休日の早朝、田舎の母親に電話します。
安否を確かめると同時に、ふるさとの情報収集です。
今朝も一時間を超しました。
母がほとんどしゃべっています。私は聞き役です。
次から次へと話題が移ります。
政治の話(母親は国政選挙から地方選まで選挙大好き人間です。票集めに自信があるのです)から、
身内や近所の話まで、85歳のシニアとは思えない話題です。
大正生まれの割には、人的ネットワークが広いのです。
特に旧国鉄(現JR)のことには強い思い入れがあります。
戦前・戦後の青春時代を新見駅で過ごしたからです。
いまだに国鉄時代の同窓会の幹事に生きがいを見出しています。
今朝も、当時の先輩(もう87歳の新見在住の安達政一氏執筆)の「轟け鉄輪」(2004年出版)で盛り上がります。
安達さんは、昭和10年~50年の国鉄勤務時代のことを詳細に記しています。
母親は当時、電話交換から最後は操車、車両編成まで携わったそうです。
戦時で男性がいなくなったためです。
この当時の話がはじまると電話を切ろうとしません。
楽しい青春時代だったのでしょう。
当時の勤務は袴だったそうです。
給料をもらうと岡山のデパート「天満屋」で生地を買い、着物を作る活発な娘だったそうです。
母親の愚痴を延々聞くこともあります。
母親の世代の価値観から、最近の傾向を嘆くのです。
自分が嫁にきた、はるか60年前の時代と比べるのです。
利便性や贅沢を嘆きます。苦労することが人間を育てるという信念です。
時には私とぶつかります。
がまん強く聞いていても頑固さに辟易することもあるのです。
しかしそのあとで後悔します。母親とは多分あとわずかな時間です。
永い間故郷を離れている私の電話を待つ母親の気持ちを忘れていました。
来年からふるさとで一緒に住みます。
「音楽村」のNPOの理事長は母親だというととてもうれしそうです。
画像は 安達政一氏執筆 「轟け鉄輪」
新見駅 駅は世界さんより
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