アメリカで、2008年のアマゾン・ビジネス部門第一位のベストセラーです。
最近読んだ本のなかでも、とくに興味深かったひとつです。
ダン・アリエリー著『予想どおり不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』早川書房、2008年11月20日、1800円+税
人々の選択や行動は、「予想どおり」不合理なのだ。企業は、販売や価格戦略にうまく活用している。比較をうまくつかって恋愛にも役立たせる実験結果も。あるいは、自分の判断や行動をみなおすきっかけにもなりそうです。
最初に、ひとびとは、ものごとの価値をほとんど絶対的に評価することがなく、相対的に比較して判断している事例がでてきます。おとりの比較を組み込めば、選択を簡単に誘導できる。また、最初の判断が、のちのちの判断に強く影響することも。
あるいは、同じ薬でも高く買った人のほうがよく効くなど不思議な暗示の力や、誠実な人がどんなときに不正を働くのかという実験などもあります。
また、人は興奮状態の自分の判断を予想できるのかという実験もあります。この本の実験では、性的な興奮状態のときの自分の判断の大きな変化をほとんどだれも予想できていません。
このようなさまざまな実験のなかには、教育に関するものもあります。著者は、3回提出させるレポートの期限について、クラスごとに3つのちがう条件を設定して結果の成績を比較してみます。
最初のクラスは、3つとも学期の終わりまでにだせばよい、時期は自由とします。つぎのクラスでは、自分で3つの提出期限をきめてそれまでにだしなさい、最後のクラスでは、3つの提出期限を適当な間隔で先生が指示しました。
成績は、逆の順です。期限が決められていたクラスが一番よい、自分で期限を決めたクラスがそのつぎ、自由だったクラスが最悪です。
この教育に関する実験は、教育研修を提供するわれわれにとっても、示唆をうけるところがあります。
このほかにも、なぜ人々はダイエットを継続できないのかなど、面白いテーマや実験が満載です。
ところで、この本にもパレスチナの影があります。著者はイスラエル出身の大学教授です。徴兵され軍事訓練中に全身にやけどを負い3年間の闘病の中で、ひとびとの行動の不合理さにきがつきました。
著者は、人々の「合理的な行動」を前提にした市場主義経済を批判しています。
最近読んだ本のなかでも、とくに興味深かったひとつです。
ダン・アリエリー著『予想どおり不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』早川書房、2008年11月20日、1800円+税
人々の選択や行動は、「予想どおり」不合理なのだ。企業は、販売や価格戦略にうまく活用している。比較をうまくつかって恋愛にも役立たせる実験結果も。あるいは、自分の判断や行動をみなおすきっかけにもなりそうです。
最初に、ひとびとは、ものごとの価値をほとんど絶対的に評価することがなく、相対的に比較して判断している事例がでてきます。おとりの比較を組み込めば、選択を簡単に誘導できる。また、最初の判断が、のちのちの判断に強く影響することも。
あるいは、同じ薬でも高く買った人のほうがよく効くなど不思議な暗示の力や、誠実な人がどんなときに不正を働くのかという実験などもあります。
また、人は興奮状態の自分の判断を予想できるのかという実験もあります。この本の実験では、性的な興奮状態のときの自分の判断の大きな変化をほとんどだれも予想できていません。
このようなさまざまな実験のなかには、教育に関するものもあります。著者は、3回提出させるレポートの期限について、クラスごとに3つのちがう条件を設定して結果の成績を比較してみます。
最初のクラスは、3つとも学期の終わりまでにだせばよい、時期は自由とします。つぎのクラスでは、自分で3つの提出期限をきめてそれまでにだしなさい、最後のクラスでは、3つの提出期限を適当な間隔で先生が指示しました。
成績は、逆の順です。期限が決められていたクラスが一番よい、自分で期限を決めたクラスがそのつぎ、自由だったクラスが最悪です。
この教育に関する実験は、教育研修を提供するわれわれにとっても、示唆をうけるところがあります。
このほかにも、なぜ人々はダイエットを継続できないのかなど、面白いテーマや実験が満載です。
ところで、この本にもパレスチナの影があります。著者はイスラエル出身の大学教授です。徴兵され軍事訓練中に全身にやけどを負い3年間の闘病の中で、ひとびとの行動の不合理さにきがつきました。
著者は、人々の「合理的な行動」を前提にした市場主義経済を批判しています。
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