先月19日に接続したC-290の活性化度をチェックして見ました。やっと20日(累計100Hr程度)程の鳴らし込みですので、まだまだ不足している事は判っています。
チェックCDをかけて音質チェックをしましたが、まだまだだと思います。システム全体のまとまり感がやはり足りません。こればかりは鳴らし込みを半年以上しないと出てきません。旧事務所時代の音の厚みが出ていません。その為「ステージ感」も弱いです。低域の質感もいまいち、中域の厚みもいまいち、高域もノビが感じられない。
機器やケーブル交換後の「鳴らし込み」による変化の転換点が3点ほど有り、
1)約1ヵ月後(累計150~200Hr)・・・音質のバラツキが上下に大きくブレるのが収まる
2)約3ヵ月後(累計500~600Hr)・・・機器の性能が一応出てくるようになる
3)約半年後(累計1000~1200Hr)・・・機器の潜在能力を引き出せる
が、一般的なストーリーです。このストーリーに沿った変化をしている様に思います。
メル・トーメが1959年にVerveに残した「Back In Town」という名盤が
あるのですが、アナログの時代から30年以上この盤の素晴らしさを
理解できずにいました。
マーティ・ペイチのアレンジによるBig bandにArt Pepperのアルトが舞い上がり
Jack Sheldonのミューテッドペットが花を添える超モダンな演奏が決して
初心者向けとは言い難いのですが、何よりもトーメの言葉に表現しにくい
声質を正確に再生することができなかったことが大きな原因でした。
前回の続きになりますが、Tad1601bウーファーをドライブするアンプを
吟味していくなかで、クロス500Hz/18db/octでもピアノの鍵盤右端位までは
相当なレベルで出力されていることが分かり、ここのクオリティが大変重要であることに
気付かされました。
ユニットの素性に加え、ドライブするアンプの能力によりウーファー単独での
音質の差異が相当あり、結果としては375ドライバーの能力を発揮できるかどうか
にかかわる問題と理解できたところです。
しきさんも以前に書かれていましたが、ウーファーの情報量がシステム全体の
70%以上はありますし、エネルギー感では90%を超えるでしょう。
いずれは、845か211シングルアンプで挑戦してみる予定ですが、ひとまずPPアンプ
の前段や位相反転のMT管を吟味して、かなりクリアな音質を得られるところまで
こぎつけました。
こんな経過で、メル・トーメの素晴らしさにやっと追い付くことができました。
例のワルツ・フォー・デビィの地下鉄の音も更にクリアに聴きとれるように
なりました。
一枚のCDを納得できるよう再生するために、60時間(10日)ほど懸っています。
メル・トーメにはこのあと、1960年に同じくVerveに「Swings Shubert Alley」
という続編があり、これもArt Pepperの夢見るようなアルトソロが散りばめられた
傑作です。
システムを鳴らすには「低域」をドライブするアンプの質が大きく影響して来ますね。
これが良いとは一概に言えない所も有り、試行錯誤するしかないでしょう。