(1)英国下院総選挙戦中にウィリアムズ王子と妻キャサリンさんに長女(第2子)が誕生して、今回の下院総選挙の思わぬドラスティックな展開とあわせて英国が注目された5月だ。
英国の下院総選挙がなぜこれほど日本のメディアに注目されるのか、もっと丁寧な説明がほしかったが、日本のメディアが世界のどんな問題にも深く首を突っ込んで(メディアの使命でもあるが)興味本位で取り上げるのかといぶかしくも思っていた。
(2)英国政界は保守党と労働党の2大政党体制でこれまで政権を交互に担当してきた。現在の保守党連立政権は大企業、富裕層に有利な法人税引き下げ、付加価値税(消費税)引き上げ政策を実施して経済成長を実現し、不公平負担に反発してEU離脱も視野(17年末に国民投票実施)に入れた政策を推進している。
今回の総選挙では1党だけで過半数をとることはむずかしい(確実)との大方の予想に反して、保守党が前回の302議席から331議席に躍進(報道)して過半数を獲得して連立を解消して保守党単独政権となる。
(3)一方で昨年9月の英国連邦からの独立(independence)を巡る住民投票(結果は否定多数)で話題になったスコットランドの国民党は6議席から56議席と大躍進して、一気に2大政党に続く第3党につけた。
その分それまでスコットランドで支持の高かった(報道)労働党は全体で24議席減らす敗北に終わった。
(4)英国民は保守党主導の経済成長路線の継続支持の中で、EU体制への協力支援には懐疑的な見方を募(つの)らせて、パラドックス(paradox)としてスコットランドでは英連邦からの独立を目指して独自にEU体制と接近する「二つの政治的流れ」がそれぞれに支持された結果といえる。
ちょっと日本の政治状況と似たところがあって、安倍政権の大企業、富裕層優遇(大胆な金融緩和、法人税引き下げ)政策による企業業績の回復、株高経済回復基調に対するひとり安倍内閣、自民党の支持率の高さに、政権批判の受け皿のない支持層が共産党に向けられて堅調を維持しているのと同じだ。
(5)保守党が単独過半数を獲得したことでEU離脱が現実味を帯びてきて、これが英国に進出する日本企業にとっては不利に働くと見られていることが今回の英国総選挙への日本からの注目度(the center of attention of english general election from japan)だ。
もともとEUはヨーロッパ大陸の仏、独が主導的役割を果たして、英国はどちらかといえばこれまで一定の距離を置いてきた。ギリシャ、イタリアの経済危機、破たんに対するEUの協力支援策に対しては、債務国ギリシャが応分の緊縮政策責任に従わないなどEU内の不公平負担の声も聞かれて結束の乱れもみられる。
(6)英国が仮にEU離脱ということになれば、EUにとっても大きな痛手で壮大な政治、経済、平和の実験場もその存在意義が問われることになる。EUの分裂を加速させる要因となる。
国内的にはスコットランドの英連邦からの独立機運もさらに高まり、同じ問題、課題を抱えるスペインにも影響を及ぼす可能性は高い。
(7)今回の英国下院総選挙の保守党単独過半数獲得の勝利、スコットランド国民党の第3党への大躍進結果は英連邦、EUの政治的、経済的体制の「変化」につながるダイナミズム(dynamism)となるものだけに、世界にとっても日本にとっても無関心ではいられない結果となった。
英国の下院総選挙がなぜこれほど日本のメディアに注目されるのか、もっと丁寧な説明がほしかったが、日本のメディアが世界のどんな問題にも深く首を突っ込んで(メディアの使命でもあるが)興味本位で取り上げるのかといぶかしくも思っていた。
(2)英国政界は保守党と労働党の2大政党体制でこれまで政権を交互に担当してきた。現在の保守党連立政権は大企業、富裕層に有利な法人税引き下げ、付加価値税(消費税)引き上げ政策を実施して経済成長を実現し、不公平負担に反発してEU離脱も視野(17年末に国民投票実施)に入れた政策を推進している。
今回の総選挙では1党だけで過半数をとることはむずかしい(確実)との大方の予想に反して、保守党が前回の302議席から331議席に躍進(報道)して過半数を獲得して連立を解消して保守党単独政権となる。
(3)一方で昨年9月の英国連邦からの独立(independence)を巡る住民投票(結果は否定多数)で話題になったスコットランドの国民党は6議席から56議席と大躍進して、一気に2大政党に続く第3党につけた。
その分それまでスコットランドで支持の高かった(報道)労働党は全体で24議席減らす敗北に終わった。
(4)英国民は保守党主導の経済成長路線の継続支持の中で、EU体制への協力支援には懐疑的な見方を募(つの)らせて、パラドックス(paradox)としてスコットランドでは英連邦からの独立を目指して独自にEU体制と接近する「二つの政治的流れ」がそれぞれに支持された結果といえる。
ちょっと日本の政治状況と似たところがあって、安倍政権の大企業、富裕層優遇(大胆な金融緩和、法人税引き下げ)政策による企業業績の回復、株高経済回復基調に対するひとり安倍内閣、自民党の支持率の高さに、政権批判の受け皿のない支持層が共産党に向けられて堅調を維持しているのと同じだ。
(5)保守党が単独過半数を獲得したことでEU離脱が現実味を帯びてきて、これが英国に進出する日本企業にとっては不利に働くと見られていることが今回の英国総選挙への日本からの注目度(the center of attention of english general election from japan)だ。
もともとEUはヨーロッパ大陸の仏、独が主導的役割を果たして、英国はどちらかといえばこれまで一定の距離を置いてきた。ギリシャ、イタリアの経済危機、破たんに対するEUの協力支援策に対しては、債務国ギリシャが応分の緊縮政策責任に従わないなどEU内の不公平負担の声も聞かれて結束の乱れもみられる。
(6)英国が仮にEU離脱ということになれば、EUにとっても大きな痛手で壮大な政治、経済、平和の実験場もその存在意義が問われることになる。EUの分裂を加速させる要因となる。
国内的にはスコットランドの英連邦からの独立機運もさらに高まり、同じ問題、課題を抱えるスペインにも影響を及ぼす可能性は高い。
(7)今回の英国下院総選挙の保守党単独過半数獲得の勝利、スコットランド国民党の第3党への大躍進結果は英連邦、EUの政治的、経済的体制の「変化」につながるダイナミズム(dynamism)となるものだけに、世界にとっても日本にとっても無関心ではいられない結果となった。