のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

縦長のひと

2006-01-03 | 展覧会
昨日は大原美術館詣でに行って参りました。
JRで京都から片道約4時間。青春18きっぷなので新幹線や特急は利用できませんが、意外と早いですね。
人が多くガキンチョも多く、作品にチラッと一瞥をくれただけで「わっからへんわー全然ー」とつぶやくおばちゃんも多うございました。
それでも混んでいるわりには静かで、作品の前に居座って世間話をするような人もおらず
いと心地よく鑑賞することができました。
昨年の「初詣で」はひたすら中村彝(なかむら つね)の
『頭蓋骨を持てる自画像』を目当てに参じましたが

今年はとりわけどの作品が目当てということもなく、なかば行き帰りに電車の中で本を読むことを目的に出かけました。
で、今回一番印象深かった作品はエル・グレコの『受胎告知』でありました。
ベタですね。

子供の頃、家に美術の教科書のような本がありまして
暇にまかせてよくめくっておりましたが、コドモ心にどうにも解せない点がいくつかございました。
ひとつはアングルの肖像画を並べたページです。
「他はみんな絵なのに、なんでここだけ写真なんだろう?」と不思議に思ったものでした。
いかにコドモとはいえ
その時代にカラー写真が存在しないことに気付け、のろ。
もうひとつはエル・グレコによる聖人の全身像です。

のろの疑問は「なんでこの絵は、左右が圧縮→←されているんだろう?」というものでした。
即ち、ワイドスクリーンの映画を、テレビの画面に合わせて左右圧縮したために、何もかも縦長になってしまう という現象と同じように、グレコの描いた縦長の人体も、本に載せるときの都合でそうなってしまったもの と 思ったわけでございます。
いやあコドモっておもしろいですねえ。
えっ 
のろが馬鹿なだけ?