(1)音楽にも「良識(good sense)」はある。音楽の中にそれを求めてもわかるものでもなく、「その音楽家」が提供する音楽の中にこそ良識は見い出せるものだ。
「スタンド・バイ・ミー」のベン・E・キングさん(76)、「ブルースの王様」B・B・キングさん(89)とまさしく音楽の「良識」、正当派、神髄というべき「両キング」、巨匠音楽家が相次いで亡くなった。
時代が大きな転換点に差し掛かっているという証しだ。
(2)そうでなくとも1962年にロック音楽史をまったく書き換えた歴史的ビートルズでさえ、すでにジョン・レノン、ジョージ・ハリスンさんはいない。
ビートルズ以後の世界の音楽界はわずかな波は見られても、すべてのジャンルにわたって低迷が続き、「良識」が見い出せないでいる。
ビートルズとして歴史をつくり、今も世界的に活躍するポール・マッカートニーさん(72)はわずかにその音楽的良識を今も代表する存在として一目置かれているのだ。
(3)マッカートニーさんに強烈な個性(intense personality)はあるのかといえば、存在そのものが大きいゆえにむずかしいところだが、むしろ世界のロック音楽史を歴史的に変えたビートルズとしてはジョン・レノン、ジョージ・ハリスンさんに強烈な個性を見出すことができる。
マッカートニーさんはビートルズの継続にこだわったといわれてその後もバンド志向は変わらずに、一方レノン、ハリスンさんは強烈な個性を発揮してバンド・ビートルズに収まらずに、ソリストとして活躍の場を求めた。
(4)「ピース・アンド・ラブ」社会思想や「バングラディシュ支援」の社会運動で存在感(identity)を高めていった個性だ。歴史的ビートルズを離れても活動に音楽に良識を見出せるものだった。
最近のブランニュー(brand new)なロック音楽をラジオ番組で聞いたが、ハチャメチャで奇をてらったものが主流で、ないしはビートルズ音楽をほうふつとさせるまがいもの音楽ばかりで、パーソナリティはすばらしいと言っていたが良識が感じられずにまったくつまらないものであった。
(5)冒頭のような巨匠、歴史的ビートルズが活躍する間に後継音楽家が育たない環境は音楽の宿命でもある。大きな山はさん然として輝き、独自の世界観を漂わせて追随を許さないところがある。だからキングでもある。
ビートルズのようにロック音楽の中心軸を米国から英国へ、プレスリーからビートルズへ一挙に変えるダイナミズム(dynamism)は歴史的業績だ。
(6)ビートルズが去って45年、今また音楽の良識というべき巨匠(king)が去って大きな空白を生んでいる。音楽も「良識」に戻る必要がある。
もちろん冒頭で述べたように音楽のコンテンツの中に良識を求めてもむずかしく、「その音楽家」の中にこそ良識を見出すものだ。
後継者を育てるということも巨匠、先達の役割でもある。
(7)音楽の世界でもその使命からのがれることなく、半世紀を託せる音楽、音楽家を発掘、育てる必要がある。日本の音楽事情も同じで、かって一時代を築いた60代の音楽家の存在感が比較高まっている。
その音楽家の中には後継者育成に尽力する姿勢、活動もみられるが、経済界の後継育成のダイナミズムが音楽界にも求められている。
「スタンド・バイ・ミー」のベン・E・キングさん(76)、「ブルースの王様」B・B・キングさん(89)とまさしく音楽の「良識」、正当派、神髄というべき「両キング」、巨匠音楽家が相次いで亡くなった。
時代が大きな転換点に差し掛かっているという証しだ。
(2)そうでなくとも1962年にロック音楽史をまったく書き換えた歴史的ビートルズでさえ、すでにジョン・レノン、ジョージ・ハリスンさんはいない。
ビートルズ以後の世界の音楽界はわずかな波は見られても、すべてのジャンルにわたって低迷が続き、「良識」が見い出せないでいる。
ビートルズとして歴史をつくり、今も世界的に活躍するポール・マッカートニーさん(72)はわずかにその音楽的良識を今も代表する存在として一目置かれているのだ。
(3)マッカートニーさんに強烈な個性(intense personality)はあるのかといえば、存在そのものが大きいゆえにむずかしいところだが、むしろ世界のロック音楽史を歴史的に変えたビートルズとしてはジョン・レノン、ジョージ・ハリスンさんに強烈な個性を見出すことができる。
マッカートニーさんはビートルズの継続にこだわったといわれてその後もバンド志向は変わらずに、一方レノン、ハリスンさんは強烈な個性を発揮してバンド・ビートルズに収まらずに、ソリストとして活躍の場を求めた。
(4)「ピース・アンド・ラブ」社会思想や「バングラディシュ支援」の社会運動で存在感(identity)を高めていった個性だ。歴史的ビートルズを離れても活動に音楽に良識を見出せるものだった。
最近のブランニュー(brand new)なロック音楽をラジオ番組で聞いたが、ハチャメチャで奇をてらったものが主流で、ないしはビートルズ音楽をほうふつとさせるまがいもの音楽ばかりで、パーソナリティはすばらしいと言っていたが良識が感じられずにまったくつまらないものであった。
(5)冒頭のような巨匠、歴史的ビートルズが活躍する間に後継音楽家が育たない環境は音楽の宿命でもある。大きな山はさん然として輝き、独自の世界観を漂わせて追随を許さないところがある。だからキングでもある。
ビートルズのようにロック音楽の中心軸を米国から英国へ、プレスリーからビートルズへ一挙に変えるダイナミズム(dynamism)は歴史的業績だ。
(6)ビートルズが去って45年、今また音楽の良識というべき巨匠(king)が去って大きな空白を生んでいる。音楽も「良識」に戻る必要がある。
もちろん冒頭で述べたように音楽のコンテンツの中に良識を求めてもむずかしく、「その音楽家」の中にこそ良識を見出すものだ。
後継者を育てるということも巨匠、先達の役割でもある。
(7)音楽の世界でもその使命からのがれることなく、半世紀を託せる音楽、音楽家を発掘、育てる必要がある。日本の音楽事情も同じで、かって一時代を築いた60代の音楽家の存在感が比較高まっている。
その音楽家の中には後継者育成に尽力する姿勢、活動もみられるが、経済界の後継育成のダイナミズムが音楽界にも求められている。