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超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

サクラサク症候群 2巻/保志レンジ

2013-12-04 20:16:31 | 漫画(新作)





















保志レンジ「サクラサク症候群」2巻読了。






















この漫画は「少年ライバル」って言うその名の通り少年誌でやってるラブコメな訳ですけど
少年誌のラブコメと言うと基本的にヒロインが複数居て、
片想いのようでいて実は相思相愛で~ってパターンが自分の見た限りでは大半、
というかそれがある種の基本になっていて私自身そういう作品を好む趣向があるんですが
そういう「お約束」から考えるとこの漫画は随分異端に映るんですね。

まず、主人公が誰からも想われてない(笑)。
2巻の段階でもそれを貫いていたんで正直ビックリしました
片想いは片想いのままだし、かといって主人公を想ってくれる新ヒロインも現れない
あくまで景虎というヒロインに恋焦がれつつある若竹、という構図は2巻でもそのまま
そういう関係に悩みつつ迷いつつ試行錯誤しつつも
距離が縮まったり、
青春の猶予期間を疑似体験出来るような心地良い内容に仕上がっています
「実はヒロインも主人公を好きだった」「他のヒロインも主人公を好きになる」という
2大お約束をきっぱりと回避している上にその景虎自身はあくまで若竹を「最高の友達」だと思っている
男女間の友情を信じ切っているからこそなんとなく読んでて切ない気持ちになってしまう・・・
凄く話題になっている訳ではありませんが
何気にかなりのニュータイプ、稀なラブコメとして成立していると思います
青年誌とかではまた違うのかもしれませんが、少なくとも少年誌ラブコメとしてはかなり貴重な存在ですね。
だからラブゲームの行方とかではなく純粋に若竹の頑張りを応援したり
秘めた恋心の揺れを楽しむのが面白い漫画になってます
少年誌ラブコメで「このヒロイン健気だな~」って思う事は多いですが
まさか主人公に対して健気でいじらしいな~って思えるのはちょっと少ないですね
この巻では葛藤の末に叶わない恋を愚かながら選んでしまう若竹、
だからこそ少しは彼が報われる時が早めに訪れればいいなあ・・・なんて思ってしまう
物悲しくも、時折挟まれる心地良い距離感の描写に心が温かくなる漫画です
正直こういうの「も」待ってた気がする
オルタナティブだと思います。


また、この作品はそういう二人の距離感や若竹の恋心の進捗の様子以外にも
「未成熟な若者の成長」というテーマ性もあるようにはっきりと感じられました
まずちょっとおてんばが過ぎる景虎のキャラ性の時点でそれは結構感じてたんですけど(笑
でも、それ以外のサブキャラ達、美々ちゃんの共通観念に従ってしまう弱い性格、
連帯感から逃れられない選択が上手く出来ない性格の描写
スズメというこれまた未成熟故に自己中心的な行動を取ってしまう女の子、
ただただ「好き」なだけで無鉄砲な将鷹、
そして何が正解なのかも自分では分からず暗中模索を続ける迷いの胸中の若竹・・・
どのキャラも思春期の穴にハマっているようなキャラクターたちばかりなのは多分作為的なものかと思われます
二人の関係描写や各々の片想いの行方と同時に「青春の機微」も同時に描こうとしているのを感じられて
その意味でも深みを感じるような内容になってました
景虎はおてんばなだけじゃなく、親との確執も発生しましたし
そういう思春期全般のあれやこれをあまさず拾おう、という志の高さを感じます
なので、ラブコメとしての期待と同時に思春期ものとしての期待も同時に持てる所が益々好きですね
今後スズメというキャラクターがどういう変遷を遂げていくのか、
将鷹にもきっと悩みがあるだろうし
他キャラの恋愛に関しても微妙に気になってたり・・・
若竹が最終的に高校問題に関してどういう決断を下すのかも中々楽しみですし
そういう猶予期間、モラトリアムのモヤモヤだったりちょっと晴れた時の美しさだったり、
一歩一歩手探りで成長していく感覚が恐らくこの漫画のもう一つの売りなんだと個人的には思いました。

加えて、美々や将鷹の存在に良い影響を与えてもらって
若竹が辛い恋を健気に選んで、自分の「好き」を貫き通したあの結果に関しては
その事実だけでちょっと涙が出そうなくらいグッと来てしまいました
まだ面と向かっては言えない、
まだ行動に移すほどの勝手さは持てない
だけど、その気持ちを殺さずに守って、尚且つ「好き」という意思もハッキリさせて、、、という
そういう若竹がまた一つ成長出来た姿と景虎がおてんば娘から思い遣りを与えてもらって
少しは他人を思い遣れる子に変化しつつあるというこれまた一種の「成長」もまた
この巻を読んでいて確かに嬉しかった事実の一つでした
二人は今は最高の友達、
でも疎遠から心温まる友情を戻す事が出来た時点でひとつカタルシスを生む事が出来ている気もします。
二人でお忍びの勉強会や景虎の妹が邪測する事で生まれたラブコメっぽい空気も好みでしたし
今後きたるべき二人の遊び回にもまた大きな期待が懸かりますね(笑
景虎の成長に関しては前半がおてんば維持だった分
後半できちっとその片鱗を見せてくれて少し安心した部分もありました
その上である意味不穏な引きがやや気になりますが、今の二人ならきっと乗り越えられるはず。
親の相互関係など気になる要素を多々含みつつ3巻もまた相当に楽しみにしています。
今回もまた少年誌ラブコメの基本から離れた独特の内容にカタルシスもらいました。頑張れ、若竹!













それにしても、ちょっと恋愛関係?みたいに周りに邪測されると
若竹には追い風だろうなあ、って思えて少しニヤニヤしてしまいます(笑
美々ちゃんも景虎の妹もそういう役割的に貢献してやって欲しいですね。
若竹の間接的告白を思いっきり聞いてしまった美々ちゃんのシーンは可哀想だけど笑った。
若竹、不遇だけど男的には格好悪いけど、その姿には感情移入してしまいますね。ある意味カッコいいよ。



食戟のソーマ 5巻/附田祐斗・佐伯俊

2013-12-04 14:45:37 | 漫画(新作)






















附田祐斗・佐伯俊「食戟のソーマ」5巻読了。






















まず巻のサブタイが「躍る料理人」なのが個人的に分かってるなあ、って感じで
その時点で好印象でした(笑 あの回はソーマ史上3本の指に入るくらい好きなエピソードなので。

「食戟のソーマ」は、正直初期から人気自体は安定していたと思います
掲載順は所謂補正期間を抜けてからグンと上昇してたしカラーも連発していた
しかしその状況を更に好転させたのが例の四宮シェフとの対決シリーズだった訳で
あれでハッタリが効いた少年漫画好き、或いは元々のファン以上に
「王道の少年漫画好き」がこぞって反応してくれたのはこの漫画の地位を高く押し上げる結果になった
あの決定打のお陰で今や割と普通に「ソーマいいじゃん」って勧められる空気が出来たのは事実
だけど、この巻で描かれている「それから」の描写もまた、
四宮編に負けないくらいクオリティが高いんですよね。

あの四宮編は田所ちゃんの成長と、創真の少年誌主人公としての覚醒を中心に描かれてましたが
この巻で描かれているのは創真自身の成長ですね。
田所ちゃんに至らぬ点(勇気、踏ん切りのなさ)があったように
創真もまた完璧ではないし大衆食堂の出身、という設定自体が彼の足を引っ張る結果にもなった
創真は初期こそ無双系の俺つえー主人公でありましたがこの巻以降は徐々に「成長」がテーマになります
それは自分本位だったのに徐々に相手を認めるようになった3巻の時点で芽生えてましたが
この巻で一気に開花していく印象ですね。


で、4巻のあの絶望的な引きの続きが気になってた方も多いと思いますけど
個人的にも驚くくらい地に足の付いた方法論で解決してたのにビックリしました
まず創真がピンチに陥ったのは大衆食堂出身が故にビュッフェに関しては未経験だった
その経験不足による予測の出来なさが失策を招いた結果に
時間が経てば萎んでしまう料理を選んでしまった訳なんですね。つまり見た目の派手さにこだわってしまい
「持続性」に関しての思慮が足りなかった、と。
ここで複線として、
①料理自体は完成度高い
②隣がえりなだから人が賑わっている
という二つの点が後々一気に一つの線に繋がる事になります

創真が解決法として選んだのはその場しのぎの新作でなく、根性論やミラクルを起こすでもなく
ライブクッキング、つまりは派手なパフォーマンスをやってのける事で人を呼び評価を得る方法論
元々完成度が高い、というのは既に提示されてる上にえりなの隣な訳ですから
みんなが注目して手に取ってくれれば即座に消費されていく、という寸法
味だとか見た目とか持続性とかじゃなく
人を惹きつける様な調理の仕方でその内容の素晴らしさを証明した形になった、と

これは本誌を読んだ時も感心したのですが
単行本で一気に読むと益々美しく思える流れで素晴らしかった
作画のスピード感も併せてこのお話も今作屈指のエピソードに仕上がったかなと思ってます。
何よりいつもは不敵な創真の珍しくダウンしたところが新鮮で面白かったのと
それによる「格落ち」を事情を添えて避けてたのもプラスでしたね
それは最後の締めが凄く良かったのも作用してるとは感じるんですけど。
少年漫画はこと「勢い」に頼りがちではありますが、このシリーズはそういう縦(その場)ではなく
横(積み重ね)的な面白さ、地に足の付いた作劇をしっかりと展開出来ていたのが素晴らしかったと思う
この「納得」は個人的には四宮編にも負けないカタルシスを感じられて一気に読んでしまいました

そのカタルシスの決定打になったのが締めの創真のセリフ、
「失敗したっていう「経験」は得た」というシーンですね
今回の創真の選択は明らかに未熟な上に完全な失策であったワケですけど
それを恥じるんじゃなく汚点として捉えるんじゃなく
貴重な「経験」としてこれからに活かさん、とする姿勢は個人的には胸を打たれた、と同時に
この漫画屈指のメッセージ性たりえたんじゃないかなあ・・・とも感じられて大好きなシーンです
創真がどうしてここまで強くなれたのか、その源泉がしっかりと感じられるエピソード
それと同時に彼の「成長」もはっきりと感じさせるエピソードで
今後の活躍が楽しみになる描き方、ラストだったからこそ余計にこのビュッフェ編お気に入りなのかな、と
いつまでもぐじぐじ後悔するよりは、むしろそれを糧として捉えるという美意識。
そういうものを提示してくれた心地良い締めだったかと思います。


あと、細かい点なんですが
アリスが創真をやたら気に掛けてたのも
主人公だから~って理由じゃなく4話の大胆不敵な宣告が理由だったんですよね
これ正直今考えると凄く上手かったなー、というか
宣告をしたのは大衆食堂が小バカにされてる空気感を受けたからこその反抗だと思いますけど
だからこそ踏み台扱いされた人々が創真に食って掛かる「理由」も作れている、という
やっぱりあの4話がこの漫画にもたらしたものは大きかったのかも、なんて
アリスとの触れ合い描写を眺めてたら改めて感じたな
創真が話題の中心になるのが補正じゃないというか
それが自然な流れになってる辺りが附田祐斗の裏の真骨頂なのかな、と。

そんなアリスのキャラクター性は最高ですね
飄々としていて不敵で、でもどこか憎めない可愛らしさもある
言い方は悪いですがツンツン状態のえりなを正しくリファインしたようなキャラ造詣
えりなが苦手な人もアリスは結構な確率で好きになってくれるのでは
えりなに抗う理由もちゃんと付随してるしね(笑

材料切れの為に「一応は」えりなよりも結果は下、というのも
もし材料が切れてなかったら・・・?と想像を掻き立ててくれてそういう部分もまた良いですね
そんな訳で、「憎めない強敵」であるアリスとの直接的な対決が真っ当に楽しみにもなりましたね
それと純粋にアリスの作った料理と作戦自体も面白いと思えるものでした。
彼女のこれからの活躍や立ち位置にも注目して行きたいです。

かなり好みのタイプです(笑
カバー裏のちょっと清楚な姿とオチもまたグッと来させてもらいました。


で、個人的に手応えを感じたビュッフェ編が終わり
その次に校外で商店街の町おこしの為に奮闘する唐揚げ編が始まります
始まります、って言ってもこの巻中でしっかりと終わるものでもあるんですが。
これはまず進退が懸かってない、例え失敗しても創真の境遇自体に変化がないのが分かってるので
それまでの対決や試練と比べると若干緊張感という点に関しては低いかもしれません
逆に言えばその分気楽に読めるようなお話にもなってますね
ラブコメっぽい描写もあり、
創真が意外と人情に熱く人をしっかり観察出来ている事も分かるようなエピソード
そしてこの話の肝は純粋な料理の味でなく客層を意識した品で巻き返しを目論む、という
きちんとそれまでの経験が活かされている点ですね
多分味自体が勝った、って話でなく
客層的により好むものを仕上げられたという話だと思うんです
そういうアプローチと共に相手の意見を尊重し認める姿勢と
割とオーソドックスな小休止に思えて何気に成長の成果を発揮出来ているエピソードでもありますね
ライブクッキングもさり気に取り入れてるところもポイント高し。
完璧にドス黒いポジションで登場したきぬさんが「純粋さ」を取り戻すオチも良かったです
多少毛色は違いますがこれはこれで安定して楽しめたお話だったかなと。

そして、小休止だけでなく十傑の会議の様子をチラ見せしたり
創真の目標に向かう真っ直ぐさを34話で描いたり後々の展開を予測させる複線を撒いたり
選抜に向けての因縁や期待感を煽ったり早くも次の高みに向けての仕込みもゾクゾクと垣間見れます
あとは途中で卓球漫画になったり(笑)
今回もまたすっごく濃ゆくメッセージ性の高い内容に仕上がっていました
今巻はとみに創真が格好良く一段とタフに成長する姿が見れるので、ハッタリ描写好きや
ヒロインの可愛さ、或いは作者買いしてる人以外に純粋な少年漫画ファンにも触れて欲しいな、と。
そう思えるくらいには主人公としての矜持が光っていた新刊でした。
面白かった!















さて、6巻もネタバレになるので控えますがかなり面白い展開が待ってますよ
間の附田祐斗の挿絵も結構こなれてきていて普通に可愛いと思えるレベルになってます(特に倉瀬さん)
倉瀬さんみたいなタイプこそ附田祐斗らしいヒロインなのかもしれないですね。あと田所ちゃんも。
勿論新機軸のキャラ達も大好きですが。

他にちょこちょこと内容に関連したおまけカットも付いてます
郁魅と倉瀬さんの武装した姿での戦いっぷり、正装の一色先輩に驚く創真、
あとはドレス姿でおめかししてるアリスのカットが良かったです。個人的にアリスと田所ちゃん推し!




ランクヘッド ツアー2013「メメントモリ」@恵比寿LIQUIDROOM 13.11.29

2013-12-03 21:11:28 | ライブレポ


















先週の金曜日、ランクヘッドのワンマンライブに行って来ました。
















このツアー、初日の千葉以来だったんですけど
大分セットリストの流れも楽曲自体も研ぎ澄まされていた印象ですね
今作は「衝動」というよりも「工夫」といった感触の作品でもあったので
それを考えると回を重ねる毎に試行錯誤していったんだなあ・・・というのが肌で伝わる内容でした
多分ファン冥利に尽きるライブだったんじゃないかな、凄く元気もらったし良い光景も見せてもらった
今現在の最高沸点をバラエティに富んだ形で魅せ切った最高のライブの一つ、でした。
正しく生活の糧になり得るような、そんなライブで。


















この日は本当に人が多かったですね
熱気ムンムンで正直夏か?って思いました
凄く隣の人との間隔が近かったように感じるくらいにギュウギュウの入り具合でした
まあ私は前の方に居たので余計それを強く感じたのでしょうね。
前って言うか、真ん中より少し前みたいな位置でした。

一曲目はSEの「メメント」を終えた後の「閃光」。
不協和音のようなギターリフの迫力はやはりインパクト大な上に華があって格好良い
不協和音なのに「格好良い」とは如何に、という感じですが本当に格好良く感じるから仕方ない
そういう不穏な音像で振り切る事がむしろ個性になってる感覚でした
死んだように生きていくなら燃え尽きた方がマシ、というテーマ性も相俟って感情移入出来るステージに

意外とこの位置の方が似合ってるなと思えた「明日死ぬくらいの感じで」、
「閃光」ともテーマ性通じてるしこの流れは自然で凄く良かったと思う
次の「十六夜の月の道」で序盤のピークを刻みつつ、
既に人気曲的な風格を漂わせていた「壊れてくれない」は確かに楽しい曲へと変化していた
でも詞に耳を傾けるとやっぱり物悲しくそういう二律背反の感触が独特のカタルシスを生んでいました
その勢いを生かすように「ガラス玉」、
そして個人的に最近「逃げたい」と思う事が多いので
その意味でも何だか物凄く感情移入してしまった「冬の朝」がとみに素晴らしかった
こういう弱者の本音をダイレクトにぶつける事の出来る楽曲は今聴いてもグッと来るな、と
一回気持ちがシンクロした事によってむしろ気持ちが上向きになる感覚が良い。

その次の「果てしなく白に近づきたい青」は冒頭の時点で少し泣きそうになった。
「笑われないようにする事がそんなに偉い事だろうか」の部分。
やっぱりこの曲は今のランクを代表する名曲だと思う。
ライブで聴く度に熱い気持ちになってしまう。


言葉よりもギターリフの時点で温か味が伝わって来る素敵な「はるなつあきふゆはる」、
どの曲に於いてもリフを重要視する方向性こそ確かな個性なのかも
そしてようやく聴けた「きらりいろ」、
今の楽曲と並べて聴くと少し浮いてたけど(笑
でもよりエネルギッシュに生まれ変わった音像はしっかりと今のランク色でした

バラッド「月の城」の物憂げな始まりから一気にバラッド連発
個人的に大好きな「ラブ・ソング」はやはり圧倒的なテンションで聴き手に強く沁み込む感じでした
そこから「三月」としっとりと聴かせる流れでこれはこれで気持ち良かった

そして「共犯」・・・
この曲は本当に決定打のような名曲ですね
生で聴くと音源以上にジーンと来るから堪らないです
本気でリスナーと一緒に歩んでいかんとする決意が伝わって来るナンバー
終わった時には言葉にしたくない類の仄かな感動が渦巻いていて実直に勇気に変わりました
「僕らなら」という言葉がこれほど頼もしく響く曲も早々ない。
個人的にこの曲が中盤のハイライトでした。


MCを挟んでライブはいよいよ後半戦へ
前回のツアー時よりもほぐれた印象だった「濃藍」は、
間奏の合田ベースソロが一番盛り上がってた気がする(笑)。
どことなく8bit音楽っぽいピンポイントなベースソロっていうか。

久々に聴いて懐かしかった「WORLD IS MINE」、サビよりもAメロのガレージっぽいサウンドが印象に残った
そして「未来を願ってしまった」は生で聴くとよりメロディの美しさが際立つ感じで
前回の千葉に引き続き個人的に好感触だった一曲でした
それがどんな色だったとしても、大勢に好かれなかったとしても、自分「だけ」の色合いで。

爆上げの「シンドローム」から、
その「シンドローム」以上に起爆剤足りえていた「アルピニスタ」の存在
ランクのメンバーだけじゃなく観客全員足掻くようなシンガロングパートに関しては
今までになかったようなカタルシスを生み出していたと思います
合唱というよりは
それぞれが想い想いに抱え込んでるものを吐き出し続けて一塊になっていく感じ
ランクヘッドのファンはああいう足掻くような詞世界を好んでる人が多いんだなあ、って事が
より鮮明になっていたような、ちぐはぐだけど美しい一体感がそこには生まれていた気がします
この瞬間の美しさだけは絶対的なものだったと思う。
この曲もまた、化けましたね。

この曲に於ける小高芳太朗の「笑顔」がとても印象的で忘れられません。正に「一人じゃない」。


歌詞の熱量にこの日もグッと惹き付けられ感動を余儀なくされた「いきているから」、
この曲の歌詞は本当に自分そのもので聴いてるだけで握り拳を作りたくなります。

「ひとつだけ守りたいものを それだけは守るために
 嘲り笑う声の中 前を睨み続けた
 ふとそこにある虚しさに ぬぐい去れない歯痒さに
 負けてしまいそうな朝でもそれと戦えるように」

この詞の素晴らしい部分は決して「メッセージ」ではないところですね
「メッセージ」ではなく葛藤し、やり切ろうと苦闘する心情の「カット」だと思ってるんですが
結果的にそれが強いメッセージ性を放っているというメソッドが聴いてて純粋にグッと来てしまいます。
この曲をライブで聴ける、というのは今の私にとっては本当に至福なんですよね。
特に終わり際の畳みかけに関してはとみに胸を熱くしました。
これで終わってもいいくらいのフィナーレ感を醸しつつ、千葉とは違って「幻灯」で本編は終了。
踏み出そうとしても余計な意識が邪魔して踏み出せない、そういう人にとっては
実直に勇気やエネルギーに変わってくれる、そんな効能を含んでいたライブだったな、と。
何度も熱い気持ちにさせてもらいました。感謝です。


アンコールでは千葉と同じように山下壮がまず一人で出てきて弾き語り「raindrops」、
正直このシックな感じも好みだからまた行きたかった、というのもあります(笑
そこから不協和音が主役へと変化する「螺旋」、
そして「意味なんてなかった」と連呼するルサンチマン吐露の集大成のような「ぐるぐる」、
そんな中で若干砕けたアンサンブルで鳴らされた「明日」がまたいつもと違っていて良かった

「カナリアボックス」の未曾有の多幸感、
これもまた今まで以上の熱量が出ていたように思います
このツアーが如何にいいものだったのか、という充実がストレートに出ていたようでした

ダブルアンコールはちょっと予想外だったので驚き
なんせ客電が点き少し帰り始めのタイミングだったので「万が一」を考慮して残っててラッキーだった(笑
しかもデビュー曲の「白い声」、寂しさが情感を携えて拡がっていく感覚がやっぱり堪らない一曲
最後の「扉をひとつぬけたみたいだ」ってフレーズがこの日のライブの象徴みたいで
その意味でも良かったですね
今までリキッドで何回か観たけどこの夜が一番力になってくれたライブでした。
あの日も披露した「共犯」があの日以上に沁みてたのが何よりの証拠で。


















セットリスト
1.閃光
2.明日死ぬくらいの感じで
3.十六夜の月の道
4.壊れてくれない
5.ガラス玉
6.冬の朝
7.果てしなく白に近づきたい青
8.はるなつあきふゆはる
9.きらりいろ
10.月の城
11.ラブ・ソング
12.三月
13.共犯
14.濃藍
15.WORLD IS MINE
16.未来を願ってしまった
17.シンドローム
18.アルピニスタ
19.いきているから
20.幻灯

アンコール
21.raindrops
22.螺旋
23.ぐるぐる
24.明日
25.カナリアボックス

ダブルアンコール
26.白い声
















ライブ「ならでは」の感動が沢山詰まってた良いファイナルでした
個人的ハイライトは「冬の朝」「共犯」「アルピニスタ」「いきているから」「カナリアボックス」
ちょくちょくハイライトが上手い具合に挟み込まれてた塩梅もまた素敵なライブでしたね。
ロックバンドの逞しさと美しさがしっかりとステージに刻まれてたのが最高で。

そして、来年はメジャーデビュー10周年って事で色々イベント尽くしになる模様です
「地図」の完全再現ライブや対バンイベントが既に発表されてます
それらも含めて来年のライブもまた楽しみですね! また機会を伺って参加する予定。




食戟のソーマ 第50話「日常を越えるもの」 感想 ほか(週刊少年ジャンプ 2014年 1号)

2013-12-02 14:04:49 | クロス・マネジ(WJ系)

















新年1号!!来年も色々と頑張ろう。
目次が変わりましたが正直前の方が見やすかったですね(笑
ただまあ、オシャレ度は増したし最下位作品のチェックには支障ないんで慣れればいいのかな。
来年はまた縦並びになってればいいですね、って事で。


















◆食戟のソーマ

田所ちゃん、覚醒の巻。
いや・・・覚醒っていうより元々やれば出来る子だったのに
自信不足とテンパり癖の所為で本来の実力を発揮出来ずにいたって感じですかね
確かにあの寮に入れた時点である程度の実力者であって然るべき、ですもんね。

自身を卑下する、という行為は
実はこれ以上ないくらい「楽」な行為で
苦でもなんでもなかったりする
そこに酔えばある種の「安心」にも似た効果を得られる行為だとも思っています
でもそこに「逃げる」事を選ばず勇敢にトライ出来ている時点で彼女は一歩成長出来たのだと
少なくとも初期と比べると格段に段階を得て進化出来てるなと感じられるのが素敵ですね
創真の男気や懸命さに周りが刺激されていくお話だとも思ってますが
彼女は一番彼から良い影響を受けられたキャラなのでは・・・と
きちんと田所ちゃんの成長物語としても「横(繋がり)」の面白さを感じられるのが中々にグッと来ますね
思ってた以上に田所ちゃんの「健気さ」がクローズアップされている印象でもあったので
作中内ダークホースの役割としてはピッタリなキャラでもあります
恐らく頂点には立てないと思うけど、
こうやって一歩一歩進んでいくキャラが存在しているのは「横」的にとてもイイですね
この間から「田所ちゃんを成長させよう」という作り手側の意思が垣間見られる描写が多かったんですけど
それがようやく少し結実したような良い具合のお話でした
その上で相手のキャラも立ってるしドラマ方面にも期待出来そうな今週でしたね。

それにしても田所ちゃんの堅実ながら地に足の付いた包丁捌きと、
創真との絆を感じさせる手合わせのシーンは個人的には感慨深いものがありました
以前助けてもらった恩があるからこそ無様な姿は見せない
彼女なりに精一杯尽くそう、という
人としての成長も同時に感じられたのも嬉しかったですね
田所ちゃんは「自分を見くびる」という雑念の所為で本来の力が出せずに終わっていたキャラクター
その雑念を克服出来たんだな、っていうのが言葉やモノローグではなく
ただただ作画演出のみで表現されていたのは
個人的には凄く好みでして
「説明しすぎない」作劇の良さが今回フルに出てたんじゃないかなあ、って思います
元々の実力は示されていただけにメンタル面の克服が一番のネックなのは分かり切っていましたし
自身の「武器」は既に理解しているだろうからその武器を頼りに精一杯頑張って欲しいですね
読んでて清々しい気分になれるワンエピソードでした。カラーも田所ちゃんなので
田所ちゃん好きは是非今週チェックすべし、って事で。

北条さんは本戦に上がれず、田所ちゃんをここで認めて
本戦では彼女の応援とか解説役に回りそうな気がして来ました
でも彼女もなんだかんだちゃんとした意思と理由を持っていて悪くないキャラですね
格好良くもあるし。
ちょっとだけ動向なんかも気にはしつつ・・・来週に続きます。今回もまた傑作回の内の一つです。




◆ニセコイ

「ボンボン坂高校演劇部」でも似たような話があったのを実直に思い出した
88話ですね 面白いのでちょっと比較してみる。

・ヒロインの実家が食べ物屋で母親とも顔見知り
・ヒロインの実家の真向かいに同じジャンルの飲食店が出来る
・主人公がそのライバル店で働く
・主人公がその事を気にして色々と試行錯誤する
・最後にヒロインの母親に悪いイメージを残して終わり

「ボンボン坂」の場合はお好み焼き屋で、
後は「試行錯誤」の方向性と収束のさせ方が違いますね
今回の「ニセコイ」の場合は均衡を保つ為に努力する「試行錯誤」で
「ボンボン坂」の場合はそもそもライバル店で勤務している事自体を隠す「試行錯誤」でした
収束のさせ方に関しては「ニセコイ」はコラボレーションで一端の均衡を保ちましたが
「ボンボン坂」に至ってはお邪魔虫キャラがライバル店に乱入したお陰でライバル店自体が潰れてしまう、という
似たプロットのお話でも随分読み心地自体は違ったものだったなあ~、と
相当デジャヴを感じたエピソードでしたが
「ボンボン坂」大好きなので懐かしくもあり嬉しかったですね
その上今回の「ニセコイ」ならではの方向性やオチも楽しめたのもプラスでした
ただ単に被ってるだけなら安直に比較対照として比べるけど相違点があるのでこれはこれで楽しめる感じ。
「ニセコイ」はコメディ色の強いラブコメですがこういう「ボンボン坂」的なアプローチも出来る位なんですね
そのレンジの広さが幅広い層に受けてるのかもなあ・・・なんてふと思いました。

そんな訳で「ボンボン坂」世代の人は勿論
これを機に今の方も「ボンボン坂」に触れてみて欲しいですね(宣伝)。
今でも真琴さんはジャンプ最高のヒロインの内の一人です。
余裕で可愛いもん。



◆HACHI-東京23宮-

久々にテッキンがフィーチャーされた回でしたけど
こうやって見ると確かに「助けたい」と思える位には美人で健気な子ですよね
なんかもう眼福にも近いものを感じたんですが・・・絵柄はあんまり変わってないなと思ってたけど
こと「ヒロイン力」に関しては以前よりも上がっているのかもしれない、なんて感じた回でした

目的に関してもハチは目線が広がったし、
今回でラスボスといずれ結ばれるであろうヒロインの強大さ・魅力は伝えられたとは思うので
個人的にはそういう部分に期待して読んでいきたいですね。頑張って欲しい。












今回新連載1本だけですけど、
なんでかと思ったらちょうど「銀魂」が来週で10年目なんですね
それを号数ピッタリで祝う為に今回は1本に抑えたのかもしれません
だから次の新連載シリーズは切られる作品よりも入る作品のが多くなると予想。

背表紙も今週から一年間ずっと「銀魂」だそうで
取り合えず11周年も確約されてる感じ?キャラが多いのでチョイスには困らないだろうな。




3LDKの花子さん 第27話 感想(週刊少年チャンピオン 2013年52号)

2013-12-01 20:13:45 | 漫画(雑誌感想)















もう12月ですね・・・
あと1ヶ月頑張って更新してゆきます。














今週は、信が花子さんを自発的に庇ったのが良かったですね
そういう精神がある限り一応ハッピーエンドへの素養はちゃんと備わってるのかな、と
でも文化祭の準備の回では逆に庇われてたあたりこれもまたある種の「成長」なのかもしれません
まあ今すぐタフガイになられてもネタに困るのでこういう風に着実に相互関係を築いていければいいですよね
何気ないシーンですが以前は前述のように庇われてた姿を晒していた為ちょっといい感じに見えたシーンでした。
これからもこんな風に信が花子さんのために奮闘する場面もちょいちょいあればいいな、とか思いつつ。

先週は不憫キャラになってましたが今週はいつもの詩ちゃんでした(笑
しかしまあキャラデザが抜群なせいかどこか憎めない可愛らしさがあるのも事実
こういう子の恋ネタとか、
或いはクロオとの人情ネタなんかも見てみたいですね
相変わらずの美少女っぷりが眼福でした。

おじいちゃんはこけしボディからスマホボディになった、という事で
今後は未来ネタなんかも増えていくんでしょうかね
今週はそこまでオチに力を入れてない感じにも思えましたがその分その設定自体は活かされていきそうです
まあ花子さんの存在自体がある種の便利キャラ的なポジションでもあるので能力増加は、
この漫画に関しては規定路線なのかもしれません
これを媒体にして他キャラの掘り下げエピなんかもあれば嬉しいところですね。

そして、きれいに内またな花子さんの乙女っぽさに少しニヤッとしました(笑)。












掲載順は多分今までで最も低い、
下に短期集中連載しかないような掲載順で正直へコみました
だから当日感想を書く気力も無かったんですが、まあ出来る事は地味な応援だけですね
こっくりさんと花子さんで少し百合っぽい(?)描写もあったしでそれもまた楽しめました
ちょっとでも送ったアンケ、ファンレターの分が反映されれば、、、と思いつつ。