超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

カイチュー! 9巻/林佑樹

2012-03-19 22:33:31 | 漫画(新作)





林佑樹「カイチュー!」9巻読了。





いや、この漫画本当に面白いのな。元々女装少年ネタから始まった作品ですけど
気が付けばそんなの関係ないくらい実直にスポーツ描写に燃えられる作品になってきた。
その片鱗は数巻前から感じてたんですけど
今回の山王vs安政の試合って言うのは主人公サイドのお話でないのにも関わらず・・・というか
この9巻はゴンちゃんも立川くんもほぼ出番なしなのにも関わらず
非常に「カイチュー」らしい荘厳さが出てるっていうか
今まではギャグとシリアスのメリハリが売りの作品だったと思うんですけど、ここに来て
シリアス要素を前面に出してきていて化け始めたスポーツ作品ならではの臨場感がちゃんと出ていて
その作画やネームから伝わる緊張感だけでも熱中してしまう程度の迫力で。
先の読めない展開も、納得の出来る勝敗の結果も
全部含めて真っ当なスポーツコミック、弓道作品として魅せられてしまった感覚が個人的にあって。
この熱さと緊迫感は昔大好きだったリベロ革命や帯ギュに通じるものがある。
割と邪道的な感じで始まった作品って記憶があるんだけど
もしかしたら本当に弓道作品の金字塔になれるだけのポテンシャルは真面目に秘めてるのかもしれない。
元々が女装少年ネタから始まってるので異色の作品ってイメージを持たれてるかもですが
学生時代に夢中になってたスポーツコミックと同等の興奮が感じられた9巻でしたね。
っていうかこれ読んでると弓道がしたくなるんですけど(笑)。

上手いと思うのは、メンタル面の描写、揺れ動き、説得力がちゃんと出せてる事。
弓道は一見漫画の題材としては描き難いんじゃないか、ってイメージもあったんですけど
メンタル面が重要なスポーツって散々作中で強調されて来たからこそ
めまぐるしく移り変わる心情の流れだったり
それぞれの選手の立ち位置やバックボーンを利用して面白い展開を作れたり・・・。
むしろ漫画向けの題材なんじゃないか、って思えるのがこの作品の凄いところですよね。
山王と安政の試合の変遷も逐一納得の出来る流れだったと思うし
何よりも一ノ瀬主将があまりにも男前過ぎて・・・(笑)。
必死に頑張った結果に対して
言い訳しないっていうか、部員の苛立ちに対して手を大事にしろ、と示唆するシーンを読んだら
不思議と涙腺が緩んだりなんかもしちゃったりして。自分も辛いはずなのにね。
顔もイケメンなのに心もイケメンっていうのは何かとズルい
でもそんな彼の、彼らの想いの強さは往々にして伝わって来てそのドラマチックな描き方
そして結末に真面目に感動してしまった9巻目でした。
また、松平さんが良い味出してるのよ(笑)。寂しそうに弓を引く姿~って言葉に奮えましたねえ・・・。






女子の試合は男子と比べるとどうしても劣ってる節があったけど(基本男子のが掘り下げ多いし)、
二川さんの経験地の問題が如実に表れたりと何気にこっちもこっちで盛り上げ上手!
目頭の熱くなる新刊でした。
この後の展開もめちゃくちゃ楽しみです。




パジャマな彼女。 第4話「嬉しいよ」+ニセコイ 第18話「シアワセ」 感想

2012-03-19 06:05:38 | クロス・マネジ(WJ系)





やっぱりラブコメはええのう。





◆パジャマな彼女

今週も面白い・・・!
何ていうか、本当に近年の河下水希が得意とするようなジュブナイル描写の連発で
その精度に惚れ惚れするくらい読み込んでしまいました。
少年時代の青春性、ドキドキ感、若さゆえの暴走というか疾走っていうか、とにかくグッと来つつも
ちゃんと理屈も感情も通っている感触がまた更にこの作品の完成度を押し上げています。
ベタと言えばベタですけど
それだけでは済まない臨場感や雰囲気描写は真面目に自分好みで
やっぱり大好きだなあ、とか普通に思ってしまう。
元々写実的な描写が好きなのに加えて河下漫画の血を色濃く受け継いでる感触は絶対に受けるので
この作品に自分が託してる思いはめちゃくちゃ大きいのですが、果たして人気の程はどうなっていくのか。
取り敢えず、応援の意味を込めて記事は継続を確定しようかと思いますね。
これからもパジャカノとパジャカノの記事をよろしくお願いします。

さあ、そんなこんなで非常に自分好みの青春ラブコメ、今週分を改めて振り返りましょうか。
始まった時から強烈なまくら押しだった印象のある当作品ですが
やっぱり初めから安定状態だと面白くないよね、って事で
今週は主に雪姫先輩の掘り下げ、魅力描写でしたね。ラブコメならではの強引な惚れ込み・・・と思わせて
実はこれ結構理に適った描写がされてたと思うんですよね。そもそも惚れるのは理屈ではないんですが
敢えて自分なりに読解すると、やっぱり計佑は常に雪姫先輩を危機から救ってた
有名人になって逆に窮屈な気分になってしまっている(だろう)彼女を何度も連れ去ってくれた
そんな自然体で接して、お構いなしにグイグイ掴んでくれる
そういう部分に雪姫先輩は魅力を感じて、興味を持って接して来たんでしょうね。
そこに至るまでの流れって考えてみれば結構丁寧だったとも言えますよね。

だからこそ、そんな彼女が心をちょっと解放して美しい表情をいっぱい見(魅)せてくれた、
後半のシーンの数々は正直堪らなかったですね・・・!本当にジュブナイルそのものって感じの、
普通にドキドキさせられるような雰囲気に実直に浸ってしまいました。
これだけでも十分に面白いし、
ちゃんとノスタルジーを受けれたんですが
ここにまたまくらが絡んでくれる事で更に面白くなりそうな予感はヒシヒシとしますね。
そうやって先の展開を想像してるだけでワクワクしちゃったりね。真っ当な恋愛作品だと思う。
いつまでも延々ループするような金太郎飴みたいな感じではなく
しっかり決着自体は付けてくれそうな作品ですよね。
凄く個人的な話なんですが初恋もあねどきも作品としての完成度は随一に高かったのに
一部の層に評価されただけで終わってしまったので、その意味でもこの作品には頑張って欲しいです。
計佑は格好良かったしウブっぷりも良かったし(笑)
雪姫ちゃんは今まで以上に魅力的で可愛く思えたお話でした。
今からコミックの発売が楽しみです。

なんて風に思うのは、最後のまくらちゃんのシーンがそのままなのかが気になるから、って
そんな単純な興味も付随してるんだけれども(笑)。あれは色々と目の保養になって良かったわ。
ただね、個人的には必ずしも修正だけが総てではないっていうか
そればっかになると、それをしなかった作品が割を食う部分も少なからずあるんで
その辺はどっちであろうと自分的には別に、って感じでもある。
正直ギリギリの美学っていうものも確実に存在するとは思いますからね。
そんな訳で、色々想像してムフフ!ってなれたラストシーンでした、とだけ添えて置きます。
にしてもまくらちゃんもまた健気でどっちを本命にするか選びにくいのう。
だからこそ先週みたいな扉絵大好物なんですけどね(笑)。
まー、タイルに押し付けられたマシュマロにはある意味参るよね。




◆ニセコイ

つぐみちゃん推しまくりますねー(笑)。
でも、なんていうか、彼女の気持ちもちょっとだけ分かる気がする。
今まで千棘のこと一筋で、彼女の為を想ってずっと懸命に行動してきたって事実がある訳で
それ考えるとその事自体を褒めてくれた、認めてくれたっていうのは
何気に最大限の光栄っていうか
そもそも誰にもそんな言葉言われた事なかったんじゃないかな?って思いますしね。
それに半ばお前には魅力があるって言ってるようなものだし。

んで、あのベタ惚れ描写な訳ですけども
彼女の可愛い系の作画はどうにもこうにも破壊力あるっていうか
いちいち期待してしまう節がありますよね(笑)。
明らかに照れてるし
最初と最後のデレ描写だとか変化の具合も面白くてね。なんかこっちもまたキュンってしちゃいますよね。
若干強引な部分はありつつも、細かい事気にならないくらい基本的な見せ方が上手いですね。
個人的にはやっぱ千棘が一番好きなんですけど、
何だかんだでつぐみも気になる存在で出番あれば嬉しいっていう。
何にせよこれでまた更に盛り上がりそうで楽しみ、来週はセンターカラーって事で絵もまた楽しみですね。

正直な話、嫌いっていうのは半ば気にしてるっていうのと同義語だと思うからね。
気にしてるからこそ、ふとしたきっかけで好きに変わっちゃう、ていう。
そこがまた人間の面白い部分でもありますよね。
一度評価が変わってしまうと、そっからどんどん気に入ってのめり込んでしまう
元々潜在的に気にしてたって前提があるからしてハマっていくのもまた早いんだよなあ。
そんなつぐみちゃんの揺れ動く描写の数々にもまた期待してます。
その前に久々に千棘分も欲しいですけど(笑)。
また、ツインテールにしてくれないかなあ。あれ好きだったんですよね。似合ってて。





関係ないけど「パッキー」のマモナガくんが可愛い(笑)。




アクエリオンEVOL  第12話「アクエリアの舞う空」 感想

2012-03-19 02:58:37 | アニメ





どこかで誰かが。





ミコノさんヒロイン返り咲き。放送当初は自分の感想でも結構推してたんですが
時が経つに連れゼシカやユノハの方が可愛いんじゃないか?って思うようになりました。
後はミコノさんの描写が徐々に少なくなっていったのもあって
どうしても正ヒロインっぽさが薄れていたように思ちゃったんですが、今週は普通に可愛かったんじゃないですか?
出来ない子はいるだろうけど、いらない子はいない。自分ではそんな風に思っていても
もしかしたらどこかで誰かがあなたの事を必要としているかもしれない。
だから、そんな事言わないで、と。
個人的には中々の面目躍如っぷりだなあと感心したと同時に
そのテーマに関して言えばちょっと同意出来る部分もあったりするのですが
ミコノさんがアマタと良い関係になるに連れてゼシカの振られ役っぷりが進展してしまうってジレンマが(笑)。
ああいう煮え切らない感情の描写を見せられてしまうと、正ヒロインっぽさを見せられたとはいえ
相変わらずゼシカ派に寝返ったままの自分もいる訳で。贅沢な悩みなのかな(笑)。
まー何にせよ燻ってるのは往々にして感じられたので、これからのアクションもまた気になるところですね。
普段は男子をからかえるほど大胆なのに、こと真剣な恋愛になると奥手なのが可愛らしいですよね。

一方で、主人公以上に私を夢中にさせてくれたのがジンとユノハのコンビでした。
なんていうか・・・お互いピュアピュア過ぎて、メインの二人以上にぎこちない愛の様子
その変遷を眺めてるだけでニヤニヤさせられてしまうんですが
愛する二人の間にはトラブルが付き物っていうのもまた至極真っ当な展開であって。
どんどんジンに心を開いて積極性を出してた最中の、
ジンが敵側の人間だって事を知ってしまうっていう苦行。普段は純粋なユノハの表情がぎこちなくなって
その末にジンに連れて行かれそうになってしまって、どう答えて良いのか分からない選択を迫られ。
ここで終わりって言うのがまた引き上手でニクい部分ではありますが
ミカゲ様曰くジンは愛に向かってるらしく
彼の本当の目的って星の連中に愛の素晴らしさを説く事なんじゃないか・・・とか
そんな風にも思えてきた今回、どんな結果になっても二人の愛が持続出来る様になればいいな。
最初はいけすかないイメージだったのに、よくここまでジンを純情チェリーくんに仕立て上げられたなあ。
やっぱり嫌いって印象もまた好きに繋がる要素なんだなって改めて感じますよね。この変化見てると。

ミコノさんの言ってた「どこかで誰かが~」っていうのは
この二人にも当て嵌まってるんだろうなあ、とも。
要するに、大切な人との出会いが人間を変えるんだ、っていうメッセージですね。
それまでのあなたは確かに報われなかったかもしれないけど、でも人は変われるっていう。
だからこそ、ジンとユノハの関係性は応援したくなるのかもしれないですね。
どんどんポジティブな方向に変わってるのがよく伝わりますから。





しかしあれですね、ジンに説明した合体の気持ち良さの話
まんまそっちの意味に聞こえるのがいかにもこの作品らしいですね(笑)。
そして男子のお部屋に興味津々のゼシカが可愛かった。
逆のエピソードでも面白いかもしれない。それにしてもサザンカは色々な意味でアレなキャラですね。
あれじゃ傍から見たら逆に襲ってるようにしか見えないのが何とも。我が道往ってますな。