いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

TOEFL大学教育改革。 TOEFL innovation of educational systems in univ.

2013-03-24 19:31:45 | 日記
 (1)日本はここ10年間は米国に次いでノーベル賞授賞者を多く輩出している教育研究立国だが、大学教育となると民間評価機関の評価とはいえ世界大学ランキングでも東大が20位台にようやく登場する程度で評価が極めて低い。

 国の教育投資の低さとともに、大学生の学修時間の低さが伝えられて評価は一向に向上しない。大学の国際化の中でも日本の大学への留学生の数の低さ、関心の低さが問題にもなって、東大が秋入学制度を打ち出して大学教育のグローバル化、留学生の確保に取り組んでいる。

 (2)政府、与党も教育制度改革(innovation of educational systems)に前向きで、検討会を立ち上げて6.3.3.4年制の見直し制度改革に取り組んでいる。
 インターネットの成熟社会を迎えて知識、能力習得の機会が多様化して、現行の教育制度が人間の発達プロセスに適正に対応しているのかも含めての全面的な教育制度見直し改革を目指している。

 (3)自民党の教育再生実行本部が教育改革第1次提言として、国際社会で活躍する人材の育成を目指して大学の受験と卒業にTOEFL(英語能力試験)の活用を求めた。
 政治、経済、社会のグローバル化時代、社会の中でコミュニケーション英語を自由に使えることは優位な条件ではある。

 その修得の仕方、方法(method)は今までも教育の基礎要件として検討、試行錯誤されてきたが、効果をあげてきたとはいえない。

 (4)大学一般教育でも、実用口語英語(oral communication)の必要性を強調するものもいれば、やはり基礎、基本文法英語(grammar english)の大切さを唱えるものもいて一律ではない。

 「言葉」というものは、生まれ育った生活環境の中で自然に耳から入ってくる日常語シグナルの中で身につくものだから、成人であればその国に2年も生活すればほとんど習熟することは可能だ。
 語学教育を知識(欲)、考える力、開発能力のトレーニングとして活用するならいざ知らず、国際社会で活躍するための技術方法論として大学の受験、卒業要件とする改革論は大学の国際社会からの評価を上げることにはならないだろう。

 (5)制度改革に特化した大学教育改革は教育の本質論ではなくて、技術論、結果至上主義に終始して現状肯定を改革することにはならない。
 大学教育全般の日常の中に英語を取り入れて、日本語でも英語でも「モノ」を考え、知識をつくりだす教育環境整備が大事だ。
 言語を通じて考え出すこと、思慮、思索が肝要で、英語に関していうなら少々間違っていても使い続けるその習慣が大切だ。

 「結果」を求める政府与党の大学教育改革のスタート方向性は、教育の本質論から外れてすでに見直しが必要だ。
 

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