いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

日常と非日常。 daily and anti daily

2015-05-22 19:49:27 | 日記
 (1)航空機というのは他の乗り物、自動車、バス、鉄道などに比べて安全性は各段に高い。ただし、地上で人間生活空間と区分された軌道空間を持つ自動車などに比べて人間生活の上空間を自由に飛行して、ひとたび事故を起こすと生命の安全保障の確率は他の乗り物に比べて格段に低く、民間航空機の事故では1度の事故で1自治体の自動車事故死の半年分相当の被害者を出すこともある。

 米海兵隊の垂直離着陸輸送機オスプレイ(OSPRAY)MV22が、ハワイ・オアフ島で飛行訓練中に墜落事故を引き起こし多数の死傷者が出た。

 (2)同型オスプレイは沖縄普天間飛行場に多数機配備されており、別機種オスプレイ(CV22)が米軍横田基地に配備されることが発表された直後のオスプレイ事故だった。
 残酷なもの言いだが航空機ほか乗り物に事故はつきもので、しかも戦争、戦闘行為を目的、使命とする米軍にとっては事故であろうと戦闘行為中であろうと(なおさらに戦争行為中なら)いつも生命の危険をさまよっている宿命であり、MV22オスプレイの重大事故発生率が1.93(報道)で米軍海兵隊平均事故率2.45(沖縄配備の米軍機の72年5月本土復帰から14年12月までの事故650件、うち墜落事故45件ー報道)を下回っているとなればまったく意に介さないようにみえるのも米軍の立場からみれば致し方のないところか。

 (3)そういう米軍特殊事情論理から「安全性にまったく問題ない」と一方的に言われて日本政府はオスプレイの日本配備を見直す考えもないし、自衛隊配備も検討中だ。
 安全環境を徹底的に確保設定して飛行する民間航空機と安全でない危険性の高いところにこそ飛行する軍用機では飛行危険度、事故発生率の違いがあるのは当然であるが、だからこそパラドックス(paradoxs)として日本の上空域を自由、勝手に危険を日常に抱えた、承知のうえの米軍オスプレイが飛行することの危うさ、一方通行の安全保障の問題が指摘される。

 (4)沖縄はじめ横田基地周辺自治体、自衛隊が19年度までオスプレイ17機を配備する計画の佐賀市(報道)からは不安と反対抗議の声があがっている。
 ヘリコプターの垂直離着陸機能を有し、上空では航空機のように高速で飛行するオスプレイは、場所を選ばずに高機能性を有して目的度の高い有能性を持つ輸送機だ。

 一方で事故原因の究明に対しては米軍事機密性の高い障壁があって、情報開示は十分ではない。

 (5)戦闘、戦争行為を有しない日本の日常(daily)の中でのオスプレイ配備に対するジレンマ(dilemma)は、米軍の「日常」と日本の「非日常(anti daily)」の安全感覚の違いの混在にある。

 情報開示が十分でない、あるいはまったくないオスプレイの安全性は極めて危険だ。

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