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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

TPP交渉国の均衡論。 counter balance in TPP negotiating nations

2013-03-14 19:57:30 | 日記
 (1)与党自民党が13日にTPP交渉参加を容認する決議を行い、これを受けて安倍首相が明日15日に正式にTPP交渉参加を表明する。
 2月の訪米の首脳会談でオバマ大統領は、聖域なき関税の撤廃問題については今後のTPP交渉参加国間の交渉、議論の中で決まるというごく当たり前のディベート(debate)論証手法を述べたまでだが、安倍首相は都合よく日本の交渉参加への前提条件とする立場、主張が認められたと解釈してその成果を強調した。

 これを議論してきた自民党TPP対策委員会は関税聖域除外論(exclude sanctuary from customs)を「目標」とするあいまいな表現にとどめて、安倍首相にフリーハンド権を持たせた格好で前民主党政権のゴタゴタとは際立った党内調整、対応の違いをみせつけて、TPP交渉参加にまい進することとした。

 (2)TPP拡大交渉会合はすでに最終盤に入ったと言われて、3月4日からシンガポールで開かれた同会議の議長を務めた首席交渉官は「新規参加国はわれわれが到達した勢いを保たなければならない」(報道)とこれまでの交渉過程の成果を強調して、新規参加国も遵守されるものである考えを示した。

 あわせてTPP交渉が米国主導で進められており、日本が交渉参加することにより米国偏向の流れに対極の対抗勢力(counter balance)になることを期待する(インタビュー)思惑も示している。

 (3)こうしたTPP交渉参加国の動き、考えからは、日本の関税聖域除外論の展開、主張にも一定の理解、期待、推進力の背景事情もはっきりと感じとれる好意的な環境ともいえる。
 米国との事前調整、情報交換も重要となってくるが、すでに自動車は米国の事情、意向(米国内自動車産業保護)で事前協議から除外することが合意されて、日本の輸出基幹産業の自動車産業には厳しい国際市場競争の環境となりそうだ。

 関税聖域除外項目として技術力、生産力、開発力、安全性の高い日本農業をこれ以上、政府の過保護の中に置くことは、本来国際競争力の高い日本農業の自力潜在能力、将来性を削(そ)ぐことになり規制緩和、自由化を進めるべきだ。

 (4)食糧自給率の国内水準確保を言われるが、経済グローバル化が進んであわせて日本人の主食、食糧品、し好品も変化して多様性が進んでいる。
 農業の自由化が意図的に経済効率性だけで国内市場、生産競争の危機が叫ばれているが、技術力、開発力、安全性、し好性も大きな選択要素であり、自由化を前提としても高い日本農業力の自助努力で食糧自給率の水準確保も不可能なことではない。

 (5)選ぶのは国民消費者であり、その消費志向に合った農業製品の自由で自主的な生産体制、ブランド化(brand style)で応えるべきだ。
 他の多くの産業、企業は経済グローバル化の競争原理の中で、一時の浮き沈みはあっても自助努力により世界マーケットを開拓、成長してきたのだ。

 (6)15日の安倍首相のTPP交渉参加表明にあたっては、国内産業、市場への影響度試算指数もあわせて示すと言われており、まずはその方針、説明からTPP交渉像も見えてくる。

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