eラーニングの現状と展望

ネットラーニングHD、ネットラーニング、WIWIW、Phoenix Consulting、各代表取締役 岸田徹

坂元先生が亡くなられた

2012-05-15 06:02:03 | 読書/新聞/映画など
坂元昴先生が亡くなられた。

先生とは、何度か講演会の講師としてご一緒させていただいたこともあります。2000年のころ、300人ほどの学校の先生方にデジタル教科書のお話をさせていただいたとき、わたしは、その時期は遠くないと話しました。東京書籍の部長は、いずれくると。元文科省担当官は、そんなことはあり得ないと言い切っていたのが印象に残っています。

坂元先生のお話には驚きました。「あなた方は、教室の教育とeラーニングの関係を円で書くとこう書くでしょう。」とおっしゃいながら、ふたつ並べて別々の円を書かれた。「違うんです。」とおっしゃりながら、大きな円を書いて、そのなかのやや隅の方に4分の1くらいの小さな円を書かれた。「どっちがeラーニングですか?」先生のいたずらっぽい顔が思いだされます。

「大きい方がeラーニングなんです。集合教育はeラーニングに包摂されて行くのです。」あっと驚きました。わたしはま...ったく同じ考えだったのですが、ここまで大胆に言い切る方がおられるとは予想もしなかった。しかも、文科省にも大変影響力が大きい大御所の先生の発言です。

はじめてお会いしたこの時から、先生を心から尊敬しています。

それから5年以上たって、また、講師としてご一緒させていただいた時に、前回お会いしたことを覚えていただいただけでなく、わたしの講演内容まで覚えておられたのにはまた驚きました。講演の待ち時間の間も、先生は一刻も無駄にされず、聴講の方々や他の講師の方々の情報を研究され、いつも本質をつくすばらしいお話をされました。

先生には、eラーニング大賞の特別審査委員長も引き受けていただいておりました。

ご冥福をお祈り申し上げます。

子どもの人口、31年連続減少

2012-05-04 22:51:01 | 読書/新聞/映画など
子どもの人口が、31年も前から減り続けている。

未来にどんな社会がくるのか、気がついている人は少ない。ドラッカーの言葉です。

彼はさらに続けていう。

その未来がすでに始まっていることに気がついている人は、もっと少ないと。

人口減少も、地球温暖化も、財政破綻も、すべてすでに始まっている。

収入に不安 82.9%

2012-05-04 08:13:14 | 読書/新聞/映画など
政府の「子ども・若者白書」の草案によれば、「十分な収入が得られるか」という不安をもつ若者が82.9%にのぼる。年金への不安も、81.5%。

若者の失業率も高い。11年の20歳~24歳の失業率は、7.9%という驚くべき高さだ。実際には、10%をこえて10人に1人は、職がない状態だろう。若者の非正規雇用が多いとすれば、のこり9割の半分近くも非正規社員であるのにちがいない。

大卒でも、半数はまともに職をえられる状態にないという政府の調査結果もある。

しかも、いっそう深刻なことは、大半の人びとが深まる孤独のなかに生きていることだ。

若者から世界はどのように見えているのだろうか。この時代をいかにかえるのか。

Mutant-flu paper published

2012-05-03 14:39:52 | 読書/新聞/映画など
’Avian H5N1 influenza viruses in the wild may be one small step away from spreading effectively between mammals. That is the sobering message from a controversial study by Yoshihiro Kawaoka …'

 人の致死率が5割以上の高病原性鳥インフルエンザウイルスは、一つの遺伝子が4カ所変異するだけで哺乳類の間で空気感染するようになるという。

河岡義裕東京大医科学研究所教授らが3日付の英科学誌ネイチャー電子版で発表した。

1カ所だけ変異したウイルスは、アジアや中近東、アフリカ、ヨーロッパなどのほか、すでに国内でも見つかっている。 「インフルエンザウイルスは容易に変異を起こす。」と河岡教授は指摘している。

哺乳類の間で空気感染するようになれば、爆発的に感染がひろがる可能性がある。


生涯未婚、男性20%突破

2012-05-01 07:58:59 | 読書/新聞/映画など
政府の白書によれば、50歳男性の一度も結婚したことがない比率である生涯未婚率は、20.1%となった。

1980年には2.6%であったことを考えると、すさまじい増加だ。とくに、1990年以降の増加がはげしい。GDPがほとんど横ばいであった日本の失われた20年のあいだに、社会構造がおどろくほど深刻な変化をみせている。

未婚男性の86.3%がいずれ結婚するつもりと答えているという。独身にとどまっている理由は、「適当な相手にめぐりあわない」が46.2%、経済的理由が30.3%。

こんな時代にわれわれは生きている。

昔は、もっと貧しかった。わたしが結婚した時、しばらくテレビも買えなかった。結婚直前には、月に1回レモンを買うのと、週刊誌「漫画サンデー」を買うのが最大のぜいたくであり楽しみだった。りんご箱をテーブルの代わりにして、鍋一つで自炊していた。

高校でも大学でも、女子学生と話す機会もほとんどなかった。結婚するまで、家族以外の女性と2人だけで話した時間は、生まれてから20時間にはならなかっただろう。

そんな時代を生きてきた。

エンゲル係数が上昇

2012-04-30 22:23:45 | 読書/新聞/映画など
きょうの日経新聞電子版によれば、2011年のエンゲル係数は、23.7%となり大幅に悪化している。

わたしが子どものころは、消費支出にしめる食料費の割合であるエンゲル係数は、45%ほどもの高さだった。1969年頃には35%をわり、2005年の22.9%までさがりつづけてきた。

エンゲル係数がひくければ、それだけ食費以外にまわせる家計の余裕があり、豊かさをあらわす指標のひとつでもある。

いま、2005年以降エンゲル係数がどんどん悪化しているのは、それだけ家計が苦しくなっていることを示している。食料費はなかなか削りにくいので、その他の支出が減らされている結果でもあろう。

人口減少なのに若者の高い失業率

2012-04-26 08:21:34 | 読書/新聞/映画など
奇妙なことがおきている。

労働人口が減少しているのに、若者の失業率がきわめて高い。

「総人口の減少が始まったのは2005年からであるが、人口減少状況を年齢別に見ると、15歳から64歳までのいわゆる生産年齢人口は、既に1996年から減少に転じている。」(総務省)

もう、15年以上前から、生産年齢人口は減り続けている。

一方、総務省が1月末に発表した2011年の年齢階級別完全失業率によると、15~24歳の若年層の完全失業率は、男子は依然として9%を超える異常な高さだ。大卒でも、半分ほどがまともに仕事につけていないという統計もある。

すでに15年以上にわたって生産年齢人口が減少をつづけ、団塊の世代のリタイアで大きな戦力が消えつつあるにもかかわらず、若者の採用がすすまない。

この背景には、産業構造の転換が遅れていることがある。新興国に追い上げられている製造業にかわるグローバルな展開力をもった知識集約度の高い産業がまだ成長していない。もうひとつは、そのような新し産業で求められる人材と失業者とのミスマッチだ。

このミスマッチは、教育研修によって解決されるべき問題だ。

人口減少だからこそ人材の高度化のために教育研修が必要なのに、人口減少なのに人材の活用さえできていない。

昨日、食事をしていたファミリーレストランのとなりのテーブルで、学生風の男性2人と女性1人が、テキストを出してずっと勉強を教え合っていた。どうも経理の本らしい。「2で割ることと、2分の1は同じなんだよね。」男性が女性に教えている。みんなまじめそうな若者だ。分数計算の部分では、男性も混乱していた。悲惨というべきかもしれない。

社会は、どう責任をとることができるのか。







5月6日は、欧州のDデー

2012-04-25 17:23:07 | 読書/新聞/映画など
 「フランス大統領選挙はマーケットが嫌うオランド氏優勢のまま5月6日の決選投票へ。ギリシャ総選挙も延び延びになっていたが、やはり5月6日に予定と発表されている。ここでも、マーケットが嫌う野党が優勢だ。」(日本経済新聞)

 「フランスでもギリシャでも、マーケットは緊縮断行、財政均衡優先を求めるが、国民は失業改善、経済成長優先を求める。年金天国、若者地獄も共通する実態だ。」(同)

国家財政の破綻と企業の破綻では、その影響がまったくちがう。

国家財政の破綻では、産業界と国民とでもとめる方向がちがってくることを日経新聞は指摘している。その世論の分裂はさけられないのであり、状況をいっそう混乱させる可能性がある。

日本もおなじような方向にむかっている。





死亡率100%

2012-04-23 08:17:57 | 読書/新聞/映画など
人間は誰も死亡率100%。どきりとさせられる言葉です。

なぜ冒険をするのかと聞かれて、三浦雄一郎は、そう言っています。きょうの読売新聞朝刊の連載の中に書かれている。

ジョブスの「ハングリー」も同じだろう。禅宗に帰依したスティーブは、いつも死を見つめていた。

中世の「死の舞踏会」という絵が残っている。貴族も僧侶も騎士たちも、みな仮面をかぶって死の舞踏会。ここで踊っている人たちは、すべていなくなるのだという。

あらためて、今を生きるということを考えながらの朝食でした。

激しく店舗がいれかわる

2012-04-21 21:05:28 | 読書/新聞/映画など
会社の近くでも、住んでいる近くでも、いろんな行き先でも、はげしく店舗がいれかわっている。

久しぶりに行く店は、まだ存在しているのか、心配になることもある。

実際、きょうも、目的の店がなくなっていた。googleの地図で検索すると、まだあることになっている。しかし、だいぶ前になくなったらしい。

いまのところ、すぐに別の店がはいることも多いようだ。一方で、空家になった店舗もではじめている。

このはげしい移動は、たぶん、兆しなのだと思う。小売店も、けっこう厳しくなっていく。

そういえば、先日ふらりと新宿の不動産屋の店先でビジネス用の事務所の物件をみて驚いた。たったひとつも、賃料が記載されていない。すべて、「応相談」なのだ。理由のひとつは、既存の借り手よりも安い賃料で募集しているので記載できないということのだろう。わが社の事務所も、今回の更新でかなり賃料を下げてもらったが、実勢はもっと下落がはげしいのかもしれない。

新宿のビルをみても、空き室が多いのにおどろく。じわりと拡大している。一時的なものではなくなったようだ。

賃貸住居用の空家も413万戸(2008年総務省統計)におよぶ。事務所用だけでなく、居住用も空家が急増している。