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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

責任転嫁の利己主義。 egoism of imputation from responsibility

2015-05-13 19:54:16 | 日記
 (1)朝鮮総連議長の次男が外為法違反(無承認輸入)の疑いで逮捕(報道)された。同議長自宅も同事件の関係先としてすでに家宅捜査を受けていた。
 そもそも日本と国交のない北朝鮮の事実上の日本代表部としての組織団体が日本国内に存在すること自体「う~ん」と思ってしまうことだが、北朝鮮による拉致被害問題、核開発問題、ミサイル威かく発射と日本との微妙な政治重要問題も抱えているとなれば、関係改善に糸口となる国内組織団体もムゲに取り除くというわけにもいかない。

 (2)日本の捜査能力も近年は問題も多く検察改革も叫ばれている中ではあるが、日本と北朝鮮との微妙な関係を考えれば証拠能力も含めて確実性の極めて高い犯罪立証であることは揺るぎのないところだ。

 同議長は「これは謀略でいずれ分かる。根拠は何もない」(報道)と日本政府、警察を強く批判しているが、容疑が固まれば北朝鮮との関係の深い組織団体の人物であろうと取り調べを受けるのは法治国家(a constitutional state)日本としては当然のことだ。

 (3)同議長自宅の捜査を理由に北朝鮮は拉致問題調査報告等の日朝政府間協議の続行に難色を示して進展はなく、今回の次男逮捕でさらに強硬姿勢に出て日本政府に圧力をかけることが十分予想される。

 拉致調査報告の協議続行はむずかしくなり遠のくことが予想される。日本側にとしては裁判を通して捜査による確実な証拠能力を理由に国内法適用性を示して、北朝鮮側に事実関係を明確にして逮捕の正当性、不退転の姿勢を示すことが大事だ。
 厳格、適正に国内法に従って対処することが日本の揺るぎのない決意と姿勢を示す機会になり、両国関係の問題解決に向けてけっしてマイナスにはならないだろう。

 (4)日本人拉致被害問題でも当時の金総書記が北朝鮮の行為であることを自ら認めながら、責任転嫁(imputation from responsibility)でその後の問題解決、同意した拉致調査報告に対しても、まるで日本側が加害者であるかのような問題すり替えによる一方的で非協力的な問題解決を先送りしている。

 今回の朝鮮総連議長の次男によるとみられる不法取引容疑に対しても、そもそも国交のない日本国内での北朝鮮と関係の深い組織団体関係者に対しての警察の捜査逮捕に国家として横ヤリを入れる権利も関係もない中での、まるで被害者意識で国家による弾圧行為であるかのような北朝鮮のあつかましさ、利己主義(egoism)ばかりがみてとれる。

 (5)とはいえ、これで懸案の日本人拉致被害者の再調査報告問題の協議は、一方的な北朝鮮側の利己、都合主義で問題解決の糸口は遠のいたとみるのは致し方のないところだ。
 北朝鮮は核開発の推進で唯一の後ろ盾の中国の反発を買って関係も良好ではなく、孤立打開のために日本に接近して課題懸案事項の話し合い協議再開に転じて拉致調査報告にも前向きな姿勢を示してきたが、国交のない日本国内における代表窓口としての朝鮮総連の存在の不自然さが露呈して問題解決を複雑にしている。

 (6)ここは北朝鮮の反発に対して日本政府、警察は民主主義法治国家として厳格な法律上、裁判上、証拠事実にもとづいた正当な判断、対応処置を示して、筋を通した当然の責任履行を求めることが肝要だ。

 その決意のもとにそのうえで北朝鮮が約束した拉致調査報告に対しても当然の履行を強く求めていく姿勢が必要だ。
 これまでのように日本と北朝鮮、被害者と加害者の立場がまるで逆転しているかのような責任転嫁の連鎖を断ち切る強さが日本には求められている。

 

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