eラーニングの現状と展望

ネットラーニングHD、ネットラーニング、WIWIW、Phoenix Consulting、各代表取締役 岸田徹

あたりまえのことと差別化と

2007-06-19 14:56:45 | Netlearning,Inc.
ビジネスを展開するときに、他社とどこがちがうのかということは、成功するための大きなポイントの一つです。

さいわい、ネットラーニングは、ほとんどのことで他社と大きく違っていました。

ネットラーニングは、いつも、あたりまえのことを選択し、その結果、ほとんどの他社と大きく違ってしまう。期せずして差別化が実現してしまうのです。ある意味では、それは、ネットラーニングにとってありがたいことでもありました。

しかし、いつも時代の流れは、ネットラーニングが選択した道に追いついてきます。eラーニングの主流は、ネットラーニングが主張してきたとおりになってきました。

2000年は、まだADSLがあまり普及していないダイヤルアップの時代でした。そのときから、つなぎっぱなしで学習するASP方式を導入したネットラーニングは、まったく独自の道を歩んでいたのですが、いまや、すべてネット上で展開するWeb2.0は、時代の主流になりつつあります。SaaS(サース)もそうですね。

SCORMも同じような事例です。2002年ごろ、「間違いだらけのeラーニング」という大規模なセミナーを開催して、だれもが常識と考えていたSCORMなどを正面から批判し、歴史的に忘れ去られていくものと指摘したネットラーニングは、まったく独自の存在でした。しかし、そのSCORMもほとんど忘れ去られつつあります。

あたりまえのことを主張し実践すれば、他社とまったく違うというのは、差別化としてありがたいのですが、いつのまにか、ネットラーニングの主張は世の中の常識となってきており、その面での差別化はしにくくなってきました。

IDもそうですね。最近は、ネットラーニング以外からも、ID(インストラクショナル・デザイン)の批判を聞くようになってきました。IDも、いつか、昔そんな言葉もあったねということになるでしょう。

ほとんどの人たちがあたりまえでないことを選んでいることは、eラーニングの世界にはまだまだあります。新しく参入する人たちがあたりまえに考えれば、ビジネスチャンスはいっぱいあります。





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3 コメント

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Unknown (Unknown)
2007-06-27 14:28:54
御社では、インストラクショナル・デザインについてどのような批判をされているのですか?
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コメントありがとうございます (岸田 徹)
2007-07-02 14:11:33
わたしたちは、インストラクショナル・デザインという考え方が、教材にかたよりすぎていると考えています。教材設計論にちかいところがあります。

eラーニングは、個別学習に特徴があるとわたしたちは考えています。これまでの教育学は基本的には教室をベースにしたものですが、個別教育・個別学習についても、教育学が確立されなければならないでしょうし、ネット教育学も発展させる必要があると思われます。
したがって、わたしたちは、ネット教育という観点を重視し、ラーニング・デザインという考え方を対置しています。

これは、eラーニングをナレッジデータベースに近いものととらえるか、教育としてとらえるかの違いも背景にあるかもしれません。

短く書くと、やや単純化するために、多少誤解がうまれる可能性もありますが、「インストラクショナル・デザイン」の「インストラクション」に対して、わたしたちは、「ラーニング・デザイン」の「ラーニング」を対置して、学ぶ側の主体性やラーニング・プロセスを重視している側面もあります。




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Unknown (Unknown)
2007-07-02 21:16:15
コメントありがとうございます。

おっしゃられていることについては理解できました。
ありがとうございます。しかし、個別学習やラーニングデザインをもってIDを批判するということには、論理的に違和感があることも確かです。

ただ、最も大きな点としては、ID自体がメジャーなものではなく、教育というマイナーな分野のさらにマイナーな位置にあるものだと思いますので、批判やら賛成やらをしても、一般消費者には伝わらないのではないかと思っています。要するに、単なる派閥争いのような気がしています。

ネットラーニング様には、そういった小さな視点ではない視点を個人的に期待しています
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