いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

ストレッチャー逮捕。 arrest on the stretcher

2020-05-28 20:34:26 | 日記
 (1)昨年7月の京アニメ放火殺人事件は勤務中の同社社員36人が犠牲になる痛ましい事件であったが、犯人とみられる人物もやけどを負い一時意識不明の重症と報じられて入院治療が続いていた。

 その後回復をみせて立ち上がることはできないが会話ができるようになり、京都府警は容疑者をストレッチャーのまま逮捕し大阪拘置所に収監して取り調べを行う。

 (2)通常治療中の容疑者の逮捕は、治療の回復が進み退院の見込みがたって「逃亡、証拠隠滅の恐れ」があるとして逮捕、拘束されるものだが、今回は容疑者はストレッチャーに横たわったまま(報道写真)の逮捕収監で事件ともども異例ずくめのものだった。

 専門家からは「重傷で歩けない容疑者に逃亡や証拠隠滅の可能性が現実的にあるのか疑問だ」(同)との声もあり、捜査解明を急ぐ京都府警のこの時期のストレッチャー逮捕が問題視されている。

 (3)容疑者といえども逮捕、起訴されての被告であり、それまでは人権は保障されなければならない。京都府警も容疑者の退院を待たずに逮捕する方針について、逮捕までの時間が長期化すれば容疑者の記憶が薄れる恐れがあった(報道)として異例のストレッチャー逮捕となった。

 今回の事件は、容疑者は事件数日前から京アニメ第1スタジオ周辺をガソリン缶を台車に乗せて歩く姿が防犯カメラで確認されており、同事件に関与した疑いは強く、動機解明が焦点となっていた。

 (4)京都府警としても36人の犠牲者を出した凶悪事件で容疑者を拘束してもこのまま未解明では事件の大きさに応えられないとみたか、異例のストレッチャー逮捕だ。入院中の病院での取り調べも可能であったが制約も多く、容疑者が会話できるようになり拘置所に移しての取り調べとなった。

 (5)逮捕要件の逃亡、証拠隠滅の恐れがないから退院までの回復を待つのか時間との兼合いであり、一時意識不明の重症の容疑者の回復退院までを考えたら相当長期間の逮捕時間が考えられて容疑者の意識、記憶、社会にも事件の風化が懸念されて、容疑者の会話、聴取の可能性がでた時点での逮捕、拘留による取調べは考えられることだ。

 (6)日本の刑法は報復主義をとらずに罪刑法定主義であり、事件の事実解明は必要であり、容疑者、被告の立場はよく考えられても犠牲者、被害家族の思い、苦しみには理解が進まないところはあり、考えさせられるところだ。

 

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