のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

ガザ空爆

2008-12-30 | Weblog
イスラエル政府は今回の空爆によって「ハマスは弱体化した」と言っております。
過激派を擁するハマスが、非戦闘員を巻き込んで既に300人以上の死者を出している今回の攻撃で弱体化したにせよ、ガザおよびアラブ諸国の人々の、イスラエルへの怒りと憎しみはかえって強化されたことでございましょう。

Avaazから空爆の中止を求める署名への呼びかけメールが届きました。

署名に参加する時には、募金をする時以上に自らの偽善性を指摘する内心の声との闘いがございます。
正直、声を上げてみた所で何にもならないのではないか、何の意味もないのではないか、ただの自己満足ではないか、という空しい思いは常にございます。
しかし声を上げることすらしないのでは、現状を容認しているのと同じことでございます。
私は空爆を容認したくない。
ミサイル攻撃も自爆テロも絶対に容認したくない。
よって、空しいことかもしれませんが、せめて、反対の声を上げようと思います。


以下Avaazからのメールを転載(和訳)

私達国際社会はガザの流血を恐怖のうちに見守り、今回の危機がいっそう収拾のつかない事態へと転がり落ちて行くさまに呆然としています。たったひとつ明らかなことは、この暴力は、一般市民のさらなる苦しみと紛争の激化しかもたらさないということです。

別の道があるはずです。現時点でガザ地区では280人以上の死者を出し、何百人もの人々が負傷しています。ガザからかなり距離のあるイスラエル南部の都市アシュドッドにまで、ハマスのロケット弾が始めて着弾し、双方ともに侵攻に備えて軍を結集しています。全世界的な抗議の声が上がっていますが、それだけでは足りません。国際社会による結束したアクションがなければ、暴力の即時停止も、平和の構築も望めないでしょう。

のろ注:メール受信時の死者数。ガザ住人のブログによると29日午前11:37時点での死者数は345人、負傷者は1650人以上。ソースはこちら

私達は緊急キャンペーンを立ち上げました。即時停戦を求め、高まる人道危機への懸念を表明するよう国連安保理と主要各国に訴えるキャンペーンです。国際社会による揺るぎない監督と活動のみが、イスラエル-ガザ双方の住民を守り、平和の構築へのステップを踏み出す助けとなるのです。下のリンク先から、この緊急キャンペーンの署名にご参加ください。

GAZA: STOP THE BLOODSHED, TIME FOR PEACE

のろ注:送られるメッセージ等の和訳はの下をお読みください。

ガザは8年以上に渡るアメリカおよび国際社会の不毛な外交政策と、この数年のうちで経験した中でも最も悲惨な一日とを経て来ました。各国首脳が恒久的な平和を確実なものにしたいと思うなら、ただ声明を発表するだけでは足りません。国連安保理やその他の国際的な団体を通じて、ガザでの暴力の停止と状況の改善のために、援助とプレッシャーを与えることが必要です。ロケット弾による攻撃や軍の侵攻を止めさせ、武器の流入を阻止しつつ、150万人のガザ住民が必要としている燃料や食料や医薬品を届けるため、国際社会の監督の下で交通を再開しなければなりません。

どの陣営も、今までと同じような態度で対立を続けようとするでしょう。もしも世界はただ事態を傍観しているだけで、彼らのするに任せているのだ、と彼らが判断したならば。私達は2006年のイスラエル-レバノン紛争の際に停戦を訴える活動を起こし、成功しました。しかし今回は急がねばなりません。真に世界的な抗議の声を上げましょう。2009年は今までとは違う年になるかもしれません。私達は今、危機と新しい年の可能性とに直面しているのです。この暴力を止めるために結束しようではありませんか。

希望と決意と共に
Brett, Ricken, Alice, Ben, Pascal, Paul, Graziela, Paula, Luis, Iain and the whole Avaaz team



*送られるメッセージ(和訳)*
国連安保理、EU、アラブ連合およびアメリカ合衆国政府への請願
我々は、皆様がイスラエル-ガザ双方の市民を守るためただちにガザ地域での全面的な停戦への呼びかけを行うこと、そして高まる人道危機への懸念を表明することを求めます。流血を止め、交通を安全に再開し、2009年の平和構築へ向けて確実な進展をもたらすことができるのは、国際社会による揺るぎない監督と活動だけなのです。

*のろ注*

下の Sign the petition 欄に Name:お名前、Email:メールアドレス、Country:国籍(選択)、Postcode:郵便番号 を入力の上、ピンクの Send:送信ボタン をクリックすると署名に参加できます。以前にも参加したよというかたは、一番上の Already Avaaz member?  欄にメールアドレスを入れるだけで大丈夫です。
右側に表示されている数字(*** have signed the petition)の***は現在の署名の総計です。送信後、ご署名ありがとうメールが届きます。

以下は送信後に移動するページの和訳

*THANK YOU FOR TAKING ACTION*
ガザでの即時停戦を訴える緊急キャンペーンにご参加くださり、ありがとうございます。今回の空爆と報復とで既に300人以上が亡くなっています。今や暴力を停止するべき時です。そしてイスラエルとパレスチナの間に恒久的な平和を築くために、各国首脳は力を注ぐべきです。署名が多ければ多い程、私達の訴えは力強いものになります。どうかお友達にも参加を呼びかけてください。あなたのご支援に感謝します。


下の方にあるのはAvaazの活動を支援する募金用フォームでございます。
募金の仕方
ステップ1
左下の Enter your Details欄の一行目、One-time donationは一回きりの募金、Recurring Donationは継続的な募金であう。どちらかにチェックを入れてください。First Name:名前、Last Name:姓、Email:メールアドレス、City:市町村、Province/State:都道府県(2つ下のCountry項を入れてから入力)、Postcode:郵便番号、Country:国籍(選択) 以上を入力
ステップ2
右のChoose currency and amount欄の一行目で通貨Yen(円)を選択、その下で金額を選択
ステップ3
その下のEnter your credit card details欄の一行目でカード会社を選択、その下でCard Numberでカード番号を入力、その下のVerification Numberでカード裏面に印刷されている番号の下三桁を入力、その下のExpiration Dateでカードの有効期限を選択して、その下のDONATEボタンを一度クリック。
もしかすると別ウインドウが開いて「Avaazに送金されますけどOK?」と聞いて来るかもしれません。
いいよと思うかたはOKを、やっぱやめようというかたはキャンセルをぽちっと。
送信後、ご寄付ありがとうございます&お友達にも広めてくださいページに移動します。


『日展』

2008-12-27 | 展覧会
京都市美術館で1/13まで開催中の日展へ行ってまいりました。

今回の展示作品の中で一番印象深かったのは、日本画部門の第一室に展示されている古澤洋子さんの「未来の化石」でございました。

こちらのブログさんが画像をUPしてらっしゃいます。

画面いっぱいに描かれているのは、欧州の城塞都市の一角を思わせる、奇妙なかたちの集合住宅でございます。
何が奇妙かと申せば、円形でも矩形でもなく、渦巻き形をしているのでございます。
ぐっと上空から捉えられたそのたたずまいはさながら、黒々とした背中を見せてとぐろを巻いた蛇のようでございます。
画面中央、即ちとぐろの中心には慎ましい広場が開けており、そこへ向って画面右上からぐるりと隘路が走っております。
広場と隘路へと向っては縦長な窓の鎧戸が赤や緑の顔を並べ、そのいくつかからは色とりどりの洗濯物が無造作にはためき、くすんだ色彩と重い重い時の積み重なりを感じさせる家並みの中に、彩りと生活感を与えております。
渦巻きの途中に高くそびえ立つ塔は、所々はがれ落ちた漆喰の白壁や周囲の田園風景とはそぐわないながらも、城塞の名残りを留めて荘重にたたずんでおります。
画面右上の、集合住宅の外側の端っこ、即ちとぐろのしっぽの所には、燃え立つような糸杉が一本立っております。
静的な画面の中で、天に向かって身をよじるその姿は鑑賞者の目を引きつけます。
ぱっと見た所、それは木ではなく、外界の悪しきものから住民を守る不思議な炎のようにも見えますし、あるいは実際そうなのかもしれません。
炎ではなく糸杉であると判断したのは、人間の歴史と生活とをリアルに感じさせる住居部分の描写に対して、緑色の大きな炎というファンタジックなものはそぐわないと思ったからにすぎません。

こんな建築物が実際にあるのかどうか、のろは存じません。しかし、あると言われればああそう、とすんなり納得できるくらいに、この作品は表現においても描写においても、碓としたリアリティと申しますか、説得力を備えておりました。
わけても注目されるのは、屋根瓦でございます。
思えばこのかたの作品も初めて見た時も、その屋根瓦の迫力に圧倒されたのでございました。

刻の堆積

ヨーロッパの建築に見られる円筒を縦半分に切ったかたちの屋根瓦が、白壁の上に黒々と葺かれております。割れたり欠けたりする度に新しいものと取り替えられて来たのでございましょう、無数の瓦はひとつひとつ違った表情を見せ、所々で歪みながらも全体として一つの大きな渦巻きを構成しております。
瓦たちのたたずまいはそのまま、長い長い年月の間ここで生き、死んでいったあまたの人々の存在を連想させます。
歴史の中を、他の無数の人々と共にひっそりと歩んで行った、名も無き人々。彼らの慎ましやかな歩み。きらびやかでもなくドラマチックでもない、一人の人間の歩み。いつか朽ちて歴史の中に埋もれて行く、しかし確かに存在した、あたかもひとつの屋根瓦のように寡黙な歩みは、まさにこの作品を見ている私達自身の歩みでもあります。

私達は太古の生物の化石を見て、それがかつて生きていたものの遺物-----もっと言えば残骸-----でしかないにも関わらず、何か生き生きとしたもの、「生」が確かにここにあったのだ、という感慨を覚えます。
時を経た石垣のような揺るぎなさと静けさの漂うこの作品を前にして、のろはこれと似た感慨に捕われたのでございました。


この他に印象的だった作品に付いては次回に。



So this is Christmas

2008-12-25 | Weblog
YouTube - Happy Xmas (War Is Over) - John Lennon

動画の最後に現れる言葉はガンディーの「目には目を、という考え方では世界中が盲目になってしまう」という言葉でございます。


以下、Avaazからのメールを転載(和訳)。

今、私達がホリデーシーズンに近づきつつある一方で、ジンバブエの人々は私達の連帯と支援を必要としています。多くのジンバブエ国民にとって、大晦日を恐怖のうちに迎えるのは10度目のことです。安全な水が手に入らない状態での年越しは3度目、そして急速に蔓延するコレラ禍のただ中で年を越すのは初めてのことです。あまりにも死者が多いため、もはや国の人口は分からなくなってしまいました。

最終的に変革をもたらすことができるのは、ジンバブエの国民です。今現在当地にいる私達の友人は「なにより恐ろしいのは、この苦境が我々を圧しつぶしてしまうこと、そして国際的に孤立してしまうことだ」と言っています。私達ができる最大の貢献は、結束の声を上げることです。ジンバブエ国民の苦闘に私達がよりそっており、彼らは決して孤立してはいないということを知らしめることです。

ロバート・ムガベと彼を支持する軍人たちは、国境地帯と新聞報道を掌握していますが、電波にはまだ自由があります。私達の、世界的な結束をうたう署名にご参加ください。私達のメッセージは新年に、広報や報道の形でジンバブエ全土にラジオ放送されます。下のリンク先からどうぞ。あなたご自身のメッセージを流すこともできます。

Send a message to the people of Zimbabwe


*送られるメッセージ(和訳)*

ジンバブエの皆さんへ
新年を迎えるにあたって我々、世界中の市民は、民主主義と安全と公正を求める皆さんを断固として支持します。愛する人を暴力や病気、そして飢餓によって失った皆さん、社会的平等と尊厳を求めて闘っている皆さん、私達の思いはあなたと共にあります。私達の目はジンバブエに注がれています。この危急のとき、我々は結束して皆さんを支持し、不公正を糾弾します。そしてここにジンバブエの自由と平和を求める宣言を表明します。

*のろ注*

下の Sign the petition 欄に Name:お名前、Email:メールアドレス、Country:国籍(選択)、Postcode:郵便番号 を入力の上、ピンクの Send:送信ボタン をクリックすると署名に参加できます。
右側に表示されている数字(*** have taken action, help us reach 100,000)の***は現在の署名の総計です。右側のEnter your Message欄から、ご自分の言葉でメッセージを送ることもできます。送信後、ご署名ありがとうメールが届きます。
送信後に移動したページでは、今回のラジオ広報のための募金をつのっています。(貴方が今、送信直後に移動したページを見ているとすれば、以下の説明はそのページの構成と少々違うかもしれません。これは私が送信直後のページから一度移動してしまたっためです。二重投稿を避けるため、送信ページ&その直後のページには二度と戻れないようになっています。どちらにしても基本的な情報は同じもののはずです。何でしたらそこから一端別のサイトに行って、「戻る」ボタンなり何なりでまた戻れば、以下にご説明しているのと同じページが開くはずです。)


*SUPPORT OUR WORK!(和訳)*

新年のジンバブエ向けキャンペーンのため、よろしければご寄付をお願いします。広報をより多く流すことができればそれだけ、ジンバブエの各家庭が、私達の支援を耳にする機会も多くなります。どの時間枠を買い取ることができたか、どれだけ多くの人々にメッセージを伝えることができたか等は、追って皆さんにご報告します。以下のフォームからお申し込みください。

*のろ注*

ステップ1
左下の Enter your Details欄の一行目、One-time donationは一回きりの募金、Recurring Donationは継続的な募金であう。どちらかにチェックを入れてください。First Name:名前、Last Name:姓、Email:メールアドレス、City:市町村、Province/State:都道府県(2つ下のCountry項を入れてから入力)、Postcode:郵便番号、Country:国籍(選択) 以上を入力
ステップ2
右のChoose currency and amount欄の一行目で通貨Yen(円)を選択、その下で金額を選択
ステップ3
その下のEnter your credit card details欄の一行目でカード会社を選択、その下でCard Numberでカード番号を入力、その下のVerification Numberでカード裏面に印刷されている番号の下三桁を入力、その下のExpiration Dateでカードの有効期限を選択して、その下のDONATEボタンを一度クリック。
するとご寄付ありがとうございます&お友達にも広めてくださいページに移動します。


以下、引き続きメール本文。

コレラはすでに1000人以上の死者を出し、ジンバブエ国民に甚大な被害をもたらしています。ロバート・ムガベと野党党首のモーガン・ツァンギライが連立政権の樹立に合意してから3ヶ月たった今も、ムガベは権力にしがみつき、疫病の蔓延という事実すら否定しています。ムガベ政権による取り締まりで、ジャーナリストや人権保護活動家や一般市民が次々に拘束されています。連立政権成立への見通しは暗くなる一方です。この3月に命を賭して反ムガベ票を投じた人々は今や疲弊し、飢餓にさいなまれ、暴力によっておびやかされています。

私達はこの1年を通じて、さまざまなレベル、あらゆる領域と方法においてキャンペーンを行って来ました。しかし恐ろしい状況に陥った今のジンバブエの状況を変えることができるのは、ジンバブエ国民だけなのです。国民自身が、絶望と無法状態を乗り越える自らの力を信じてこそ、変革が可能なのです。

私達国際社会がジンバブエに注目していることを、国際的な連帯を示す今回の放送によって示そうではありませんか。ジンバブエの人々に、2009年を生き抜く希望と力を送ろうではありませんか。愛する人を失った人々、希望を失った人々を応援し、社会的公正を求めて闘う人々、飢餓と疫病によって蝕まれた人々を支援しようではありませんか。

支援のメッセージを届けられるか否かは私達にかかっています。世界市民として、私達がムガベ政権の終焉を求めるのは、ひとえに人類共通の権利/人間性の確立のためです。それのためにこそ私達はおのおのの国で政治的な自由を求めて闘い、南アフリカでは反アパルトヘイトの活動を行いました。こうした活動は抑圧に対抗し、普遍的人権を守るための勤めなのです。ジンバブエの人々に伝えようではありませんか、私達が彼らと共にあることを。


以上でございます。

言葉のメッセージよりももっと実質的な支援がしたいとお思いのかたは、どうぞこちらへ。

日本UNHCR協会-Japan for UNHCR-


以下、Avaazメール本文。


Dear friends,
To help keep hope alive in Zimbabwe this holiday season, we're running radio ads across Zimbabwe with messages of solidarity from citizens around the world. Click below to put your name to the campaign--or even make an ad of your own!


Take Action Now

REPORT BACK: Last week, 200,000 of us succeeded in shifting Germany's position in the climate negotiations! It's just a partial victory, but a crucial one; click here to learn what happened!

As we approach the holiday season, the people of Zimbabwe need our solidarity and support. For many, this will be their tenth New Year's Eve living in fear, their third without clean water, and their first amidst the spiralling cholera epidemic. So many have died that it is no longer clear what is the population of the country.1

Ultimately, it is the people of Zimbabwe who will bring change. Right now, our friends on the ground say that crushing hardship and isolation are the greatest threat -- that the most powerful contribution we can make is to cry out our solidarity with their struggle, and let them know that they are not alone.

While Mugabe and his generals might control the borders and the newspapers, the airwaves are still free. Sign our global message of solidarity now -- it will be turned into a radio advertisement and broadcast across Zimbabwe in the new year--and then if you choose, write or record your own ad for broadcast using our online tools:

http://www.avaaz.org/en/global_citizens_for_zimbabwe/?cl=159187342&v=2586

Zimbabwe's people are wracked by a cholera crisis which has already killed over 1000 people.2 Three months after Robert Mugabe and the opposition leader Morgan Tsvangarai signed a power-sharing agreement, Mugabe's still clings to power, even denying there is an epidemic.3 And as the regime cracks down, with increasing numbers of journalists, human rights defenders and ordinary people being abducted this week4, the prospect of a unity government seems more remote than ever. The Zimbabweans who risked their lives to vote against Mugabe in March this year are exhausted, hungry and terrorised by violence.

We have campaigned throughout the year on different levels with a range of targets, tactics and strategies, but Zimbabwe will only change if, amongst the dread and fear, Zimbabweans themselves believe they have the power to overcome hopelessness and lawlessness.

With our radio-broadcast messages of international solidarity, let's let them know our eyes are on Zimbabwe and send them hope and strength to carry on strong into 2009. Our voices aim to uplift Zimbabwean people who have lost their hope or loved ones, helping a people who are desperate for democracy and ravaged by hunger and disease. These messages will be heard by hundreds of thousands across Zimbabwe and the region: sign our collective message here, then leave your personal message:

http://www.avaaz.org/en/global_citizens_for_zimbabwe/?cl=159187342&v=2586

It is up to us to get our messages of support to the people of Zimbabwe. As citizens of the world, our only interest in ending the Mugabe era is that which led us to struggle in our own lands for political freedoms, and which brought many of us to stand with the South African people in the anti-apartheid struggle: a common humanity, a duty to fight repression and a commitment to the universality of rights. Let the Zimbabwean people know we stand with them.



ザムザ君の来宅

2008-12-23 | Weblog
風邪がなかなか治らないのは手袋とマフラーとニット帽子の手放せないような部屋で生活しているせいかもしれないと思い始めた次第。
エアコンは無いのかって。
あるんでございますがね、この2年ばかり一度もスイッチを入れておりませんので、どんな風が出るやら恐ろしくて使えないんでございますよ。

それはさておき

ドイツ語勉強中ののろ。
目標はカフカを原文で読むことでございます。
先日久しぶりに大きな書店に行きましたら、ドイツ語学習本のコーナーに『変身』の輸入盤朗読CDが並んでおりました。
ちんたら学習でまだまだこういうものの聴き取りができるレベルではないんでございますけれども、耳慣れたいので勇んで購入いたしました。

ところが帰宅して、日本語で値段等の書いてある帯を取り去りました所、その下から…




ぎやあああ!
ゴ(以下略)

ううっ
デザイナーさん。
カフカは『変身』の初版が出るとき、たって希望していたんじゃございませんか。
扉絵に虫そのものの姿は描かないでほしい、遠くに小さく見えるのだっていけない、と。
それにザムザ君がゴ(以下略)に変身したなんて、どこにも書いちゃいないじゃござませんか。

それなのに



中まで。

この朗読CDのシリーズは全て、写真を使ったデザインでジャケットを統一しているようでございますので、なにしろ具体的なものを出さないとしょうがなかったのではございましょう。
それにしたって、ザムザ君の姿に依拠せずにこの作品を表現するモチーフはあったはずでございます。
テーブルの上のリンゴとか、窓辺に置かれた椅子とか、物置のような薄暗い部屋と外に向って開いた窓とか。
殺虫剤のスプレー缶に描かれているイラストすら苦痛なのろには、このCDを手に取るたび、取り出すたびにゴ(以下略)さんと対面せねばならないというのは、ちょっとかなり非常になんとも拷問的なことでございます。

だいたいねえ、ジュンク堂さん、あぁた、これわざと帯で隠して売ってたでしょう。
このデザインと知っていればあたしゃ別のを買いましたよ、ええ。

最近、虫系の悪夢をよく見るのはこのCDが枕元にあるせいかしらん。
初夢も虫系だったら嫌だなあ。

『蔵書票の美』

2008-12-17 | 展覧会
関西学院大学で開催中の『本に貼られた版画 蔵書票の美』展へ行ってまいりました。
蔵書票の小宇宙に浸って目を楽しませた一方で、蔵書票の意義とはそも何であろうかといささか考えさせらることともなりました。

6月に精華大学で催された『蔵書票グラフィティ』では年代も国も様々な蔵書票が展示されておりました。
コレクターの原野賢吉氏から関学に寄贈された膨大なコレクションの中からその一部を展示している本展では、原野氏が日本人の版画家に依頼して作ったもののみが展示されておりました。
全て原野氏用の蔵書票でございますから、当然ほぼ全ての図案の中に、何らかの形で原野氏蔵を示す文字が入れ込まれております。
「原野蔵書」「原野愛書」「原野賢吉」「はらの蔵」「K・HARANO」などなど情報としては全く同じものながら、それを小さな紙片の中にいかに美的に入れ込むかは作家の手にゆだねられております。よってそのデザインも表記もさまざまでございまして、情報が同じなればこそ、比較の面白さがございました。
絵柄もかわいらしいものからエロチックなもの、ほのぼのとした味わいのある木版画や華やかな型染めの作品、細密で幻想的な銅版画など色々。布やプラスチック製の珍しいものもございました。

のろは思ったのでございますよ、これだけのコレクションの中から、本の内容や思い入れに合わせて貼ることができるとすれば、それは何と贅沢で豊かなことであろう、と。
しかしその後参加した講演会で、のろが抱いた「豊かな蔵書票生活」のイメージは単にイメージに過ぎないのかもしれない、と思わされるやりとりがあったのでございます。

講演会はのテーマは「蔵書票と博物館」。実のところ博物館のお話はほとんど無く、プリントやスライドで有名作家の蔵書票などを見ながらそれにまつわるお話をお聞きする、というややとりとめのないものでございましたが、まあまあ面白いものでございました。講演後にちょっとした質疑応答がございまして、のろがエェと思いましたのはこの時でございます。

参加者の一人が、蔵書票コレクターでもある講演者のかたに尋ねられたんでございます。ご自身で持っておいでの蔵書票を、実際に蔵書に貼っておられるのでしょうかと。
すると、実はほとんど貼っていない、額に入れて鑑賞したりするものであって、他のコレクターもおおむね貼らないのではないか、とのお答えでございました。
のろが驚きましたのは、交換や購入によって入手したもの、即ち他人の名前の入ったものであればいざ知らず、そのかたは今までに400ほど(枚数か種類かは分かりません)自分用の蔵書票を作った、とおっしゃっていたからでございます。

あるものが、本来の機能を失ったのちもその美的な側面でもって愛される、というのは良いことと思います。そもそも本来の機能は果たさない方がいいようなものもございますしね、刀剣ですとか。
しかし「◯◯蔵書」という字をその身に帯びているのに、作られてからこのかた一度もその持ち主の蔵書に貼られたことがなく、これからも貼られる予定の無いものを「蔵書票」という名で呼ぶのはいささか空しいような気が、ワタクシはいたします。
蔵書票の美は、持ち主の書物愛-----あるいはそれを貼った瞬間から生じる、自らの蔵書に対する責任感-----に裏打ちされているからこそ、独特の趣深さがあるのではございませんか。

切手のように、コレクターも一般の人も等しく買い求めるものとは違い、名入りの蔵書票は持ち主本人が使わないかぎり、その本来の役割をはたす機会は永遠にございません。はなから本に貼るつもりが無いのであれば、「◯◯蔵書」や「EX LIBRIS」という文字はいったい何のためにあるのでございましょうか。それはもはや「蔵書票」ではなく「名前入りミニ版画」ではございませんか。
蔵書票をコレクションする人なら、そうしたものに関心の無い人や、そもそもその存在を知らない人よりずっと蔵書票に対する理解があるはずでございます。そんな人たちですら使わないとしたら、そも蔵書票が蔵書票として存在する意義なんてあるのでございましょうか。
使うつもりの無いままにただ鑑賞のためだけに作られ、蔵書票であったことが一度も無い蔵書票ばかりがひたすら交換・蒐集されるというのが現状なのでございましょうか。
だとすれば、それは甚だ奇形的なことであると、ワタクシには思われるのでございます。



八木重吉詩集

2008-12-10 | 
11/17に申しましたNPOの展覧会は無事終了いたしました。
お運びいただいた皆様、ありがとうございました。

作品も手元に帰ってまいりました。
のろが出品いたしましたのはこれ。




10/26に制作風景を御覧いただいた消しゴムハンコ本でございます。



まあこんな感じで。
展覧会のテーマは「書物のアロマ」でございましたので、実際に香りのついた本や、ハーブやおいしい料理を題材にした作品もございましたし、マタタビの枝を使ったユニークなもの、『昭和の香り』と題して子供の頃に撮ったSLの写真をアルバム風にしたものもございました。
のろはアロマを「風格」の意味に解して、他の情報媒体にはない書物の風格とは何であろうかと考えたすえ、このような作品となりました。




本文の紙は中国の手透き紙、表紙は厚手の和紙でございます。
紙も自分で漉けたらよかったのでございますけれども。
一文字一文字ハンコを彫っては押していくといういともアナクロな手法を取りましたのは、書物独特の「もの感」、即ちデジタルな情報媒体にはない物質感を強調したかったからでございます。

再来年の展覧会のテーマも既に決まっております。
今からそれに向けて頭を絞り手を動かしていかねばと思っております。