eラーニングの現状と展望

ネットラーニングHD、ネットラーニング、WIWIW、Phoenix Consulting、各代表取締役 岸田徹

下流社会

2005-12-01 21:29:01 | 読書/新聞/映画など
三浦展著光文社新書のベストセラーです。サブタイトルは、「新たな階層集団の出現」。

日本社会の二極化が急速にすすむにつれて、その分析の本がいくつも出版されている。

この本は、マーケッティングの専門家が、それぞれの階層の意識を中心に分析している。

「いつかはクラウン」というトヨタの宣伝は、総中流社会を象徴していた。もう、「いつかは」レクサスという宣伝文句は使われないだろう。

あなたは、自分の階層をどのようにみていますか?

団塊ジュニアの男性は、実に48%が自分を下、または、中の下とみています。女性は、52%が中と考えている。

団塊ジュニアの男性は、79%が所得格差の拡大を実感している。そのかれらのなかで、「下」と自覚している人のほうが積極的に成果主義・能力主義を肯定し、66.7%もが賛成しているのは皮肉です。「上」の人たちの賛成は58.4%にとどまる。

所得格差の拡大は、女性のほうが強く感じているようだ。団塊ジュニア女性の「下」の人たちは、なんと93.6%が格差拡大を認識している。

やや意外に感じるのは、団塊ジュニア男性では、「下」ほど、個性や自分らしさを大切にしているとこたえていることだ。「上」では25.0%なのに、「下」では41.7%になる。
「下」の階層は、非活動的で一人でいることを好む。「下」ほど圧倒的にインターネットの活用率が高い。

この本は、おもに意識の面からの分析だが、二極化がもたらす社会現象にも注目すべきであろう。

所得を、上位から20%ずつの段階にわけて、最上位と最下位を比較した場合、その格差は、

1996年には33倍
1999年には61倍
2002年には168倍

だそうだ。