たぶん、eラーニングビジネスはむずかしい。
たずさわる企業は、おそらく2000社にはなるでしょう。一方で、ときどきに業界上位3社に入りながら消えた企業も10社をくだらない。
なぜなのだろうか。
おそらく、当初IT系のビジネスと勘違いして参入した企業がおおかったことも理由のひとつかもしれません。機が熟する前に、個人向けに大規模に資金を投入して撤退した企業もいくつかあります。
もっとも多くのケースは、サーバーシステムのLMS(ラーニングマネージメントシステム)や「コンテンツ」を準備すればeラーニングが実施できて成功するという勘違いだったかもしれません。それでは、「つかわれないeラーニング」になってしまいます。
日本的なeラーニングに気がつかず、アメリカのものを直輸入して失敗したケースも多いように思います。
ビジネス的には、2位や3位の企業の戦略はむずかしい。1位との本質的なちがいに気がつかず、ただ量的に拡大すれば1位になれると勘違いして、無理な成長策をとって失敗することも多々あります。
ビジネスモデルとしては、LMS提供企業は、本格的なクラウドでないかぎりネットビジネスとはいえません。コース関係でも、受注して制作する会社はネットビジネスではありません。
ネットラーニングがネットビジネスとして成功している理由と、多くの有力企業が撤退した理由は、まったくちがうのでしょう。いろんなビジネスモデルで成功する可能性は無数にあると思います。
ネットラーニングのビジネスモデルについていえば、当初からクラウドであり、(LMSではなく)コースウエアの提供をビジネスとして、かつ基盤として独自の巨大なLMSを自社で構築してきたという点では、成功モデルであるとしても、強烈な理念と複雑で総合的なノウハウや大規模な資金が必要だという点では、きわめてむずかしい経営のうえに成り立っており、他社による再現は簡単ではないといえるでしょう。