いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

理想と自由のリコール。 recall of ideal and liberty

2021-05-21 20:24:03 | 日記
 (1)近年、民主主義の後退、衰退が言われているが、それはそのまま政治家、政治指導者の資質、能力の後退、衰退を意味する。政治はかっては思想、主義、理論の世界で、高い理想、理論、主義がまず語られてその実現に向かって行政、財政、政策の仕組み、制度をつくり、国民投資者(税負担)の理解のもとに利益還元として国、社会、経済、生活の成長、発展、充実を目指すのが理想だ。

 (2)それは民主主義、自由主義、資本主義と共産主義、社会主義、統制計画経済の対立世界を生んで、軍拡競争時代につながる。それでも自由、人権、成長を求める現実的人間社会は普遍的なものであり、思想理論対立政治から経済成長、生活安定、豊かさを求めて、民主主義、自由主義世界も共産主義、社会主義世界も価値観での歩み寄りをみせて民主主義、自由主義は社会保障制度の充実を掲げ、共産主義、社会主義は経済活動の自由競争市場導入により経済成長、利益を背景にした国、社会づくりと価値観の共有、いいとこどり現実社会観優先となった。

 (3)政治が理想、理論、理念から現実的経済優先に移行して、まずは国民生活安定、成長社会に根差した国民の顔色をうかがうポピュリズム(populism)が台頭して選挙に勝つためには国民の関心、意向、理解に沿う個別政策を掲げる傾向が強まる。

 ところが議員となって国民、市民全体の政治、政策、利益ということになると当然制約が出てきて、選挙戦中に主張(公約)してきたことができなくなると公然と異なる政治、政策を実施することになる。

 (4)原発反対で当選してその後原発推進に変更したり、市民特別金給付を約束して当選して議会の反対で実施できないことが起きたり、一方で支持層だけの優遇政策にこだわって他の利益を顧みず、社会規律、規範(paradigm)を崩壊して独断に走り、協調性を失うことはある。

 こうした政治、政治家は(民主主義では)選んだ有権者の責任で選挙で決着をつけるしかないが、地方政治では任期途中でも県民、市民のリコールで解職請求する制度がある。選挙と違って強制力はなく、あくまで解職請求であり判断はリコール本人によるが有権者、市民の判断は極めて重いのが民主主義だ。

 (5)愛知県で大村知事のリコール運動で集めた署名の80%に不正(選管検証)が発覚して、不正にかかわったとされるリコール運動事務局関係者4人が逮捕された。民主主義は多数意見の威力、暴力、横暴、乱用がへい害となって理解、支持を失い後退、衰退したと考えるが、理想、理論と自由、民権がはき違える今日的政治状況、事情だ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする