eラーニングの現状と展望

ネットラーニングHD、ネットラーニング、WIWIW、Phoenix Consulting、各代表取締役 岸田徹

韓国は参加しないTPP

2011-11-10 08:41:29 | 読書/新聞/映画など
「開国しないでどうする」

新聞には、大きな見出しでおどし文句がならんでいます。

TPPってなんだ?

環太平洋といいながら、なぜ、韓国も、中国も、台湾も、タイも、インドネシアも、フィリピンも参加していないのだ?

もしかして、ガキ大将のアメリカが、ほんのわずかのとりまき子分をあつめただけなのか?

29年大恐慌のあとの1930年代になにが起きたのか?すさまじい為替切り下げ競争と経済のブロック化でした。ドルをはじめ、各国の通貨切り下げ競争がはてしなくつづいたのです。
そして、主要な国が独自の勢力圏を築き、世界経済はブロックに分断され、経済ブロックの衝突は軍事衝突に発展し、世界戦争に突入しました。

日本が作ろうとしたのが、大東亜共栄圏です。

経済ブロックが解体され、世界の経済が一体性を回復するには、世界戦争が必要だったのです。圧勝した米国が、世界の主導権をとり、ドルを基軸通貨とするブレトンウッズ体制を確立しました。

その戦後体制が終わったのです。アメリカがTPPに走るのは、本質的には、基軸通貨ドルをすてる道でもある。崩壊したのです。
資本主義と国民経済は、本質的にはなじみません。一国の国内通貨であるドルを基軸通貨にせざるをえないところにも、本質的な矛盾が垣間見えます。崩壊は必然なのです。

日本がTPPに走るのは、見方によれば、もはやそこまでも力を失い、カナダの道をもとめるということでもあるでしょう。しかし、それが正しい選択だろうか。

日本にとっては、けっこう悲惨な道かもしれません。アメリカの目的は明確であり、日本にプラスになるものはほとんどないでしょう。

もっと根本にもどって、選択をかんがえるべきときに思われます。





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6 コメント

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TPP論議にかける「消費者の視点」 (浜地道雄)
2011-11-27 06:32:17
本当に重要なTPP問題。

何より大事な「国のかたち」を論議しないで、罵詈雑言の応酬をする国会。憂鬱で、私なりの賛否の議論を徹底的に考察しました。

結果、農業、医療を中心に「消費者の視点」が欠けてることに気が付きました。

(最大の問題点、農業はTPPがあろうとなかろうと構造改革が必須条件です。)

拙文、名前のところのURLをご覧ください。

「貿易立国」(古いことばですが)の日本の取るべきだと思うに至りました。
かつTPPはAPECへの拡大が条件になっています。

ぜひ、徹底論議をさせて欲しいところです。
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FTAとTPP (岸田徹)
2011-11-28 21:57:00
韓国は、二国間の自由貿易協定(英: Free Trade Agreement, FTA)を駆使しています。TPPには、見向きもしない。

TPPは、米国の経済勢力圏、つまり1930年代の経済ブロックと同様のものをつくろうとするものであり、自由貿易に真っ向からさからうものです。
自由貿易は、米国を盟主とする経済ブロックの中だけです。そのなかでは、日本はカナダやメキシコと同じになるでしょう。

TPPは、アメリカが世界の盟主の位置からころげおちたことを示しています。全体のボスから一グループのボスに成り下がる。

日本も、韓国のように、FTAを駆使すべきなのです。アジアからとびだすことはない。独立して、世界の動向をみすえて、方向を定めていくべきだとわたしは思います。

浜地さんのご意見をうかがわせてください。



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Unknown (Unknown)
2011-12-02 09:11:42
>(TPPは)自由貿易に真っ向からさからうものです。
>アジアからとびだすことはない。
うーーーん。

他ならぬ、岸田さんのご下問ゆえ、きちっとまとめてお答えすべく、改めて、資料などあたり、記事化を考えてます。

賛否両論を見聞きしてて思うのは、「国のかたち」をどうするかという肝心の議論が少なく、残念。

私の基本的認識は:
そもそも明治以降の世界における日本の発展のベースは「貿易立国」であり、今後さらに「知財立国」への発展についても、「グローバル」「国際化」なしにはありえない。それはとりもなおさず「国際競争」です。
それに打ち勝つ「たくましい日本」「信頼の日本」というすがた。
(他方、TPP反対派の論拠の一つに「英語問題」があり、これは別途、書きます)

私の理解は:
・TPPは関税撤廃ほか21分野において障壁をなくし、自由貿易のルールを10年かけて構築しようという試み。
・重要な点として、FTAAP、つまり、APEC内における自由貿易圏への拡大・発展を前提としています。

そして、ひとつお尋ね。
>そのなかでは、日本はカナダやメキシコと同じになるでしょう。
これはどういうこと(状況、事例)を指しておられるのでしょう?
ISD絡みのことであれば私見があるのですが。
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TPPと英語力 (浜地道雄)
2011-12-02 11:31:35
(先ほどのコメント「Unknown」となってますが、
浜地でございます)


岸田さんにとっては特にご関心がおありであろう「TPPと英語」に
ついてです。

私はできるだけ中立、公正の目線からTPP問題を点検しようと、ことに反対派の意見を中心にこの数か月間、各種資料、報道に目を通してきました。

某大学教授は「グローバライゼーションこそ諸悪の根源」といい、某元外交官は
「ハゲタカ米国の餌食」といった論調です。(因みに、二人とも元々私も賛同する国際派ですが、TPPとなると悪玉アメリカ説)

某作家は「非関税障壁の撤廃」として「言語障壁」を挙げ、つまり「日本も英語を公用語とせよ」と(米国が)要求してくるとの論調です。
あわててTPPの21分野条項に当たりましたが、その「言語障壁」はない。
つまり、その作家の「想像した可能性」でした。

同氏はさらに「これを撤廃(=英語を公用語)しない)場合は、ISD条項で訴えられる」としてます。
これも調べるとTPP(ISD条項)では「不当な差別で生じた損害」への賠償請求のことであり、日本人が英語ができないことによる障壁を訴えることができません。

とはいうものの、TPPには関係なく「(仕事で)使える英語」の必要性は
いよいよ高まりますね。
http://www.janjanblog.com/archives/39302

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TPPと英語力 (浜地道雄)
2011-12-11 04:51:22

じっくり諸資料にあたり、考えに考えて、記事にしました。(岸田さんにささげる、思いです)

http://www.eigokyoikunews.com/columns/global_business/2011/12/37tpp.html
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読ませていただきました (岸田 徹)
2011-12-11 23:09:26
ありがとうございます。
よく調べ、客観的に賛否の論点を整理し、ご自分の意見を的確にのべられる文章に、いつも感銘をうけます。
「「Globalizationこそ諸悪の根源」とする「識者」もいて驚かされるが、いずれにしてもTPPがあろうがなかろうが、日本が貿易立国である以上、「(仕事で)使える英語力」の向上は避けて通れない。」
まったくそのとおりです。
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