のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

ノミ話15

2007-06-27 | KLAUS NOMI
いつの間にやら1年の折り返し地点を過ぎてしまいました。
この半年を振り返れば、いつにもまして実り少ない1年になりそうな予感のする今日この頃ではございますが
ええいままよと開き直って
いたしまするはノミ話でございます。

ノミ話 その1:新たなファンサイトを発見いたしました。

Klaus Nomi Tribute Page

いや、嬉しうございますねえ!
Created by Tyler Henry 2006 とありますから、設立は去年のようですが、ワタクシはつい先日まで存じませんでした。
きっとアナタもご存じなかったはず。(興味があるかどうかは別として)

他のファンサイトに比べると今の所、それほどコンテンツが充実しているとは申せません。
1stアルバムのジャケット写真が左右反転で掲載されている点も、何のためやら甚だ謎でございます。
しかしMP3のダウンロードができたり、ビデオをまとめて置いているというのは他所には無い特色でございますし
”EXTRA”の頁からダウンロードできる、アイロンプリント用の画像なんて変わり種もございます。
歌詞をすべて掲載しているというのも、なかなかたいしたものです。
とりわけ注目したいのはオペラ『サムソンとデリラ』のアリア『貴方の声に我が心は開く』
(ノミがいつもライヴの最後に歌った曲)の歌詞でございますね。
輸入版CDに歌詞がないのはまあ普通のことですが、この曲だけは
日本版CDのライナーノーツにも歌詞が載っていなかったんでございます。

ノミマニアであります所のワタクシはもちろん、このアリアの歌詞つき楽譜を図書館で探し出すくらいのことはいたしました。
これの含まれているマリア・カラスのCDを購入するくらいのこともいたしました。
しかし、それによって判明したことは
ノミがこの曲をずいぶん縮めて歌っているということ、そのぶんもとの歌詞を飛ばしたり、ずらしたりしているということ
そして音楽的素養が限りなくゼロに近い上にフランス語いっこもわかりまへん な のろが
楽譜を睨みつつ一生懸命に耳を傾けても、ヤツがどの部分を歌っているのかおおむねわかりゃしない
という悲しい事実でございました。
日本版CDのライナーノーツに「聴き取り不可能のため割愛させていただきました」の一文があることからして
これはひとりのろにかぎった現象ではないことと思われます。
そんなわけで、このファンサイトがノミ版『サムソンとデリラ』の歌詞を掲載してくれている事を
ワタクシは高く評価いたします次第。
今後ますますのコンテンツ充実を期待しております。


ノミ話 その2: KLAUS NOMI TRIBUTE PARTYの画像

以前コメント欄でチラと触れさせていただきましたが、イタリアはパルマで開かれたアートイベントで
オープニングに NOMI PARTY なるものが開催された模様。その時の画像が『ノミ・ソング』の公式サイトにUPされております。

ううむ
ええとですねえ

いちファンとして、もちろんノミへのトリビュートがあるのは嬉しいことなんでございますが
ヤツの格好そのまんまでパフォーマンスすることについては正直、その意義に疑問を感じるのですよ。
クラウス・スパーバー氏という欠くべからざる個性を欠いて、格好だけ「クラウス・ノミ」そっくりにしたところで
それはいきおい劣化コピーにならざるを得ないではございませんか。

むしろリンク先でNOMI PARTYの下に紹介されているスキンヘッドノミや
こちら http://www.extrapool.nl/Images/2005/2005Nomif.jpg 
(リンクできませんでした。お手数ですがコピー&ペーストしてくださいませ)ぐらいに
わざと崩して、パロディー性を前面に打ち出した方がよいものになっていると思います。

演者は「クラウス・ノミ」という仮面に、すっかり隠れてしまってはいけないのですよ。
それを違和感無くこなせるのは、ノミ本人だけなのですから。



そもそも「巻き舌ファルセットで歌う、宇宙から来た変異体、ノミ」という存在自体が
オペラの、ロックの、ポップスの、そして1950年代SF映画のパロディーであったのと同時に
ゲイでドイツ人で「ちょっと変なひと」で、オペラ界にもロック界にも居場所を見つけられなかった
クラウス・スパーバーという人物の自己パロディーであったと、のろは思うのですよ。

風刺的な模倣という性格上、パロディには「わざとらしさ」と「まがいもの感」が不可欠でございます。

プラスチック製のタキシードも、3方に逆立ったヘアスタイルも、カクカクした動作も
いかにもわざとらしく、薄っぺらく、まがいものらしいですね。
このわざとらしさ、嘘くささこそが「ノミ」の重要な構成要素なのでございますよ。


そもそもが「まがいもの」である「クラウス・ノミ」を
「本物そっくりに」演じる、というのはいとも奇妙な話ではございませんか。
むしろヤツが「うそっこ宇宙人」の仮面を堂々とかぶり続けたように
まがいもの感を大いに強調した「うそっこクラウス・ノミ」としてパフォーマンスした方が
表面ではなく根っこの所で、ヤツのアートコンセプトに共鳴するのではないか?と
ワタクシは思うわけでございますよ...。



ピカプー

2007-06-21 | Weblog
ううむ
まあとりあえず
ピカプーでもご覧下さい。

ガザ地区が大変なことになっておりまして
BBCのアラン・ジョンストン記者は武装組織に拘束されたまま昨日で100日を数えたというのに
ピカプー言ってるのろって一体なんなんでしょうか。
ちなみにこちらからジョンストン記者の解放を求める署名に参加できます。




首脳と会談

2007-06-18 | Weblog
別にねえ
新聞紙を枕にして寝ているわけではないんでございますが
なにゆえのろの夢にはプーチン大統領やらブレア首相やらがお出ましになるんでございましょうか



しかも何なんでしょうこのシチュエーション。

いっそG8首脳コンプリートを目指そうかとも思いましたが
顔も見たくない御人が2人ほどいらっしゃいますのでやめときます。
Aさん ですとか Bさん ですとかね。


とはいえメルケル氏のご登場はちょっぴり心待ちにしております。

へるむーとず

2007-06-14 | 映画
昨年も申しましたが
6/13はキング・オブ・キッチュにして空前絶後の引きこもり、バイエルン王ルートヴィヒ2世の命日でございました。
↓はルキノ・ヴィスコンティ監督作品ルートヴィヒ 神々の黄昏」のヘルムート・バーガー。



これといった起承転結の無い、堂々4時間の長丁場。
これをダレずに見させてしまうのは巨匠の手腕ゆえでしょうか
はたまた心身ボロボロ状態を演じてもなおオーラを放つ
ヘルムート・バーガーの圧倒的な美しさと目ヂカラゆえでしょうか。

イラスト右下にいるのはロミー・シュナイダー演じるオーストリア皇妃エリザベートでございます。
はつらつとしていつつ気品があり、たいへん魅力的でございました。
ちと さばさばしすぎな感が無きにしもあらずではございましたが
重厚な華やかさが全編を満たしている本作において、彼女の軽やかな華やかさは
よいバランサーの役割を果たしているとも申せましょう。

左の方におりますのはヘルムート・グリーム演じるデュルクハイム大佐。
グリーム&バーガーのヘルムートず は『 地獄に堕ちた勇者ども』でも共演しております。
グリームさんが演じたのはナチの親衛隊大佐(←これは字幕の誤りで本当は大尉らしい)
アッシェンバッハという人物でございました。

SSの制服に身を包み
髪をきれいに撫で付けて
口もとに常に嘲るような笑みを貼付けながら
冷めきった眼差しで財閥一族の崩壊を見つめるその姿は悪魔のように美しかった。三島由紀夫も絶賛でございます。
下から2番目の写真にヘルムートず そろい踏み。↑  左端はダーク・ボガート。

『地獄に~』では実に悪魔的だったグリームさんでございますが
『ルートヴィヒ』では、現実から目をそらし、幻想へと逃げ込むルートヴィヒに対して
唯一、忠信からの諫言を呈する、本作の良心とも言うべき誠実な人物を演じておりました。
登場シーンは決して多くはございませんが、この人物のセリフはどれも
誠実であるが故の重みがあり、印象的でございました。


いつの間にやらヘルムート・グリームばなしになってしまいました。
バーガーよりこっちのが好きなもので・・・

stripe

2007-06-09 | Weblog
ストライプが好きでございまして。



ただし縦ストライプ限定で。
ボーダーはいけません。


↑のろんちにある縦ストライプの数々


がんらいのろは縦長のものや縦方向の動きのあるものが好きでございます。
『マトリックス』に出て来たアレのように、文字が縦方向に表示されるパソコンがあったなら
ふらふらと買ってしまいそうなくらいです。
しかし英文読むの大変そうですねあれは。

話がそれました。
ストライプでございます。
先日、近所の書店にて
天がそんなのろに与えたもうたかのような本と巡り会ったんでございます。
タイトルは
はい、そのまんま  ストライプ




ストライプは最も広範に用いられているパターンのひとつだ。時代を超え、中性的で、あらゆる年代にアピールするストライプは、極めて用途の広いコミュニケーションツールである。
P.8 ”はじめに”より


ストライプが自然界および人間社会のさまざまな相において
いかなる効果を発揮し、いかなる役割を果たしているか、いかに応用されているかが
膨大な実例写真とともに簡潔に論じられており
たいへん勉強になります。

ストライプというアピール力のある、つまりは目立つ模様に対して
イメージの変遷史があるという指摘にはナルホドぽん と膝を打ちました。

すなわち

異質なもの

社会のアウトサイダー(囚人、道化師、売春婦、悪魔)

変わり者(反体制派、アーティスト)

クールなもの

という変遷でございます。

ストライプ好きとしては、眺めているだけでも心癒される本ですが
読んでも面白いときておりますから
実にもって一粒で二度おいしうございますね。

なんとも

2007-06-02 | Weblog
おそろしいことに
はや6月でございます。
月日は容赦なく過ぎてゆき
記事の更新は甚だ滞っております。

決してのろが忙しいからではございませんで
うちのPCがクレムリンからサイバー攻撃を受けているからでもございませんで
ひとえに本年最大級の無気力症がのろの左脳一帯を浸食しているからでございます。
毎度お馴染みノミ話すら、ネタはあるのに文章が書けないというていたらく。

これ以上のデプレスパイラル(depression spiral ~のろ造語 憂鬱と無気力の加速的悪循環) に陥らぬよう
なんとか早急な気力回復を計りたい所存でございます。
そうですね、カフカ忌ごろまでにはなんとか・・・

って
あと2日しかないじゃございませんか。
って
書いてるあいだにあと1日になってしまったではございませんか!
カフカさん、亡くなるのが早すぎますよ!

などと言ったら
「いえ、遅すぎたくらいです」
などと答えて弱々しく笑うんだろうか
享年40歳の労働災害保険局員氏は。


ええ
まあこんなぐあいで
頭の中がさっぱりまとまりませんのですよ。
このまま痴呆症になるんじゃないかと危惧することしきりでございます。


もしも捕われの魔術師か何かを助ける機会があって
お礼に何でも望みの物を与えよう、何が欲しい?と聞かれたら
「やる気」と即答するべく常日頃から心構えしておりますのろ。
そろそろ明日あたり、煤けた小汚いランプにでも蹴つまずかないかなあ と思いながら生きて

いたりするからイカンのでしょうね。
はい。