超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

あの夏で待ってる 第9話「せんぱい」 感想

2012-03-07 03:04:34 | アニメ






いいんですか?





こんなに人を好きになっていいんですか?って事で、想いが結実した回でした。
あなたが愛した人ならばってフレーズもあるように言い訳やごまかしで素直な気持ちを捨ててた先輩
そんなイチカを突き動かしたのは他でもない柑菜ちゃんでした。
確かに柑菜にとっては宇宙人バレして気まずい空気になってて、そのままフェイドアウトしそうな
彼女も言っていた通りラッキーな傾向ではあったんですけど
そんな海人は初めて柑菜が出会った時と同じように、
辛いのに笑顔を貼り付けてる頑張り屋さんみたいな状態になってて
そういう海人を見るのは耐えられなくて、そしてそれを変える役割は自分には果たせないって言う。
もう先週の一件で彼女がイチカの代わりになれないって言うのは証明済みですからね。
だからこそ、少しでも彼が幸せになる道を
自分の想いを犠牲にしてまで好きな人の幸せを願った、っていう。なんとも献身的じゃないですか!
なんとなくハチクロの山田を彷彿しちゃったんですけど
でもそんな彼女の努力の効果は絶大で
逃げてた先輩も、ふてくされてた海人も、最後は二人無事に恋人になる事が出来て・・・。
柑菜には少々悪いですけど、正直結実のシーンでは微妙に涙腺に来ましたね。
単純に想いが実ったよ~っていう明るい場面なのに
演出とか過程が素晴らしかったが故に、なんか嬉しくも切ないような気分に陥って。とても幸せな気分。
その裏で泣く人々がいるからこそ、実った幸せって言うのは尊いんだな、と。
だから、生きるとか幸せを侮っちゃいけないんだなとも思いました。
今更ですけどすっげえ良いアニメだ。
やっぱ過去作品の要素を継承しつつも、それらの良さを改めて伝えるアニメっていうのも重要ですよね。
それ一発だったらその作品の要素が忘れ去られる可能性がありますし
その観点でも上手く過去と未来を繋げる作品って感じで個人的な評価は高いですね。

人が人を好きになるのに理屈や理由なんて要らないっていうのは正論。
なんでもかんでも正当性や妥当性を求めるのは良くない。
好きなのは、好きなんだ。
柑菜が海人を好きになったのだって他人から見ればなんでもない事なのかもしれない
けど本人にとっちゃそれがめちゃくちゃ重要だったりするんですよね。
そこは人を本気で好きになった人しか分からないだろうけど
その好きって気持ちは自分じゃ止められなくて
だからこそ厄介なもので。
美桜ちゃんが言ってたように、そこで卑怯な部分を発揮しても全然罪ではない
そもそもこじれてたのは当人たちの問題ですからね。
それでも・・・柑菜ちゃんは海人の本当の幸せを願った、っていうこと。
それはきっとイチカ先輩や海人の好きも本気で止まらないって事を知っていたから。
真摯と言えば真摯な姿勢ですけど
柑菜ちゃんの好きって感情の行き場は失われてしまった。
でも、それでも彼女はそう伝えずにはいられなかった、彼の本質的な幸せを優先したっていう。
いやー、ものすごくドラマチックで変な意味で燃えてしまいましたね(笑)。
そこに哲朗とか美桜ちゃんがいるっていうのもドンピシャ過ぎて!
先輩と海人が主役の話であったと同時に、
柑菜が主役の、一番格好良かったお話であったのも間違いないですね。よく頑張ったと思います。
自分の幸せを犠牲に、とは書いたけど、結果的に海人が少しでも幸せになったのならば
柑菜もまたある意味では報われるんでしょうね。
無事にくっ付いた二人が、どれだけ想いを貫き通せるのか・・・にも絶対に注目ですね!最高でした。


そんな哲朗は、映像で柑菜の姿を見ていた、って事で
これまた一筋縄では行かなそうな・・・
要するにまだ気持ちが残ってるって事なのか、だとしたら先週のキスの意味は?
う~むこちらもまた予断を許さぬ状況になって来てますねえ。
ただ、どういう結末になったとしても
みんなが頑張った結果ならば、許容した今ならば、何も問題もないような気もしてきました。
何にせよ、来週はラブラブなお二人さんが観れるって事でその辺の描写に期待しておきますかね(笑)。
先週が多少モヤッとする引きだっただけに、今週円満に解決したのがとってもスッキリしました。





ドラマ化出来そうなくらい生々しいお話ですけど
その実宇宙人設定って部分は非常にアニメらしい訳でもあって
そこら辺のバランス配分も見事だなって思います。
Bパートに入る前の柑菜のモノローグで切る部分もハッとする演出で良かったですね。
傑作回だったと思います。



ちはやふる 第22話「うつりにけりないたづらに」 感想

2012-03-07 01:54:41 | アニメ





キャラ付けの上手さ。




今週もあまりの完成度の高さに引き込まれましたね。
なんていったってキャラ付けが上手い!ラッキにロリに地味子といちいち今までとは違ったタイプの相手が
今までとは違ったタイプのスタイルで登場するので必然的に飽きないんですよね。
加えてそれまでのキャラ、西田くんだったり奏ちゃんの出番や役割もきっちり与えてるのが尚良し
更に感情移入させる流れが上手いって言うか
今週だって本気でどっちが勝つか分かんない流れって思わせるほどに均等に強さを描いたりで
キャラ立ての上手さ、両方応援したくなる仕掛けやバックボーンの演出、それがもたらすリアル感。
正に真剣勝負そのものを味わった感覚で30分が異様に短く感じました。
やっぱりどっちが勝つか分かんない、って
そんな風に思わせられるのって秀作としか言いようがないな。今週も素晴らしかったです。

敗因としては、山本さんがヘタれてたのが逆に良かったっていう中々ユニークな流れで(笑)。
要するに千早の自滅が原因だった訳ですけど
正直な話、前クイーンっていう肩書きを持つ相手が貧弱な試合やってたらそういう驕りも生まれる訳で
そもそも一枚も取らせないって気持ちは間違いじゃないと言えば間違いじゃないと思うし。
逆にそういう前のめりな気持ちがないといけないでしょ、とも思うしね。
ただこの場合に関しては
一度は完全に押し黙った相手の追い上げだったり、多少卑怯でも一枚一枚札を取りに行く姿勢だったり
正に山本さんは外見通りの地味で地道な方法論で勝ち上がってしまった訳で
そんな前のめりな気持ちが仇になってしまった、という。

まとめると、山本さんが最初からヘタれずに頑張ってれば正攻法で千早が勝ってた可能性も高かった
だからこの試合の山本さんの勝ちっていうのはある種のラッキーだとも思うんですよね。
師匠の間接的な手助けとかもあったりして
でも逆に言えばそれだけ状況とか運とかタイミングとか、そういうのも往々に作用するっていう
常勝をこなしていくのがとっても難しい競技だってのも描かれてますよね。
常に余裕なんてない、厳しい世界。
でもだからこそ、再び頑張る姿は美しい。人間の心理に絶対はないからこそ生まれる負けもある・・・って事で
またここからの再起に関しても期待したい所ですね。ここまで勝ち負けがリアルな作品も珍しいよなあ。





かるたの世界にもマリーシア的戦法がある、って事で
余計に面白くなった印象のお話
ちなみにああいう地味子さんは個人的には好きですね。彼女もまた、頑張って欲しいです。