いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

1.998倍。 difference of vote value

2013-03-29 20:12:06 | 日記
 (1)相次ぐ1票の格差(difference of vote value)違憲判決を受けて、政府の衆院選挙区画定審議会が前国会で法制化された衆院小選挙区の「0増5減」を基本にさらに全国42選挙区内の区割りを見直し(町単位ごとあっちこっちにくら替え編成替え)て、何とか数値上最高裁が合憲許容範囲としたギリギリの格差1.998倍にした改定案を安倍首相に勧告した。

 技術的、算定術上の区割り改定案ではあるが、それでもそれで区割りが確定すれば国民全体の奉仕者(public servant)としての国会議員の選出、選択に対する国民の権利行使、判断価値の平等性は何とか最高裁がいう合憲許容範囲ということになる。
 一部今までとは違う選挙区に変更された住民からは馴染みがないとか候補者を知らないとかの不満の声もあるが、個人的、地域的、職域的な利害関係、つながり、これまで支持してきた候補者との関係よりも、国民全体の奉仕者としての国会議員の選出、選択への機会見直しになってもいいのではないのか。

 (2)ただし、技術的、数理学上のつじつま合わせの1.998倍では人口流出入現象による変動には対応できずに、おっつけ違憲選挙に戻ることは自明のことだ。また、一時検討されて国際的には年令引き下げが主流の選挙権行使年令の18才への引き下げなどの要因が出てくれば、全面的な選挙制度の見直しも必要となってくる。

 現在1億2千万人の国民人口も少子高年令化がこのまま続けば近未来的には国民人口8千万人時代を迎える中で、国の政治、行政を担う国会議員のふさわしい定数について技術的、数理学上の「数合わせ」でない本格的に検証、検討すべきことだ。

 (3)現在、国会議員の定数は衆議院480名、参議院242名となっており、「数」の多さはねじれ国会での党利党略にばかり使われてその個人的能力、資質の発揮する場所、場面もなくて、ただ「数合わせ(win by numbers)」の要員(勢力)という弊害ばかりが目につく不幸な国会状況だ。

 現在、衆議院小選挙区は47都道府県で300選挙区あるが、異常な多さだ。選挙制度(小選挙区比例代表制、中選挙区制など)の選択によって選挙区は変動するが、議員の総数、既得権益には影響を与えない対応をとられてきた。

 (4)国会議員は個人的、地域的、職域的利害代表者ではない、国民全体の奉仕者としての役割、権能を基本とした47都道府県にとらわれない選挙区割り、定数の見直しの中で、現在の「半減」程度、目安でこそ十分効果的、実能的に機能するレベルのものだ。
 
 1千兆円を超える累積国家財政赤字解消に向けたその心意気だけでも、議員報酬の削減効果も示す機会でもある。

 (5)そしてもうひとつ、近年の投票率の低さ(low rate of vote)は政治の低迷、議員の資質にも大いに原因はあるが、人口比率による1票の格差を問題にするならば、当然それに「実効的」に影響、不平等結果を与える「投票率の低さ」にも照準を合わせるべきだ。

 国会議員の多さと投票率の低さは国民意識、感情、精神性として関係効果はあるものだ。

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