いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

五輪の夢。 dream of olympics

2021-05-20 20:01:27 | 日記
 (1)昔、三波春夫さんが東京五輪音頭で「オリンピックの顔と顔」と唄ったが、今一面に咲いているのはコロナの変異株だ。オリンピックは何のためにやるのか、世界中から多種多様な人々が集まり平和ななかでこの世界でただ「ひとり」100メートルを9秒58(ウサイン・ボルト選手世界記録)で走る超人、究極の(ultimate)アスリート、神業(miracle)を目の当たりにすることができるのは、「五輪の夢」だろう。

 (2)コロナ変異株感染拡大の今日的事情では世界中から集まる観戦の人々は断られ、100メートルを9秒58で走る「ひとり」の超人も、多分いない、でない。高速化のマラソンも夏の大会では2時間を切ることなど別の「夢」だ。

 感染予防のためにIOCは選手全員に優先して打つワクチン接種の量を確保すると表明したが、選手からは感染事情からどうして選手(だけ)優先なのかの疑問の声もあがっている。

 (3)五輪出場アスリートは期待をもって世界中の各地から集まる人々の前で最高のパフォーマンスを披露して「夢」をかなえたいのが願望、目的だが、海外からの観戦者は断られ、その「夢」はすでにない。菅首相は「IOCがやると言っている」からと国内のコロナ感染拡大がおさまらないなかで東京五輪の開催の判断について言及しない。

 全国知事へのアンケートではこのコロナ社会のなかでの東京五輪開催に10人程度が中止すべきと答えて、他はまだわからないと答えているが、少なくとも開催すべきだとは誰も言っていない。

 (4)組織委橋本会長は「無観客オリンピックも考えなければいけない」と述べているが、五輪の「夢」から外れて誰もいないスタジアム、会場で代表選手が頑張っても多分、達成感、充実感はないだろう。近代オリンピック創立のクーベルタンは「オリンピックは参加することに意義がある」(趣旨)と説いたと言われるが、今や選ばれた超人のみが集まる世界最大のスポーツの祭典だ。

 (5)戦争のための国威発揚に使われたこともあり、今は米国TV業界のスポンサー独占化によりコマーシャリズムが幅を利かせている。「夢」のなくなった五輪は開催する意味がない。東京五輪経費は膨張して無観客開催では採算性もない。

 しかし、IOC、組織委としては聖火リレーが始まってリレーは途中で止めることはむずかしく、聖火リレーをやっておいて東京五輪は中止というわけにもいかない。東京五輪の開催の是非は聖火リレーの開始前に判断すべきことだった。

 (6)世界の超人アスリートがこれらの事情を受けて、どれだけ準備して、できているかにもかかっている。

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