超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

NICO Touches the Walls「Ground of HUMANIA」@幕張メッセイベントホール 12.3.20

2012-03-21 22:54:50 | ライブレポ






NICO Touches the Wallsの幕張ワンマンを観てきました!!





いや~今回も本当に凄い・・・充足感が半端ではないですね。
今回のツアーは本編含め3回参加してきた訳ですけども、毎回がクライマックスっていうか
もう何度観ても、同じアルバムのツアーなのに感動の度合いが持続してるっていうのか
どの公演も実直に心動かされて、やる気だったり活力をもらって、ますます楽曲を好きになれて・・・。
公演によって差異が感じられないっていうか初日もセミファイナルも同じくらい素晴らしくて
同じくらいその場でしか味わえないもんだったって思える内容で
それ考えると本当の意味でライブバンドに化け始めてるのが今のNICOなのかもしれません。
今回のツアーで好評だった「demon(is there?)」、3回中3回がハイライトっていう凄まじい完成度よ。
ぶっちゃけ席自体は限りなくケツに近い席だったのにも関わらず
全然遠くに感じなかった、
ハコと同じくらいの熱量で盛り上がれたのが何より素敵なライブでした。

昔から大舞台が似合うバンドだと思ってたんですが、やっぱりこういうアリーナクラスでも
全然会場をものに出来るっていうか普段のテンションでやれる強みは
武道館の時と相変わらずで
空間を利用した派手な演出も更に気が利いてる感じにもなってて
どんどんタフになっていく、大きく成長をかましていく姿が本当に頼もしかった公演
その上で叩きつけられた渾身のメッセージにも本気で励まされたり
色々とグッと来ちゃう、そんなポイントだらけのライブで。やっぱ理屈抜きでこのバンド好きだわ。

しかし一枚のアルバムでここまで楽しめるのも素晴らしいですね。
本当に味わい尽くした感じがする。
自分の肌に合うバンドなんだろう、とも如実に感じましたね。早くも「次」を覗きたくなる公演でした。


*セミファイナルなのでセトリのネタバレには注意です。では以下。






始まりは、アルバムと同じく「Heim」でもの静かに。
万人規模の会場の一曲目がアコースティックの素朴な曲って何気に面白い
今までは真ん中に配置されてただけに意表を突かれた感じでその意外性に驚きつつ聴き入る
普通ならアルバムの一曲目で始まりっていうのは珍しくないんですけどね(笑)。
中々にフックのあるバンドなんだな、って再確認
その流れから今度こそ幕開けに相応しい勢いのある「衝突」、初日と近い感じの
ボトムの効いた演奏で魅せた後
これまた本編ツアーと同じく「業々」を更にラフになった感触で思いっきり響かせる
何気に大会場では結構に似合ってるナンバーである。ハードロックよろしく首振り推奨でしたが
あんまりNICOのファンに首振りは浸透はしてなかったみたい(笑)。
でもそのアジテーションで空気がほぐれた事は言うまでもない。

その上で観客に声援を求めた「友情賛歌」で大会場特有の緊張感を出来るだけ逃がす
これは正直観客的にも気持ちがほぐれるし上手い選曲だな、って感心してしまった。
その流れから真っ直ぐに「ホログラム」を射るメンバー、
久々に聴いたのもあってストレートに胸にジーンと響いて来ちゃって無性に感動しつつ、
バンドの歌も演奏もまたもう一段階ブラッシュアップされたのが如実に感じられて素敵だったなあ・・・。
この曲もこの曲でちゃんとライブで育ってる事を実感。
「まっすぐな道でつまずいたって」っていうのは
要するに何も障害も苦難もない、恵まれてないわけでもないのに挫折したっていう
最も格好の悪い挫折の仕方を歌ってるんじゃないかって個人的には感じるんですよ。
誰の所為にも出来ない失敗。
その上で、また転がる事を示唆するこの曲って何気に奥深くもあるよな・・・ってその男らしさ?
なんかも感じたりして、中々に深く聴き込めた気もした演奏でしたね。

MCでは「地元千葉にようこそ!」との言葉の通り、
実は千葉以外の方のが圧倒的に多いって言う身も蓋もない事実が判明(笑)。
いやでも、千葉の方もそこそこ居ましたけどね。まあ大規模会場なんで必然的に遠征組、
っていうかその近郊の方が圧倒的になっちゃうのは仕方がない
それでも故郷に錦を飾れた事を
誇らしげに語る光村さんは真面目に地元ラブなお人だって分かって良かったです。
勿論他のメンバーもね。めっちゃ遠いとこから来た人居ます?って投げかけをして
「埼玉!」って答えが出てきたのにはズッこけてた(笑)。や、近くはないんだろうけど
一応内房に住んでる自分でもライブに行ける位は遠くはないからねえ。
メンバー的には九州や北海道って答えを欲してたんだろうか
それでも「仙台!」って人が居て一応質問の意義は成り立った感じではあるかな。
そんなこんなでさり気に面白かったMCが終了して、
一気にロックモードに突入。


これまた久々に聴く「泥んこドビー」の破壊力!
なんかものすごいライブで聴くの懐かしい気がする・・・。
以前はコール&レスポンスも募ったりしてた曲なんですけど
今回は実直に楽曲の鋭さを聴かせる事に専念
歌詞の「巨人」が「マリーンズ」に変えられてたりしたけど(笑)。
アウトロの音源より更に加速するパートの熱量は流石のもんで
3階席の隅っこで聴いてる自分のところにも余裕でライブハウス並の熱気を感じたりして
恐らくロックンロール的に最も盛り上がりを演出出来てたのがこの曲なんじゃないかなあ、と。
本編ツアーではインディー曲演奏してなかっただけに余計に嬉しかった選曲でした。

「Endless roll」は前のめりな演奏を聴かせ、
その熱量ゆえに一部声が出てなかったパートもあったけど
情熱は非常に伝わるステージング
その熱をクールダウンさせるように穏やかで切ない「波」に移行する
この「波」がまた情感たっぷりで良くてねえ・・・。明らかに当時のリリースツアーよりも
グッと深みを増した歌声と雰囲気に酔いしれつつ、会場が一気にポップス風味で満たされる「恋をしよう」
古村さんのギターが歌いまくってて本当に最高でした・・・。
この曲って何気にライブの方がその空気感に思いっきり浸れる趣あるから、ライブ向けの曲でもあるのかも。
「都合の良い自分らしさなんて見つかるわけはないんだから―」
他人と似る事を恐れない、
とっても意味のあるフレーズ。思想的にもグッと来るナンバーでもあるなあって再確認。

「極東ID」ではこのツアーシリーズで恒例になってるメンバー紹介
楽曲自体はシンプルに妖艶になってる節がとっても気持ち良くて今夜もまた鉄板!
その上で大人っぽいこの曲に乗せて、メンバーが大人だなあ・・・って思った瞬間の話を交えて紹介する
っていう何とも粋なメンバー紹介でしたが
古村さんは5枚葉の剃刀、光村さんはみんながダルそうな時に元気に挨拶出来た時
坂倉さんは東京都民なのに千葉県出身でお馴染みの~ってバンド紹介をされた時に黙って頷く自分が
対馬さんは夏に地元行徳に帰って遊ぶときに線香花火を選べるようになった事・・・っていう
なんともNICOらしいエピソードの数々
でもサポートメンバーの野間さんのお歳暮、お中元を贈るようになったっていうのが
正直一番大人っぽいんじゃね?って思ったのは秘密ってことで(笑)。
確かにそれは大人だわ、、、。


後半戦に突入。
まずは一発、沁みるバラッド「トマト」を展開
これがまた筆舌にし難い感動をもたらすような出来栄えで
まず何より丹精に心込めて歌われた歌が良かったし
素朴な演出もまたグー
大会場だからこそ、むしろこういうじっくり聴けるような曲を剥き出しでぶつける、っていう
その根性って言うかやり方ははっきり言ってオルタナティブで格好良いと思った。
これまた忘れられないハイライトの一つ
今まで聴いた「トマト」の中でも最も感動の出来た「トマト」であったのは言うまでもないですね。
そして更にこの曲を好きになれた気もしました。

そこから、一転してダンスナンバー「カルーセル」に突入!
この曲もまた古村さんのギターフレーズが良い味出してて
ミラーボールの演出も冴えてて踊りまくれるくらい純粋に気持ち良かった!
終わった後の拍手がやたら大きかったのが印象的(笑)。
最近古村さんの存在感増して凄いわ。
対馬さんはキャラ立ってるし、コーラスもこなしてるし
坂倉さんは第二の作曲者として名曲制作に貢献してるしで
どんどんバンドとして個々のメンバーの実力や存在感が増している事を実感
そういう部分もまた明らかに成長した部分でもありますよね。
武道館に於ける「Lonesome Ghost」を彷彿させるくらい会場の雰囲気がガラッとチェンジする快感
一瞬でダンスホールに染まる気持ち良さを体験出来て本当に出色の演奏でしたね。

そこから男女別コール&レスポンスという新機軸のアジテーションも面白かった「THE BUNGY」、
やっぱりアリーナクラスの会場で聴くと盛り上がりも単純に半端なくなるな(笑)。
武道館から地続きの演出も良かったし、
男女別の煽りもまた垣根なく好まれてる事が分かって良かった。
その勢いを維持したまま新曲「夏の大三角形」を初披露
カルピスのCMソングに使われる曲ですけど、思ってた以上にドラマチックな曲調にビックリ
これは普通に売れそうな予感も匂って来たけど、リリースもまた楽しみですよね。なんか新鮮な感じも。

クライマックスは人気曲「妄想隊員A」をぶつけて
「Broken Youth」を思いっきり叩きつけて
個人的には「なんか元通り~」から弾かれるギターソロにめっちゃグッと来たりして
ここでも古村ギターの凄みを感じつつ(笑)。
やっぱこの曲は聴く度に威力を増しちゃってる事を実感して
そこから大クライマックス突入、名曲「バイシクル」を全身全霊で演奏し切って終了
元々それまでの上げモードが強烈だったっていうのもあるんだけど
それ以上に「バイシクル」の持つパワーやスケールだったり、4人全員の団結力だったり
真っ直ぐにぶつけられる情熱に突き動かされる部分だったり
色々な要素が絡み合って
この日最大のハイライトを生み出していたのは間違いない、
ツアー中最も興奮出来た出来の「バイシクル」、素直に最高だと思えたラストで
ライブハウスで聴いてるみたく前のめりに聴いてしまった楽曲でもあって
でも、その遠いのに近いような感覚ってやっぱいいな、って。
抽象的な表現ですけど、会場の全部に行き届かせるつもりで、そんな覚悟で演奏されてたといいますか
尋常じゃない気合と迫真っぷりを感じられて、個人的には新鮮なくらい感動しちゃったかな、ってレベルで。
そんなポテンシャルを出し切ったと思われる本編、じっくり堪能出来て本当に良かったです。
この曲を聴いてる最中に、理屈抜きで好きなんだ!って素直に思えたんですよね。
色々な意味で大事な曲になりそうです。「バイシクル」。



アンコールでは、まずは全員の拍手の音を録音して、それを即ライブに使うっていう
これまた粋な演出がなされてました。
そう、このライブは演出がやたら凝ってたライブでもあったんですよね。
メンバー紹介にしろ、「トマト」とか「カルーセル」の曲に寄り添った演出にしろ
その上で観客が出した音をそのままライブで使って演奏するっていう
言われないまでも
あなたもこの公演の演奏者なんです、ってバンド側からのメッセージなんかも感じたりして
この公演が特別な凱旋公演である事は疑いようのない事実になって、
そのあらゆる方位からの気合に感銘を受けたりして
あとはその録音する時に流れた実演ビデオも面白かったし(笑)。
対馬さんの失敗の仕方があからさまに故意過ぎて笑っちゃったんだけど
そんな案内の後に、このツアーを何度も彩ってきた名曲「手をたたけ」を演奏・・・
とか思ったらメンバーが吹奏楽部の皆さんと一緒に客席側からやってきた!?
またもや意表突かれたけど、
その流れのまま吹奏楽部の皆さんもステージに上がってなんと拓大紅陵高校の方々であるって事が
光村さんの口から明かされる、要するに地元の高校生と一緒に演奏するっていう
何とも凱旋公演らしい演出に驚かされる、と同時に
ここで入れるのがプロのサポメンじゃないっていうのも中々アットホームで宜しいんじゃないかと。
そんな賑やかで愉快なムードを引き連れて「手をたたけ」演奏
会場全体を覆いつくす福音に身を委ねつつ、大の大人が大勢で手を叩き合ってる光景って
やっぱり童心に還れる様でなんかいいな・・・と改めて思いつつ。

そんな楽しい楽しい余韻を残したまま、集大成として「demon(is there?)」を最後に力込めて演奏
その日一日の様子をビジョンで流しながら渾身のグルーヴを生み出すメンバー
ボトムの効いたサウンドと、
鉄板のギターソロ、
どんどん熱量を帯びて一体化する音像の変化・・・
やっぱりこの曲はライブで聴いてこそ完成する曲なのでは?と
ふと入り込みすぎて思ってしまったくらい
純粋に格好良くて、でも泥臭くて、しかし逞しさも十二分に感じさせる演奏でもあったりして。

「どんだけ神様に嫌われようが、頑張って生きろ―」

最後の最後に光村龍哉が声の限界ギリギリなんじゃないかと思う程度の大声で叫んだ言葉
その言葉はライブでしか聴けない言葉でもあって
確かに受け取りたい気持ちもあって。
ここまでストレートな言葉を叫んだのは初めてなんじゃないか?と思ったけど
それもまた大会場だからこそのメッセージだったのかもしれません。
いつも彼の言葉にはケツ叩かれるな。でも、嫌な感じは全くしないですけどね。
そんな訳で、ありがとうございました。
また、ここ幕張でNICOのワンマンを観てみたい。そう実直に思える素晴らしい公演でした。






セトリ
1.Heim
2.衝突
3.業々
4.友情賛歌
5.ホログラム
6.泥んこドビー
7.Endless roll
8.波
9.恋をしよう
10.極東ID
11.トマト
12.カルーセル
13.THE BUNGY
14.夏の大三角形(新曲)
15.妄想隊員A
16.Broken Youth
17.バイシクル
encore
18.手をたたけ
19.demon(is there?)





約3時間の熱演でした。
セトリに関して言えば、割とバランス良く
シングルや人気曲に偏らせずって感じのいつも通りの凝ったセットリスト
特に凱旋公演だけあってインディーズの「泥んこドビー」があったのは大きい
あと盛り上がりだけを重視した内容ではなくて
緩急を大事にした内容っていうか
勢い一辺倒じゃないのも若手らしからぬ奥深さがあって素敵だな、って実直に思えた
そんな様々な角度から再考してみても、やっぱり最高だったとか
単純な言葉しか浮かんでこないような
でもそれこそがこのライブが如何にストレートにグッと来るものだったかを表しているんじゃないか、
とも思う
そんな喜びだったり楽しさ、その中に付随する切なさや痛み
そういうエモーショナルな部分を逐一逃さず楽しんで自分の中で消化出来た感覚のある
要約するとおっきくて素晴らしい、残るライブだったね、って印象です。

逆に言えば、この「HUMANIA」ツアーっていうのは明らかにこれまで以上に良い
確実にライブバンドとしての熱演記録を大幅に更新した内容だったので
これから先どうすんだ?っていう
純粋に燃え尽き症候群にならんかなって心配もあったりするんだけど(笑)。
でも、まだまだ大きくなる、良い曲を作る、そして千葉の星になるっていう
地元盛り上げ宣言もかましたくらい充足感だらけの公演だったので
この一日を糧にして更に良い景色を見せてもらえるように、個人的に期待応援しています。
取り敢えず、武道館以上に一つの金字塔が建った感覚になれた一夜でした。
ファンで良かったなあ・・・とか
そんな恥ずかしいセリフも余裕で言えちゃう程度の夜でしたよ。ええ。
特に「泥んこドビー」、「トマト」、「バイシクル」、そしてこのツアーのMVP「demon(is there?)」
この4曲はこの日の公演でも確実に残るだろうなあ、ってそう思えた格別の出来でした。
また大会場でのワンマンが出来ることを願って、〆。
参加した皆さんもお疲れさまでした!
もう、言う事なし!!




あの夏で待ってる 第11話「行かないで、先輩。」 感想

2012-03-21 03:28:50 | アニメ





青春映画が好きだった。





この青春模様っぷりは半端ないですよねえ・・・
本当に映画みたいな展開になってきて盛り上がりが凄まじいんですけど
個人的にはやっぱり哲朗と美桜ちゃんかなあ、っていうか単純にメインよりそっち気になるっていうのかな
二人が無事辿り着けるかよりも、てつみおの映画の話題のが気になっちゃうっていうか
まあ割とサブキャラを立たせてる作品だけにその辺は仕方ないんだろうけども(笑)。
個人的には一つの願望が叶って嬉しかったです。はい。

でも、だからといって、イチカと海人がお似合いじゃないかっていうとそれは違う
この二人はこの二人で一緒にいなきゃいけない理由があるとあると思うし
恵まれてるように思えても
今回のようなアクシデントも多いし、色々とハードルの大きな恋だとも思うしね。
柑菜があまりにも強調されすぎてる所為で、メイン二人がリア充って意識がどこかしらあったけど
考えてみりゃ困難だし報われるとも限らないし、確実に幸せになれる訳でもない。
約束された幸福なんて普通の恋人よりも絶対に少ないだろうに
それでもお互い好きでいる事を選ぶっていうのは
考えてみりゃ難儀な話でもありますよね。
でも、それが何にも代え難い「若さ」でもあるんじゃないか、とも思います。
本当は誰よりもお似合いで、誰よりも辛い道を選んだ二人なだけに最後は是非ハッピーエンドで
それを望んでも許されはするはずだよね。という訳で最終回も期待しています!

ただ、今週一番面白かったのって恋愛方面ではなく
みんなの仲の良さ、一致団結っぷりの表現が最もグッと来たかなー、と。
ずっと色恋沙汰云々やってて見失ってたけれど、この人たち元来の仲良しでもあったんだなー、というか
そんなみんなが一緒に協力して、犠牲になったりもして、一つの結末を目指す
その熱量こそ個人的には今週で一番胸に来たシーンでありました。
全体を俯瞰するような回でもあったかな、というか
それぞれが自分で決めた答えを出せた回でもあって。誰もが誰も傷付いたようでもその実次に進んでいる
そういう各々の踏み出した一歩が垣間見れたのが何よりも素晴らしいと思えた回でした。
やっぱり、他人の青春模様って観てると楽しいもんですから。





余談ですが本音で生きるっていうテーマもあるような気がしてきた本作
周りに遠慮する必要も八方美人の自己犠牲も、傷付かない為の努力も全部無意味なんだって。
そう感じられたのもまたこのアニメの良い部分でもあるなあ、と。
(・・・って考えると「あの花」からテーマが地続きな感覚もします。)



ちはやふる 第24話「おのへのさくらさきにけり」 感想

2012-03-21 03:03:23 | アニメ





クイーンが太ってたのには流石に意表突かれたわ(笑)。





私の好きな「カイチュー!」という漫画にこんなセリフがあります

「勝利とは苦しんだ代償として得られるものではない」

どんだけ必死に頑張ろうが、何かを犠牲にして奮闘しようが負ける時は負ける
そういう考えは単なる甘えであり、要するにどれだけ努力したかとか精一杯やっただとかっていうのと
それが結果に繋がる云々はある意味別の話でもあるんですよね。
だから西田くんの応援文句に対して完全には賛同は出来ないのだけれど
それでも、完璧な負けを喫した山本さんが、一度は村尾さんよろしく諦めの境地に達してた山本さんが
また再び「悔しい」って感情を持って一から来年のクイーン戦に挑戦しようとするその気概を持てたのは良かった。
結果的に作戦も何も無駄にはなったと思うんだけど
ただ、この試合で得たものって絶対に無駄になるとは思えなくて。
この作品でも随一に雑草魂を感じさせるキャラなので今後も頑張って欲しいもんだ。
同時に、彼女があの時上り調子の千早に勝てた事でここまでの道やそんな心持が抱けたって事実もある訳で
主人公補正とかを無視した作品づくりは正直流石だなあ、って思う部分はありますよね。
それ故に最終回付近なのに主人公サイドの見せ場がなくなってるけど
それは、やっぱり燃える想いがその見せ場に当たってくるんじゃないかなー、とか
個人的にはそう思う
だとしたら2期での活躍もまた見たいもんですけどね(笑)。
正直クイーン戦で戦う千早を見たくなってしまったのも本音ですから。
サブキャラ同士の試合でもクイーンのバックボーン掘り下げで十分面白かったので
本当にそういう展開になったら燃えちゃうんだろうな。

それにしてもクイーンって思った以上に天然ですね(笑)。女性なのに外見くらい気にしろっつーの。
とはいえ、そんな他人とズレてる部分こそ彼女らしさでもあるんだろうなあ。
それ故に
ダンスや書道のような正解があるようでないような習い事よりも
札を相手よりも速く取るっていう絶対的な正解のある習い事を、それを自分で見つけて
自分で習う事を望んで、それが結果的にクイーンの救いだったり拠り所、存在証明になってるのを考えると
適材適所っていうか、その為に生きてる感じっていうか、絶対的な思いの量が違くて。
ある種ボールは友達ならぬ札が友達みたいな感覚なんだろうな。
そんな部分にクイーンの本当の強さを垣間見た一話でした。やっぱ試合あるほうが面白いですね。





しかし名人も名人で相当オーラあるなあ。
どんな締めにするのかも今から楽しみです。