いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

沖縄独立論。 independent theory of okinawa

2015-05-12 19:55:23 | 日記
 (1)翁長沖縄県知事が単身、独自に訪米して(報道)米国政府関係者と会談して、普天間飛行場の辺野古移設に反対する姿勢を示すことになった。4月末の安倍首相の訪米ではオバマ大統領との日米首脳会談で辺野古移設が唯一の解決策と確認したばかりの当の地元沖縄県知事によるこれに反対する表明だ。

 米国からすれば日本の二重外交に等しいもので、当然米国にとっても沖縄の反対は周知のことではあるが、面と向かって安倍首相の唯一の解決策表明のそのすぐ後の地元沖縄県知事の反対表明には日本外交の不統一性、ぜい弱性に懸念を示されることにはなるだろう。

 (2)それほどこれまでの翁長知事と官房長官、安倍首相、防衛相(会談順番)との度重なる会談でのまったく双方に歩み寄りがみられない決裂状態の辺野古移設問題だ。
 沖縄には一部知識人を中心に「琉球独立論」(independent theory of ryukyu)が根強くある。

 そもそも琉球独立王朝時代に日本が併合して誕生した日本の沖縄だ。しかも軍事政権が引き起こした世界大戦の結果、1945年以後米国(米軍)により占領支配されて日本の統治(governance)を離れて72年にようやく再び日本への沖縄返還が実現した苦い歴史を持つ。

 (3)沖縄返還では日米密約で日本の政策原則をなし崩しにした過度の負担を押し付けられて駐留米軍基地の70%以上が沖縄に集中して、地位協定により現在でも米軍による実質治外法権(extraterritorial jurisdiction)化されて屈辱の歴史のままだ。

 2013年に「琉球民族独立総合研究学会」が設立されて、「琉球民族が独立することを前提に、その実現に必要な研究、討論、人材育成を行う」学会(報道)だ。
 冒頭のような日本国内にありながら外交、軍事戦略の基本的考え方で、政府と沖縄が真っ向から対立して譲らない状況をみれば、そして沖縄知事が日本政府の外交、軍事方針に反して直接米国に乗り込んで米国政府関係者に辺野古移設に反対表明を示すとなれば、もう沖縄の独立論が出てきてもおかしくはない一体性のなさだ。

 (4)現実的には国内法手続きに独立基盤、経済力のぜい弱さに、尖閣諸島領有権で対立する中国の干渉もあって見通しもなく(中国の勢力圏に糾合されることが前提なら話は別だが)、沖縄からの本土(国民意識も含めた)に対する不信のあらわれ方でもある。

 世論調査では国民の過半数が沖縄に米軍基地の70%以上が集中するのはやむを得ないと答えている。

 (5)沖縄の救いようもない国民意識だ。沖縄の悲願である米軍基地の県外移設による応分の負担がこれまで米国(米軍)から問題にされないのは、国民一体となった反対運動がみられない結果でもある。

 辺野古移設に際しては、前沖縄県知事の埋め立て許認可で政府の強制執行のような強硬策は避けられたが、今後は政府と沖縄との真っ向対立の影響がどう展開するのか見通しもなく、地元での沖縄独立論の理論的機運にも関心が集まる。
 本土の立地自治体の原発再稼働問題の議論にも影響を与えかねない理念、問題だ。

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