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「脳の情報を読み解く」

2010-09-21 18:22:06 | 読書/新聞/映画など
川人光男『脳の情報を読み解くーーBMIが開く未来』(朝日新聞出版、2010年8月25日、1300円+税)

でたばかりの新刊です。

BMIは、ブレイン・マシン・インターフェイスのことです。脳の情報を読み出し機械に出力する「出力型」と、逆に、脳に入力される感覚情報を機械から入るようにする「入力型」があります。

脳の中をみると、神経細胞が6層になってたくさん詰まっているそうです。脳のなかで情報処理をおこなっているのがこの神経細胞(ニューロン)です。たくさんというのは、なんと100億から1000億にもなります。
神経細胞どうしが接続する部分がシナプスとよばれます。大型の神経細胞は1000個、なかには数十万個のシナプスをもつ大型の神経細胞もあり、複雑な情報処理をしています。
実際には、電荷をおびたイオンの濃度の差で神経細胞内外の電位差がうまれます。

神経細胞には役割分担があり、ある神経細胞の発火頻度と筋肉がだす力の大きさには比例関係があるということです。

「脳波などの生体電気現象を、工学技術によって」機械につたえて制御したり、「視覚や聴覚にフィードバックすると自己制御できるようになります。」

「脳は、電気的な性質にその特徴がある」のです。

実際、「念じてコンピュータカーソルを動かしている」こともできます。サルも、脳活動で機械のアームを動かして「食べ物をつかみ、それを自分の口まで運んで、食べることができるようになりました。」

BMIの基礎になる技術は、一つ目は、「脳の活動を測定し、心の中を『予測』する研究です。「マインドリーディング、つまりコミュニケーションの新技術」です。
二つ目は、数理的、統計的な技術です。「特徴量選択」または「特徴次元の圧縮」という技術で膨大なデータのなかから有効なものを選択します。
三つ目の柱は、「逆問題」です。「観測結果から、元の物理現象を推し量る問題」です。

さて、このBMIの技術は、日本が最先端をいき、巨大な新しい産業の核になるだろと予想されています。

以前から、ロボット科学者の脳や人体の研究には目をみはるものが多いと感じてきました。

この本もエキサイティングです。

ところで、脳やロボットといえば、すぐに学習のことが頭にうかびます。

この本の中にも、学習に関することばだけでもたくさん出てきます。結果のフィードバックにより修正しながら目的を達する「フィードバック学習」、人の学習とおなじことをコンピュータにさせるための技術や手法である「機械学習(マシーンラーニング)」、脳の学習の仕方をまねた計算アルゴリスムである「機械学習アルゴリズム」、「トレーニングデータ」、データが多すぎる結果正答率が低くなる「過学習の結果」、「赤池の情報量基準」、「逆問題を解く」、「神経回路のどの部分が学習から獲得されたものか」、「脳の特定の部位の特定の活動を、本人がわかるように視覚や聴覚で提示し、(脳を直接)変化させることを学ぶ」直接学習法、「教師つき学習」、「教師なし統計学習」、「みまね学習」、報酬と連動させる「強化学習」、「小脳内部モデル学習」、「自然な学習課題で、あらたなシナプスができる」、「フィードバック誤差学習則」、「学習動態脳」などなど。

ロボットと脳と学習と。



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