いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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米国の「貸し」優位論。 dominant theory of lending by u.s.a

2013-03-21 19:57:10 | 日記
 (1)日本政府がTPP交渉参加を表明した途端に、米国内からは日本に対する注文、要求が高らかに次から次と上がってきている。自動車、農業をはじめ特許権、知的財産、医薬、保険と厳しい規制緩和を求める声が続き、日米同盟強化の中で日本政府が聖域なき関税撤廃を前提としない「引き分け(draw)」論に持ち込めるのか、タフ(tough)な交渉が待ち受ける。

 日本国民の選択肢の多様性を確保することが求められて、①守ることによって産業成長力、国益を維持できるものと、②開放、規制緩和で産業の国際競争力が整備、強化されるものとの選択、判断、交渉を間違わないことが大切だ。

 (2)唯一の覇権国家を自認する米国は、国内経済の再生、活性化をTPPほか外国市場開放に求めて、とりわけ中国市場への参入を視野にまずは日本市場の開放を強く求めてくるだろう。
 米国は72年の沖縄返還で日本に「貸し(lending)」をつくり、日米安保、同盟関係、核抑止と引き換えにその実、実を取って沖縄を中国をはじめ台頭するアジア圏への抑止戦略基地として治外法権化して、戦略上したたかだ。

 国民の反対を無視して訓練飛行に問題のあったオスプレイを普天間飛行場に強硬配備して、ある時は事前通告もなく日本各地の上空で訓練飛行をくり返している。軍事機密、協力を盾に日本を自在に利用している実態だ。

 (3)米国は国家財政強制削減(緊縮財政)事態発生で国防予算も制限されて、駐留米軍の再編(一部グアム移転)も4~5年先送り、紛争地への地上部隊派遣も行わない方針だ。
 日米安保、軍事同盟関係の中で日本有事の際の米国、米軍支援の精度について、その保障は確固たるものはない。

 尖閣諸島領有権問題も、米国は当事国間の話し合いに期待する方針を示しており、長期化、直接軍事行動化(中国のレーダー照射事件)を受けてようやく尖閣有事を想定した日米共同作戦計画の策定協議を進める方針(報道)を示した。中国の反発も予想されて、事態は深刻化するばかりだ。

 (4)安倍政権は、沖縄駐留米軍の抑止作戦一体性を前提に普天間飛行場の県外移設を否定しており、日米合意に基づく辺野古沖移設に向けた地元漁協と同湾内埋め立て同意の上、沖縄振興策とセットの県知事への埋め立て申請に着手する方針だ。

 日米合意に基づく米国、米軍の意向に沿った政府方針だが、根底には日本政府、国民に配慮を見せているようで、いまだ米国の「貸し」に対する優位性、おごり、したたかさだ。

 (5)前民主党政権のアジア共同体構想、駐留米軍基地の県外、国外移設方針に対する問題外の拒否姿勢で示した日本に対する米国の「貸し」優位論(dominant theory of lending by u.s.a)だ。
 米国と対峙するならいざ知らず、同盟関係強化の中での米国の「貸し」優位論は日本の選択肢を強度に支配し続ける。

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