のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

ナポレオン展4

2006-01-21 | 展覧会
本日はルイ16世の命日だそうで。
すなわち、ギロチンにかけられた日ということでございますね。
えらい前の話ですが、ご冥福をお祈りいたします。南無阿弥陀仏。
ちなみにマリ-・アントワネットの命日は、ずいぶん下って同年の10月16日ということです。
彼女の最期の言葉は、ギロチン台に向かう際にうっかり刑吏の足を踏んづけてしまい、発したセリフ
「ごめんあそばせ。わざとではございませんのよ」であると伝えられています。

わざとではございませんのよ。   …いいですね。

さて、ルイ&マリーの話はこのへんにして、ナポ話でございます。

グロとダヴィッドに字数を割きすぎました。その他の展示を、駆け足でご紹介します。

「家族」というセクションでは、ナポさんの兄弟や妹の顔が拝めます。
あたりまえですが、みんなナポレオン顔で なんだか笑えます。鼻と口元がもう、皆そっくりで。
ナポさんが幼い甥っ子や姪っ子と、テラスでくつろぐ姿を描いた作品などもあり
その中で、ナポの膝に乗ってだっこされている幼児が 
のちのナポレオン3世であるというのも、面白うございました。

それからこの展覧会が目玉としておりますところの、「部屋の再現」。
実は 見る前は馬鹿にしておりました。 再現されてもなあ~ と。

これがですね、意外とよろしかったのでございます。
実際に 壁 や 家具 が空間に配されているのを見ると、写真で見るのとは異なった
現実感 と申しましょうか、3次元の「もの」の存在感 というものが感じられて。
室内の配色や装飾を、そうして立体的に見られたのは、ようございました。

で これがですね。意外とシックで、趣味がいいんでございますよ。
そりゃあもちろん、ナポさんがデザインしたわけではございませんが
「ヴェルサイユ」と聞いてイメージするような、豪華絢爛な華美さはなく、
かといって質実剛健というほど無愛想なわけでもなく。
ナポレオンは平和をイメージさせる色であるを好んだとかで、緑を基調とした執務室はなかなか居心地がよさそうです。
この書斎の様子は、ダヴィッドの『書斎のナポレオン』という作品にも描かれています。
(この展覧会には来ていませんが下のサイトで見られます。クリックすると絵が大きくなります。)
Great Art Masters

↑時計をご覧下さい。
これ、 夕 方 の 4 時 ではないんでございます。 朝 の 4 時 なのです。(ランプがついておりますね)
つまり、皇帝は愛する民衆のために、こんな時間まで(またはこんな時間から)執務をしているのだよ、
ということを示しているのだそうです。
ははあ、さすがは睡眠時間3時間の仕事人間。(よく馬上で居眠りしていたらしいけれども。)

脱線いたしました。
ナポがやはり好んだという、ヨウラクユリの瀟酒な文様などを見ましても
「ほお こういう趣味だったのか」と、少なからずわたくしのナポ観を改善せしむるものがございました。

実際に使われていた調度品や装飾品も、見ものでございましたよ。
執務机(本当に使われていた形跡が見て取れます)やら、
戴冠式の時に身につけていたレースやら、
食器やら、洗面やら、便座やら。

ナポレオンの便座。


・・・・・ありがたいような ありがたくないような。


また長くなってしまいました。
すみません、もう一回続きます。