いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

成年後見人制度の選挙権。the right to vote of majority guardian system

2013-03-15 19:41:26 | 日記
 (1)政治には「光」と「影」はつきものだが、人権を擁護する法律概念、法律適用で光と影があってはならない。人間は未成年であろうと成年であろうと、社会とかかわって生きていくために基本的に人権は保障されなければならないからだ。

 管理、責任能力が不十分な場合はそれを補佐して権利を同等に行使できるように法律上、制度上扶助するだけだ。憲法に保障された基本的人権の行使が、責任能力を水準同等に補佐、扶助された人には認めないことがあってはならない。

 (2)東京地裁は、成年後見人(majority guardian)が付いた人の選挙権(the right to v ote)を認めない公選法の同規定を違憲と判決した。
 成年後見人制度による認定者の一律の選挙権喪失問題は制度導入時から問題になっていた(報道)が棚上げされてきた。

 財産管理、商取引、契約行為などの技術的、熟練的能力と違って、人間が本来的に有する見て、聞いて、話して、考える、判断する機能は補佐、扶助が必要で「ある」、「なし」にかかわらずに人権、基本的権利として誰もが保障されなければならないものだ。

 (3)国民であれば生存権、基本的人権は等しく同等に保障されるものであり、政治への参画意思はその目的実現のための手段である。
 この個人的権利行使を一律に法律(公選法)で規制、排除することはできない。成年後見人制度(法律)に「影」があってはならずに、法律上障害者に「光」を当てる、等しく保障するものだからだ。

 選挙(投票)権も現行の20才から18才へと拡大、見直しも検討されており、外国ではより低年令化しているところもある。制限を緩和し広く人権を保障しようという基本的な傾向は見られる。

 (4)今回、公選法の成年後見人制度による一律の選挙権喪失を「違憲(unconstitutionality)」とした判決では「やむを得ない場合とは言えない」として、しかし「やむを得ない場合もある」と例外措置には含みを残した。

 本来、人間の権利、人権の個別的差別化を防ぐための成年後見人制度だから、同等水準の権利、人権保障のこの概念の中での例外措置とは何を指すのかむずかしい判断だ。

 (5)法律には選挙権のように年令で権利行使を制限されているものがあるが、本来その趣旨は客観性、論理性、実証性に欠けるものであり、技術的能力の必要なものでない限り人権は等しく保障されるのが基本だ。

 もちろん、成年後見人制度は善良な管理者のもとで趣旨に添って適正に運営されなければ意味も意義もない。

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