叶恭弘「鏡の国の針栖川」2巻読了。
単行本派だったので早期の連載終了はちょっと驚きましたが
2巻読んでたら納得も納得、これ初めから長く続ける気なかったっぽいですね。
それが証拠に嫉妬とかライバルの登場とか、三角関係とかそこに至るまでの流れだとか
ラブコメのお約束が一つ一つ順調にこなされていって
過不足がないように思えます。
だからおいしい部分はどれも拾ってくれてる感覚っていうか、すごく満足出来るんですよね。
ラブコメディとしては順当に面白くなってる印象の2巻目、
やはり叶恭弘の漫画ってすっごく楽しい。
なんで楽しいのか、って部分を自分なりに考えてみたところ
どのキャラも筋が通ってるといいますか行動の一つ一つにちゃんと理由があって
事情もあったりして、単純に嫌なキャラを作ってない部分ですね。
これに関しては過去作よりも磨かれてるかも。
須田も実際良い奴ですし
ヒロインズの好感度の高さは勿論主人公の針栖川がめっちゃいいやつなんですよね(笑)。
自分を犠牲にして女の子の事を守って、
松川の言うとおり一途で頼もしくて。叶作品の主人公の誠実さはこの作品でも健在ですけど
それに加えて須田も本当にいいやつでね、
恋に揺れるヒロインの行動原理とか反省も良く分かるし
みんながみんな良い人で、それもあって気持ち良く読める快感さがある。
松川もすっかり正ヒロインっぽくなってて
読者人気も高そうですけど
何気に事情を知ればきちんと謝れる真桜もポイントは高いですよね。
鏡の中に閉じこもったままだと基本協力がメインになるので
決定的な仲違いとか作れないのでは、って思ってたけど案外なんでもやれるなっていうか
ラブコメのお約束をバンバンこなせてる技量に感服したりと
根本的なポテンシャルの高さを感じる事の出来た2巻目でした。前述の通り引き伸ばしなしって事で
少年誌ならではの良質なラブコメディが読みたい方には是非って作品ですね。
しっかし個人的に思ったのは、鏡設定があるのならば
風呂場覗きも楽チンだなっていうか
肝心な所で入れ替わればいいんだからある意味ではし放題だなー、とも思いました。
とはいっても協力してくれる相手がいれば・・・の話ですけどね(笑)。
相手が誰でも無理な気はするけど、
プリティフェイスの番外編のお話のようなテンションであれはあれで面白かったなあ、と。
その他にも男目線とは言え揺れ動く女の子の気持ちも存外に描けてる印象もあるので
サービス以外にも切なさの表現にも着目してもらってもいいかな、と。
急ぎ足どころか
ちゃくちゃくと展開をこなしていってるスムーズさが気持ち良かった2巻目
最後はきれいにまとまると思うので次の最終巻も楽しみですな。
取り合えずダブルヒロインは天使レベルです、って事で。
どうでもいいけど15話冒頭の松川の妄想の中のもじもじしてる真桜が可愛い(笑)。
そんな風に思う自分もまた一種の変態なのだろうか。