いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

国民改革が先だ。 the priority is national innovation

2015-05-15 19:54:35 | 日記
 (1)安倍政権が10本ひとまとめにプラス1本の安保法制を閣議決定して、今日国会に提出した。問題点はこれまでも書いてきたが、これを受ける野党も含めてメディアも一斉に国会での「徹底議論を」、「責任ある論戦が必要」、「十分な納得できる説明を首相に求めていく」との言葉がヒステリック(hysteric)に躍っている。

 平和憲法精神を勝手に解釈変更して戦後日本の安全保障政策の大転換をはかる安保法制整備だから当然のことであるが、果たしてそうなるのだろうか。

 (2)野党はもちろんのことメディア、識者からも問題指摘、批判の多い安倍政権の安保法制を国民の多くが反対するか、よくわからない(世論調査)中で国会に提出して丁寧な説明をして理解を求めるという安倍政権の内閣支持率が51%と比較高い中での国会論戦だ。

 一昨年の特定秘密保護法成立、昨年の集団的自衛権の行使容認の閣議決定でも、国民の過半数の反対(世論調査)の中でそのうち国民に十分説明して理解を求めると安倍首相はくり返しながら、その間の国政選挙の争点にもせずに一向にその気配さえみせず安保法制の国会提出だ。

 (3)国民に丁寧に説明し理解を求める努力をするという安倍首相の約束など、今では本人以外(本人も口ほどにもなくそうする意思はないだろう)誰も信用などできない、しない中での内閣支持率の比較高さというパラドックス(paradox)政治だ。

 国会論戦はこれまでのように安倍首相、政府側と野党側がそれぞれの立場、理念、政策からの主張をくり返すだけの平行線論議、凡戦で終わるのではないのか。
 元閣僚の中には「言ってもわからないもには、言ってもわからない」と公言するものもいる始末だ。安倍政治の国会対応の核心でもある。

 (4)岡田民主党代表は政策面での違いを主張して政府、安保法制を追求する意向を示しているが、確かに閣議決定翌日に国会提出して来週から国会審議(野党は説明時間が必要と拒否)といういつもの安倍政治の性急な審議スタイルではあるが、これまでの与党間協議で議論の方向性はわかっているわけだから今更性急とはいえ準備時間が足りないもない。

 受けて立つ野党に追求の迫力が見えないし、あきらかに論客(controversialist)不足だ。

 (5)かっての野党には政策理念に疑問はあっても、当時社会党の石橋委員長のように非武装中立論の対抗策を掲げて堂々と政策理念で政府答弁の矛盾を引き出してはたびたび国会審議を中断する激しく政府を追及する迫力があった。
 今の野党にそんな論客、政策理念、対抗策は見当たらない不幸だ。

 野党が問題にしなければならないのは、そんな政治状況のなかでも安倍内閣の支持率が51%と比較高い国民意識の方だ。

 (6)国民意識を変えなければ、今の安倍内閣の独走政治を変えることなど出来ない。政治、社会問題よりも自分の生活事情が最優先の小市民的国民(the petite bourgeoisie)意識が日本の政治をナショナリズムに走らせている。

 米国にしても日本のナショナリズム台頭に警戒感はあり、その払しょくが米国政権交代を控えた4月末の安倍訪米、協力表明だった。

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