Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

「音質アップ」の為にどんなことをして来たか?

2017年05月21日 | ピュアオーディオ
過去15年のうちに色々な「音質対策」をして来ました。碁盤の目を「着眼大局」し、升目を埋めて行く様な多岐にわたる対策です。その基本は「音数」の増加と「質感のアップ」です。音数を増加・質感のアップさせる為には、一つの対策で成り立つようなものでは有りません。「総力」が「音数」や「質感」となって出て来るからです。

1)電源はどうあるべきか?
2)電源ケーブルはどうあるべきか?
3)機器の電源ラインはどうあるべきか?
4)ラインケーブルはどうあるべきか?
5)SPケーブルはどうあるべきか?
6)SPユニットはどうあるべきか?
7)SP箱内配線はどうあるべきか?
8)アンプ内配線はどうあるべきか?
9)SPのセッティングはどうあるべきか?
10)プラグ類はどうあるべきか?

等々、「在るべき姿」を原理を基に考えて対策して来ました。それぞれに原理を考える根本が違えば対処も変わって来ます。全ての項目に対策をして来たとは思っていません。あまりにも多岐にわたるので、すべてを網羅できるはずも有りません。しかし、主要な部分には手を入れて来たと思っています。全てがケーブル一つで解決できる訳でも有りません。

有る方が「ケーブルで補強」しているという言い方をされましたが、「補強」などはしていません。考え方が根本に違うと思います。「CDの中に入っている音を全てSPから出したい」と云う思いだけでここまでやって来ましたが、どこまでやってもまだまだ・・・です。対策すればさらにその次が見えて来ます。シンプルなアナログ伝送ですのでイコライザーさえ入れていません。イコライザーで安直に調整した所で「安直な音」にしかならないと思っています。根本を良くすればイコライザーなど不要と考えています。

サブSPシステムの位置づけ

2017年05月20日 | ピュアオーディオ
自分はメインスピーカーシステムとは別に、必ずサブシステムを作って来ました。サブシステムですので、16㎝~25㎝クラスのウーハー、もしくはフルレンジシステムになります。

高級な大型システムを持っている方は、20㎝クラスのシステム等気にもしない方がいらっしゃいますが、自分には必要なサブSPです。本当に音楽が好きならばサイズなどどうでも良く、音量を欲しがらずに使いたい時が必ず出て来ます。そう云う時の為に小型システムの完成度を上げて置かないと安心できません。

「音質対策」を小型SPで試して、大型SPに持って行く事が一般的な常道でしょう。その意味でブックシェルフタイプのシステムは色々と音質対策実験が簡単に出来ます。又その逆もしかりで、大型SPで培った技術をダウンサイジングして使うのもWチェックになって良いと思います。



サブSPも色々なSPを買い込んで調整して使って来ましたが、ようやくサブSP作りも終わりに出来そうだと思っています。上述のJBL:D208システムが私の最終サブSPになるだろうと思っています。メインSPで培った技術を投入して作っています。ユニットにも拘り1950年代のモノです。一時LE8T(16Ω)を欲しがってた時期も有りましたが、現在はこのユニットで十分満足しています。専用のアンプ(プリ+WE101Dppパワーアンプ)も準備しています。D208ユニットは能率が97db有るので、WE101Dppアンプの1Wで十分に鳴ってくれます。「スケール感」よりも「質感」に拘っています。

久しぶりのオーディオ道場

2017年05月19日 | ピュアオーディオ
2週間前からバイクを整備して、街乗りで少しづつ慣らし運転をして来ていました。バイクのエンジンの調子も、乗るこちらの感覚もだいぶ戻って来ました。久しぶりに遠出をしてガソリンタンクを空にしてガソリンを入れ替え様と思いました。5月になってからお天気の方も安定していますので軽装で出かけられます。そうは言ってもニーとエルボーのプロテクターは欠かせません。久しぶりに熊本県阿蘇郡西原村の「オーディオ道場さん」を訪ねました。片山マスターも少し瘦せられた様でしたがお元気でした。

(バイタボックス・オリンパスコーナー)

12時半に出発して到着は2時半でした。所要距離片道80Km。道場の周りは「熊本地震」で大きく変わっています。今でも大畑ダムの処は「う回路」でないと俵山を抜けられません。バイクの場合、小回りが利きますし、旧道を知っていますのでそちらを通って行きました。旧道と云えど石ころがゴロゴロ崩れた後が多く、応急処理の状態です。



オーディオ道場の中に入って最初に目についたのはWE15Aホーン。昨年は床面に設置して有りましたが、今回は2階に綺麗に設置して有りました。館内の隅々に響き渡る様に鳴り響いていました。現在は中音域(#555+15Aホーン)のみで運用されています。これで十分な音楽が聴けますね。バッハの無伴奏ヴァイオリンパルティータが奏でられていました。



ドライブされていたアンプ群はマランツ#7レプリカ、#42シングル+CDラインでした。パワーアンプの#42シングルアンプの横にはWE#205Dテニスボールのシングルアンプが有りました。





今回は聴く事が出来ませんでしたが、1920年代のヴィクトローラ:クレザンデも入手されている様です。WE15Aホーンが1930年代ですので、およそ100年前の機器達になります。



クレザンデ用のSPレコードもかなり集めていらっしゃいます。写真ではほんの一部です。



15Aホーンを正面から見ますとこんなになります。下の階にはバイタボックス:バスビンのウーハーBOXが見えます。



#4560システムには私も使っているHL88(ハチの巣ホーン)も有りますね。ALTEC A7のレプリカ箱も有ります。他にアナログプレーヤーもマニア懸垂の名器が3セット揃えて有ります。(EMT、トーレンス、マイクロ)

熊本地震の後、道が遮断されていた事と被害があまりにも大きく多方面にわたっていたので行くのを躊躇っていました。昨年は7月に行ったきりだと記憶している。

俵山を越えて「ウッドサイドベイシー」さんも訪ねようと思いましたが、体力を考えて今回は諦めました。


音のバランスについて

2017年05月18日 | ピュアオーディオ
人間の可聴帯域は20Hz~20000(20K)Hzと云われています。音楽を聴くのに必要な帯域はどれ位なんだろう。メインのオリンパスシステムは30Hz~100000(100K)まで再生できる様にユニットを組み合わせています。



低域側の再生は床面の強度さえ有れば30Hzは出ると思っています。現実旧事務所の直打ちの床面の時は、「下の下の下」ぐらいの再生音が出せました。これでもかこれでもかと云うくらいの低域が出せました。しかし、現在は40Hzくらいまでが部屋の限界だろうと感じています。

高域を100KHzまで揃えているのは、20KHz以上の帯域が「空間表現」に大いに寄与するからです。しかし人間の耳には聞こえない帯域ですので、音場の出来方で「出ているんだろうな?」ぐらいしか確認できません。しかし、有ると無いとでは再生音に違いが出て来ます。この辺は感覚なんだろうと思います。

メインのオリンパスシステムは3ウェイのマルチアンプ方式です。帯域の分割は低域(~500Hz)・中域(500~7000Hz)・高域(7000Hz~100KHz)にしています。これらの音量バランスは、低域70%・中域25%・高域5%ぐらいの比にしています。

私のシステムを聴かれた方は、「高域不足」に感じられると思います。しかし、音楽を聴くバランスとしてはこの比率が最も良いと感じて設定しています。

最近の機器は「あざとく高域を出す」事で、「高解像度」の様に見せかけている様に感じます。音のバランス的に私にとっては「有り得ない比率」で高域が出ています。

朝玄関を出てその空気を吸う時に聴こえる「自然の音」の聴こえ方をする様に、システムの「音の出方」を目指しています。自然界には7000Hz以上の高域成分が非常に少ない事に気づきます。それは「楽器」にも言える事で、「作られた高域」に慣れた方から見れば「高域不足」に感じられるかもしれませんが、低域・中域・高域共に「音数」を出来るだけ出す様にしています。その結果上述の比でも音楽を楽しむのに何も不足感は感じません。高域だけが高解像度など自然界には有りません。

エンクロージャーと音の傾向

2017年05月17日 | ピュアオーディオ
オーディオの中心は「スピーカー」だと思う。どんなスピーカーを使うかでそのランクが決まって来る。表現力はSPシステムの性能で決まると思っている。何故なら「電気信号を音に変換するのはスピーカー」だからだ。

スピーカーには箱(エンクロージャー」が使われている。低域ユニットは安直に小型でFoが低く・・・と云った諸性能や使い勝手からダイナミック型(コーン型)に殆どなってしまった。コーン型ウーハーの低域ユニットが今では主流である。本当はコンプレッションドライバー型で低域ユニットが出て欲しかったのだが・・・。とんでもないマグネットと重量・サイズになる事は想像が付く。

エンクロージャーは材質や「作り」でかなりサウンドが違ってくる。重い箱からは重い低音が、軽い箱からは軽い低音が出て来る。「物性の音」がそのまま出て来ます。

その箱にどんなユニットを組み合わせるかでもサウンドは大きく違ってくる。38㎝の高能率SPユニットでは箱の特徴に敏感に反応する。例えばALTEC 604系のユニット。通称「銀箱」と呼ばれる#612箱や614箱が使われる事が多い。”612箱は米松合板製で作られているモノが多い。この箱は非常に軽く反応の良いサウンドを出してくる。同じユニットを#620箱にすると低域の重心が下がり落ち着いたサウンドになる。こちらは「パーチクルボード」を使って有る。それぞれ特徴のあるサウンドになるので「ニーズ」によって使い分ける必要が有る。

箱(エンクロージャー)のサイズ、材質、作り(補強の入れ方等)で「物性の音」が変わって来る。この物性の音とユニットの傾向とを合わせて音作りをしていくべきだと思っている。

ただどんなスピーカーシステムで有れ「セッティング」は重要だ。メーカー製でフロアー型となっているからそのままポン置きで良いなどと底の浅い考えはしない方が良い。メーカーがどんな思いで「袴」や「スパイク」を付けたのか分かったモノではない。個人的にはかなりいい加減な部分だと考えている。

SP系のデッドニングについて

2017年05月16日 | ピュアオーディオ
先日のマイ電柱のTVを見ていたらSPシステムもチラリと映像に写った。エンクロージャーは非常にガッチリと作って有る上に、ユニットにはデッドニングが施されていた。

デッドニングには「功罪」が有る。自分も若い頃、色々試して見たが「音数」が減るので採用しなくなった。デッドニングをする方は一様に「SPのセッティング」の原理を理解されていない様に思う。単純に「目先」の音を求められている様なものだと思う。

「SPのセッティング術」を私は「お宅訪問」でまず一番最初に確認する。ここが「自然の原理」に合っているか?を確認する。ここが出来ていなければ自ずと出てくる音には「癖」が付いている。「生きた音」と「死んだ音」の分岐点はこのSPのセッティングにかかっている。何度も実験して自分なりに掴んだ原理である。

デッドニングの手法は自分は一切採用しないし使いもしていない。「自然に響かせる」事を心がけてセッティングをする。ただこれだけで「生きた音」がしてくる。デッドニングすると云う事は、余計な付帯音を嫌っての事だと思うが、セッティングがうまく出来ていないから使わざるを得ない訳で、「発生源対策」が不十分である証左でもある。

「付帯音」も「自然な立ち上がり・減衰」をする様なシステムでは「音数」として使える。「付帯音」を削ってしまえばいびつな「癖の有る」再生音になってしまう。

SPユニットへの考え方

2017年05月15日 | ピュアオーディオ
私は「JBLの音」、「アルテックの音」、「タンノイの音」等無いと思っている。雑誌で分かりやすい様につけた名前で有って、鳴らすアンプやソース、テクニックが有れば、そんな妄言など吹き飛んでしまう。それぞれのメーカーのSPユニットは電気信号を物理的な音に変換する「音変換器」だと思っている。出来るだけ固有の音が無く、或いは有ったにしても魅力的な音色を持ったユニットを使いたいと思っている。

メーカー純正のSPシステムでは「出ない音」が沢山有る。3ウェイのSPでは3つのユニットから出来ているのが一般的。それでCDに入っている音が全て出せるか?と云うと大いに疑問が有る。この辺が判っていない方が多すぎる。メーカー礼賛の方等は「初心者」と思う所以である。そんな事を何十年も続けていてはいつまでたっても「初心者」で有る。

話はチョッとそれましたが、SPユニットは「音変換機器」である点は誰でも理解できると思う。コーン型にはコーン型の音、ドーム型にはドーム型の音、コンプレッションドライバーには・・・と同様に「専用の音」が有ります。世の中の「生音」にはいろんな種類の音が有ります。それらに対応させるには、色々な方式のユニットを一緒に鳴らした方が「生の音に近い」音になるはずだと思っています。

ただ現実は、一台のアンプでドライブできるSPユニットの数は最大4個までくらいでしょう。コーン型の38㎝ユニットクラスになると2発(Wウーハー)位まででしょう。インピーダンスが下がりすぎるとアンプが壊れてしまいます。最悪の場合、抵抗器やコンデンサーが発火します。アンプ類にもまだまだ進化の余地が有ります。

現実的に、今のアンプで使えるSPユニットを増やす方法としてはマルチアンプ方式でしょう。3ウェイなら3台のアンプが使えます。4ウェイなら4台のアンプが使えます。1台平均3個のSPユニットが使えれば10個近い異種のユニットを同時に鳴らせます。面白いサウンドになる事は想像できます。但し、ユニット毎に「合う・合わない」ユニットや音色が有るので、この組み合わせを探すのも一苦労します。

ブログタイトルを「回り道」としている理由

2017年05月14日 | ピュアオーディオ
オーディオの機器システムを揃える事や、音質グレードを最終ラインに持って行く最短距離を求めるのが一般的な考え方だが決してそうはならない。当然「ムダ金を捨てる」事を嫌っての事だろうが、そうは簡単には降ろさない。

「急がば回れ」の諺に有る通り、目的に直線的に突き進むよりも、ゆっくりとクネクネ曲がった道を考えながら行った方が先に到達できる道もある。特にオーディオでは「試行錯誤の実験」が付き物である。機器を揃えてありきたりのケーブルで接続すれば音は出る。大概の方は好きな機器を揃える事に熱中する。しかし求めるのは「音質」であり「質感」である。最終的には出ているサウンドが自分の求めているサウンドになっているかが重要である。

ただ、年齢と共に志向する要望も高くなる。経済力も変わって来る。子育てを終わる年代になると自由もきく様になってくる。そうなると機器の入れ替えやケーブル類に関する知識も増えて来る。電源の大切さも見えて来る。そうなると当初考えていた「直通」(無駄をしない)のやり方は当然見直すことになる。経験や知見が増えてくる訳だから当然変わって当たり前。

「音質アップ」を考えながら、寄り道をしながら総合力を上げる様にして行くために「回り道」としている。無駄は覚悟の上。自分の人生の考え方そのものをタイトルとした。初めから大上段に「直線距離」を求めていては前には進めない。考えばかりが先に立ち、失敗を恐れて行動が出来なくなる。

ステレオ装置は音楽を聴く為のモノ

2017年05月13日 | ピュアオーディオ
基本的に、ステレオ装置は「音楽を楽しむ」為のツール(道具)だと思う。少しでも良い音質で聴きたいと願うのは誰しも当然の事と思う。しかし、各人各様に「目指すサウンド」は違う。アプローチの仕方も違う。この辺は多様性が有っても良いと思う。しかし中には、「音を聴く」為のツール化している人や、機器に振り回されている方が何と多い事か?・・・サラリーマンの様に昼間は仕事に追われ、夜中に帰宅して1~2時間しか音楽を聴く事しか出来ない状況では、機器の調整等は望むべくもない。実際に自分もその様な歳月を20年近く続けていた。

本来の仕事の他に趣味の勉強をする時間など一般には取れないのが普通である。ステレオシステムへの理解が進まない一因がここに有ると思う。「メーカー神話」(メーカー製こそが本物と思う指向)が生まれる所以であろう。

しかし、メーカーも存在をかけて経営と云う難題と戦っている。その為に「コスト」は無視できない部分。誰も作ったことのない商品を作る為に技術者は必至で商品開発をする。その商品が世間に認められれば経営者は「コストダウン」を考えるだろう。必然の道である。その結果、20年、30年と経過するうちに開発当初の理念は失われ、性能ダウンした商品だけが生き残る。「悪貨は良貨を駆逐する」と云われる様に、良い商品は「通」のみが知る存在になって来る。

大事なのは「自分が機器を使いこなす」事である。「機器に振り回される」より、機器の選択も含めて「機器を使いこなす」スキルを身に着けて行くべきだと思う。

「対策」した後の評価は・・・

2017年05月12日 | ピュアオーディオ
誰でも「○○対策」や「機器類の入れ替え」等したら評価をされるでしょう。しかし、その内容が「判っている方」と「判っていない方」では評価の仕方が違います。評価が変われば「その次の対策」も変わります。

例えば先日の「マイ電柱」を導入された場合の評価はどうでしょう? 対策前後の比較をするのは当たり前ですが、ここでちょっと考えていただきたい。「電源系」を対策すると云う事は「SN比の改善」と「機器の潜在能力を引き出す」と云う2つの効果がサウンドとして出て来ます。「SN比」は測定も出来ますが聴感でも確認できます。「見通しの良いサウンド」になったかどうか判断する事が出来ます。

しかし、本当の効果が出るのは「2000Hr以降」だと云う事を「判って」いないと誤った判断をしてしまいます。「2000Hr後」と云う事は「1年後」になります。電源系は全ての機器を「活性化」させます。その為には「活性化させる時間」が必要です。1年後にやっと本領を発揮するのが電源系の対策です。お金をいくらかけたのかが問題ではなくて、1年後に「どんなサウンド」になったかが問題です。

ケーブル交換の評価もほぼ同じです。1時間や2時間で本当の評価など出来ません。「良くなりそうかな?」・「悪くなりそうかな?」ぐらいのインスピレーションぐらいしか出て来ません。耳の良い方はこのポイントで「感づく」のでしょうね。ケーブル類の評価では、プラグを馴染ませるだけで5時間はかかります。そこが「判っているか?」・「判っていないか?」で評価の仕方も変わって来るでしょう。ケーブル類の本当の評価は500Hr以降です。本当に良いケーブルなら「機器を活性化」させます。