のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

ナポレオン展2

2006-01-19 | 展覧会
アニキ、そいつあちっとカッコつけすぎじゃないすか。 



ということで
『ナポレオンとヴェルサイユ展』でございます。
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展示は「1章・革命」から「11章・ナポレオンの最期そして伝説」まで、おおむね時代順に並んでいます。
展示室の入り口でガイドブック(100円)を購入できます。
短い文で全作品の解説が書かれております。
展示スペースにはほとんど解説の表示がありませんので、
持って歩かれることを強くお勧めします。あった方がだんぜん楽しめます。

のっけから
牢獄の壁を背景にした 喪服姿の マリー・アンとワネットの肖像 という珍しいものが見られます。

しかし第一展示室の目玉はやはりダヴィッドの『マラーの死』です。



昨年の『ルーヴル美術館展』でもお目にかかった作品ですが、
よいものは何度見てもよろしうございます。

凶行直後の 浴槽に半身浸かったままの 刺殺死体 という凄惨な場面でありながら、
この静謐さといったらどうでしょう。
また、静謐でありながらも
床に転がる血の付いたナイフ、だらりと垂れた右腕、浴槽の中の血だまりといった
描写の生々しさといったらどうでしょう。
筋力を失い、がっくりと傾いた死者の頭部に目を転ずれば
光に照らされた顔はわずかに微笑み、不思議に穏やかな表情を浮かべています。
画家がこの革命理論家の死を悼み、革命に殉じた英雄としての姿を
描こうとしたことが伝わって参ります。

頭に巻いたタオルの描写もまた本当に素晴らしくて・・・
などと のろごときがいかに駄弁を弄したとて、
この作品のものすごさを言葉に翻訳できはしないのでございますよ。
前にも見たという方も、初めてという方も
ぜひとも実物に会いに、足をお運びいただきたい。
くれぐれも「図版で見られるしいいや」などとお思いになりませぬよう。

例によって、まだ続きます。