いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

張り子の虎経済。 economy like a papier-mache tiger

2013-03-30 19:57:40 | 日記
 (1)12年度が円安(1ドル95.05円)、株高(12,397円)で終わりを迎えた。安倍政権の大胆な金融経済政策への「期待相場(expectative the rate of exchange)」による前年度末同期比較から円安21%回復、株高23%回復の大幅回復で、それだけで大手銀行、生命保険では1~2兆円規模の含み益増収をもたらして(報道)、13年度にはいよいよ景気浮揚、企業益、賃上げなど実体経済への影響効果が試されることになる。

 いうなら、今の日本経済は張り子の虎(papier-mache tiger)状態でチョット見には威勢はいいが、中身はすべてこれからという実体のないものだ。
 輸出産業では円安効果で企業益増収効果も出てきているが、一方、国内経済にはパラドックス(paradox)として輸入ギャップ効果での輸入原材料の価格上昇で、4月から一斉の価格値上げを迎える。政府も特別措置法案までつくって、企業にモノを安く売らないことを奨励する。

 (2)経済原理に基づく市場動向ではあるが、安倍政権が目指す物価目標2%上昇に向けては予定どおりの好条件、環境、思惑どおりというところだ。
 長らくのデフレ・スパイラル不況に苦しめられてきた国民生活にとっては、賃上げ効果が即消費動向に簡単に結びつくとは考えにくい上に、企業益、賃上げ効果も業種間格差もあり貧富の2極化が進む近代経済原理構造の特徴、典型だ。

 安倍政権はここで規制緩和、貿易自由化(TPP,FTA)による市場開放改革による経済活性化を目指すが中小企業にとっては厳しい市場環境となり、14年4月からは消費税引き上げも控えて弱者救済政策が政治課題となる。

 (3)安倍政権の大胆な金融経済政策提言は一時期の不況克服への起爆剤としては必要で効果もあったが、安倍政権の目指すところは大企業中心の経済界と連携した古い強者の経済支配論であり、政治、政策につきものの「光」と「影」の2極化の強弱、対照(contrast)から目をそらしてはいられない。

 先進国ではかってのような経済成長(bubble economy)は見込めるはずもなく、安定不況経済構造の中での未来経済理論は弱者救済による付加価値効果だ。

 (4)生活保護世帯が急伸している現状から、安倍政権は保護費のカットなど見直しを進めているが、その政策方向性は必ずしも間違ってはいない。
 生活保護者にも保護費よりも仕事に従事して自力生活を回復すること(付加価値効果)が優先(priority)されることだからだ。

 「張り子の虎」経済が実体経済、国民生活を「支える」骨格、骨子までに成長できるのか、一斉値上げの4月から消費税引き上げの来年4月までの経済成長、あるいは忍耐度合いの推移が注目される。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする