギリアム監督はこういうお顔立ちがお好みですね。
      

バロンと旅を共にする少女サりーを演じているのが現在監督としても活躍中のサラ・ポーリーであることに
驚くと共に20年の時の流れを感じました。
     




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 ***** 見た 映画 *****

 2月 2日 「オーシャンズ」@ワーナーマイカルシネマズ海老名

       「Dr.パルナサスの鏡」@ワーナーマイカルシネマズ海老名

 2月 6日 「バロン」DVD

マイケル・ジャクソン  THIS IS IT 

2009-11-10 | 映画 た行
10月末の公開から2週間限定公開ってことで、早く行かなくっちゃ~と気になっていた本作。
上映開始からたったの5日間で、世界での興行収入が1億100万ドル(約90億5600万円)!
日本での興行収入はアメリカに次いで2番目に多く、アメリカ同様日本でももう2週間公開延長を決定!
急がなくてもよかったかも? いえいえ、もう一回行けるかも?

                     

         THIS    IS   IT

                        


コンサートは勿論のこと、マイケルのCDやDVDを買ったこともないけれど、この映画はぜひ見たい!と
思ったのでした。

マイケルに憧れ、世界中からオーディションを受けに来た若者たち。
バックで踊るダンサーたちは全身バネのような20代、30代のマッチョな人たち。
ところが・・・、 
映画を見ていると、そんな若者たちの真ん中で踊るマイケルが50歳であることを忘れてしまいます。
華奢でスリムなあの体のどこに、あんなパワーがあったのでしょう?
致死量まで痛み止めを打たなくてはならなかった人が、歌って踊って、あんなパワフルな動きが
できるもんなんでしょうか?
誰よりもしなやかに、華麗に、あの体系とあの声で歌い踊る姿は少年のよう。
そう、やっぱりマイケルはネバーランドに住むピーターパン、いえピーターマンです。
普通、50歳っていったらメタボだったり、御髪が気になる「おっちゃん」でしょう。
あの体形で、あの踊りは・・・無理。

80年代中ごろ、アメリカのMTVチャンネルは「WE ARE THE WORLD」や「スリラー」を
毎日、何度も流していました。
いま思えば、あの頃がマイケルの全盛期、一番輝いていた時期だったのですね。

マイケル本人の「ずっと当時の少年のようなパワーを維持していたい」という思いと同時に、
ファンの側にも「永遠にあの当時のままでいて欲しい」という強い思いがあったのではないでしょうか?
今回映画を見ながら、自分の年はさておいて、マイケルには80年代当時のパフォーマンスを
期待するってとこ、大いにありました。
そんなファンの勝手な思いは、マイケルには重荷だったかなぁ?


一体どれだけの時間を、このリハーサルにかけたのでしょう?
一つの曲が流れる間、マイケルの衣装がラフなものから本番用?に変わるってことは、リハーサルを
何回も繰り返しているってことでしょう。

自分が納得できるまで、スタッフたちやダンサー達に、丁寧に、穏やかに、自分の意図を説明し、
上手くいったら褒め、合間に「THANK YOU」「I LOVE YOU」「WE ARE FAMILY」の言葉をかける。

観にきてくれるお客さんを「日常を忘れ、非日常の世界に連れて行くんだ」という強い思い、
まさにエンターテインメントの真髄に徹する姿に感動!
めっちゃいい人やったんやぁ~
若いダンサー達やスタッフ達のマイケルへの傾倒ぶりも頷けます。

今回の公演用に作り直した「スリラー」の映像は半端じゃなくスゴイ!
これで1本ホラー映画を作って欲しいと思うほどの迫力です。

いつの頃からか、マイケルの話題といえばスキャンダラスなことばかりが報道され、
どないしたん?昔はすごかったのに・・・良かったのになぁ~なんてあまり顧みることもありませんでした。
ごめんよ、マイケル~!
「HEAL THE WORLD」を作れる人に悪い人はいてへんわ~。(私って、単純?)
この曲を聴いてると、この人は本当にピュアで無垢な人だったのかなぁと感じ、そしてそれが故に
誤解されていたのかなぁと胸が痛くなりましたした。
マスコミの心無い報道にどれほど傷ついていたんだろうと思わずにはいられません。

亡くなったことは本当に悲しく、悔しいことだけれど、
この映画の公開でマイケルは永遠の存在になったように思います。

KING OF POP マイケルは不滅です!

このロンドン公演、見てみたかったねぇ~!!!
亡くなってからこんなにCDが売れ、映画が大ヒットを記録って、・・・何だか皮肉。


亡くなってから、テレビで「スリラー」を始め、懐かしい曲のミュージックビデオの数々をノーカットで見ました。
YouTubeで20数年前何度も見た「WE ARE THE WORLD」を久しぶりに見て、青春の日々を思い出しました。
  合掌。

            

・久々にパンフレットを買おうと思ったのに・・・・作ってないそうです。

・本作ではやらなかったけれど、マイケルが身体をありえないほど斜めに倒して戻る技には、
何という名前が付いているのですか?
 特許を取っているってことだったけれど・・・、なんで倒れないの~?



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***** 見た 映画 *****

 11月 7日 「THIS IS IT」@TOHOシネマズ海老名

剱岳  点の記

2009-07-27 | 映画 た行
ここ一週間、がらにもなく風邪をひいてしまいました。
新型とか深刻なものではなく、37℃前後をうろうろ、寝込むほどではなくダラダラ。
やっと時間ができたので部屋の片付けやブログ更新頑張るぞ!の意気込みはどこへやら、
横になってDVD三昧、のつもりが・・・気がついたら寝てた~なんてことの繰り返し。
アッカ~ン。

ちょっと前に見た本作、思い出しながら・・・


                 

       剱岳  点の記

                   



テレビの映画紹介番組に主演の浅野忠信さんと香川照之さんが出演され、ロケの過酷さと、
監督のこの映画に賭ける気迫を篤く語っておられたのを見て、映画館に足を運びました。

原作は山岳小説や歴史小説で知られる新田次郎氏。
エンドロールの最後に「国家の品格」の大ヒットで知られる数学者藤原正彦氏のお名前が。
そうそう、藤原氏は新田次郎氏のお子さんでした。
昔見た映画「八甲田山ー死の彷徨」の原作も、新田氏だったんね~。


こんな険しい山の頂上じゃなくっても、
「よくぞこんな所に舗装道路をつけたもんだ」とか
「ここまでどうやって資材を運んだのかしら?」なんて思うことが間々あります。

なのに・・・前人未到の山の上まで三角点を建てる資材を運んで剱岳の頂上を目指すって
とんでもないことを成し遂げた男たちの記録。
って、まるでNHKのプロジェクトX~(エコーかかってます)そのものです。

人は何故山に登るのか?主人公柴崎芳太郎は問う。
地図を作ることに何の意味があるのか?と。

陸軍の面子の為、「何が何でも成功させろ。失敗は許されん!」と迫る軍上層部。
そんな無茶苦茶な!「気合だ!」ってアニマル浜口じゃないんだから・・・。
また、日本山岳会とどちらが先に登頂するか?と面白おかしく書き立てるメディア。
メディアのあり様は今も昔も変わらなんなぁ。
いったいどれほどのプレッシャーがあったのかと、柴崎氏の心中を思うと胸が痛みます。
   

そんなプレッシャーの中、資料を集め、案内人宇治長次郎(香川照之)と調査し、
「何をしたかではなく、何のためにしたのか」が大事と功を焦ることなく周辺の山々に
三角点を設置しながら登るという従来の手順で一歩一歩歩む柴崎。
山岳会は登ることだけが目標なのに・・・。

今、何気なく地図を使っているけれど、地図を作るということがこれほど大変なことだとは
知りませんでした。

そんな柴崎隊の姿に、外国の最新装備を取り入れ登頂争いに闘志を燃やした山岳会一行も
敬意を表し、山に登る仲間だと感じる。

予告編で雪のシーンを観て、「何で夏に登らんの?」と思った私は愚か者でした
夏でも山頂には雪が残りあのような過酷な状況なのだなと反省していたところ
北海道での遭難のニュースを知り、更に山の、自然の恐ろしさを実感。

     
映画で見る軍の将校たちは何故あれほど意固地で傲慢なんでしょう?
地図を作るのが目的でしょうに。初○○、一番ってのに弱いんやねぇ。
面子?「君に選択の余地はない。何が何でも陸軍の面子にかけても登頂一番乗りせよ」って御無体な。
精神論で何でも乗り切れるってか?
「精神一到、何事か成らざらん」精神一到したって成らんもんは成らんよ。
陸軍参謀本部陸地測量部って今の国土地理院なんですね。


山は神道では信仰の対象。
ましてや、立山連峰で剱岳は死の山。村民にとって、そこは犯してはならない聖地。
案内人長次郎の心中は穏やかではない。一つ間違ったら村八分もんだからね。
息子との葛藤が少し描かれるが、彼のプレッシャーも柴崎同様かなりのもの。

偉そうに「選択の余地なし。登頂一番乗り」と掛け声をかける軍人さん、
「あんたが行ったらええやんか」と心の中で呟いておりましたが、
日露戦争を想定して行われた「八甲田山雪中行軍」もこういう軍体質の結果と言えるのでしょうか。
高倉健さん主演の映画を見て涙した記憶が・・・。
毒舌の大竹まこと氏は凍死する兵士役だったそうですが、過酷な撮影だったとテレビで語っておられました。


CG、空撮一切なし、
実際に測量隊が三角点を設置した山々を忠実に登り、氷点下40度以下で撮影。
徹底したリアリティーを追求「厳しさの中に美しさがある」って・・・
撮影前に監督は「これは撮影ではない。”行”である」とおっしゃったそうですが、
監督さんも無茶言うなぁ。
    
浅野氏、香川氏はじめ俳優さん、スタッフさんたち、よくぞ生還されました。
俳優って、体力ないとでけへんねぇ。


映画の中で、共に剱岳登頂という目標に向かって力を尽くす観測隊と山岳会の友情同様、
出演者とスタッフも映画製作を目指す仲間という連帯感がエンドロールの「仲間たち」という
表記に繋がったんでしょうね。

エンドロールに「佐伯さん」という苗字の方が沢山いらして、何だろうと?と思っていたら、
2度剱岳に登ったことがあるという一緒に映画を見たIさんから、ガイドさんだと伺いました。

シルバー世代が8割ほど、隣に座っておられたご高齢のおばあちゃんお二人は、映画を見ながら
感情移入つうかおしゃべりしておられました。 流石に何も言えましぇ~ん。


カメラマン出身の監督さんだけに、又「厳しさの中に美しさがある」と仰るだけに
山の映像の美しいこと!雲海も見れました。

バックに流れるバッハやビバルディなどのクラシック曲も良かったです。

ただ・・・奥さん役の宮崎あおいちゃんはちょっと若すぎないですか?
小雪さんとかもうちょっと年上の女優さんの方がしっくりくる気がしました。
あおいちゃんの最後の台詞「あなたについていきます」ってのもいらなかったんじゃないかなぁ?

登頂直前にもう一押しあれば、登頂の過酷さが盛り上がった気がします。



浅野忠信氏を最初に見たのは、テレビで深夜放映していた「バタ足金魚 1990」の脇役。
(因みに主役は筒井道隆氏と高岡早紀さんでした。)
当時は背が低く、痩せて坊主頭で、まさか国内外で引っ張りだこの若手人気俳優さんになろうとは
思いもしませんでした。(失礼しました)

香川照之さんは、本当にシェルパやってんじゃないかと思えるほどのなりきり振りに
脱帽です。


ついでに・・・Wikiより
柴崎氏はその後台湾や満州、シベリヤまで測量に出かけ、昭和13年肺炎で死去。

あの、問題の「錫丈の頭と剣の先」は長らく柴崎家に保存されたが、現在重要文化財として
立山博物館の所蔵。

柴崎らは山頂には立ったものの岩場の険しさから重い三角点標石を運び上げることができず
三等三角点の設置を断念し、標石のない四等三角点としたため、「点の記」は作成されなかった。
2004年になってようやく三等三角点が設置され、国土地理院により作成された「剱岳」点の記には
選点日時として「明治40年7月13日」の日付が、選点者として柴崎の名が記載されている。

やっぱり、ええ話やなぁ。


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 ***** 見た 映画 *****

 7月26日 「あなたに逢う夢 Still Breathing」ケーブルTV

       「アリス」DVD 「不思議の国のアリス」を人形とコラボのスイス映画
 

天使と悪魔

2009-05-22 | 映画 た行
15日、公開初日のレイトショーに行ってきました。もう一週間も経っているやないか~
630席の館内はほぼ満員。
ラングドンシリーズへの期待の大きさがうかがえます。

「テンプル騎士団」「イルミナティー」「フリーメイスン」「秘密結社」「陰謀」「謎解き」って
何~て好奇心をかきたてる言葉なんざんしょう。


**** *****************

      天使    と    悪魔  

************** ******* 


むかしむかし「見てから読むか、読んでから見るか?」なんてキャッチフレーズがあったけれど
私、読んでから見ました。

昨年友人に「面白いから是非読んで」と薦められ、上中下3巻に大作にもかかわらず、
面白くって一気に読んでしまいました。
これを映像化ってどうなるのかなぁ~と、読んでからだと結構思い入れがあったりして、
ちょっと心配しましたが、なかなかどうして、
結末は違うし、かなり重要な部分がはしょられているけれど、
映画もとても面白いエンターテインメントでした。

   

 < ストーリー >
爆発すれば核にも勝る驚異的な破壊力を持つ“反物質”がジュネーブのセルンから盗まれ、
新教皇を選出するコンクラーベに沸くヴァチカンでは有力候補の4人の枢機卿が誘拐される。
秘密結社イルミナティから、科学者を迫害した教会に復讐する為彼らを1時間おきに殺害し
反物質でヴァチカンを吹っ飛ばすと脅迫を受ける。陰謀を阻止するため、ラングドンが暗号を解読し
ローマ、バチカンを走り回る。果たして陰謀を阻止することができるのか?新教皇は選出されるのか?

   
本を読んだ後、ヴァチカンとローマに行って、出てくるスポット巡りをしたいなぁ~
なんて思っていたら、やっぱりきたね!HIS!素早い!
しっかりツアーが企画されてテレビでCM流してる~。
この映画見たら、絶対行きた~~~いって思うよねぇ~!
この地図片手にゆ~っくりミステリーツアーいいねぇ
映画はテンポが早過ぎて、ローマに詳しくないとついて行けんから・・・。


「ダ・ビンチコード」の原作は未読ですが、
キリストが結婚しその家系が今に続くというどう考えてもというストーリーであること、
私のキリスト教や宗教画の知識が乏しいこと、そしてハンクスの髪型が変~など、いま一つのりきれなかった気がします。

「天使と悪魔」は『宗教VS科学』という現実的な対立を
ヴァチカンのコンクラーベや、街そのものが美術館のようなローマの街並み、
ベルニーニの彫刻などと上手く絡めた原作を、これまたコンパクトに映画化したなぁと思います。
原作を読んでいても読んでいなくても、十分満足できるエンターテインメントですね。

ポーランド出身の前ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世(1920~2005)は、カトリック教会の犯した過ちに対し
精力的に謝罪を表明してきた方で、ガリレオ裁判が誤りであったことを認め、
350年たって謝罪を表明なさったという新聞記事を読みました。
20世紀の終わりになって「バチカン、ガリレオに謝罪」なんて、え~何を今さら?とも思いますが
「神による天地創造」「マリアの処女受胎」「キリストの奇跡」など
どう考えても科学的にありえないことを大前提に成り立っているキリスト教が、
クローン技術など神の領域に足を踏み入れている現代科学の進歩とどう折り合いをつけていくか、
宗教家にとっては悩みの尽きない時代です。

何を今さら?遅すぎるよ~ではありますが、
科学の進歩を受け入れようと変わる努力をしているバチカンも評価できるんじゃないかなと思います。
現教皇ベネディクト16世は、どこぞの政治家みたいに失言が多く、折角の前教皇の謝罪に
ケチをつけるようなこともあるようですが・・・

そんな所に着目したダン・ブラウンの原作はなかなかです。
最初に殺されるセルンの所長が実は枢機卿でもあり、宗教と最先端科学は共存しうる
といったことも盛り込まれていたと記憶しています。


1966年の「ビートルズはキリストより人気がある」というジョン・レノン発言に対して
「ジョンを赦します」という声明を出したという記事を昨年読みました。
めっちゃ上から目線やねぇ。
こちらは42年経過、ヴァチカンの決議時間もかなり短縮したということかなぁ?

映画のラストで枢機卿の台詞
穏やかな口調で「宗教には欠点もある。それは人に欠点があるからだ」は説得力のあるいい台詞でした。


ところで、この手の映画は「あくまでフィクション」を強調しておかんとね。
映画のチラシで「ガリレオはサタンのリーダーだった」って言い切っちゃぁまずいよね~。
せめて?マークを付けときましょうよ。
  
アンビグラムは最新デジタル技術でも難しいって、原作者の友人が作ったって書いてあるけど・・・どういうこと?
歴史的事実とフィクションを混ぜたストーリーってワクワク感が増すけれど、
あくまでフィクションってことを強調しておかないと信じちゃう人いるもんね。

ヒストリーチャンネルだか、ナショナルジオグラフィックの「天使と悪魔」検証番組で、
ダン・ブラウンはとんでもない奴だと怒っている宗教関係者いらっしゃいました。

サタンのリーダーじゃあ、ガリレオさんも草葉の陰で安眠を妨げられたとお怒りかもよ?



いつの間にかすっかりハリウッドの大物俳優になっちゃったトム・ハンクス。
私は1984年初主演作「スプラッシュ」や初アカデミーノミネートの「ビッグ」の頃が
良かったなぁ~



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 ***** 見た 映画 *****

 5月19日 「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」@六本木試写会
     6月公開のジョシュ・ハートネット、キムタク、イ・ビョンホン主演映画