いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

安保法制の報道。 nhk news of security legislation

2015-05-27 19:54:43 | 日記
 (1)昨日、安保法制(security legislation)案の衆院本会議での政府による趣旨説明に各党の代表質問があった。本格的論戦は本日からの衆院平和安全法制特別委員会での質疑からだが、衆院本会議での政府による趣旨説明は法案審議の導入部として政府の考え、意図、目的を述べる「表紙」となるものだけに、確かに形がい化した言いっぱなしのむなしい論戦舞台ではあるけれどそれなりに意味もある。

 ことがこれまでの平和憲法にもとづく日本の安保政策を大転換して自衛隊を海外の同盟国の戦闘地域に派遣しようという安保法制案の注目の国会審議となれば、直接国民の生命と安全、平和にかかわる重大な政治課題であるだけにNHKが衆院本会議審議を中継するものと思っていたら番組表にはなかった。

 (2)それが本日の新聞でも取り上げられて、「(本会議は)原則として首相の施政方針演説などの政府演説と代表質問がある場合」(報道)のみTV中継するとのNHK広報局の話がのっていた。

 国民から受信料を徴収しておいて、その国民の生命、安全、平和にかかわる重大問題の国会審議を原則論を盾に中継しないというNHKの報道姿勢には搾取的な欺瞞(ぎまん)性(deceptiveness)を感じる。

 (3)安保法制案は新聞に条文全文がのっていたが11法案の膨大な条文はとてもすべて読んで理解せよという方が無理というもので、ちょうど保険の約款を見るようで最初から気力をそがれるようなやり方だ。

 大転換の重要な10法案をひとからげ1本にして、もう1法案の11法案を同時に国会に提出するやり方が問題をあいまいにしたまま目的を達成しようという政府の意図が透けて見えるものだ。

 (4)せめて国民受信料媒体のNHKとしては問題の重要性、重大性を国民に周知、喚起するために全国会審議をあますところなく中継し報道すべきだった。
 本日の新聞記事でもその昨日の衆院本会議は9割の議員が出席して(国民の負託に応える少しも高い出席率とは思わないが)政府の趣旨説明、各党の代表質問に対して激しいヤジ、笑いなどが相次いで議長が注意を促す場面もあったという緊張感もなく、仕舞にはかなりの出席議員が途中退席してしまうという有り様だったようだ。

 (5)国会全体として真面目に安保法制案、国民の生命、安全、平和に取り組もうという姿勢は最初から垣間見えないものであった印象だ。
 安倍首相は日本が集団的自衛権の行使で自衛隊を同盟国の戦闘に参加させること、意欲、意思が「抑止力(suppressible power)」になるといい、野党、国民は自衛隊員のリスクが格段に高まり、生命の危険、敵対国の標的危険になる確率が増すと主張する。

 (6)自衛隊の他国の領海、領域での戦闘に巻き込まれる可能性も問題となり、かっての日本のアジア植民地占領支配への反省はどうなっているのか。
 安倍首相は今夏までの安保法制案の成立を目指しているが、今夏の「戦後70年談話」の行方とあわせて国民的関心、議論の格段の喚起、高まりが必要だ。

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